プロキシ兄妹の事情   作:nifrec.

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その後の兄妹。
夏の暑い日にエアコンが壊れたビデオ屋兄妹のちょっと(?)えっちな話。※当然のように一線超えてる前提です※
普通にこの時期六分街にはいないんだろうなと思いつつ、六分街とビデオ屋が好きなのでいてもらいました。



暑い夏の日には

 

 夏の六分街。

 燦燦とした日光に照らされ道行く人々は汗を流している。

 ひとたび建物の中に入ればひんやりとした空調の恩恵を受けることにはなるのだが、

 ただここ、

 仲の良い兄妹が営むビデオ屋は今日はそうではないようで──

 

「あーづーいー!」

 

 店内に客がいないからか妹店長は店内のベンチの上に寝そべりながら声を上げている。その様子を見た兄店長がため息を吐いた。

 

「リン、“暑い”はもうそれで20回目になるよ」

「だって暑いんだもん~! 大体こんなに暑い日にエアコンが効かなくなるとかありえないよね!?」

 

 そう言ってリンは薄いTシャツの胸元を引っ張ってパタパタと風を送っている。暑さに耐える為薄着をしているようだが、そうしていると襟ぐりから下着が見えてしまう。それに気づきアキラは困ったように眉を下げた。

 

「うーん……点検を怠った僕らが悪いかな」

「あーもー、修理だって明後日まで来てくれないって言うし~。もう耐えらんないよ~」

「そうは言うけれどそのままダラダラしているわけにもいかな──いらっしゃいませ」

 

 突如入ってきた客にアキラは営業スマイルを浮かべ、リンは慌てて服装を整えて立ち上がった。

 ビデオ屋の玄関には『本日空調故障中!』と書かれた紙が大々的に貼られていて、中へ入ってきた客は皆「ああ……」と残念そうな表情を浮かべる。誰もが涼しさを求めているのだ。その為足を踏み入れた客たちは早々にビデオを選ぶと足早に店舗を出て行ってしまう。店長二人としてはもう少し長く見てもらってより多くのビデオを借りてもらえたらと思うのだが、こればかりは仕方ない。

 

「こんなに暑いんじゃ何にもしたくないよ~」

 

 客が帰ったあとでカウンターの下に隠れるようにしゃがみこんでしまったリンを見て、アキラは困ったように唸った。

 

「うーん……こればっかりはどうしようもないか。リン、今日は早閉めにしよう」

「ほんと!?」

「ああ、来てくれるお客さんにもこの暑さじゃ申し訳ないしね」

「やったー! じゃあじゃあ、どっかお店入って涼んでこよ?」

「まあ少しくらいなら……ああでも、まずは事務作業を終えてからだよ」

「ええ~! お兄ちゃんのケチ~!」

 

 ぶつくさと文句を言いながらもリンが作業に入る様子を見て、アキラは小さく笑みを浮かべる。

 ビデオ屋がいつもより早くCLOSEの札をドアに下げたのは、夕方近くなってからのことだった──。

 

 

 

   ***

 

「お兄ちゃん! アイス何にする~?」

「そうだな……リンは何が食べたい?」

「えーっとねぇ、このミルクバーのいちごとメロンで迷っててー……」

 

 ビデオ屋の閉店後、涼む為にいくつかお店を回った二人は雑貨店141に立ち寄っていた。そこでさらに体を冷やそうとアイスを買おうと冷凍ケースの中を眺めているのである。リンはどうやら欲しいものが決まったのかケースの蓋をスライドさせると中からお目当てのアイスを二つ取った。

 

「お兄ちゃん、ほんとに私が食べたいのでいいの?」

「ああ。僕と半分こすればどっちも楽しめるだろう?」

「えへへー、お兄ちゃんってば優し♪ だーいすき♪」

「ほら、会計しておいで」

「はーい!」

 

 リンは嬉しそうにぱたぱたと会計まで駆け寄っていくと、すぐさまディニーを払ってオツリたちに手を振った。

 

「えっへへー、もう開けちゃお♪」

「おっと……ここで開けるのかい? 家まですぐじゃないか」

「だって早く食べたいんだもーん」

 

 リンはそう言うといちごミルクバーのアイスの袋をバリッと音を立てて開ける。出てきた平たい棒を掴むと中から甘い香りのするアイスを取り出した。

 

「あむっ……ん~! 冷たくておいし~!」

「それはよかったね」

「ほらほらお兄ちゃんも!」

「あー……ん、うん、つめひゃい」

「あははっ! 帰ったらメロン味も食べさせてね~」

「わかってるとも」

 

 齧ったアイスが口の中でじゅわりと溶けるのを感じながら、二人はゆっくりと歩く。本来なら早く家に着きたいところだが、今日に限っては急いで帰ったところで部屋の中も暑い。ならば無駄に体力を消耗しないのが最善というわけだが──

 

「んっ、わわっ、溶けてきちゃった……あむっ──んんっ!」

 

 日が落ちても尚暑い夜道で、溶けかけたアイスを口で受け止めようとリンは奮闘したものの、アイスはリンの口の端に落ち、溶けたアイスはだらりと顎を伝って喉元へ──そして鎖骨のくぼみまで落ちていった。

 

「ひゃああっ、べたべたになっちゃったよ~。えーん、おにいちゃ~ん!」

「リン、そのままだと服まで汚れてしまうよ」

「すぐ溶けちゃうアイスが悪いんだよ~!」

「はいはいわかったから、早く中に入って」

 

 そう言ってアキラはビデオ屋のドアを開け、リンを先に中へと入れる。中では我が家のボンプたちがスリープモードで大人しく座っていた。この暑さの中で動かしておくと故障しかねない為、今日明日は彼らにはお休みしてもらおうという考えだ。同様にFairyも本人の希望で大人しくはしているようだが。

 

 人間も省電力で動けるようなモードがあればいいのに、とアキラは思いながらリンと二人で二階の自室へと向かった。

 

「あーもーべたべたで気持ち悪いよぉ~。アイスは美味しいのに~」

 

 そう言いながらリンが自分の部屋のドアを開ける。それを見ていたアキラが、リンの肩を優しく掴んだ。

 

「っ、ん? お兄ちゃん?」

 

 アキラの視線がリンの胸元へと刺さる。

 溶けて垂れたアイスは今や胸の谷間へと落ちていっている。

 

「あちゃー、私このままシャワー浴びてきちゃうね」

「いや、今服を脱いだら服がアイスで汚れてしまうよ」

「? うん、だから濡れタオルで拭いてー、それから……」

「タオルはいらないよ」

「ええ~? お兄ちゃんってば何言って──」

 

 可笑しそうに笑ったリンの身体を、アキラの両手ががっしりと掴む。

 急なことに驚いたリンが声を上げる間もなく、アキラの舌が、リンの谷間へと差し込まれた。

 

「んっ……お、にいちゃっ」

 

 いちごミルクの味がアキラの舌の上に広がる。

 そのまま鎖骨を丁寧に舐め、首筋に舌が這う。

 

「あっ、あ……」

 

 熱い舌がゆっくり登ってくる感覚に、リンはぶるりと体を震わせた。

 それから顎まで舌先がつつつ……と滑り、口の端を「ちゅっ」と吸い上げる。

 溶けたアイスが全て無くなるとアキラは顔を放してにっこりとリンに笑いかけた。

 

「……ほら、タオルはいらなかっただろう?」

「い……いらなかった、けど……」

 

 暑さのせいなのか、火照った顔でリンはアキラを見つめ返す。

 アキラはいつもと同じようにうっすらと笑みを浮かべたまま。

 その余裕な表情にリンはむっとした。

 

「でもまだ足りないよ!」

「え?」

 

 怒ったようなリンの言葉にアキラはきょとんとする。

 しかしそのすぐあとで、

 リンはアキラの服の裾をぎゅっと掴み──少し背伸びをして、くちづけた。

 

「……ここまでしておいて、キスしないなんてどう考えても足りないじゃん」

「ああ……それはきっとリンからしてくれるかなと思ったんだ」

「ええ~!? 何それ、お兄ちゃんの術中にハマったってこと!?」

「そうなるね」

「もー!!」

 

 さらに怒ったようにリンはいーっと歯を剥いて見せた。

 アキラはそれが可笑しかったのか、吹き出している。

 

「お兄ちゃんのバカ!」

「ごめんごめん、ほら、シャワーに行くんだろう?」

「………」

 

 むすっとしたままの妹と、くすくすと笑う兄。

 暑い室内のせいで、汗がたらりとこめかみを伝った。

 

「……私はシャワーの前にちょっと汗かいた方がいいかなーって、思うんだけど……お兄ちゃんはどう?」

「うーん、今たくさん汗をかくと脱水症状が起きかねな──」

「お に い ち ゃ ん ~ !?」

「あー……いや、少しくらいは大丈夫、だね」

 

 妹の圧に負けた兄は苦笑いをし、そのまま手を引かれ部屋の中へと吸い込まれていく。

 いつもはドアを閉めるが、今日は閉め切った部屋では暑すぎて頭がおかしくなりそうだった為……

 

 開け放たれた部屋からは

 

 張り付いた服を脱ぐ衣擦れの音と、

 焦ったように唇を合わせる水音が、

 

 二階廊下へ響き渡っていた──。

 

 

 

   ***

 

「おにーちゃん私のシャンプー切れそうかも~」

「おっと、これから買ってこようか?」

 

 浴室から聞こえてきたリンの言葉に、脱衣所兼洗面所からアキラが返す。

 雑貨店141は24時間営業の為、いつでも買い物ができるのは大変魅力的だ。そしてリンの普段使っているシャンプーも置いているのは評価ポイントが高い。

 

「えー、それなら私も一緒に行く~」

「別に僕一人でも買ってくるけれど」

「だってお兄ちゃん、さっきのアイス溶かしちゃったじゃん! すぐ冷凍庫に入れないからー!」

「うーん……溶けても袋に入ってるわけだし、ちゃんと今は冷凍庫で凍ってるから大丈夫だよ」

「そーゆー問題~!?」

 

 ガラッと音を立てて浴室のドアが開いた。

 シャワーを浴び終えたリンが顔を覗かせている。

 

「でも外に出ちゃったらまた汗かいちゃうよね」

「そうだね、だから僕が一人で……」

「ね、お兄ちゃん。

 

 エアコン修理してもらえるのは明後日だし、

 

 明日もお店が暑いまんまなら、

 

 一日閉めちゃってた方がいいと思うんだぁ」

 

「?」

 

 

 

 

「どっちにしろ汗かいちゃうんなら

 

 一日ずーっとわたしの相手、してくれてもいいんだよ?」

 

 

 

 浴室のドアの陰から、リンの豊満な胸が覗く。

 花弁を散らしたような赤色が点々とそこにある。

 アキラは自分がきつく吸い上げた痕を見つめながら

 顎に手を添え唸った。

 

 

「……リン、暑い上にそう何度もシているとそろそろ僕の身体が悲鳴を上げそうだ」

「んもー! お兄ちゃんの貧弱~~~!!! もっと体力つけてよ~!!」

「うーん、最近はだいぶ体力もついたと思っているんだけどね」

 

 肩をすくませるアキラに、リンはげんなりとしながら浴室の扉を閉めた。

 アキラは手に持っているリンのアイスでべたついた衣服を、水で洗い流して汚れを落としている。

 

 

「まあでも、今夜もう一度くらいは僕の相手をしてくれると嬉しいかな」

 

 

 ──浴室の扉を一枚隔てたリンの耳には、その小さな呟きは届いていそうになかった。

 

 

<了>




およそ10カ月ぶりに兄妹書いた。2.1の兄妹水着マジで楽しみすぎる。
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