この話と次回の話で、第0章のプロローグの部分の話は終わりとなります。
それでは、どうぞご覧ください。
明錬が外へと出ると、既にリンたちが車の前にいて、出発の準備が終わろうとしていたところだった。
「あっ、先生!」
「さぁ、こちらに乗ってください」
そして、リンが明錬に用意した車に乗るように促すが……
「申し出はありがたいけど……僕はこっちで行くよ。色々試しておきたいしね」
明錬はそう言って、一枚のケミーカードを取り出す。
『……?』
「先生、それは……?」
「カード……?」
すると、カードの中から……
「頼んだよ」
『ダーッシュ!』
『!?』
バイクのケミーであるゴルドダッシュが飛び出してきたのだ。
「なっ……!?」
「えぇ!?」
急にカードから出てきたゴルドダッシュを見て、明錬以外の5人は目を見開いて驚いていた。
「あ、明錬先生……そ、それは……?」
「バイク……?」
「で、でも今喋って……!」
「ん?……そういえば言ってなかったか……」
明錬はそう言いながら、頭にヘルメットを被り……
「話はまた今度で。今はシャーレに急ぐよ」
「は、はい……」
「わ、分かりました……」
「リン、先導は任せるよ」
「!…了解です」
リンが運転する車の後ろからついて行き、シャーレのある場所へと向かっていく………そして、その場所の近くへと到着したのだが……
そこには火の手が所々に上がり、爆発音がどこからともなく響きわたる……さらには銃弾や砲弾が飛び交い、それによって街が破壊されてしまっている………まさに混沌とした光景が広がっていた……。
「な、何よこれ!?街がメチャクチャじゃない!」
「これは……」
(あっちとそんなに変わらないな………
明錬はその光景を目にし、元の場所で戦っていた時のことを思い出す………すると……
「……?明錬先生、意外と冷静ですね?」
隣にいたユウカが、明錬にそう声を掛ける
「?冷静って?」
「いえ……私の勝手な想像でしたけど、もっと驚かれるかと……」
「言われてみれば……」
その言葉に、ハスミ・チナツ・スズミも明錬の方を向く。
「多分だけど……慣れ…かな」
『……?』
そんなやり取りをしていると……
「いっ、痛っ!!痛いってば!!」
「ユウカ!?」
銃弾が飛んできて、それがユウカへと当たる………それを見て、明錬はすぐさま駆け寄ろうとするが……
「あいつら違法JHP弾を使ってるじゃない!?」
「伏せてください、ユウカ。それに、ホローポイント弾は違法指定されてはいません」
「うちの学校ではこれから違法になるの!傷跡が残るでしょ!」
「……」
ユウカには目立った傷はなく、むしろ銃弾の種類に対して文句を言っていたのだ。すると……
「?先生……?」
「さっきの……」
「え?」
「本当に、大丈夫なの……?何処か怪我していたりは……」
明錬はどこか心配そうな声色で、ユウカにそう尋ねる。
「!そういえば言っていませんでしたね……私たちにはヘイローがありますから、このくらいで致命傷になることはないんです」
「痛いものは、痛いんですけどね……」
「そ、そう……とにかく、怪我がなくて良かったよ………」
その言葉に明錬は驚きつつも、ユウカに怪我一つなかったことに安心する。
「ご心配には及びません……って、むしろ心配すべきは先生の方ですよ?」
「……?」
「そうですね……先生を守ることが最優先。あの建物の奪還はその次です」
「ハスミさんの言う通りです。先生はキヴォトスではないところから来た方ですので……銃弾一つであっても、生命の危険にさらされる可能性があります。その点、ご注意を!」
ユウカに続いて、ハスミ、チナツもそう言い、明錬を安全な場所へと移そうとする………その時、
「とにかく先生は、戦闘が終わるまでは安全な場所に―――っ!?」
何処からか流れ弾が、明錬の方へ向かって飛んできたのだ。それに気付いたユウカは、明錬を守ろうと駆け出そうとした………が、
「先生!伏せ―――えっ?」
その前に、明錬は飛んできたいくつもの流れ弾を、目の前に六角形の半透明の壁を作ることによって防いでいたのだ。
『……!?』
「よし……ここでもちゃんと使えるな……」
「な、何が……?」
「先生!お怪我は?」
「うん、大丈夫だよ」
「い、一体何者なんですか、先生は……」
明錬に怪我がないことに、4人とも一安心するが、同時に先ほど見せた錬金術に驚いている様子でいた。そんな4人を余所に、明錬は……
「これから僕が不良たちを制圧しに行くから、みんなはその支援をお願い」
そう言いながら腰にドライバーを付け、2枚のケミーカードを取り出した。
「!また……!」
「というか、腰のそれは……?」
『ホッパー!』
『スチーム!』
「……行くよ」
「HOPPER1!」
「STEAMLINER!」
「バッタと……蒸気機関車……?」
明錬は腰のドライバーにカードをセットし、右手を顔の左側へと動かした後、両手を右腰の横に持っていき、それを三角形を形作るようにして前へと突き出した。そして……
「……変身!」
「ガッチャーンコ!」
「スチームホッパー!」
仮面ライダーガッチャードデイブレイク、スチームホッパーへと変身を遂げたのだ。
「え……ええええええええ!?」
「姿が……!」
「「!?」」
その姿に、目の前で見ていた4人は驚きを隠せずにいた。
「じゃあ、みんな頼んだよ」
「ちょ、先生!?」
そう言って明錬は、暴れている生徒たちを制圧するために一人で飛び出していき……
「っ!私たちも行きましょう!」
すぐさま4人も、そんな明錬を追いかけていくのだった……。
「ん?あれは……?」
「一人、なのか……?」
「構わない!撃て!」
シャーレの部室のある建物の近くで暴れている不良たちは、自分たちの方へと向かってくる明錬を見て、すぐさま発砲した………だが、
「なっ!?」
「防がれてるのか!?」
さっきも流れ弾を防いだ壁で防御しつつ、スチームホッパーの跳躍力とスピードで翻弄していく。
「くそっ!」
「あ、当たらない……!」
そして、明錬がタイミングを見計らって地面に手を置くと……
「っ!」
「うわっ!?」
「?どうし……なっ!?」
急に不良たちが立っている所が急に液体のようになり、足をとられて動けなくなってしまう。さらに……
「な、何なんだこれ!?」
「へ、蛇!?」
「いや触手だろ!?」
周りに落ちていた鉄骨などの瓦礫に触れると、それらは蛇のように動き始め……
「あっ!」
「銃が……!」
「ぐっ!?」
「体が……!」
「何なんだよ……こいつ……!」
暴れていた少女たちを次々と一ヶ所に拘束し、銃も取って制圧していく。
「制圧は成功……かな」
明錬はそう呟きながら、銃も一ヶ所に集めていた。すると……
「先生!!お怪我は?」
「うん、この通り無事だよ」
ユウカたちが明錬のもとに追いついてきたのだ。
「よ、良かったぁーー………もう!いきなり飛び出していかないでください!無事だから良かったですけど、先生の身に何かあったらどうするんですか!?」
「!ご、ごめん……でも、この姿ならある程度は大丈夫だし、ここは僕が一番に行くべきじゃ「先生の安全が最優先です!いいですね?」……分かった」
ユウカと明錬がそんなやり取りをしている間、拘束されている不良たちを見たハスミとチナツは……
「本当に、先生一人でこの数を……」
「はい……それも無傷でとは……」
驚いたようにそう口にした。そして……
「さて、早く先を急ごう」
『はい!』
全員で先へと進んでいくのだった……。
「ユウカ!防御!」
「はい!」
「ハスミ!今!」
「っ!」
シャーレのある建物に近づくにつれて不良たちの数も多くなるが……
「スズミ!左にまだいるよ!」
「了解!」
「チナツ、ユウカに回復を!」
「はい!」
「よし……フッ!」
「わぁ!?」
「っ!?離せ!」
明錬の錬金術と指揮……その指揮に応じて動く4人によって、次々と不良たちの制圧に成功していく。
「なんだか、戦闘がいつもよりやりやすかった気が……」
「!やっぱりそうよね?」
「先生の指揮のおかげで、普段よりも格段に戦いやすかったです」
「それに、自身も戦闘しながらの指揮に……見たことのない力……」
「これが……先生の力……連邦生徒会長が選んだ方だから、当たり前だとは思うけど………まさか、ここまで想像を超えてくるとはね……」
周辺の制圧がほぼ終わった後、明錬の指揮や錬金術を使った戦いぶりを見た4人は、そんな感想を口にしていた………すると、そこに……
『聞こえますか、皆さん』
リンからの通信が入ってくる。
「リン、どうしたの?」
『今、この騒ぎを起こした生徒の正体が判明しました』
『!?』
どうやら、今回の騒ぎの主犯が分かったようだ。
『ワカモ……百鬼夜行連合学院で停学になった後、矯正局を脱獄した生徒です。似たような前科がいくつもある危険な人物なので、気を付けてください』
「分かった、ありがとう」
『いえ……では、くれぐれも無茶はなさらないように―――』
そう言って、リンは通信を切った………その直後、
「っ!先生、あれを……!」
「……!」
ハスミが何かを見つけたように叫んだのだ。それを聞いて、明錬たちもハスミが向いている方を向く。
「騒動の中心人物です!」
『……!?』
「あれが……」
そこには、狐の面をつけた着物のような服装をした少女………狐坂ワカモが立ちはだかっていたのだ。
「連邦生徒会の子犬たちが現れましたか……お可愛らしいこと」
ワカモはそう言うと、明錬を狙って発砲を行う。
「っ!」
それを明錬は難無く錬金術で防いでいく。
「先生!?」
「仕方ない……フッ!」
その後、ワカモに向かって飛び上がっていき……
「っ!」
自身の左手を錬金術で強化しながら攻撃を仕掛けていくが、ワカモはそれを銃の先の短剣で防ぐ。
「!……中々、面白いことをしますわね?」
「っ!」
そう言ってワカモは後ろへと下がりながら、明錬に向かって銃弾を何発か放つ。
「フッ!」
それを明錬は、全てを錬金術によって防いだのだ。それを見て、ワカモは……
「っ……もう少し遊んでおきたかったのですけど……後はお任せします」
そう言って、その場からどこかへと逃げていく。
「っ!逃げられるじゃない!追うわよ!」
ユウカは、逃げるワカモを追いかけようとするが……
「!駄目だ」
明錬が手で制してそれを止める。
「えっ?何でですか?ここで逃がせば――」
「冷静になって。そもそも僕たちの目的は?」
「……!」
冷静になって考えたユウカは、明錬の言いたいことに気付く。
「先生の言う通りです。私たちの目的はシャーレの奪還。このまま前進すべきです」
「……確かに、そうですね」
「はい、このまま建物の奪還を最優先に進みましょう」
ハスミの指示通りに、明錬たちは進み続け……
「よし、シャーレはすぐそこよ!」
目の前まで辿り着いたが……
「……!気を付けてください!巡航戦車です!」
5人の前に、巡航戦車と残っていた不良たちが現れる。すると……
「っ!?」
「まずい!」
「っ!」
戦車から明錬たちに向かって砲弾が放たれる。それを見た明錬はすぐさま地面に手を置き、地面から大きめの壁を錬成し……
「っ……」
砲弾を防ぎ、後ろにいる4人を守ったのだ。
「全員、遮蔽物に隠れて!」
『!』
その後、地面からいくつもの壁を錬成し、全員がそのうちの一つの後ろへと隠れていく。
「クルセイダー1型……!私の学園の制式戦車と同じ型です」
「おそらく不法に流通したものでしょうね…PMCに流れたのを、不良たちが買い取ったのかも」
すると、遮蔽物に隠れながら何かを考えていた明錬は……
「ユウカ、あれって残しておいた方がいいやつ?」
「いえ……既に不法流通してますし、この状況なので壊しても問題はないかと……」
「……よし、なら一気に行こう」
『?』
「一気に……?」
「ガッチャーイグナイター!」
「ターボオン!」
そう言いながら、点火機を模したアイテム………ガッチャーイグナイターを取り出し、それをドライバーへとセットする。
「ガッチャーンコ!ファイヤー!」
「スチームホッパー!アチーッ!」
そして、ドライバーのレバーを引くと背中から炎の意匠が入ったマントが装備されたのだ。
『!?』
さらに……
「ガッチャージガン!」
『バレットバーン!』
「BULLETBAANG!」
明錬はガッチャージガンを持ち、バレットバーンのカードをセットしながら……
「先生?」
「戦車とその砲撃は僕が引き付ける」
『!』
「隙はこっちで作るから、ハスミは好きなタイミングでとどめを刺して」
「!了解しました」
ハスミに向かって、戦車にとどめを刺すように言う。
「それから……ユウカは悪いけど僕と一緒に戦車を引き付けてくれる?もちろん、怪我だけはしないようにね」
「!はい、任せてください…………というか、今さっきみたいに一人で行こうとしましたよね?」
「………スズミは閃光弾で周りの不良たちの妨害を」
「了解です」
「先生!?」
「チナツはハスミやスズミの支援をお願い」
「はい」
それから、明錬はそれぞれに指示を出した後……
「じゃあ……行くよ」
『了解!』
作戦通りに動き始めていくのだった……。
「先生!」
「……!」
早速、明錬とユウカが前線へと飛び出していき、先ほど地面から錬成した壁を使いながら接近していくが………2人を見つけたのか戦車の砲身が回転し狙いを定めてくる。砲弾は明錬に向かって撃たれるものの……
「ガッチャージバスター!」
「ハァッ!」
すぐさまガッチャージガンから銃弾を放ち、撃ち落としてみせたのだ。
「こっちよ!」
ユウカも戦車に向けて銃を撃ち、明錬と共にハスミたちの方に砲撃がいかないように注意を引き付けていく。途中でユウカに砲弾が放たれようとしたが……
「ガッチャートルネード!」
『アッパレ!』
「ケミーセット!」
明錬はガッチャートルネードにアッパレブシドーのカードをセットし……
「ケミースラッシュ!」
「ハァッ!」
戦車へと斬撃を加え、その場から動けないようにして砲撃を止める。そして……
「!撃ち抜く……!」
完全に的と化した戦車に向かって、ハスミの銃から弾丸が放たれ……
「やった……!」
ユウカのその言葉とともに、戦車はそれに貫かれて爆発するのだった……。
読んでくださりありがとうございます。
明錬の変身ポーズは、映画のガッチャードデイブレイクのものとほとんど同じですが、最初の部分の右手は何も形作らずに、指輪を正面に見せるように顔の左側に持っていくようなものにしています。
次回でプロローグの話自体は終わりになりますが、第0章としてはその次に1話だけやってから、第1章へと入っていきます。
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それでは、次回の話もよろしくお願いします。