学園チームバトルもの。才能と努力と計画と乱数で勝利を目指す   作:集団戦大好きマン

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★登場人物おさらい

【飛山龍華】
 飛山チームのリーダー。零とは学園に来る前からの親友であり、現在同盟中。親友とともに鷲島を勧誘したが失敗した。好奇心がまあまあ強め。機動戦術でチームバトルを無双中。第一試合から第三試合まで全て勝利し、現在チームランキング二位。


飛山と鷲島のAランク帯への認識

 

 翌日の月曜日の午後、雲川チームの第三試合の祝勝会と反省会を兼ねた集まりが、個室式の喫茶店で行われることになった。最近では作戦会議の殆どを非公開設定の訓練室で行っていたが、今回は第三試合勝利のお祝いということで、鷹一がいつもより多くZPを捻出することにしたのだ。

 

 しかし、そこで意外な人物と遭遇することになった。

 喫茶店の前には四人の生徒がいた。そして、そのうちの一人である金髪の美少女が鷹一に気付くと、笑顔で話しかけた。

 

「お! 鷲島君だ! 久しぶりだね~。どうどう? 調子はいい感じ?」

 

 チーム戦暫定二位の飛山チームのリーダー、飛山龍華その人であった。

 

「飛山か。久しぶりだな。調子は普通だな。お前はどうだ?」

 

「私もまあまあ……ううん、結構良い方かな。昨日の試合では何とか勝てたからね。今から祝勝会やるんだけど、良かったら雲川さんのチームも一緒にやらない?」

 

 微笑みとともに飛山が提案した。

 

「奇遇だな。俺たちのチームも祝勝会をやるために、今、ここに来ているんだ」

 

「おお。シンパシー感じるね。どうどう? 一緒に祝勝会やらない?」

 

 再度、飛山は問いかけた。先程よりも笑みの色は濃かった。その笑みが作ったモノかそれとも自然なモノなのか、鷹一には判断がつかなかった。

 

「誘ってもらえるのはありがたいが、俺たちのチームのメンバーは皆、人見知りなんだ。それに、第四試合以降の作戦会議もしたい。だから一緒にはできないな」

 

「むむ~。残念だな~。鷲島君から色々聞きたかったんだけどなー」

 

「悪いな」

 

 僅かな鷹一の謝罪。それを飛山は見逃さなかった。

 

「あ、でも、せっかくだから、ちょっとお話してもいいかな? 聞きたい事があるんだけど?」

 

「悪いが、お前との話は長くなりそうだ。こっちの二人にも悪いし、そっちのチームメイトにも悪いだろう。もし良ければ、端末で連絡してくれ」

 

「ん~。どっちかって言うと、私は顔を突き合わせて話すタイプなんだよね。相手の表情とか空気から色々読み取りたいって言うのかな? あとあと、話す時間は短くするので大丈夫大丈夫。皆、いいかな?」

 

「私は大丈夫ですよ! 龍華さん!」

「別に……」

「今日飛山さんの奢りってことですから、全然イイですよっ!」

 

 飛山チームの面々はそれぞれ飛山に対して了承の言葉を放った。こうなれば、断るのは難しいと鷹一は考えた。

 

「あ、俺もまあ、別に大丈夫だけど。あ、でも雲川さんは……?」

 

「……え、まあ、少しだけなら……」

 

 そして、鷹一が考えている間にも、金崎・雲川の両名も了承の言葉を放ってしまった。

 

「そうか。皆が良いと言うならば構わない。何が聞きたいんだ?」

 

 鷹一は内心で少しだけ嫌がりながらも、それを態度には出さないように心がけた。

 

「うーん。鷲島君がちょっと嫌そうな顔してるから、質問は絞るね。ええっと、聞きたいのは鷲島君の予想なんだよね。今後のチーム戦の結果……次の第四試合が終われば、暫定順位の暫定が取れて、5月からのランクが確定するよね。Aランクのトップ10位の順位がどうなってるか聞きたいんだよね。

 ちなみに何でこんな質問するかっていうと、さっき、私たちのチームでその話題で盛り上がったから、ここは賢い賢い鷲島君のお知恵を拝借したいって思ったんだよね。あとあと、できれば、現状のトップ10チームの講評とかも聞きたいかな。超強い鷲島君がトップ10チームをボロクソに叩くのが聞きたいです……!」

 

 飛山の言葉を聞き、鷲島は一瞬固まるものの、多少は仕方がないかとばかりに口を開いた。

 

「そのくらいなら、構わないが……ただ、俺の予想は当たるかは分からない。以前も言ったが、俺はリーダーではないし、情報面ではただの一人の選手にすぎない。おそらく飛山の予想よりは精度が低いだろう。それでもいいなら答えよう」

 

「ご心配なくー、間違えていても何も請求いたしません。でもまあ、鷲島君は間違えない気がするけどね」

 

 鷹一の予防線に対して、飛山は当然と言った風に答えた。

 

「そこまで高く評価してもらえるのは光栄だが……しかし、大層な予想はできない。

 まず第四試合終了後の順位だが、首位は匂坂チームか飛山チームだ。現在得点能力が最も高いチームが飛山チームと匂坂チームだ。そして、現在両チームは得点で並んでいるため、飛山チームと匂坂チームが当たらない場合は点取り合戦になるので、どちらが一位になるか予想がつかない。

 もし飛山チームと匂坂チームが当たれば、試合の仕組み上、よほど偏った投入にでもならなければ匂坂チームがほぼほぼ勝つだろう。

 そうなれば首位は匂坂チームに決まりだ。点取り合戦になると何ともいえない。5:5か、もしくは6:4で匂坂チーム優位だ。匂坂と飛山が直接当たれば8:2以上で匂坂優位といったところだな。

 現状三位以下のチームは現在の総合得点でも、今後の得点能力でも匂坂・飛山両チームに劣るので首位にはなれないし、二位にもなれない。なので、匂坂・飛山で一位・二位は確実だろう。これでいいか?」

 

 鷹一は自身の分析を正直に飛山に話した。飛山に対する忖度は無く、ただただ、自分の予想を口にしたのだ。

 

「おお! 凄い高評価で嬉しく思います。鷲島君の高評価で、私のチームの士気は爆上がりだね。次の試合は勝てちゃいそうだー。あ、あと、三位以降の順位もお願いします」

 

 飛山は嬉しそうな声を上げた後、さらに鷹一の考えを聞き出すべく追撃の言葉を口にした。

 

「正直、三位以降はマッチング次第になるから予想は難しいな。ただ、現状の暫定10位までのチームだと、零・梶田・蓮・麻倉あたりが得点能力が高い気がする。これらのチーム同士で食い合いが発生しなければ、これらのチームは上位に残留するだろう。それと恐らく、第四試合終了後のAランク帯の下限の点数は23点から25点だと考えられる。現状で25点の舞島チームはトップ10位には残るだろうし、22点の中チームも残る可能性が比較的高いと言えるだろう」

 

「得点力って意味だと高光さんのチームが強そうだけど、今入れなかったのは何でかな?」

 

 鷹一の考えを探るべく飛山がさらに質問を続ける。

 

「高光のチームは強いが、エースの出力が他のチームよりも落ちる。

 実質的なエースは赤岡だと思うが、他のチームのエースと戦えば落ちる印象だ。近接アタッカーというのがポジション的にも負傷しやすく、継戦能力に難があり、生存力が低い。結果試合終盤まで残りにくく、試合全体に与える影響力が低いように思える。特に第二試合で、少し格が落ちる劉チームの荒川と相打ちになったのも印象的だな。

 赤岡以外の駒ならば、単体で完成度が高い高光と白石が有力だが、どちらも赤岡よりも弱い印象があるし、残りの駒は単独では活かすのが難しい。そして、高光チームは連携能力が低い。駒質的には強くても連携能力が低く、そして駒質でさえも他チームの大駒には劣るというイメージだな」

 

「なるほどなるほど……それなら、エースが強い滝本さんのチームはどうかな? マスタング君はかなりの大駒だよね」

 

「滝本のチームは安定性に問題がある。強い駒が多く、特にマスタングは単独で根崎を打ち取れるほどの強者だが……どの駒も弱点があり、試合ではそこを突かれるケースが多い。いや、正直、突かれ過ぎている。運が悪い面もあるが、チーム全体の対応力が低い気がするな。

 予想外の事態になり混乱して滝本・竹田が落ちて、萩田がそれをカバーしきれずに落ちる。そして合間のどこかでマスタングが派手に散るという流れが多い。竹田はチームメイトを意識しすぎで、滝本は動きが固すぎる、両者ともに混乱に弱く、そしてチーム戦は現状のルールだと混乱しやすい。仕方がない面もあるが、結局無茶苦茶の状況を萩田の努力とマスタングの個人芸で吹き飛ばそうとするしかないが、魔境のAランク帯ではそれすら上手くいかないというケースが多く、結果チームの順位を落とし続けているという印象を受けるな」

 

 淡々と自分の考えを口にしながらも、鷹一は内心で少し辟易としていた。

 

「うぉお、ぼこぼこ評価! 鷲島君、鬼意見! このまま、全チームぼこぼこに酷評しよう……!」

 

「現状の上位10チームだけでいいか?」

 

 飛山の『全チーム』という言葉を警戒した鷹一はすぐに条件を付け加えた。

 

「勿論です……! いえ、嘘です。本当は鷲島君が全チームぼこぼこ酷評するの聞きたいです。でも、そこまでやると時間的にもアレだと思うので、上位10チームだけでいいです」

 

 しぶしぶと言った風に飛山は、鷹一の付け加えた条件を認めた。

 

「分かった。高光チームと滝本チーム、匂坂チーム・飛山チームを除いた6チームについて俺の意見を言えばいいか?」

 

「匂坂さんのチームと、私のチームはまだちゃんと叩いてない気がするから、8チーム分の解説をお願いします」

 

 これは飛山にとって最も重要な質問の一つだった。飛山は、『鷹一が、自身のチームや匂坂のチームをどう分析しているか』を聞きたかったのだ。

 鷹一は答えにくいと感じた。飛山の考えをある程度読んだからだ。しかし、飛山相手にはチームの勧誘を断ってしまった分の負い目があった。また、『飛山チームやその同盟の零チームと本気で争うことも無いだろう』という考えもあった。

 

「俺はそんなに叩いているつもりはないんだが……そうだな。匂坂のチームは化物だ。怪物の匂坂を筆頭に、脇を固める谷崎・石河・山見全員が強者だ。特に匂坂と谷崎に関しては正面から撃破するのは非常に難しいだろう。

 この点で、第三試合で谷崎を撃破した零は見事としか言いようがない。まあ、結局匂坂には敵わなかったが、それは仕方がないだろう。匂坂は本物の化物だ。アレを人間の尺度で考えるべきではないだろう。

 匂坂チームは全員の魔力が高く、攻撃能力・得点能力が高い。そして山見以外はシールドが厚く防御も強い。純粋に、このチームを倒すのは難しいだろう」

 

「おお! 鷲島君でも匂坂さんは高評価なんだねー。悔しいけど、さすがに匂坂さんだからねー。仕方がないかー。ではでは次のチームをお願いします」

 

「飛山チームは興味深いチームだ。初期の戦略通り、機動性を重視したメンバーが集まり、以前お前が言っていたように、機動戦術を得意としている。

 第一試合の分散・合流、第二試合の立体攻撃、第三試合の強襲、どれも練度の高さを感じさせる。正直な話、わずか三週間でここまで優れた機動戦術を見れるとは思えなかった。匂坂チームとは別の意味で化物チームだな。

 匂坂チームは個の力を極限まで上げた怪物チームだが、飛山チームは全員が息のあった連携をし、また変化する戦場に素早く対応する柔軟性も持っている。得点能力が匂坂チームと同じく高い。さらに言うと、軽装甲に対する時間当たりの得点能力なら匂坂チームを超えるかもしれない」

 

 鷹一は淡々と飛山チームについて答えた。飛山と彼女の後ろにいたチームメイトの道合の顔が明るくなった。一方で、飛山チームの針谷と伊舎堂は、鷹一の評価を受けても表情は変えなかった。

 

「わぁ! まさかの高評価だ。もっとボロクソされると思ってたから嬉しいよ。それともリップサービスかな?」

 

 飛山は明るく喜びつつも、どこか探るような目で鷹一を見た。

 

「そんなつもりはない。続けるぞ。次はチームランク暫定3位の零チームだが、ここも得点能力が高いチームだ。なんとなく攻撃的な印象を受けるチームだが、防御力・生存性もあるチームだ。

 最大の特徴としては、駒質がとても高いところが挙げられる。特に両エースの零と根崎が非常に強い。零はブレード突撃とアサルトライフルの両方の攻撃力が高く、アクセルの機動力もある、そしてシールドも上手く接近戦と中距離戦の両方で強い大駒だ。近距離の対人戦闘力なら零チーム随一だろう。個人的には淡路を極限まで強くしたのが零という駒だと思う。

 そして、根崎に至っては説明不要だろう。魔力・攻撃・防御・機動・連携すべてにおいて強い。純粋に強い大駒だ。五条・秀川・上村も駒質が高く、そしてそれぞれの連携能力も高い。恐らく、チームの目標意識が高いからだろう。

 第一試合は圧勝、第二試合は滝本チームとの戦いで根崎が落ちるが零と秀川の奮戦で勝利、第三試合は匂坂チームに敗れたが、匂坂チームは怪物すぎるからこれはしょうがないだろう。零チームは匂坂チームとさえ当たらなければ基本的に勝ちが固いチームだ……そうだ、零チームの最大の優位点があったな」

 

「優位点? なにかな?」

 

 興味深いとばかりに飛山が鷹一を覗き見た。

 

「飛山チームと同盟を結んでいる点だ。飛山を相談役にできるのは戦略的に優位だし、何より飛山チームという、唯一匂坂チームに食らいついているチームを敵に回さなくて済む点だ。このおかげで、零チームは強大な敵とのマッチング回数を減らすことができ、結果現在の3位という地位にいるのだろう」

 

「うわぁ、褒め殺しだねー、鷲島君みたいな超絶つよつよな人に言われると怖いなー。というか、匂坂さんのこと怪物ってさっきから言ってるけど、それなら鷲島君は何? 邪神的なナニカ?」

 

「俺は邪神ではない。話を戻すぞ。暫定4位の舞島チームだが……ここは戦術と連携が強いな。飛山チームに似ているが、飛山チームほど機動力は高くない。代わりに人数が多く、合流してからの弾幕が強いチームだ。正直、俺はこのチームはノーマークだったんだが……」

 

 煽るような飛山の言葉を切り捨て、鷹一は次のチームの話へ移る。

 

「おお? 大邪神鷲島様にしては、自信無さ気だね」

 

「駒質がそこまで高くないチームだからな。単純な駒質だと高光チームに劣る。エース不在のチームだ。エース無しで魔境であるAランク帯で暫定とはいえ4位を獲得したのは凄まじいことだ。運が良いという面もあるが、それ以上にリーダーの舞島の戦略・戦術眼が高く、対応力も高い。

 実際、駒質はそこまで高くないにも関わらず、あのマスタングを打ち取ったのは見事だ。もし全チームの駒質が均等な状況で、リーダーの戦術能力だけで戦ったら舞島チームか飛山チームが1位になるだろうな」

 

 淡々とした鷹一の言葉を受け、飛山は内心で少しだけ喜びつつも、警戒の感情も浮かんだ。

 

「今日は凄く褒め殺ししてくるね。これアレだよね。鷲島君なりの『お前を殺すのは一番最後だ』みたいな宣言だよね。怖いなー」

 

「俺は正直飛山チームとはあまり当たりたくないと思っているが……次は暫定5位の梶田チームだな。ここは梶田・種村・反町の高魔力三人組が脅威だ。魔力だけなら三人全員根崎レベルという何ともふざけたチームだな。そして全員が一撃必殺の技を持っている。攻撃力に特化したチームだ。

 反面、防御・機動に難があり、そこが原因で高魔力のわりに落ちることも多い。生存性に難があるチームだ。だが、それでも攻撃力は脅威で、実際この圧倒的な攻撃力で得点を稼いで、5位という高位に位置している」

 

「梶田さんのチームは攻撃力がちょっと異常だよね。対策はないでもないけど、ちょっと心臓に悪いチームかなー」

 

「同意見だ。次、暫定6位の中チームだな。ここは、普通に優れているチームだ。駒質が上がって連携が上手い高光チームとでも言うべきか。ただ、少し気になることがあってな。このチームのメンバーの名前なんだが……こんな偶然あるか?」

 

 鷹一の言葉には戸惑いとそして僅かな恐怖があった。これまでの解説では見せなかった点だ。飛山はすぐにその理由を読み取った。

 

「凄いよね。リーダーが中さんで、チームメンバーが南さん、西君、東君、あと喜多見さんの五人構成。喜多見さんが北さんだったら完璧だったよね」

 

「俺は恐ろしい予感があるのだが……中は、もしかしたら、名前でチームを決めたのではないかと思っている。もしそうなら、中は最も恐ろしいリーダーの一人だが……、さすがにそんなことはないと思いたいところだ」

 

「あ、ごめん、怖い事言うね。中さんに聞いたんだけど、名前で決めたらしいよ。北って苗字の子がいなかったから、喜多見さん入れたらしいよ」

 

 飛山は自分の持っている情報を開示した。そして鷹一の顔色を見た。鷹一は少しだけ戸惑った顔をしたが、すぐにデフォルトの淡々とした顔に戻った。

 

「そうか。俺にとって、中の脅威度が一段階上がったな。話を戻そう。次は暫定7位の蓮チームだ。ここは第三試合から突然現れたエースの青井が非常に脅威だ。

 他のメンバーも粒ぞろいだが、青井だけ飛び抜けている。現在主流となっている武器であるアサルトライフル、それをあそこまで上手く使えるのは驚愕しかない。おそらく新入生で最強のアサルトライフル使いだろう。単体での脅威度なら匂坂に次いで高いな。準怪物級のユニットだ。というか青井が入った第三試合だけで14点獲得したからな。少し異常な得点能力だ」

 

「おおー、やっぱり青井さんは高評価かー。私も正直、佐々木君並に青井さんは怖いんだよね」

 

「飛山は佐々木警戒か。第三試合では上手く処理したと思ったが、いまだに警戒しているのか?」

 

 飛山チームは第三試合で佐々木を有する麻倉チーム相手に勝利していたのだ。鷹一はそのことを言及した。

 

「勿論だよー。というか、佐々木君ってチーム戦だと一番怖いかな。次点で青井さん。匂坂さんは単体では最強すぎるけど、チーム戦ってことを考えると佐々木君・青井さんの方が怖いかも? あ、ちなみに大邪神様は特殊枠ね」

 

「飛山ほどのリーダーにそう評価されるのは佐々木と青井も誇らしいだろう。それでは最後、暫定8位の麻倉チームだな。今、話にあった通り、エースの佐々木が脅威だ。他の駒質は蓮チームよりも落ちるが、佐々木の援護能力が高すぎて、結果的にどの駒も脅威になっている。

 というより、佐々木はチーム戦という舞台において、あまりにもハマりすぎている駒だ。いつでもどこでも曲射砲で味方を援護できる。つまり、常に、任意の味方と連携できる大駒だ。戦場は常に佐々木という脅威にさらされることになる。

 飛山の言った通り、単体ではなくチーム戦として見た時、匂坂以上の脅威だ。実際、飛山ほどのリーダーが佐々木を倒すまでにチームメイトを全滅させてしまった。佐々木だけやってる試合が俺たちとは違い過ぎる」

 

 鷹一にとって麻倉チームの佐々木は最も警戒する生徒だった。チーム戦という状況に限れば、匂坂以上の脅威になりえるとまで考えていた。

 

「だよねー。うんうん、思ったより全然優しい意見だった。意外と鷲島君って優しい評価するんだねー。というか、逆に、高光さんチームと滝本さんチームだけ厳しい感じがするかな?」

 

 飛山は少し疑問といった風な顔をした。飛山にとって高光チーム・滝本チームはどちらも評価できる点が多々あるチームだったからだ。

 

「特に厳しいつもりはなかったが……9位高光チーム、10位滝本チームは先程言った通り、欠点があるチームだ。だが、それでも魔境のAランク帯になんとか食らいついているチームでもある。第四試合次第では十分Aランク残留も有り得るだろう。これで、とりあえず、質問の答えは済んだと考えていいか?」

 

「うんうん、いいよー。聞きたい事はだいたい聞けた感じかな。答えてくれて、ありがとね。せっかくだし、この後両チーム合同で祝勝会やらない?」

 

 再度、飛山が誘いをかけた。これを機に、鷹一や雲川チームの面々との交友関係を進めたいという思惑があった。勿論、単純にわりと鷹一のことを気に入っているというのもあったが。

 

「悪いが、先程言った通り、俺のチームは皆人見知りだ。合同はしない」

 

「うーん、残念。それじゃあまだ今度、第四試合でマッチしたら手加減いっぱいしてねー。それじゃー」

 

「むしろ、俺としては、飛山チームの面々には手加減して欲しい方と思っているがな。じゃあな」

 

 手を振る飛山、深くお辞儀をする道合、特に反応のしない針谷、愛想笑いを浮かべる伊舎堂――飛山チームの四人を見送った鷹一は、待たせてしまったチームメイトである雲川と金崎に少し謝罪をした後、喫茶店の個室へと入った。

 

 

 

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