キヴォトスのネゴシエイターは銃を持たない   作:単眼駄猪介

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搾りかすが出てきたので投稿。
後日談とか蛇足的なやつ。

あとは流石に本編の投稿時間が時間帯的に見る人少ないな、と思って……

内なる承認欲求モンスターが悪い()
短めです



It's a sequel, and it's also the future.

 

 

ロジャー・スミスはミレニアムのとある元は銀行だったらしい屋敷に住んでいる。

パラダイムシティの時の屋敷と少し違うが限りなく近いその屋敷は元々は別の場所にあったらしい屋敷を移転させたものらしい。

誰がそんな事をしたのかは……まあソレは良いだろう。

誰も住んでいない上に維持費だけがかさばむだけだったので、買い手がついたのは屋敷の不動産を持っていた主にはまさに救世主だったろう。

買い取ってからロジャー達は各々の必要な物や生活に必要なものを買い揃え、ようやく安心できる我が家に帰ってきたという感じになった。

ちなみにそれまで彼らはどこに住んでいたのかというと、ネゴシエーションで稼いだ金を使ってネットカフェで依頼募集と同時に生活を成り立たせていた。

出不精なロジャーでさえ、時折ネカフェを利用する客の異臭によって叩き起こされる事が多々あるくらいには環境は……まあ悪くはなかっただろう。

 

「………」

 

「ピアノに触れるのもかなり久しぶりか」

 

「そうね。でも弾き方も曲も覚えているわ」

 

そう言ってピアノを弾き始めるドロシー。

現在、ロジャーを主とする四人(・・)の屋敷の生活はかつてのパラダイムシティの屋敷にいた頃とほとんど変わっていない。

パラダイムシティでの名声はなくなったが、しかし彼らにとってそれは重要ではない。

ただ、自分達の自由な生き方を今できる楽しみ、またそれが日常なのだから。

無論、自由と自分勝手を履き違える輩はお断りである。

かつて、インストルというアンドロイドにピアノを教えてもらったドロシーはただ淡々と正確無比に弾いてた頃と違い、彼女の心を表すように感情ある音楽となっている。

 

「わぁ…ドロシーさん、ピアノ弾けるんですねぇ」

 

「ユメもやってみる?多分、全然駄目だろうけど」

 

「ひぃん……最初から期待されていないぃ…」

 

梔子ユメという、新たな仲間を迎えたロジャー達は変わらず賑やかな日常を暮らしていた。

本来、学園都市キヴォトスの学校から卒業した卒業生はキヴォトスから去るのだが、強制退去させられる訳では無いので卒業したらどうするかは当人達次第である。

まあ、それでも滞在する卒業生がいないということはキヴォトスの外にいるだろう家族や故郷に帰りたい、もしくは社会人として活動する為にといった理由が強いのだろう。

 

 

 

では、梔子ユメどうか。

アビドス大好きっ子であるユメはキヴォトスから離れる事なぞ想像できず、かといって就職や大学生の道を考えても失敗する未来しか見えない。

というかそういうツッコミがホシノら後輩に言われてしまっている。

結果、ユメは残留を選び、そして生活費の為にロジャーのメイドになる事になったのである。

持つべきはコネである。勿論、彼女の人助けの精神が実を結んだとも言えるだろう。

だがしかし、彼女のダメダメなところは優秀なノーマンでさえ頭を抱えるダメさで、最近は改善されてきたがメイド成り立ての当初は器物破損は当たり前、買い物も間違えて一個多く買ってしまったりと大きなミスから小さなミスまで網羅していた。

それ故に、付ききっきりの時間が多かったが今ではかなり改善されて一応、メイドらしい感じにはなった。

ただ、そんな彼女でもロジャーの独特なセンスには少し引いている。

 

「ひぃん…黒い服しかないよぉ…」

 

ロジャーが黒が好き過ぎる余り、使用人にも黒い服装をルールとして着用する様にしたり。

 

「砂時計が一杯……」

 

ロジャーのコレクションであるキヴォトス中からかき集めた大量の砂時計に感嘆と驚愕したり。

 

「目覚めはスッキリとしたものでならなけばならない、ユメ君もそう思わないかい?」

 

「それでも一時まで寝るのは駄目ですよ〜!?」

 

例のドロシーの淡々と、そして高速かつ爆音なピアノの曲がBGMとなりつつまだ眠そうなロジャーを叩き起こそうとして論理的な言葉に惑わされかけたり。

流石に快適な目覚めの為に、一時まで寝過ごすのはどうかと思うが。

とにかくロジャー達も振り回されたが、ユメも大分ロジャー達に振り回される、最早最初からいたんじゃないかと錯覚するくらいには仲が良くなった。

ああ、でも極め付きはアレだろう。

 

「女性だけはアポ無しで自由に出入りできる……えぇ……」

 

ホシノちゃん、私、とんでもないところに来てしまったのかもしれません。

などとどこかのレントンみたいな独白をしつつ、興味本位でやって来たゲヘナ、トリニティ、ミレニアムの生徒達に紅茶やコーヒー等のドリンクを運ぶユメ。

なんならその中には将来、大物となる生徒も多数おり、割とエグいコネクションを獲得していた。

ちなみにそれを見て誤解をした(というか初見殺し)黒い服の男はノーマンとドロシーに追い出されてたりする。

とはいえ、互いに黒を身に纏うからか惹かれ合ったようで後日、アポを取って来るようである。

それで良いのか……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キヴォトスには良き大人がいる。

その者はネゴシエイター(交渉人)として有名であり、かといって冷徹ではなくむしろよく感情的になる。

そして変人としても有名だ。

だが、それでも彼が愛され彼を頼るのは彼の人徳と彼の良い大人であろうとする態度だろう。

そんな彼の裏の顔はかつて存在したという巨大ロボ【メガデウス】の中の【ザ・ビッグ】と称される部類のパイロットである。

データの不足からメガデウスもアビドス砂漠に住み着く【ビナー】と呼ばれる鯨と蛇を混ぜたような機械の化け物は同時期に生まれた存在ではないかと、現在ビッグオーの出現によって考察する者達が多くいた。

だが、例えそうだとしてもロジャーはビッグオーとビナーは全く違う存在だと否定しよう。

ビッグオーはロジャーにしか動かす事を許さない。

自立稼働した事はあれど、その意思はロジャーを守る為である。

ソレに対してビナーはどうだろうか。

好き勝手に砂漠を遊泳し、時折人里に来ては破壊し砂漠化を進めてしまう。

碌に対応できる戦力が土地を買ったカイザーPMCしかいない現状では、ビナーを倒す事は不可能であるしそもそも獣的思考であるならそもそもビッグオーとは相容れない。

だからこそ、アビドスの危機にロジャーは立ち上がる。

 

「私としてはビッグオーがビナーと戦う所を見れるだけで十分です」

 

と、情報提供者はそう言っていた。

何を企んでいるのか、何故ビッグオーの操縦者がロジャーだと分かったのか、それは分からないが社会の汚い部分も見てきたロジャーは清濁併せ呑む事ができる。

だからこそ、今回は黒服と名乗る男の言葉を信じその対価としてビッグオーを起動させ撃退させるのだ。

ちなみに破壊しようと思えば【サドン・インパクト】で余裕でできるだろうが、ビナーも機械とはいえ生きている。

ビナーの気まぐれなのか、それとも意思なのか分からない以上、破壊して殺してしまうのは余りにも自分勝手だろう。

ネゴシエーションできる相手ではないが、だからといって問答無用で破壊するのもまた違うだろう。

 

「少女達の学園生活に横槍を入れるような真似はさせない。この世界に来た意味を考えると、私はその為に呼ばれた様な気さえする。だが、私は私だ。誰かの傀儡でも動く玩具でもない。これは私の意思で行っている。だからビナー、言葉を通わせられない君とは暴力で止めなければならないことを残念に思うよ」

 

そんな事を独りごちりながら、ビッグオーとビナーの戦いは長時間続いた。

アビドスの方へ行きたいビナーと、それを止めたいビッグオー。

次第にビナーの攻撃は苛烈を極め、ビッグオーもサドン・インパクトや頭部のクリスタルから放たれる極太のビーム【クロム・バスター】で体の一部を破壊したりと追い詰める。

ビナーも負けじとミサイルやビームを乱射するが、ビッグオーの装甲を貫く事はついぞできなかった。

結果、ビナーは諦めて砂漠の方へ戻っていった。

ボロボロで満身創痍のビナーに対して、多少の傷はあるものの損壊していないビッグオー。

とはいえ、ロジャーも冷や汗をかいていた。

ロジャーにとって、怪物と戦うのは今に始まった事ではない。

遺伝子組換えによって生まれた怪獣を倒した事もあるし、正体は幻影を操るメガデウスだった怪物も倒した。

だがそんな奴を手加減する事自体はあまり慣れていない。

手加減が難しかった、という意味でロジャーは冷や汗をかいていたのだった。

 

「もうあと五十年は来ないでくれよ」

 

次は本気で壊してしまうしかなくなる。

そうロジャーは感じるのだった。

 

例え、ビナーにとってアビドスの方へ行く事が【雨の中、傘をさすくらいにあたり前の行動】だとしても、他人に迷惑をかける行為はよろしくない。

まあ言葉が物理的に通じない相手に何を言ってんだ、となるだろうがロジャーはかつてその言葉に対してこう返している。

 

【雨の中、傘をささずに踊る人間がいてもいい…自由とはそういうことだ!】

 

だからこそ、相手の自由をロジャーは尊重するしよっぽどの事でなければ止めもしない。

ビナーがどこへ行こうとロジャーは口出ししないし今日のように武力で強制したりしない。

だが、自由と自分勝手を履き違えた輩には容赦しないし現にそういった者達を倒してきた。

今回、ビナーを撃退した事で彼にアビドスに来る事は危険だと分からせた筈である。

物理的なネゴシエーションとなってしまったのは残念だが、知り合いをみすみす危険な目に会わせるような趣味はロジャーにない。

せっかくの学園生活なのだ。

彼女達の一生の思い出になるような場所に、危険な事に誘うようなことは、決して許されて良い事ではない。

これでまた来るようならば倒す、そんな覚悟をロジャーは抱く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ロジャーは今日もネゴシエイターとして、一人の大人としてキヴォトスでネゴシエーションをする。

企業間だけではない。

生徒達の間に、個人の間に彼は依頼あればそこに入り、互いが納得する交渉をする。

 

そんな彼に生徒達は憧れ、親しむのだろう。

 

 

ちなみに異性として見るにはロジャーは優良物件ではあるものの、その独特な個性故に異性として見る者は多くない。

その事実をホシノから聞いたロジャーはしばらくの間、しょんぼりしていたという。

なんだかんだ、ロジャーも少女達からチヤホヤされたいのであった。

 

 

 

 

 

 

 






ロジャーってモテるとしたら大分個性が強めな子にモテそうな気がする(笑)
便利屋68とかに(誰とは言わない)

さて、これでほぼ完全にネタは出し切ったのでコレで終わりかなぁ
流石にビナーとの戦闘シーン考えるとブルアカやってないのが痛すぎて考えるのやめちゃった

本編の後書きにあるように、感想とかで続きを望む声あれば先生が出てくる辺りくらいまで頑張ろうかな〜と考えています

それでは、読了ありがとうございました
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