続・東方幻仙郷   作:205海志

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アイを追いかけるため
博麗神社を飛び出した海志、初代、俺。
俺を含む3人はそれぞれの行動になってしまった。
…まあそれが新たな出会いとなったのだが。
今回は初代についてを話していくぜ。


竹林の或る兎

「おかしいな、僕今どこにいるんだろう。」

初代は困っていた。アイを追いかけるため、

博麗神社から飛び出したのだが、

いかんせん彼は方向音痴でな。

それで、俺らが知らないところに

迷いこんでしまったのだ。

途方に暮れていたそのとき、物音がした。

その音がした方に向かうと、

そこには白地に赤の入ったリボンが落ちていた。

しかも落ちていた場所の周辺を見回すと、

足跡があった。初代はその足跡が気になり、

それが続いている方向に足を運んだ。

 

しばらく歩いていると、いつの間にか初代は

竹林に迷いこんでいた。

そこは一度迷いこむと抜け出すのに手こずるくらい

方向感覚が狂ってしまうような竹林だった。

ただでさえ方向音痴な初代であることも相まって、

結局初代は竹林のど真ん中で

途方に暮れる羽目になってしまった。

そのとき、小柄な少女が現れた。

見たところ魔理沙より低く、

レミリアとほぼ同じくらいと言ったとこだろうか。

そして、頭に白くふわふわとした

ウサギの耳が生えていた少女だった。

初代は馴れ馴れしくその少女にこう言った。

「ねえねえ、ここから抜け出す方法を教えてくれない?」

その少女は流石に困惑した。

そのとき、初代の後ろに気配が。

初代はそのことに気づかず、

小柄な少女にベラベラ話していた。

すると、初代の背後から何かが当たった。

初代が失神してしまったのは

言うまでもない話だろう。

 

初代が目を覚ますと、そこは病室のような

部屋にいた。

「おや、目覚めましたか。」

何者かが初代に優しく言ってきた。

しかし初代以外の誰かはそこにはいなかった。

「まさか僕、捕まっちゃった…?」

初代はつぶやいた。それと同時に

誰かが部屋に入ってきた。

だが先ほど聞こえた何者かではなかった。

白くよれよれな感触がありそうな

ウサギの耳が生えていて、

霊夢よりひとまわり小さい少女だった。

「こんなとこにいたのね。さあ、行くわよ!」

その少女は半ばキレながら初代を外に連れ出した。

 

さて、外に出るとあたり一面竹林だった。

ところが、あのウサギの少女は

その竹林に迷うことがなかった。

どうやら彼女は竹林に長いこと過ごしているらしい。

初代は思った。このお嬢ちゃんは案内してるのかな?

と。同時に彼女の容姿に釘付けになっていた。

 

足元に届きそうなほど長い薄紫色の髪と、

今にも眩しく光りそうなくらい鮮やかな紅色をした瞳。

服装はと言うと、

青いスカートに白い長袖のブラウスを着ていて、

ブラウスはスカートから出し、

白いバンドをブラウスの上から

腰と二の腕に巻いている。

赤いネクタイを着けていて、そのネクタイには

ニンジンのアクセサリーがついた

ネクタイピンを留めている。

見たところ女子高生の

ツーピース制服のような衣装だった。

 

「何ジロジロ見てるのよ、前髪。」

その少女が言った。

「ま、前髪…?」

初代はキョトンとした。

初代は右目を隠すような感じで

前髪を伸ばしているが…。まさか初代自身の

チャームポイントがあだ名になるなんて。

これは流石に初代にとっては

思いもしなかったことだろう。

しかし初代はその直後、

こんな質問をした。

「ねえねえ、ここっていったいどこなの?

 あと、何で僕はさっきあの館にいたの?」

もはやあだ名のことなんか

どうでもいいような感情だった。

少女は一瞬絶句した。そしてこう言った。

「ここは竹林よ。でも、1度入ると最後

 抜け出すのに苦労するから

 迷いの竹林って呼ばれてるけど。」

また、なぜ初代が先ほどの館の中に

いたのかについても話した。

どうやら彼女本人が初代を失神させてしまったらしく、

やむを得ずあの館に運んできたと言う。

「そうだったんだ…。」

初代はつぶやいた。同時に呑気に笑い出した。

「笑い事じゃないわよ!だいたいなんなのあなた?!」

少女は半ばキツく初代に言った。

初代は驚き、こう言った。

「ゴ、ゴメン…。ところでさ、君は誰なの?」

少女は驚いた。初代は続けてこう言った。

「僕新丸。よろしくね!」

その少女は地味に困惑した。

そりゃ彼は意外とグイグイ来るからな…。

だが、彼女はそう思いながらも、こう言った。

「私は鈴仙・優曇華院・イナバ。」

初代は一瞬ポカーンとなった。

まさかこんなに長い名前だったとは…。

しかし、彼が気を取り直すやいなや

優曇華に対してこう言った。

「じゃあ…、“うどんちゃん”って呼ぶね!!」

改めて記しておくが、初代は

なんでもかんでもちゃん付けする癖がある。

優曇華が絶句してしまったのは

言うまでもない話だろう。

そして、

「なんか変な人と絡んじゃったんだけど…。」

とぼやいた。

…まあ、こんな感じで優曇華と初代は

竹林の中を歩いて行くのだった。

 

そんな中、彼女らの後を追いかける

1人の人物がいた。

「鈴仙ちゃんのヤツ、彼氏でも出来たのか?」

その人はそうつぶやいた。




次回、新丸が拾ったリボンが
この話の最後に登場した人物のカギになります。
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