暁と青空のアーカイブ   作:アキ1113

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 今回で、プロローグとしての話は終わりとなります。

 果たして、明錬はキヴォトスの混乱を防ぐことができるのか……。

 それでは、どうぞご覧ください。


第4話 暁とシッテムの箱

 

 

  

 ハスミの一撃で戦車を仕留めた後……

 

 「……助かったよ」

 

 『バレットバーン!』

 

 『アッパレ!』

 

 力を貸してくれたケミーのバレットバーンとアッパレブシドーに明錬は一言礼を言い、カードを腕のホルダーの中へと戻す。

 

 「やりましたね、先生」

 

 「うん、あっちは……」

 

 明錬とユウカは、残っていた不良たちがどうなったのかを確かめるために、スズミたちがいる方を見たが……

 

 「心配はなさそうだね」

 

 「えぇ」

 

 既に全員拘束され、銃も取り上げられていた。すると……

 

 『シャーレの部室、奪還完了ですね』

 

 「!リン」

 

 リンから、奪還が完了したという通信が入る。

 

 『私も、もうすぐ到着予定です。先生、地下の建物で会いましょう』

 

 「分かった。先に入ってるよ」

 

 『はい、お願いします』

 

 そうして、通信を切った後……

 

 「ユウカ、僕は中に入るから、外は任せてもいい?」

 

 「!分かりました。どうかお気を付けて」

 

 明錬はユウカにそう告げ、シャーレのある建物内へと入っていくのだった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 変身を解除して奪還したシャーレの中へと入った明錬は、リンが通信で言っていた地下室へと向かっていた。そして、特に何事もなく地下室に到着した………だが、

 

 「うーん………これが一体何なのか、まったく分かりませんね。これでは壊そうにも……」

 

 「……!」

 

 何処かに逃走したと思われていたワカモが、何故かシャーレの地下にいたのだ。どうやら、あのときは逃げたのではなく、ここに侵入しに来ていたようだ。

 

 (どうする……ここで戦うのは流石に避けたい、けど……一度話を聞いてみるべきか……)

 

 明錬はワカモに気が付くと、この状況をどうするか考え始めた……が、

 

 「………あら?」

 

 「!?」

 

 (!気付かれた……!)

 

 そうしている間に、ワカモも明錬の存在に気付いてしまう………そして……

 

 「……さっきも会ってるけど、一応初めまして」

 

 「!?あ、あなたは……!?」 

 

 明錬はシャーレの中で戦闘をするわけにはいかないと判断し、ワカモと話をして情報を得ようとする。

 

 「僕は暁明錬。今日からだけど、シャーレの先生をしている」

 

 「………あら、あららら?」

 

 「悪いけど、ここで何しようとして―――」

 

 「あ、ああ……」

 

 「……って、どうかしたの?大丈夫?」

 

 だが、ワカモは先ほどから様子がおかしく、それを見た明錬は、思わず心配の言葉を投げかける。そして……

 

 「……し」

 

 「……し?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「失礼いたしましたーー!!」

 

 ワカモは何故か、この場から逃げ去ってしまったのだ。

 

 「………えぇ……?」

 

 その出来事に、明錬は困惑していたが……

 

 「お待たせしました、先生」

 

 「!あぁ、リン」

 

 「……?何かありましたか?」

 

 「ううん、何でもないよ。気にしないで」

 

 リンが来てそう訊かれたため、明錬は先ほどの出来事を言うことの程でもないと判断し、そう答えたのだ。

 

 「……そうですか。ここに、連邦生徒会長の残したものが保管されています」

 

 そう言って、リンは引き出しの一つからある物を取り出した。

 

 「……幸い、傷一つなく無事ですね……こちらを受け取ってください」

 

 「それは……タブレット端末……?」

 

 「はい。これが、連邦生徒会長が先生に残したもの……『シッテムの箱』です」

 

 「シッテムの……箱……」

 

 (……?その名前……どこかで……?)

 

 明錬は『シッテムの箱』という名前を聞いて、何やら違和感を感じていたが、一先ずリンからそれを受け取った。

 

 「一見すると普通のタブレットに見えますが……実は正体が分からない物なんです。製造会社も、OSも、システム構造も、動く仕組みの全てが不明」

 

 「本当に、何もかもが分からない…と」 

 

 「はい。連邦生徒会長は、この『シッテムの箱』は先生の物で、先生がこれでタワーの制御権を回復させられるはずだと言っていました。私たちでは起動すらできなかった物ですが、先生ならこれを起動させられるのでしょうか、それとも……」

 

 「……」

 

 「……では、私はここまでです。ここから先は、全て先生にかかってます。邪魔にならないよう、離れていますね」

 

 「……分かった」

 

 そう言って、リンは明錬から離れていき、残された明錬は………シッテムの箱を起動させる……。

 

 『Connnecting to the Create of Shittim...

 

 『システム接続パスワードをご入力ください』

 

 無事に起動はできたものの、パスワード入力を求める文字が画面に表示される。

 

 「パスワード……?」

 

 だが、今初めてこのシッテムの箱に触れた明錬に分かるはずもない……

 

 「って言われても―――ん……?」

 

 はずなのだが、明錬は突如として脳裏に浮かんできた言葉をシッテムの箱へと入力していく……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『……我々は望む、七つの嘆きを。

 

  ……我々は覚えている、ジェリコの古則を。』

 

 すると……

 

 『……。

 

  接続パスワード承認。

 

  現在の接続情報者は暁明錬、確認できました』

 

 パスワードは合っていたようで、明錬が接続者であるという文字が表示された。

 

 「『シッテムの箱』へようこそ、明錬先生」

 

 「っ!誰――」

 

 そして、明錬を呼ぶ声が聞こえてきた次の瞬間……

 

 『生体認証及び認証書生成のため、メインオペレートシステムA.R.O.N.Aに変換します』

 

 「っ!?」

 

 あっという間に明錬の視界は白く染め上がり……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「!………ここは……?」

 

 次に目を開けたときには、床が水浸しになっている教室のような場所に立っていたのだ。だが、その場所は一部の壁や天井が壊れており、そこからは雲一つない青空が広がっていた。

 

 「……」

 

 そんな光景を見ていた明錬であったが……

 

 「くううぅぅ……」

 

 「ん?」

 

 「Zzzz……」

 

 「……」

 

 何処からかそんな声が聞こえ、その方向を見る。そこには、一つの机に突っ伏して寝ている淡い水色の髪、カチューシャに大きな白いリボン、青を基調としたセーラー服を着た少女がいたのだ。

 

 「むにゃ……カステラはぁ……いちごミルクより……バナナミルクの方がぁ………くううぅぅ……Zzzz」

 

 少女は何やら幸せな夢を見ているようで………そんな少女の下に、明錬は静かに近づいていく。

 

 「えへっ……まだたくさんありますよぉ………」

 

 「とりあえず……起こそう」

 

 明錬はこの場所のことを知っているであろう少女を起こすために、少女の肩を一度だけ優しく揺らす……

 

 「むにゃ……まだですよぉ……しっかり嚙まないと………」

 

 だが、起きなかったため、次は二回、そして三回と揺らしてみる。 

 

 「あぅん……でもぉ……」

 

 「起きないか……」

 

 それでも起きなかったので、明錬は……

 

 「……ほら、そろそろ起きて!」 

 

 少女の肩を揺らしながら声を出し、目の前の少女を起こした。 

 

 「………うぅぅぅんっ」

 

 すると、ようやく少女は目を覚ましたようで、ゆっくりと机から起き上がる。

 

 「むにゃ……んもう……」

 

 「おはよう、目は覚めた?」

 

 「はい…おはようございま………ありゃ?ありゃりゃりゃ?」

 

 それから少女は、目の前に立っている明錬をじっと見つめた後……

 

 「え?あれ?あれれ?この空間に入ってきたということは……ま、ま、まさか、明錬先生!?」

 

 「うん、その通りだよ。というか、僕の名前知ってたんだ」

 

 「う、うわああ!?そ、そうですね!?も、もうこんな時間!?」

 

 急に慌て始めたのだ。

 

 「……とりあえず、一旦落ち着こうか?」

 

 「!ひゃ、ひゃい……落ち着いて、落ち着いて………えっと……その……あっ、そうだ!まずは自己紹介から!」

 

 「……」

 

 目の前の少女は、しばらくして落ち着いた後……

 

 「私はアロナ!この『シッテムの箱』に常駐するシステム管理者であり、メインOS、そしてこれから先生をアシストする秘書です!」

 

 明錬にそう自己紹介をする。

 

 「やっと会うことができました!私はここで先生をずっと、ずーっと待っていました!」 

 

 「……一応訊くけど、寝てたわけではなくて?」

 

 「あ、あうう……も、もちろんたまに居眠りしたりしたこともあるけど……」

 

 「でも、これからよろしく頼むよ」

 

 「はい!よろしくお願いします!明錬先生!………あっ、まだ身体のバージョンが低い状態でして、特に声帯周りの調整が必要なのですが……改めてこれから先、色々な面で頑張って先生をサポートをサポートしていきますね!」

 

 すると、アロナは何かを思い出したようで……

 

 「あ、そうだ!これから形式的にではありますが、生体認証を行います♪」

 

 「……?生体認証って?」

 

 「はい!」

 

 そう言いながら、明錬に人差し指を向けてくる。

 

 「少し恥ずかしいですが……さぁ、この私の指に、先生の指を当ててください」

 

 「わ、分かった」

 

 明錬もアロナに言われた通りに、自身の人差し指をアロナの人差し指に当てる。

 

 「はい!……うふふっ♪」

 

 「?どうかした?」

 

 「!いえ……この状況、まるで指切りをして約束をしているみたいだと思いまして」

 

 『明錬、約束だよ?』

 

 「っ……約束……」

 

 そのアロナの言葉を聞き、明錬は小さな声でそう呟いたが……

 

 「……?先生?」

 

 「!あぁいや……それもそうだけど、有名な宇宙人の映画のワンシーンみたいだなって」

 

 アロナの声に対しては、そう答えたのだ。

 

 「あっ、実はこれで、生体情報の指紋の確認をするんですよ!」

 

 「え?これで?」

 

 「はい!これから確認しますね!」

 

 アロナはそう言うと、明錬の人差し指が触れていた場所を見つめ始める。

 

 「……」

 

 (え?それ、直接目で確認するの?)

 

 予想外の方法に、明錬は思わず黙り込んでその様子を見つめる。

 

 (うーん…よく見えませんが………まぁ、大丈夫ですかね?)

 

 「……はい、確認終わりましたよ♪」

 

 「……」

 

 「……?どうかされましたか?」

 

 「!いや、何でもないよ」

 

 「え?でも「何でもないから、本当に」?そうですか……けど、何かあったら遠慮なく頼ってくださいね!」

 

 「あ、ありがとう……」 

 

 そして、明錬の生体認証が終わった後……

 

 「あっ、そう言えば、先生はどうしてここに……?」

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 「なるほど………先生の事情は大体分かりました。連邦生徒会長が行方不明になり、そのせいでキヴォトスのタワーを制御する手段がなくなった……」

 

 「うん、そういうこと」

 

 明錬は、この場所に来た理由をアロナに全て話した。

 

 「まさか、そんなことが起きているとは……」

 

 「それで……アロナは連邦生徒会長のことについて、何か知ってることはない?」

 

 明錬はアロナなら何か知っているのではないかと、連邦生徒会長について訊いたが……

 

 「……私はキヴォトスの情報の多くを知ってはいますが………連邦生徒会長については、ほとんど何も知りません」

 

 「何も……?」

 

 「彼女が何者なのか、どうしていなくなったのかも……お役に立てず、すみません……」

 

 アロナですら、その正体を知らないと言われてしまう。

 

 「いや、大丈夫だよ………そうだ、サンクトゥムタワーの方は―――」

 

 「!はい、そちらの問題は私が何とか解決できそうです!」

 

 「よし……早速だけど頼める、アロナ」

 

 「はい!任せてください。それでは、サンクトゥムタワーのアクセス権を修復します!少々お待ちください!」

 

 そう言うとアロナは、目を瞑り始め………

 

 「……サンクトゥムタワーのadmin権限を取得完了……先生、サンクトゥムタワーの制御権を無事に回収できました。今、サンクトゥムタワーは私、アロナの統制下にあります」

 

 ほんの数秒で制御権を回収し、サンクトゥムタワーを統制下に置いたのだ。

 

 「!ありがとう。それにしても、早いね……」

 

 「今のキヴォトスは、先生の支配下にあるも同然です!」

 

 「っ!?」

 

 そのアロナが何気なく言った言葉に、明錬は驚愕を隠せずにいた。そして……

 

 「……アロナ、その権限は連邦生徒会に返しておいて」

 

 「!分かりました。でも……大丈夫ですか?連邦生徒会に制御権を渡しても?」

 

 「問題ないし、承認もする。それに……僕には世界を黄金郷に変えたいだとか、支配したいだとか、そんな願望はないしね」

 

 「黄金郷……?」

 

 「!いや、こっちの話………まぁ、そんなことが起こらないように、目は光らせておくよ……左目だけだけど」

 

 明錬はそう言い、制御権を連邦生徒会に戻すことを承認し…… 

 

 「分かりました。これよりサンクトゥムタワーの制御権を連邦生徒会に移管します」

 

 アロナによって、制御権が移管されるのだった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「……はい。分かりました」

 

 明錬がアロナのいた場所から戻ってくると、リンがどこかと通信をしながら地下室へと入ってきており……

 

 「サンクトゥムタワーの制御権の確保が確認できました。これからは、連邦生徒会長がいたときと同じように、行政管理を進められますね」

 

 無事に制御権が確保できたことを明錬に伝えた。

 

 「お疲れ様でした、先生。キヴォトスの混乱を防いでくれたこと、連邦生徒会を代表して深く感謝いたします」

 

 「役に立てたなら良かったよ……あと、外にいるユウカたちにも礼をしておいてよ」

 

 「……そうですね。後で言っておきましょう………ちなみに、ここを攻撃した不良たちと停学中の生徒たちについては、これから追跡して討伐いたしますので、ご心配なく」

 

 「……」

 

 (討伐って……)

 

 何やら物騒な言葉が聞こえたが、明錬はキヴォトスでは普通のことだと割り切り、黙ってスルーした。

 

 「それでは『シッテムの箱』は渡しましたし、私の役目はこれで………あっ」

 

 「……?まだ何かあった?」

 

 「はい、もう一つありました。私についてきてください。連邦捜査部『シャーレ』をご紹介いたします」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ここが、シャーレのメインロビーです」

 

 リンについていった明錬は、『空室 近々始業予定』の貼り紙が貼られた扉の前へと到着する。

 

 「長い間空っぽでしたけど、ようやく主人を迎えることになりましたね」

 

 「ここが……僕の仕事の拠点ってこと?」

 

 「その通りです。そして、ここがシャーレの部室となります」

 

 リンに案内され、明錬は扉の中へと入っていく。そこには、パソコンが置かれているデスク、教材などが入れられている棚、ホワイトボード、さらには壁に銃を置くことができる場所まであったのだ。

 

 「ここで、先生のお仕事を始められると良いでしょう」

 

 「そういえば……仕事って、具体的には何をすれば?」

 

 「そうですね………シャーレは、権限だけはありますが目標のない組織なので、特に何かをやらなきゃいけない………という強制力は存在しません」

 

 「目標がない……?」

 

 そんなリンの言葉に、明錬は思わずそう返した。

 

 「はい。キヴォトスのどんな学園の自治区にも自由に出入でき、所属に関係なく先生が希望する生徒たちを部員として加入させることも可能です……」

 

 「……!」

 

 「面白いですよね。捜査部なんて呼ばれてはいますが、その部分に関しては連邦生徒会長も触れておりませんでした」

 

 「つまり……僕の方で目標を決めて、ある程度は自由に活動してもいいってこと?」

 

 「その解釈で合っていると思います………本人に聞いてみたくても、連邦生徒会長は相変わらず行方不明のまま。私たちは彼女を探すのに全力を尽くしているため、キヴォトスのあちこちで起きる問題に対応できるほどの余力がありません」

 

 リンはそう言いながら、明錬の方を向く。

 

 「今も連邦生徒会に寄せられてくるあらゆる苦情………支援物資の要請、環境改善、落第生への特別授業、部の支援要請などなど……」

 

 「なるほど、それをシャーレに任せたい……と」

 

 「……察しが良いですね。それが本音なのは事実ですが……」

 

 「当面のやることはそれか……了解、こっちでやっておくよ」 

 

 「ありがとうございます。その辺りに関する書類は、先生の机の上にたくさん置いておきましたので」

 

 「机の上……?って!?」

 

 明錬が机の上を見ると、そこには山積みになった書類が置かれていた。

 

 「まぁ、あの騒ぎがあったんだから当たり前か……」

 

 「それでは……必要なときには、またこちらから連絡します」

 

 「!うん、ありがとう」

 

 そう言って、リンは部室から出て行く。そして……

 

 「今日から、ここが………」 

 

 一人になった明錬は、自身の椅子へと座る………そして、左手の指輪と傍らに置いたヴァルバラッシャーを見ながら……

 

 「……ここを、あの世界のようにはさせない……」 

 

 そう呟くのだった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「……えぇ、サンクトゥムタワーの制御権を連邦生徒会が取り戻したことを確認したわ」

 

 「ワカモは自治区に逃げてしまったのですけど……すぐに捕まるでしょう。私たちはここまで」

 

 明錬はユウカたちにも状況を伝えようと、外へと足を運んだのだが、4人がそんな会話をしていたため、既に外にも伝わっていたみたいだ。 

 

 「あっ、先生!お疲れ様です!」

 

 「そっちもお疲れ様。協力してくれて助かったよ」

 

 すると、明錬に気が付いたユウカがそう声を掛けてきて……

 

 「先生の活躍、もうSNSで話題になっていますよ」 

 

 「え?」

 

 「ほら」

 

 そう言って、スマホの画面を見せてくる。そこには……

 

 「!情報早いな……」

 

 「これなら、キヴォトスの全土に先生の活躍が広まるのも時間の問題ですね」

 

 先ほどの出来事の記事が表示されており、主に明錬のことを中心に書かれていたのだ。 

 

 「これでお別れですが、近いうちにぜひ、トリニティ総合学園にいらしてください――もしよろしければ、連絡先の方を……」

 

 「分かった。この先、何かあるかもしれないしね」 

 

 明錬はスマホを取り出し、キヴォトスで広く普及しているトークアプリ……モモトークでの連絡先をハスミと交換する。

 

 『……』

 

 「!そうだ、みんなもよかったらでいいんだけど『お願いします!』わ、分かった……」

 

 続いて明錬は、ハスミ以外ともモモトークの連絡先を交換していく。

 

 「それでは私は、風紀委員長に今日のことを報告しに戻ります。ゲヘナ学園にいらっしゃった際には、ぜひ訪ねてください」

 

 「私からも…ミレニアムサイエンススクールに来た際や、もし困った時には私を呼んでください!」

 

 「うん、ありがとう」

 

 「では先生、また………あっ、あと……」

 

 「?」

 

 「次に会うときには……あの姿のこととか、色々と聞かせてもらいますからね?」

 

 ユウカがそう言うのと同時に、各々が自身の学園へと戻っていく。明錬はそれを見送ってから、シャーレへと戻っていった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方、明錬がユウカたちを見送っていたのと同じ頃………

 

 「……」

 

 シャーレから逃げ去っていったワカモは、自治区のとあるビルの陰にいた。

 

 「あぁ……これは困りましたね………明錬様……ですか……」

 

 ワカモはつけていた狐の仮面を外すと……

 

 「フフ……フフフ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 ウフフフフフフ……!

 

 明錬のことを思い出しながら笑みを浮かべ、またどこかへと去っていくのだった……。

 

 

 

 

 

 

 

 




 読んでくださりありがとうございます。

 次回、もう1話やってから第1章へと入っていきます。

 良ければ、感想や評価、あれば「ここすき」への投票をよろしくお願いします。。

 それでは、次回もよろしくお願いします。
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