超逆転裁判   作:枕元バナナ論

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初投稿&二次創作も初めてなので、変なところがあったら指摘などをお願いします。

構想と現状:
第1話~第3話までのトリック、逆転の要素を考案済み。
ただ、小説の文章を書くのに慣れていない状態で、執筆に時間がかかっている。

2024年9月10日 改稿
①文章を校正しました。
②プロローグを追加、それに伴い主人公の設定を変更しました。
③主人公の名前を『是枝慎二』から『是田慎二』にしました。


法廷パート1

「ついにあの子が弁護士になったのか……」

 

いつもと変わりない青空。

その下では人々が忙しそうに歩き回り、都内の喧騒の一部となっていく。

事務所の窓からそんな光景を見ながら、俺は1人で感傷に浸っていた。

 

「彼女が弁護士を目指すキッカケになったのは、あの事件。俺の初めての法廷だっったな」

 

彼女が恋人を殺害され、その罪で逮捕された事件。

同時に俺が初めて担当した事件。

苦労しながらも、頑張って彼女の無実を証明したんだ。

 

「もう……3年近くも前のことだっけか」

 

今でも思い出せる、あの時の法廷。

俺は少しだけ、その時の記憶を辿っていった。

 

 

【5月13日 午前8時38分 地方裁判所 被告人第1控室】

 

「うう、もうダメだぁ。今日、アタシは死んじゃうんだぁ……」

「ちょ、ちょっと正香ちゃん、落ち着いて……」

 

裁判前の重苦しい空気の中で、悲痛な声が響きわたる。

その空気とは場違いの光景に対して、周りの目が俺の方へと集まっている。

ちらりと彼らの表情を見ると、『こんな状態で裁判に臨めるのか』という疑問がまざまざと浮かんでいた。

 

うう、胃の辺りがキリキリと痛んできたぞ……。

 

「アタシは死刑になっちゃうんだぁ!殺人なんてやってないのにぃ!」

 

俺の名前は『是田慎二(これだ しんじ)』。見ての通り、新米弁護士だ。

今日は初めての法廷……なんだけど、依頼人である彼女の様子を見ていると、少し不安になってくる。

緊張と不安のダブルパンチで、心臓が今にもハレツしそうだ。

 

そして、目の前で泣き叫んでいる彼女は『矢張正香(やはり まさか)』。

今回の事件の被告人であり、俺の記念すべき初めての依頼人だ。

 

『事件の影には、やっぱりヤハリ』と言われ続けて十数年。

なぜかは知らないが、彼女はいつもキツイトラブルに巻き込まれているらしい。

彼女から聞いた話によると、誘拐されたり、事件に巻き込まれたり。酷いときには命の危機にもあったことがあるとか……。

 

ちなみに彼女は俺の親戚であり、その縁もあって俺に依頼をしてくれたようだ。

 

ところで、なぜ彼女が裁判にかけられることになったのか。

それは殺人の容疑がかかっているからだ。

 

勇秀大学という大学の研究室で、ある1人の学生が殺害された。

ナイフで一刺し、研究室は血まみれだったらしい。

逮捕されたのは彼と恋愛関係にあった女性。それが彼女である。

 

「うわあああん!」

「大丈夫、大丈夫だから。一旦、深呼吸をしよう」

 

とりあえず、彼女のことを慰めないと。

俺が彼女のことを慰めていたところ、後ろから声がかかる。

控室の重苦しい雰囲気を一瞬にして切り裂くような、明るく澄んだ声色だった。

 

「おやおや、コレダ君。紳士たるもの、レディを泣かせてはいけないよ」

 

慣れ親しんだ声に気づいて後ろを振り向くと、そこには小学生くらいの年齢の少年が立っていた。

その姿は、法廷という裁きの庭にはそぐわない異質な存在のように見える。

 

「あ、先生!おはようございます!」

「……センセイ?」

 

彼女はいきなり現れた少年、そして俺が彼のことを先生と呼んでいることに対し、目をまん丸にしている。

まあ、この人……かなりインパクト強いからなあ。

 

さて、彼はおもむろに懐からパイプを取りだし、口にくわえる。

これは彼がキメゼリフとかを言う前、いわゆるかっこつけるときの癖だ。

あのパイプは偽物なので煙が出ないはずなのだが、なぜか煙を吐き出す仕草をしてから口を開く。

これもいつもの癖だ。

 

「私の名前は『砕我一龍(さいが いちりゅう)』。闇に覆われた法曹界で、孤高に煌めく一番星……」

「孤高?一番星?」

 

正香ちゃんはとても混乱しているようだ。先ほどから先生の言葉を繰り返すロボットのようになっている。

その様子が少し可笑しくて、ちょっとだけ笑いそうになる。

 

「そして、世間は私のことをこう呼びます……名探偵と」

「め、名探偵……?」

「いやいやいや、弁護士ですよね、センセイ……」

 

思わず俺は突っ込んでしまう。なぜ、本業を先に言わないんだ……。

とりあえず、混乱している正香ちゃんを元に戻すため、先生のことを紹介しようか。

 

「正香ちゃん、紹介するよ。俺の上司で弁護士の砕我一龍先生だ」

「え、慎二さんのお師匠さん?」

 

彼の名前は砕我一龍(さいが いちりゅう)。

俺が所属している砕我法律事務所の所長であり、名探偵を自称する現役の弁護士だ。

このような少年の見た目をしているが、俺が生まれるずっと前から弁護士をしているらしい。

 

「え、え、最近は子供でも弁護士になれるんですか?」

「いやいや、流石になれないよ……」

「じゃあ、なんで弁護士さんなの?」

 

彼女の疑問は最もだ。弁護士の資格は、少年だと取れないからな。

 

「こう見えても先生は俺よりも年上なんだ」

「ええー!!!嘘!?」

「ふふ、身体は子供、頭脳は大人っていうヤツさ」

 

おいおい、危ない発言はよしてくれよ……。

そんなことを思っていると、正香ちゃんにハッとしたような表情が浮かぶ。

どうやら思い当たる事情があるようだ。

 

「あ!もしかして探偵さんも能力者なんですか?」

「ご明察。中々優秀なお嬢さんだ」

 

能力者。

 

100年以上も前のこと。いきなり人類の中に、特殊な能力を持つものが現れた。

彼らの割合は人口の約10%程度と母数としては少ない。

ただ、彼らの存在は確実に世界に影響を与えた。

 

例えば、犯罪率は一時的に急上昇。

今でこそ、法律の制定や警察などの頑張りにより犯罪率は落ち着いているが、能力者黎明期である当時は酷かったらしい。

 

さて、能力者が関わる事件は特殊だ。一般常識が通用しない彼らの事件は、まさに何でもあり。

通常の弁護とは比べ物にならないくらい、難易度が高いものになる。

 

うう、頑張らないとなぁ。

 

「ところで、コレダ君」

「は、はい、何でしょう!」

「そろそろ開廷の時間だよ。準備はいいかい?」

「あ……」

 

俺は壁にかかっている時計を急いで見る。あと10分ほどで開廷の時刻だ。

秒針の音が妙に大きく聞こえる。時間の流れが急に速くなったような気がした。

 

俺は緊張を紛らわすために、深く息を吐き出す。

そして、意を決して法廷のドアに手をかけた。

いよいよ、法廷への道が開かれる。俺たちの戦いが、今始まろうとしていた。

 

ついに始まる、俺の初めての法廷が。そして、正香ちゃんの運命を左右する法廷が。

無罪を証明してみせる!絶対に!




キャラまとめ:
是田慎二(コレダ シンジ)
→ 「これだ、真実」のもじり

矢張正香(ヤハリ マサカ)
→やっぱり、まさか。

砕我一龍(サイガ イチリュウ)
→ 才能が一流。ホームズをイメージ。
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