学園チームバトルもの。才能と努力と計画と乱数で勝利を目指す   作:集団戦大好きマン

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第二試合⑥ 解説、総評、ファイトマネー

 

『そして西側から中央へ猛ダッシュで鷲島選手が接近。土橋選手・吉川リーダーを射殺しました。また同時にこのとき東側の戦いも動いています。坂場選手が、北からは警察署に陣取った成田選手、南からは接近してくる天野リーダーに攻撃され、ダメージを負っていき、最終的には天野リーダーが坂場選手を撃破します。坂場選手が落ちると今度は成田選手と天野リーダーの射撃戦となりますが、これは高所の成田選手がやや有利な展開』

 

『両者そこそこ距離があるので、あまりダメージを負っていません。ただ杉山リーダーが下から来たので、今度は天野リーダーが成田選手と杉山リーダーに挟まれる感じになります』

 

『天野リーダーは遮蔽物を上手く利用して、成田選手からの射撃を防ぎ杉山リーダーと1対1で撃ち合いをします。天野リーダーはほぼノーダメージですが、杉山リーダーは天野リーダーの攻撃でかなりダメージを負いました。しかし、ここで浜口選手が鷲島選手に打ち取られます。鷲島選手はダブル慣性アクセルという常人離れした技で天野リーダーまで詰め寄りますが、ここで天野リーダーがシールドを展開。初めて鷲島選手の攻撃が防がれました!』

 

『ただ、足には当たってるので、ダメージは入りますし、移動力は下がります。この辺りも射撃精度が尋常でないですね。吉川リーダーの時もそうでしたが、シールドの無い点を的確に撃ち抜いています』

 

『一方で、天野リーダーも負けじと反撃、アサルトライフルを撃ちますが、これはなぜか外れます。見た感じ、天野リーダーは射撃精度かかなり良くて、当たってても良い感じなんですが……というか、正直、鷲島選手がシールドを展開するか、もしくはそのまま撃たれてダメージを受けるかのどっちかと思ってたんですが、なんで鷲島選手は銃撃を回避しているのでしょうか……!?』

 

『意味不明な歩法で躱してます。うーん、一年生なので、シールドが苦手なのかもしれませんね。ワンチャン入れてない可能性もあります』

 

『シールド抜きですか!? それは流石に無いと思いますが……!』

 

『いえ、結構現実的にありそうなんですよ。何故かと言うと、シールドって結構重いんですよ。重量が大きいほど機動力は下がりますし、なによりアクセル操作が難しくなります。シールド抜きならダブル慣性アクセルもある程度やりやすいと思います。恐らくですが、鷲島選手は入学直後から射撃とアクセルの練習だけをしてシールドは一切触れてないんじゃないですかね? 防御を捨てて回避に特化するというのは、正直異常な戦術ですが、鷲島選手の射撃精度と走り撃ちの技能とはとても上手く噛み合ってます。実際、この試合では六人撃破してるので、嵌れば強いです』

 

『まさかのシールド無しですか! 盲点ですね! ただ、そうすると弾幕を張る系の相手とは相性が悪いですね。ブレード突撃に近いですが、ブレード突撃よりも捨て身感があります!』

 

『まあ、ブレード突撃型よりも、戦術的な機動力がありますので、そこは一長一短でしょう。むしろハンドガンなので火力不足の方が厳しいかもしれないですね。一撃離脱の奇襲戦術は強いですが、警戒されているとほぼ無力です』

 

『ということは、実はそんなに鷲島選手は強くないのでしょうか!? 今回非常に活躍していましたが!』

 

『いえ、普通に強いです。天野リーダー相手に使った意味不明な歩法はマグレ避けではなく、その後も成田選手の射撃を避けるのに何度も使っています。これは再現性のある意味不明歩法です。1対1の状況だと鷲島選手に弾を当てるのは困難です。戦術的な機動力が高く、様々な応用が利きます。射撃精度も尋常でなく高いので、柔らかい相手や、固い相手であっても側面や背後をつけば普通に落とせるでしょう。奇襲・機動・回避に非常に優れた選手です。ただ重装甲相手に正面から殴り合いをするのは難しいという話です』

 

『あー、ごめん、怖い事気づいちゃった。言っていい……?』

 

 鷹一について論評する実況と解説の言葉の途中で、もう一人の解説役が口を挟んだ。

 

『はて? 何でしょうか?』

 

『ええっと、すみません。訂正です。鷲島選手はたぶんアクセル使ってませんね。これは。大変恐ろしいんですが、これ鷲島選手は素の足の速さです』

 

『え? アクセル無しですか?』

 

『無しですね。今試合の細かい動き見直したんですけど、慣性アクセルだとしても、明らかに旋回性に問題ありますし、持続時間がおかしいです。アクセル使ってるにしては長すぎます。あとまあ、冷静に考えて二週間で慣性アクセルやダブルアクセルを使えるとは思えないです。今年の一年生は凄すぎて感覚麻痺してきてますけど、そもそも普通のアクセルだって使うのに最低一か月くらいはかかります。二週間で慣性アクセルとかダブルアクセルは無理です。なので、これは鷲島選手が単純に足が無茶苦茶速くて、その上で謎歩法を使う選手です』

 

『何と言う事でしょう! すみません、訂正します! 鷲島選手はアクセル無しです! 凄い足が速い選手のようです!』

 

 二年生たちの鷹一の解説を聞いて、浜口と天野は興味深そうに鷹一を見た。真相を知りたいと思ったのだ。鷹一はその視線には応えなかった。不必要に情報を落とす理由は無いと考えたからだ。そして、鷹一の態度を浜口と天野もすぐに読み取り、深く追求はしなかった。

 

『それはそれで怪物みたいな選手ですね』

 

『ええ! 本当にそうです! 鷲島選手に関してだいぶお話しましたので別の生徒にもスポットを当てたいです』

 

『進藤選手はアクセルの加速が非常に高かったので、今回の試合では見ることはできませんでしたが、本来は機動力が高い選手だと思われます。天野リーダーは走攻防バランスがとれていて完成度が高いです。雲川リーダーの杉山リーダーへの長距離射撃をしたのは、中々でした。東側で戦った成田選手・坂場選手・杉山リーダーも射撃戦に強い装備を選んでいて、マップ特性などをちゃんと意識していて、結果は芳しくなかったかもしれませんが、対策自体は良かったと思います。皆さん一年生としての最初の試合としては、よく取り組まれていたと思います』

 

 二年生の解説を聞いて、進藤は得意げな顔をし、一方で天野は少し恥ずかしそうな顔になった。なお鷹一は始終無表情であった。

 

『そうですね! 鷲島選手がぶっ飛んでますが、他の選手も頑張っていた試合でした! ところで、鷲島選手は一試合で六得点となります。これは新入生の一試合中の得点で匂坂リーダー、マスタング選手と並び最多となりますが、やっぱり鷲島選手も戦闘適性順位上位陣なのでしょうか? 二年生の間で、トップ10位が誰なのか特定しろと、よく騒がれているので気になりますが……!』

 

『うーん、それはちょっと難しい所ですが……鷲島選手は非常に優秀で魅力がある選手です。ただ匂坂リーダーやマスタング選手ほどの圧倒的な力は感じられませんでした。予想になりますが、20~30位前後の選手かと思われます。まあ、40位以内は十分すぎる程優秀ですが……とりあえず、現状の二年生情報を纏めると、1位匂坂リーダー、2位マスタング選手、3位根崎選手、4位梶田リーダー、5位氷橋リーダーといった感じになると思います。多少趣味もありますが、だいたいこんな感じです。凄い適当な予想ですが、鷲島選手は27位くらいだと思います』

 

 二年生の見当違いの予想を耳にして、正しい順位表を知っている天野は僅かに苦笑した。

 

『確かに40位以内は優秀なイメージがあります! あ、あと、これは二年生での流行りの予想なので、順位表を持ってる一年生リーダーの皆さん、間違ってても、あんまり笑わないで下さい。こういうのは外れることも多いです!』

 

 そうして、第二試合の講評は終了した。

 それに伴い、鷹一も天野チームの面々と二、三話をして別れた。なお、別れる前に、天野から是非と懇願され、鷹一は天野チームと連絡先を交換した。これからも良き目標でありたいという天野の強い思い故だった。

 それから、鷹一は少し離れたところで待っていた雲川・金崎と合流し、その日の反省会を行った。勿論、勝利したこともあり、反省会の内容は比較的緩いものであった。

 むしろ本題としては、参加賞および勝利によるリーダーへのZPの配布がテーマであった。鷹一は以前から提案という形で、雲川にZPの分配に関して話していた。雲川はよく分からなかったが、鷹一の提案を全面的に受け入れていた。この提案は次のようなものだった。

 

――雲川が入手するZPを全て四分の一にして、それぞれ、雲川・鷹一・金崎・チーム運営費用に分けるという案だ。

 

 これが約束通り履行された形になった。なおチーム運営費用は本来であれば雲川が管理するはずであったが、土壇場で、雲川が「やっぱり鷹一くんが……」と言い出したため、鷹一が管理することになった。

 

 これにより、雲川チームの第二試合勝利の報酬、参加賞2万ZPと勝利による10万ZPの合計12万ZPのうちの6万ZPが鷹一へ、3万ZPが金崎へ、雲川から配布された。

 鷹一と金崎は訓練室の使用費によりZPをだいぶ減らしていたため、その補充ができ一安心であった。

 なお、鷹一は内心で、次の訓練メニューを実行するべきか悩んだが、それを言い出すと二人がげっそりとするだろうと理解し、日曜日の訓練は無しとした。

 





★おまけ


現在のチーム戦の暫定順位
1位  匂坂 25点
2位  飛山 24点
3位  零  22点
4位  舞島 15点
5位  滝本 14点
6位  麻倉 14点
7位  水渕 14点
8位  清沢 13点
9位  梶田 12点
10位 劉  11点
11位 木下 11点
12位 有坂 11点
13位 安重 10点
14位 星川 10点
15位 高光 10点
16位 雲川 10点
17位 氷橋  9点
18位 近藤  9点
19位 淡路  9点
20位 中   8点

※四月は四回試合がある。現在は第二試合まで終了済み。
※五月一日の順位によりランクが決まる。1位~10位がAランク、11位~20位がBランク。21位以下はそれぞれ10チームごとに、C・D・E・Fランクとなる。
※主人公である鷲島が所属している『雲川チーム』の目標はBランクである。現在は暫定16位。

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