暁と青空のアーカイブ   作:アキ1113

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 今回は、前回の続きから書いていきます。

 自ら危険な役目を引き受けて、対策委員会よりも先にセリカの救出に向かった明錬………無事にセリカを救出できるのか……。

 
 話を始める前に、こちらが明錬のイメージ図となりますので、よろしければどうぞ。

 
【挿絵表示】



 それでは、どうぞご覧ください。


第4話 暁と救出作戦

 

 

 

 「っ……うぅ………」

 

 ヘルメット団に攫われたセリカは、しばらくしてからトラックの荷台で目を覚ました。

 

 「こ、ここって………私、どうなって………っ!」

 

 そこでセリカは、自身が攫われたことに改めて気付き、辺りを見回した。

 

 「トラックの荷台………暗いけど、隙間から光が漏れてる」

 

 それから、外の様子を確かめようと、扉の隙間に顔を近づけた………が、

 

 「……砂漠……線路!?てことは………アビドス郊外の砂漠!?」

 

 そこから見えたのは、砂に埋もれている線路がある景色だったのだ。

 

 「そ、そんな………ここからじゃ、どことも連絡が取れない!もし脱出できたとしても、みんなにどうやって知らせれば………」

 

 セリカの言う通り、ここからでは電波も届かず、脱出できても元の場所に戻れるかどうかも怪しい状況だ。

 

 「どうしよう……みんな、心配してるだろうな………」

 

 セリカはその場に座り込み、静かにそう呟く……。

 

 「……このままどこかに埋められちゃうのかな……誰にも気付かれないように………私も他の子たちみたいに、街を去ったって思われちゃうのかな……」

 

 「裏切ったって、思われるのかな……誤解されたまま、みんなに会えないまま死ぬなんて………」

 

 自身が置かれた状況に、涙を流しながら俯いてしまう……。

 

 「そんなの……ヤダよ……誰か……助けて……!」

 

 その時……

 

 「うわっ!?」

 

 突然、トラックが急ブレーキを掛け、それによってセリカは荷台の床に倒れてしまう………さらに……

 

 「な、何の音なの……!?」

 

 爆発音や誰かの声が次々と聞こえてくる状況に、セリカは戸惑っていた。すると……

 

 「っ!」

 

 突然、トラックの扉が開かれ……

 

 「いた……!セリカ、大丈夫!?」

 

 「え……!?」

 

 そこには、既に変身した状態の明錬がいたのだった……。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 明錬がセリカを発見する数分前……

 

 「あれか……」

 

 『はい、おそらくあそこに……』

 

 「……」

 

 アロナのナビゲートにより、明錬はセリカを誘拐したヘルメット団が通ると思われるルートに先回りをしていた。

 

 『あの……』

 

 「?どうかした?」

 

 『やっぱり、対策委員会の皆さんと一緒に来た方が良かったのでは……?その方が、安全だと思いますが……』

 

 他の4人と一緒にここに来なかったことに対し、アロナはそう声を掛ける……。

 

 「確かに……そうかもしれないね。でも……」

 

 『……?』

 

 「そうしたから……僕は失った」

 

 『え……?』

 

 「……それに、危険な役目を生徒たちに押し付けるわけにはいかないからね」

 

 明錬はそう言いながら、ハンドルを握り……

 

 「っ!」

 

 ゴルドダッシュを走らせていく。そして……

 

 「フッ!」

 

 ヘルメット団の集団の前方にいる車両の目の前に、ゴルドダッシュに乗った状態で飛び出し、進行方向に立ちふさがる。

 

 「なっ!?」

 

 「うおっ!?」

 

 その車両を運転しているヘルメット団員は、それを目にして急ブレーキを踏む。

 

 「な、何だ……?」

 

 そして、団員たちが前方に目をやると……

 

 「だ、誰だ……?」

 

 「!あれって……!」

 

 アロナのサポートにより、進行方向に先回りした明錬がいて……

 

 「HOPPER1!イグナイト!」

 

 「STEAMLINER!イグナイト!」

 

 「……変身」

  

 「ガッチャーンコ!ファイヤー!」

 

 「スチームホッパー!アチーッ!」

 

 変身して右手にヴァルバラッシャーを持ち、ヘルメット団の前へと立ちはだかった。

 

 「あ、あいつだ!」

 

 「撃て!撃て!!」 

 

 それに気付いたヘルメット団は、明錬へ向けて一斉に銃を撃つが……

 

 「……」

 

 錬金術で弾を全て防ぎつつ、腕に装着されたホルダーを開く。すると……

 

 「な、何だあれは……?」 

 

 そこから100枚のケミーカードが飛び出し、縦横に10枚ずつ並んで浮ぶ。

 

 「っ……戦車を前に出せ!」

 

 それを見たヘルメット団は、いくつもの戦車を前に出して、明錬へと狙いを定める。それを確認した明錬は…… 

 

 「ガキン!」

 

 「GUTSSHOVEL!」

 

 「ゴキン!」

 

 100枚のケミーカードの中から、ガッツショベルを選び、ヴァルバラッシャーへと装填する。

 

 「よし、こいつで……!」

 

 「撃て!!」

 

 ヘルメット団は戦車による砲弾を放つが、それと同時に明錬の前に、炎に包まれた巨大な赤いショベルのアームのようなものが出てきて……

 

 「っ!フッ!」

 

 明錬がヴァルバラッシャーを振るうことでアームを動かし、砲弾を全て弾き飛ばしたのだ。さらに……

 

 「ハァッ!」 

 

 今度は地面に向けて振るうことで、地面を掘り起こして砂漠の地形を崩す。それにより、いくつかの戦車に加え、集団の前方やトラックの周りにいるヘルメット団をまとめて戦闘不能にする。そして、前方とトラックの周りにいた残りのヘルメット団を制圧したことを確認した明錬は、トラックへと近づいて荷台の扉を開く。

 

 「いた……!セリカ、大丈夫!?」

 

 「え……!?」

 

 そこにはセリカがおり、明錬はすぐさま無事かどうかを訊く。

 

 「けがはない?今ほどくから――」

 

 「せ、先生……!?な、何でここが……?」

 

 予想だにしなかった明錬の登場に、セリカは戸惑いを隠せないでいた。すると……

 

 「みんな、セリカを発見したよ」

 

 明錬はインカムを通して、セリカを見つけたことを伝えた。その直後……

 

 「セリカちゃん発見!生存確認しました!」

 

 「あっ、アヤネちゃん!?」

 

 「ん、こちらも確認した、半泣きのセリカ発見!」

 

 「!?」

 

 「なにぃー!?うちの可愛いセリカちゃんが泣いてただと!そんなに寂しかったの?ママが悪かったわ、ごめんねー!安心して?すぐにパパと一緒に懲らしめてくるからね?」

 

 「ちょ、ちょっとうるさいってば!な、泣いてなんか!!」

 

 「噓!この目でしっかり見た!ね、先生?」

 

 「泣かないでください、セリカちゃん!私たちがその涙、拭いて差し上げますからね!」

 

 対策委員会の仲間たちが次々と集まってきていて、セリカが無事な姿を確認しながらも、そんなことを言い始めたのだ。

 

 「あーもう、うるさいってば!!違うったら違うのっ!!黙れーっ!!」

 

 そんなことを言われてしまったセリカは、その恥ずかしさを隠すように大声で叫ぶ。

 

 「ともかく元気そうで良かったよ。無事確保完了ー」

 

 「良かった……セリカちゃん……私、セリカちゃんに何かあったんじゃないかって……」

 

 「アヤネちゃん……」

 

 セリカのことを一番心配していた同級生のアヤネが、その無事を喜んで安堵した様にそう声を掛ける。

 

 「……セリカ」

 

 「!な、何……?」

 

 「遅れてごめん」

 

 「!」

 

 「でも……本当に、無事でよかった」 

 

 その次に明錬が、救助が遅れたことを謝罪し、それと同時にセリカ自身が無事だったことに安堵したことを伝える。

 

 「あっ……えっ……と」

 

 自分を本気で心配していてくれたであろう言葉に、セリカはどう返していいか戸惑っていた……が、

 

 「!とりあえず話は後だね……」

 

 「そうだね。先生がトラックと前方にいたヘルメット団は制圧してくれたとは言え、まだ後ろの方には敵が残っているから」

 

 「だねー。人質を取り返されたって知った敵さんが、怒り狂って攻撃してくるよー」

 

 後方へと目を向けると、戦車や残りのヘルメット団員たちが、こちらに包囲網を作りながら向かってきているのが見えた。

 

 「敵ながらあっぱれだねー?じゃあ、せっかくだから……包囲網を突破して帰りますかー」 

 

 「……みんな気をつけて。あいつら、改造した重戦車を持ってるわよ」

 

 「Flak41改良型………さっきの先生の攻撃で、いくつか無力化したのは見えたけど……」

 

 「まさか、まだあるなんて……」

 

 シロコやアヤネがそう言うが……

 

 「……策ならあるよ」

 

 『!』

 

 明錬はこの状況を突破することのできる策を、全員に話す。

 

 「以上が作戦だよ」

 

 「なるほどね……」

 

 「ん、やってみる価値はありそう」

 

 そして……

 

 「あとは作戦通りに頼むよ。でも……無理はしないこと」

 

 「りょーかい。それじゃ………行こうか?」

 

 明錬の策を聞いた対策委員会は、ホシノの合図で残りのヘルメット団を倒しに向かっていくのだった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「どうしたどうした!」

 

 「くそっ、逃げ回ってばかりで鬱陶しいな……!」

 

 ヘルメット団との戦闘を開始したものの、シロコ、ホシノ、ノノミは撃っては逃げ、撃っては逃げを繰り返していた。そして、それを繰り返し……

 

 「鬼ごっこは終わりか?」

 

 「これで終わりだ!」

 

 ついに3人は、ヘルメット団に追い詰められてしまう……一方で…… 

 

 「よし……」

 

 セリカは、廃墟となったビルの中におり……

 

 「10…9…8…」

 

 数を数えながら、何かを待っていた。

 

 「……そろそろか」

 

 『オコオコ!』

 

 「ケミーセット!」

 

 明錬も別の場所で、ガッチャトルネードにゲキオコプターのケミーカードをセットし、弓のように構える。

 

 「アヤネ!」

 

 『はい!』

 

 そんな明錬の合図で、アヤネはドローンを飛ばす。それは、3人の周りに集まったヘルメット団の頭上に、オレンジ色のボックスを落とした。

 

 「3…2…1…」

 

 「トルネードアロー!」

 

 「0!」

 

 「っ!」

 

 セリカはアヤネの操作するドローンから落としたボックスを、明錬は集まったヘルメット団の後ろを狙い撃ったのだ。

 

 『うわあああああ!?』

 

 ドローンから落とされたボックスの中には爆弾が入っており、セリカがそれに銃弾を命中させることで起爆させた。それによって、残りの戦車などの重火器を無力化させていく………さらに……

 

 「に、逃げ―――っ!?」

 

 明錬がガッチャトルネードから放った矢は、複数のミサイルへと変化する。それはヘルメット団を逃がすことなく無力化していき、明錬と対策委員会は、見事に作戦を成功させたのだった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「上手く行きましたね、先生!」

 

 「ん、さすが」

 

 そう……これは明錬が立てた作戦通りで、逃げ回る振りをしてヘルメット団を1ヶ所に集め、それを一網打尽にするという策だった。ちなみに動き回っていた3人に届く攻撃の余波は、ホシノの盾や防御力によって防いだ……というわけだ。

 

 「いや……これはみんなのおかげだよ。特にセリカ」

 

 「!な、何……?」

 

 「ありがとう、助かったよ」

 

 「!と、当然のことをしたまでよ……」

 

 そんなやり取りをしながら、勝利を喜んでいると……

 

 「?先生……?」

 

 明錬は変身を解除してから、まだ気絶していないヘルメット団員へと近づいていき……

 

 「それで、訊きたいことがあるんだけど……」

 

 「!?」

 

 「……首謀者は誰?」

 

 「……!」

 

 「多分だけど、いるんでしょ?」

 

 セリカを誘拐しようとしていた首謀者について、訊き出そうとした。そう訊いている明錬の声色は、傍から見ればいつも通りだが………

 

 「知ってることがあれば……教えてほしいんだけど?」

 

 そのヘルメット団員から見れば、どうやら違うらしく……

 

 「わ、私は知らないんだ!」

 

 「……本当に?」

 

 明錬のその言葉に、ヘルメット団員は何度も速く頷いた……。

 

 「……」

 

 「っ……」

 

 「……さすがにそう簡単にはいかないか。あー……ごめんね、怖がらせたみたいで」

 

 「え?あ、あぁ……」

 

 有力な情報を引き出せなかったことに対し、明錬はそう呟く。そんな明錬に…… 

 

 「戻ったらこっちでも調べないと……「ねぇ」?どうしたの?」

 

 セリカは近づいていき……

 

 「そ、その……た、助けてくれてありがとう、先生!」

 

 「!」

 

 自身を助けてくれたお礼を言ったのだ。そんな様子を見ていたホシノは…… 

 

 「おぉ……セリカちゃんがデレた」

 

 そう言って、セリカのことをからかい始める。

 

 「ちが……違うってば!」

 

 「本当に~?」

 

 「そういうんじゃない!ただのお礼!!」

 

 「へぇ~?」 

 

 「あー!もう!!」 

 

 そんなやり取りに、他の3人も入っていき……

 

 「今度は……守れた……」

 

 そう呟きながら、明錬はその様子を静かに見つめるのであった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 その日の夜……

 

 「……」

 

 とあるオフィスビルの最上階で……

 

 「……格下のチンピラごときではあの程度か……主力戦車まで送り出したというのに、このザマとは」

 

 ヘルメット団に依頼をしたであろう人物が、その結果を見ていた。だが、結果は失敗だったため………

 

 「となると、目には目を、生徒には生徒を……か。専門家に依頼するとしよう」

 

 そう言いながら、どこかへと電話をかける。そして、繋がったのが……

 

 『はい、どんなことでも解決します。こちら便利屋68(シックスティーエイト)です』

 

 「仕事を頼みたい、便利屋」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その電話の数時間後、ヘルメット団のアジトでは……

 

 「はぁ……はぁ……」

 

 「う、うわああっ!!」

 

 「うっ!!」

 

 何者かの襲撃を受けており、大混乱に陥っていた。

 

 「あーあー、こっちは終わったよー」

 

 「こっちも制圧完了」

 

 襲撃を仕掛けたのは、頭の上にヘイローのある4人の人物たちで、どこかの学園の生徒のようだ。 

 

 「う、うう……な、何者だ、貴様らは………!ま、まさかアビドスの……!?」

 

 その団員は、アビドスが追撃を仕掛けてきたのかと思っていたが……

 

 「アビドス?そんなわけないじゃない。それにしても……こんな不潔で変な匂いがする場所がアジトだなんて。あなたたちも冴えないわね」

 

 襲撃を仕掛けた人物の口ぶりからして、そうではないらしい……。

 

 「……いいわ。あなたたちを労働から解放してあげる」

 

 「な、何だって!?」

 

 「要するに……あなたたちはクビってこと。現時刻をもって、アビドスは私たちが引き受けるわ」

 

 「ふ、ふざけた真似を!貴様らは一体……!う、うわああっ!!」

 

 その生徒は団員を気絶させ、アジトの制圧を完了させると……

 

 「……私たちは、便利屋68(シックスティーエイト)。金さえもらえれば、何でもする………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 なんでも屋よ

 

 そう名乗るのだった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 読んでくださりありがとうございます。

 無事にセリカを救出に成功した明錬と対策委員会………これで一件落着、かと思いきや……?

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 それでは、次回もよろしくお願いします。
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