暁と青空のアーカイブ   作:アキ1113

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 約1カ月ぶりの更新となってしまい、申し訳ありません。

 間が空いてしまいましたが、今回は前回の続きからで、対策委員会と便利屋の戦いを書いていきます。

 それでは、どうぞご覧ください。


第7話 暁と襲撃

 

 

 「……」

 

 「?先生、どうかしたの?」

 

 紫関ラーメンから戻ってきた一同は教室へと入ったが、先ほどから黙り込んでいる明錬を見て、ホシノがそう声を掛ける。

 

 「!いや、少し考え事をね………それと、みんなに伝えておきたいことがあるんだけど、いいかな?」

 

 『?』

 

 明錬は5人の方を向き、真剣な表情でそう言った。そんな明錬の言葉に、対策委員会の5人は耳を傾けようとした………その時、

 

 「っ!?校舎より南15km地点付近で大規模な兵力を確認!」

 

 「まさか、ヘルメット団?」

 

 「いや、あれはヘルメット団じゃないよ」

 

 「えっ?」

 

 何故か確信を持ったように言う明錬に、セリカがそう声を上げる。 

 

 「!先生の言う通り、ヘルメット団ではありません!」

 

 「なら、一体誰が……」

 

 そして……

 

 「あれは……傭兵です!」

 

 「傭兵……?」

 

 「はい、おそらくは日雇いかと……」

 

 それが傭兵だと判明し、シロコは疑問の声を上げる。

 

 「傭兵かぁ……結構高いはずなんだけどな~」

 

 「これ以上、接近されるのは危険です!先生!」

 

 「……よし、行こうか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 明錬と対策委員会は戦闘の用意を済ませてから校門の外へと出て、傭兵たちを待ち構える。そして……

 

 『前方に傭兵を率いている集団を確認!』

 

 「!あれは……ラーメン屋さんの……?」

 

 「っ!?」

 

 そこにはアルと、その後ろに他の便利屋の3人と傭兵たちがいたのだ。

 

 「誰かと思えばあんたたちだったのね!!ラーメンも無料で人数分大盛りにしてあげたのに、この恩知らず!!」

 

 セリカがラーメンを人数分にしたのと、それを大盛りにしたことを仇で返されたことに怒るが……

 

 「その件はありがとねー。けど、それはそれ、これはこれ。こっちも仕事でさ」

 

 「公私はハッキリ区別しないと。受けた仕事はキッチリこなす」

 

 ムツキとカヨコは、そう返しながら銃を構える。

 

 「もしかして、先生がさっき言おうとしてたことって……」

 

 「ホシノの想定通りだよ」

 

 「なるほどねー」

 

 明錬のその言葉に、ホシノは納得したように声を上げる。

 

 「紫関で言ってた仕事って言うのが、便利屋だったんだ」

 

 「えぇ、これが私たちの仕事よ」

 

 「もう!学生なら、他にもっと健全なアルバイトがあるでしょう?それなのに便利屋だなんて!」

 

 「!これはアルバイトじゃないわ!れっきとしたビジネスよ?肩書だってちゃんとあるんだから」

 

 「肩書……?」

 

 ノノミの発言をアルは否定したものの……

 

 「私は社長!あっちが室長で、そっちが課長……」

 

 「はぁ……社長。ここでそういう風に言っちゃうと、余計薄っぺらさが際立つ……」

 

 カヨコにも、そう呆れられてしまう。すると……

 

 「!あなたは……」

 

 「先生……?」

 

 「君がこの傭兵たちの雇い主ってことでいい?」

 

 「!えぇ、そうよ」

 

 「誰に依頼されたのか、教えてくれる気はない?」

 

 明錬は一歩前へと出て、アビドスを狙う黒幕の情報を探るために、アルと話をし始めたのだ。

 

 「あれ?ヘイローがない……?」

 

 「てことは、あれが噂の……」

 

 そんなアルの後ろで、ムツキとカヨコが目の前に出てきた大人……明錬がシャーレの先生であることを察する。

 

 「ふふふ……答えは分かっているんじゃない?」

 

 「……それもそうか」

 

 「それに、あなたは下がっていた方がいいと思うのだけれど?」

 

 ヘイローの無い明錬を見て、根の優しいアルはそう言ったが……

 

 「問題ないよ。こう見えても、ある程度は戦えるから」

 

 それに対し、明錬はロングコートの内側からケミーカードを取り出す。

 

 「……え?」

 

 「何、あれ……?」

 

 明錬のドライバーやケミーカードを初めて見る面々は、戸惑いの声を上げる……そして、

 

 「HOPPER1!」

 

 「STEAMLINER!」

 

 「……変身!」

 

 「ガッチャーンコ!」

 

 「スチームホッパー!」

 

 『!?』

 

 変身した明錬の姿を見た便利屋や傭兵たちは、大小はあれど動揺を隠せずにいた。

 

 「……」

 

 そんな中、アルは動揺することなく明錬を見据えている………ように見えているが……

 

 (な……な……な………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 何なのあれーーー!!!???) 

 

 実は内心動揺しまくっており、固まっているだけだったのだ………そして……

 

 「っ………攻撃開始よ!」

 

 「みんな……行くよ」

 

 『はい!』 

 

 アルと明錬がほぼ同時に出した合図と共に、戦いの火蓋が切って落とされるのだった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 「撃て撃て!」

 

 戦闘が始まるのと同時に、傭兵たちが前へと出てきて一斉に銃撃を浴びせてくる。

 

 「!みんな散って!」  

 

 『!』

 

 明錬は全員を散開させた後、自身は正面で傭兵たちの撃ってくる弾丸を防ぎながら注目を集め、攻撃がなるべく対策委員会の方へと向かないようにしていた。

 

 「な、何だあれ……!?」

 

 「多分あいつが一番ヤバいぞ!」

 

 「先に仕留めるんだ!」

 

 明錬の錬金術を見た傭兵たちは、明錬へと攻撃を集中させる………明錬の作戦としては、自身が攻撃を引きつけている間に他の面々が背後を取り、一気に戦いを終わらせるというものだ。戦いの前に変身するところを見せたことで、一番危険な存在だと思わせることに成功したようで、狙い通りに攻撃を集中させていた。 

 

 「いっくよー!」

 

 「!」

 

 すると、ムツキが明錬に向けて何かが入った鞄を投げようとしていた。

 

 「!させません!」

 

 それを見たノノミが、物陰から出て鞄を投げようとするムツキを撃とうとするが……

 

 「それはこっちのセリフ……!」 

 

 「!?」

 

 カヨコがノノミのミニガンに蹴りを入れ、ハンドガンを撃ち距離を開けさせることで防いだのだ。そして……

 

 「!」 

 

 明錬のところに、ムツキの鞄が投げられる。それを見た明錬は、鞄をガッチャージガンで素早く数発撃った。すると……

 

 「!やっぱり……」

 

 「あらら……」  

 

 その鞄には爆弾が入っていたようで、空中で爆発を起こしたのだ。

 

 「!」

 

 「先生!」

 

 それを見たシロコとセリカが、傭兵たちの数を減らそうと攻撃を仕掛けるが……

 

 「はああああ!!」

 

 「「っ!?」」

 

 ハルカがショットガンを撃ちながら、二人に突撃してきたのだ。

 

 「ちょ……!?」

 

 「ん……!」

 

 二人は反撃するも、怯むことなく向かってくるハルカに驚き、一瞬動きが固まり回避が遅れてしまう。さらに……

 

 「「っ!」」

 

 そんな二人の横を、何処からか撃たれた銃弾が通り過ぎていく。その弾を撃ったのは…… 

 

 「!……次は当てるわよ」 

 

 狙撃銃を持ったアルで、そう言いながら再び二人へと狙いを定めていた。

 

 「シロコ先輩!ここから一旦離れてみんなと―――」

 

 セリカはこの場から離れて、他の面々と合流しようとするが……

 

 「!セリカ!」

 

 「っ!?」

 

 足元にハルカが仕掛けたであろう爆弾があり、それが連鎖的に爆発を起こす。

 

 『セリカちゃん!シロコ先輩!』

 

 アヤネはセリカとシロコの身を案じ、心配そうにするが……

 

 「いや~、危ない危ない……」

 

 「「!ホシノ先輩……」」

 

 「二人とも、けがはない?」

 

 ホシノが助けに入ることで、その爆発から二人を守ったのだ。

 

 『皆さん!そこから退避してください!』

 

 アヤネのその言葉に従い、4人はその場から退避して再び物陰へと隠れる。

 

 『先生も―――』

 

 「いや、僕はこのまま引きつけておくよ」

 

 『!?』  

 

 『!ですが、いくら先生でも「その代わり、みんなに頼みたいことがある」えっ?』

 

 「頼みたいこと……?」

 

 「うん、それは―――」 

 

 

 

 

 

 

 

 明錬が作戦を5人に話している一方で………

 

 「このまま攻め続ければ……」

 

 アルは傭兵たちに指示を出し、攻撃を続けさせていた。

 

 「……おかしい」

 

 「え?何が?」

 

 「あれから他の連中を見ていない……」

 

 「!そういえば……」

 

 カヨコは先ほどから対策委員会に動きがないことに違和感を覚え、辺りを見回した。すると……

 

 「おりゃーー!!」

 

 突然、明錬の後ろから、ホシノが盾を構えながら突っ込んできたのだ。

 

 「な、何だ……?」

 

 「やけになったのか……?」

 

 それを見て、傭兵たちは不思議がっていたが……

 

 「止まってください!」

 

 ハルカはショットガンをホシノに向けて撃つ。

 

 「っ!」

 

 「あっ!?」

 

 それはホシノの盾で防がれ、加えて腹にホシノのショットガンの銃撃を食らってしまう。

 

 「ハルカちゃん!」

 

 ムツキがすぐさまハルカのフォローに回ろうとするも……

 

 「行きますよーー!!」

 

 「っ!?」 

 

 それをノノミやセリカが防ぎ、一対一を崩させないようにしたのだ。

 

 「アビドスの連中、急に動きが―――」 

 

 そして……

 

 「!まさか……!社長!気を付けて!」

 

 「え?」

 

 カヨコがアルにそう声を掛けると同時に……

 

 「っ!」

 

 「!?」

 

 (ええええええ!?)

 

 シロコがアルの側面から奇襲を仕掛けてきたのだ。

 

 「アルちゃん!」

 

 「アル様!」

 

 「っ……私たちは便利屋68!どんな依頼でも成功させてみせる!観念して学校を渡しなさい!!」

 

 アルはすぐさまシロコを狙い撃つも……

 

 「!」

 

 「っ!?」

 

 ギリギリでそれを避けられ……

 

 「それは……できない!」

 

 そのまま急接近されてしまう。そして…… 

 

 「「……!」」

 

 辺りに二発の銃声が鳴り響く……。

 

 『……』

 

 そして辺りは静寂に包まれ、全員がアルとシロコの方に注目していた。

 

 「「……」」

 

 当の二人は銃口を向けたまま動きを止め、互いに警戒し合っていた……。

 

 「……まだやる?」

 

 「っ!望むところ―――」

 

 銃口を逸らし、シロコから距離を取ろうとしたアルであったが……

 

 「いや、これでチェックメイトだよ」

 

 『!?』

 

 「っ!?」

 

 先ほどまで傭兵たちを引きつけていた明錬が、いつの間にかアルの背後を取ってガッチャージガンを向けていた。

 

 「な、何でここに……?」

 

 「囮の必要もなくなったしね。全員無力化してこっちに来たんだ」

 

 「え?全員って―――なっ!?

 

 アルがさっきまで明錬がいた方に目を向けると、そこには既に明錬に倒され………というよりも眠らされ、無力化された傭兵たちのいる光景が飛び込んできたのだ。

 

 「な、何が……」

 

 実は……

 

 

 

 

 

 

 

 

 明錬は作戦を伝えた後も、二丁のガッチャージガンで傭兵たちに応戦していた。

 

 『……頃合いかな』

 

 だが、シロコがアルに奇襲を仕掛けたところで……

 

 「ジャングルジャン!」

 

 「ネミネムーン!」

 

 明錬はそれぞれのガッチャージガンにジャングルジャンとネミネムーンのケミーカードをセットする。

 

 「「ガッチャージバスター!」」

 

 『っ!』

 

 そして、右手のガッチャージガンを正面に、その次に左手のガッチャージガンを上に向けて放つ。すると……

 

 『こ、これは……!?』

 

 『う、動けない……!』

 

 ジャングルジャンをセットした方からはツタが撃ち出され、傭兵たちを一人残らず動けなくしていく。さらに、ネミネムーンをセットした方からは、月の光のようなものが真上に撃ち出され……

 

 『あれ……急に眠―――』

 

 『ちょ、どうし……た―――』

 

 次々と傭兵たちは眠りについていく……。

 

 『……よし』

 

 こうして対峙していた傭兵たちを無力化させ、シロコとアルが対峙している場所へと向かってきたのだった……。

 

 

 

 

 

 

 

 「っ……」

 

 (まずい、このままじゃ……)

 

 アルは何とかしてこの状況を好転させようとしていたが……

 

 (キーンコーンカーンコーン)

 

 策を考えているうちに、辺りにチャイムの音が鳴り響く。

 

 「……あ、定時だ」

 

 『……?』

 

 「今日の日当だとここまでだね。あとは自分たちで何とかしてね」

 

 「みんな、帰るよ」

 

 すると、日雇いの傭兵たちは、次々とこの場を後にして帰り始めていたのだ。

 

 「は、はぁ!?ちょ、ちょっと待ちなさいよ!!」

 

 アルは引き止めようとするが……

 

 「う、うーん……」

 

 「あれ……私たち何して……」

 

 「……って!もう時間じゃん!」

 

 「終わってるみたいだけど……」

 

 「え?じゃあ……帰りにそば屋でも寄ってく?」

 

 「いいね!」

 

 「ど、どういうことよ!?ちょっと!帰っちゃダメ!!」

 

 明錬に眠らされていた傭兵たちも目を覚まし、そのまま全員帰ってしまったのだ……。

 

 「……」

 

 「こりゃヤバいね?まさかこの時間決着がつかないなんて……」

 

 「それにあの先生、想像以上だった……」

 

 「アルちゃん?どうする?逃げる?」

 

 「あ……うぅ………」

 

 「……」

 

 そんな様子を見た明錬は……

 

 「……どうする?君たちだけでもまだ続けるか、それともこのまま退くか」

 

 「!」

 

 「僕としては、このまま退いてくれるとありがたいんだけど………それにこんな状況だし、ね?」

 

 それを聞いたアルは……

 

 「こ、これで終わったとは思わないことね!アビドス!!」

 

 「あはは!アルちゃん、完全に三流悪役のセリフだよそれ」

 

 「う、うるさい!ここは逃げ………じゃなくて、退却するわよ!」

 

 そう言って、すぐさま撤退していったのだ。

 

 「!待っ………あ、行っちゃいましたね」

 

 「うへ~、逃げ足早いね、あの子たち」

 

 『……詳しいことは分かりませんが、敵勢力の退勤……いえ、退却を確認』

 

 「本当は情報を引き出せれば良かったけど………とにかく、みんなお疲れ様」

 

 こうして便利屋との戦いは、傭兵の定時退勤という何とも意外な結末で終わったのだった……。

 

 

 

 

 

 

 

 




 読んでくださりありがとうございます。

 久し振りの投稿になりましたが、いかかでしたでしょうか?

 良ければ、感想や評価、あれば「ここすき」への投票をしていただけるとありがたいです。

 それでは、次回の話もよろしくお願いいたします。
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