今回は、前回の襲撃後の話となっています。
それでは、どうぞご覧ください。
便利屋68との戦闘の翌日……
「あっ!先生、おはようございます」
「!おはよう、アヤネ」
アビドスの住宅街でいつものように見回りをしていた明錬は、偶然アヤネに出会った。
「先生は、いつもこの辺りを?」
「そうだよ。アヤネは……こんな朝早くからどうしたの?」
「今日は借金の利息を返済する日でして……だから早めに登校して返済の準備もしないとですし、今後の計画も見直す必要がありますので……」
それを訊いた明錬は……
「なるほどね……じゃあ、僕も手伝うよ」
すぐさまそう返したのだ。
「えっ?でもまだ――」
「大丈夫、ちょうど終わるところだったから。それに2人でやった方がいいでしょ?」
「ありがとうございます……あ、そういえば」
「?」
「昨日の方々の情報が見つかりました」
「確か……便利屋68?」
「はい、後ほど詳細の確認をお願いできますか?」
そんなやり取りをしていると……
「もちろん。制服からしてゲヘナの「あっ、先生じゃん!おっはよー!」!」
「え!?」
偶然出会ったムツキがそう言い、明錬の左腕に抱きついてきたのだ。
「!確か、昨日の……」
「どもどもー!こんなところで会うなんて、偶然だねー?」
「あぁ、うん偶然………それで、何で僕の腕に……?」
「まぁまぁ、細かいことは気にしない気にしない♪」
そんな様子を見て……
「な、何してるんですか!?」
「え?」
「『え?』じゃありません!離れてください!」
アヤネはそう言い、ムツキを何とか明錬から引き離した。
「あれ?誰かと思えば、アビドスのメガネっ娘ちゃんじゃーん?おっはよー!昨日ラーメン屋で会ったよね?」
「その後も学校の襲撃でお会いしました!それにどういうことですか?いきなり馴れ馴れしく……あと、メガネっ娘じゃなくて、アヤネです!」
アヤネはそう言い、明錬をムツキから庇うように立った。
「ん?だって私たち、別にメガネっ娘ちゃんたちが嫌いなわけじゃないよ?ただ、部活で請け負ってる仕事の時以外は、別に仲良くしてもいいと思うけど?」
「い、今さら公私を区別しようということですか!?」
「それに『シャーレ』の先生は、あんたたちアビドスだけのモンじゃないでしょ?だよね、先生?」
ムツキはそう言いながら、明錬の方を向いた。シャーレの先生という立場は、通常の先生という存在とは違い、一つの学校だけの先生というわけではないため、ムツキの言うことは正しいと言える。
「何かあったら力にはなるけど……とりあえず、喧嘩せずに仲良くしてくれた方がいいかな」
「だそうだよ?」
「……先生がそうおしゃるなら」
アヤネは渋々そう言ったのだが……
「でも喧嘩しないっていうのは無理かなー。こっちも仕事だし、アルちゃんのモチベが高くてさ。てきとうにやったら怒られちゃうから……ま、いつかうちの便利屋に遊びにおいでよ、先生。アルちゃんもみんなも、きっと喜ぶからさ」
「分かった。その時はよろしく頼むよ」
「じゃあ二人共、まったね~!」
ムツキは二人から離れ、何処かへと去っていった。
「……な、何だったんでしょうか……?」
そんなムツキを見送った後、明錬とアヤネはアビドス高校へと向かうのだった……。
「アヤネちゃんおはよ……あれ?何かご機嫌ななめ……?」
教室へと入ってきたセリカや他の3人は、アヤネの様子を見て首を傾げる。
「あー……それは……」
明錬は4人に、ここに来る前あった出来事を話した。
「えっ!?便利屋の子に会った!?」
「今朝アヤネと会ったときに偶然ね」
「また、襲撃してくるかもしれないですね……」
「あってほしくはないけど……まぁ、また追い返すしかないねー」
そんな話をしてから少しした後、明錬たちは全員で校門のところにいた。そこには……
「……お待たせしました。変動金利等を諸々適用し、利息は788万3250円ですね。全て現金でお支払いいただきました、以上となります」
利息を現金で回収しに来たロボットと、それを乗せる輸送車があった。
「カイザーローンとお取引していただき、毎度ありがとうございます。来月もよろしくお願いいたします」
そう言い現金を無事回収したロボットは、輸送車へと乗り込み去っていった。
「はぁ……今月も何とか乗り切ったね」
「……あとどのくらいで完済できそうなの?」
「えっと……309年返済なので、今までの分を入れると……」
「言わなくていいから!……正確な数字を聞いたら、またストレス溜まりそう……どうせ死ぬまで完済できないんだし、計算するだけ無駄よ……」
「セリカちゃん……」
セリカがそんな愚痴をこぼしていると……
「ところでカイザーローンは、何故現金での返済しか受け付けないのでしょうか?」
ノノミがそんな疑問を言ったのだ。
「確かに……わざわざ現金輸送車まで用意しているし」
「……」
「シロコ先輩、あれを襲うのはなしだよ」
「……ん、分かってる」
「何か怪しい間がなかった!?」
セリカは輸送車を見るシロコに、そう釘を刺した。
「ちなみに計画もダメだからね」
「うん……」
明錬もシロコに向かってそう言ったが……
「でも、調べるくらいはしておこうか」
『?』
全員が疑問府を浮かべる中、明錬はあるケミーカードを取り出す。そして……
「頼んだよ」
『サスケマル!』
忍者のケミーであるサスケマルに、輸送車の後を追わせたのだ。何か分かったことがあれば、明錬に直接報告してくれることになっている。そんなサスケマルを見送った後……
「まぁとりあえずは、目の前の問題を解決するのが先だね」
ホシノがそう言うのに従い、全員が教室へと戻っていくのだった……。
「皆さん揃ったようなので、2つの事案についてお話しします」
全員がいるのを確認したアヤネは、自身と明錬が調べて分かった情報を話していく。
「まずは昨日の襲撃の件から……私たちの学校を襲ったのは、便利屋68という部活です。ゲヘナの生徒なのですが、かなり危険で素行の悪い生徒たちとして知られています」
アヤネの持つ端末には、便利屋68の写真が全員分映し出されていた。
「便利屋は依頼されたことなら何でもこなすサービス業者で、リーダーは陸八魔アルさん。自らを社長と称しています。そして他にも、室長の浅黄ムツキさん、課長の鬼方カヨコさん、平社員の伊草ハルカさんがいるとのことです」
「へぇ~、本格的だね~?」
「社長さんだったんですね☆凄いです!」
アルたちが起業していることに関心するホシノとノノミだったが……
「ゲヘナ学園って、起業が許可されてるの?」
「いや、昨日調べたけどそんなのはなかったよ。肩書とかもあくまで自称だから、多分勝手に起業したんだと思う……あくまで予想に過ぎないけど」
事前に色々と調べていた明錬が、シロコの疑問に答える。
「あら……校則違反、ということなんでしょうか?そんなに悪い子たちには見えなかったのですが……」
「次襲ってきたら、捕まえて訊いてみる?」
「はい、是非」
「あ、アヤネちゃん……?」
「では、便利屋の話はここまでにして………続いて、セリカちゃんを誘拐したヘルメット団についてです」
便利屋の話を切り上げ、アヤネは次の話に移る。
「先生やホシノ先輩たちの戦闘で手に入れた兵器の破片を分析した結果、現在では取引されていない品番であることが分かりました」
「それって……もう生産していないってこと?」
「そんなものをどうやって……?」
「……ブラックマーケット」
『!』
明錬がそう呟くと、全員が一斉に明錬の方を向いた。
「中退、退学、停学……様々な理由で学園を追われた生徒たちが集団を形成して活動。連邦生徒会も認可していない非公認の部活が多く活動している………で、合ってるよね?」
「は、はい……そうですが……」
「先生、よく知ってるね?」
シロコは、キヴォトスの外から来たはずの明錬がブラックマーケットについて知っていることに疑問を覚え、そう訊いてみた。
「キヴォトスに来てからすぐの時に調べたからね。
それに、一度行ったことあるし」
『!?』
明錬のその発言に、明錬以外の全員が驚きの声を上げた。
「だ、大丈夫だったの!?」
セリカはそう訊いたのだが……
「?何が?」
明錬は首を傾げてそう返した。
「何がって……」
「先生は、そもそも何をしに……?」
アヤネがそう訊くと……
「危険な場所だから、実際に調べておく必要があると思ってね………あとでユウカに凄い怒られたけど」
『……?』
明錬は何故か、遠い目をしながらそう言った。
「思ったんだけど、先生って……」
「命知らずというか、何というか……」
「……とにかく、そこを調べるのが一番の近道そうですね」
「それに、便利屋68もブラックマーケットで何度か騒ぎを起こしていると聞きました」
「よし、それじゃあ出発しようかー」
こうして明錬と対策委員会は、ブラックマーケットへと出発することになるのだった……。
ここまで読んでくださりありがとうございます。次回はいよいよあの生徒が登場します。
話は逸れますが、私も先日、ガッチャードのVシネクストを観てきました。この小説でも、それに準ずる話も書きたいと考えておりますので、どうぞお楽しみに……(大分先になるとは思いますが……)。
それでは、次回の話もよろしくお願いします。