菫色の鋭風は天を舞う   作:黄昏の跡地

3 / 13
ちょっと時間飛んで1週間後のところです


第3話

 

あれから1週間が経過した……火消し回りをエクシアとしていると生徒会への入会申請をするのをすっかり忘れていて織斑先生に泣き寝入りする羽目になったのはまだ記憶に新しかったですわ

 

そんなこんなでやって来ましたわクラス代表決定戦……まあ私に関しては野暮用すぎてなんとも言えませんが

 

「……なんですのこの空気は」

 

アリーナの織斑さん達の様子を見に来てみればご覧の有様だった……片や頬を膨らませそっぽ向いてるし片や怒り心頭と言わんばかりに箒さんに文句垂れてるし、本当になんでしょうかね?

 

「あっシエルさん!聞いてくれよ箒のやつIS系の知識教えてくれるだけでも良かったのに1週間ずっと剣道しかさせてくれなかったんだ!酷いと思わないか!?」

 

「仕方ないだろう!お前の機体はまだ無いんだからアリーナを借りるわけにもいかないし身体を少しでも動かして思い出させるのが1番だと思ったんだ!」

 

「「シエル(さん)!どっちが悪いと思う!」」

 

「どっちもどっちだと思いますわよ?」

 

喧嘩両成敗、古今東西お互い悪い所があればどっちも悪いのですわ大人しく改善なさい……と言うか合間の時間にでも勉強すれば良かったのでは?と言うのは野暮でしょうか?

 

「織斑くん織斑くん!」

 

「山田先生?」

 

「来ました!織斑くんの機体が!」

 

「織斑、済まないが時間が無い……最適化(フィッティング)初期化(フォーマット)も含めてぶっつけ本番でやってもらう事になるが折角だ、10分は慣らしで逃げ回っていろ」

 

 

辛辣だなぁ……まあなんとかなるでしょう

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

まあそうは問屋が降ろしませんでしたわ!10分粘って第1形態移行(ファーストシフト)してSE全快、しかも織斑先生と同じ単一仕様でもある《零落白夜》が使えるようになって勝てるってタイミングでブザーが鳴った……織斑くんのSE切れで

 

「……」

 

「【取り敢えず千冬姉の名前だけでも守る】……でしたっけ?守れましたか?」

 

「ングェ!?」

 

「零落白夜の本質を理解出来てなかったのもあるがあれだな……うん」

 

とまあ酷評がまあ出るわ出るわ、まあ初回にしては良さげでしたので今後に期待ですわね。おっと姉様の補給が終わったみたいですわね……参りましょうか?

 

「それでは行ってまいります」

 

「……加減はしろよ?」

 

「心得ておりますわ……おいでなさい【ゼファー】」

 

ゼファーと言うのは《サイレント・ゼフィルス改》の愛称ですわ、何事にも愛着という物が湧きますもの……カラーリングも私好みですし

 

《カタパルト接続確認、射出推力正常、進路クリアー!発進どうぞ!》

 

山田先生の言葉と共に赤ランプ3つ点灯した後青に切り替わる、では参りましょうか

 

「サイレント・ゼフィルス改、シエル・オルコット!参ります!」

 

加速Gに耐えながらアリーナの中へと飛ばされる、姿勢を安定させながらスラスターを吹かせると還流型固有の青い光を迸らせ指定空域へ到達する

 

「……シエル」

 

「なんですの?お姉様」

 

「ハウアッ!?……前みたいにお姉ちゃんとは言ってくださらないのね……それはそうと、今まで沢山迷惑をかけてごめんなさい」

 

「……明日はレーザーの雨でも降るのかしら?」

 

「私が謝罪したのがそんなにおかしいのですか!?」

 

「今までの言論を振り返ってから吐かせ駄姉」

 

急にしおらしくなった姉の変わりっぷりに私は困惑の一言に限りますわ……この変わりよう、まさかとは思いますがあの男に惚れましたわね?友人として付き合っていくのならまだしも恋愛面であれと付き合うのは中々に勇気が入りますわよ?

 

《試合、始めてください》

 

まあ、頑張りますか

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

まずはご挨拶、レーザーライフルの【スターブレイカー・エンハンスド】から単射のレーザーを放つと姉様も【スターライトMk-Ⅲ】からレーザーを放つ。お互いそれを回避すると高機動下でのレーザーの応酬を始める……腐っても代表候補まで上り詰めただけはある、けど!

 

「射撃パターンを入力、三点・拡散(スプリッド)・バースト」

 

小声で音声認証(ボイスコール)による射撃パターンを入力し頭部の高性能バイザーを降ろす、ガションと言う機械音と共にバレルから音を発している……チャージが終わった知らせだ

 

「シュート!」

 

ドガガッ!バシュウッ!ボウッ!と立て続けにレーザーが放たれる音を立てながら空に青い奔流が迸る。何発か直撃しバーストシュートによる照射にもろ直撃しブルー・ティアーズのSEが一気にイエローゾーンにまで減った

 

「グウッ!?流石ですわね!」

 

「モデルの仕事してるお姉様と違ってこっちは暇さえあれば動かしておりましたもの、稼働時間は優に越してましてよ?」

 

加えて生身でISと遣り合う首席さんとの殴り合いもした事もありますしスコールさんやメーテルリンクさんからかなり扱かれましたもの、この程度で負ける程私は落ちぶれてはいませんもの

 

「ではお次はビット勝負といきますこと?お行きなさい!」

 

そう言うと同時に腰部にセットされているBTビットを6基リリースする、加えてアンロックユニット下部にマウントさせているバスターランス【ウインド・フェイス】とレーザーソード【フェンリル・ブロウ】を高機動モードに可変させ加速する。

 

「なっ!?はやっひあっ!?」

 

あちこちから直線・歪曲・拡散・収束したレーザーが飛び交い姉はブルーティアーズすら展開出来ずじまいで次々と武装とスラスター周りを撃ち抜かれていく……同時制御(マルチタスク)歪曲射撃(フレキシブル)が使えない姉からするとこの状況は絶望的だろう

 

「貫きなさい!」

 

姉が落ちていくタイミングに合わせて左手に持っているスターブレイカー・エンハンスドを【レーザーランスモード】に切り替え瞬間加速(イグニッション・ブースト)を起動させ肉薄する、高機動モード下でのブーストは音速の域に到達し一瞬にして捉えSEを枯渇させる

 

《ブルー・ティアーズ、SEエンプティを確認、勝者シエル・オルコットさん》

 

私は少し離れ右手のスターブレイカーを上空へ掲げる……所謂勝利ポーズと言うやつですわね、意外とこれ受けが良いのでよくやるようになりましたが煽ってるようにも見えておりますから控えましょうかね?

 

 

 

そんなこんなで姉を解らせることが出来ましたので今日は満足して寮へ戻る事にした、部屋ではシアが既に料理の準備をしており着替えてシャワーを浴びて出てくると既にテーブルの上に並んでいた……手際が相変わらず良いこと

 

 

この後料理は美味しく私達が頂きましたわ

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

「という訳で、1年1組のクラス代表は織斑一夏君に決定いたしました!同じ数字が並んでるの縁起が良いですね!」

 

翌日、私たちは普段通りに学校へ登校してきてHRをしているとボロ負けした筈の織斑くんがクラス代表になっておりましたわ……これ姉がわざと譲りましたわねいてこましますわよ?

 

「あのぉ〜山田先生?何故俺なんですか?普通オルコットさん……えっとセシリアさんが勝ったんですからセシリアさんが就任する筈では?」

 

「それは「私が辞退したからですわ」あうぅ〜」

 

こらこら先生の言葉遮らないの殴りますわよ?

 

「山田先生、織斑先生、理由のご説明等させて頂きたいのですがお時間を頂戴しても?それと山田先生、先程割り込んでしまい申し訳ありませんわ」

 

「構わないが長くならないようにな」

 

要約するとこうだ、自分の自己肯定感を満たしたくて自分が絶対推薦されるだろうと思っていたが例の織斑くんが推薦されるばかりで腹が立った為決闘を申し込み実際に戦ってみると案外悪くなくて任せようと思ったらしい……これ4割の理由らしいですわよ?残り6割は好きになってしまったから推したらしいですわ

 

<???「不憫だなwww」

 

ちょっとそこのウォッチポイント叔父様?大人しくお帰り願いますわよ?

 

「そしてこの場を持って皆様方に謝罪を申し上げますわ!多大なるご迷惑をお掛けしてしまい申し訳ありませんでした!」

 

 

まあ普通に謝罪してこの後普通に受け入れられたのはここだけの話ですわ……ちょっと納得いきませんが

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

「それでは授業を始める、専用機持ちは前へ」

 

授業はアリーナにて、所謂実技に当たる科目でもあるこの授業は単位が非常に大きくて1度でも落とせば取り返すのが難しいと言われております……まあそんなことは置いといて私、姉のセシリア、エクシア、織斑さんの4名が前へ出る

 

「それでは先ず機体を展開しろ」

 

そう言われると直ぐに私はゼファーを展開する、それに次いでシア、姉様の順で展開したが織斑くんはまだ初心者故なのか展開出来ていなかった

 

「織斑、自分が白式を纏った時の姿を強くイメージしてみろ。最悪音声認証によるボイスコールでも構わんぞ?」

 

そう言うと織斑くんは「来い!白式!」と叫び機体を纏う……改めてみると非常にヒロイックなカラーリングをしておりザ・主人公な機体だった

 

「織斑、お前はまだ初心者だから仕方ないが最低でも0.5秒で機体を展開出来るようにしろ」

 

「はっはい!」

 

「よし、では飛べ!」

 

脚に思いっきり力を入れ飛ぶ……私が飛ぶ際のイメージは「カラス」だった……昔から良く鴉の飛ぶ瞬間の姿を目撃していたからなのか脚に力を入れる癖が着いてしまった。

 

「あっしまった、もう天井についてしまいましたわ」

 

現時点でも最速を誇るゼファーは軽くアサルトブーストをかけただけでこれだ、メーテルリンクさんの専用機でもある《インフェクション》も相当でしたが……シュナイダーの方々は本当にいい仕事をして下さいましたわね

 

そうこうしていると全員が到着した……おいコラそこの姉、イチャコラしろとは言ってないですわよしばきますわよ?

 

『よし、次は急降下と急停止だ。目標は10cm……代表候補ならこの位はやって見せろ、但し織斑お前は10cm以上でも咎めないから自分の思ったタイミングで止めてみろ』

 

「では「おっさきー」ちょっシエル!?」

 

ホバリング状態を切り急降下していきタイミング良くスラスターを吹かせる……するとジャスト10cmで止まった。あの空気の中ずっといるのは忍びないのですわ許してくださいまし

 

「ふむ、流石だな。あのスコールに扱かれているだけはある」

 

「まだまだですよ私は……これからも精進致しますわ」

 

織斑先生に褒められるのは珍しいと思いつつ次のバネに直ぐ作り替える、続け様にエクシアと姉様が降りてきて共に10cmで止まった……そこまでは良かった

 

ヒュウゥゥゥゥゥゥゥゥゥ……ズドォォォォォォォン!!!!!!

 

『キャアァァァァァ!!!!!』

 

……落ちてきましたわねスラスターもろくに吹かさずに

 

「んんーっ!!ブハッ!(スパァーン!)ングェ!?」

 

「馬鹿者!【急停止】と言っただろう!誰が地面へ向けてイーグルダイブしろと言った!」

 

うーんこの……

 

 

「はぁ……もういい、織斑授業が終わったらその開いた穴を埋めておけよ」

 

「そんなぁ」

 

「では次に武装の展開だ……オルコット妹、実演を」

 

そう言われると直ぐにスターブレイカー、レーザーショットガン【ブルーバルサム】、レーザーハンドガン【ガーデンローズ】、マルチENライフル【KRSV】、レーザーダガー【インターセプターMk-Ⅱ】、レーザースライサー【スティールヘイズ】、レーザーブレード【ロックスミス】を順番に出して地面に降ろしていく

 

「……随分と多いな」

 

「BTシリーズの欠点は近接武装の不足による対応力の無さですわ、それを補う為にアーキバス先進開発局へ持って行ったらこんなにも増えたのですわ。後後ろの方にも槍と剣が、腰にビットがくっついておりますわ」

 

「いやもう充分だ……格納してくれ」

 

そう言われるなら仕方ありませんわね、大人しく直しましょう

 

その後、結局エクシアの出番が回ってくることはなくチャイムが鳴り教室へ戻る羽目になった。仕方ありませんわよ……ね?

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

放課後、私とエクシアは生徒会室へ脚を運んでいた。理由は至ってシンプル……顔見せと雑務をしに来ましたわ、1週間前はゴタゴタしてましたから来るのが遅れましたもの

 

コンコンコン

 

「どうぞー」

 

ガチャ

「失礼……致します」

 

「お嬢様緊張しすぎですよ?」

 

「だっ……だって」

 

まあ入試時点から入る約束はしていたけれどここまで遅くなるとは思わなかったから申し訳なさを感じて入るのを躊躇ってしまうのは仕方ないことではなくて?

 

そんなこと話しながら中へ入ると書類の山が山積み……という訳ではなくかなり整頓されていて居心地が良い感じがした。どことなくお父様の書斎にも似ているから落ち着きますわ

 

「いらっしゃ〜い!ようこそ生徒会へ!私がここの生徒会長を務めているロシア国家代表生の更識楯無よん♪よろしくね♪」

 

「ようこそおふたり共、生徒会書記を努めさせて頂いてます布仏虚と申します……本音がお世話になっております」

 

「あっいえ、こちらこそ……イギリス国家代表候補生のシエル・オルコットですわ……よろしくお願い致します」

 

「ティアーズ・インダストリー企業代表のエクシア・ブランケットと申します、お嬢様共々お世話になります」

 

「ささ!お堅い挨拶は程々にして虚ちゃん!お茶をお出ししたげて!」

 

そう言うと手際良く紅茶を入れ出した虚先輩と冷蔵庫からケーキを取り出してこれまた手際良く切り分けていく楯無先輩……絵になりますわね

 

「ごめぇ〜ん遅くなっちゃったぁ……あ、えるるんとえーちゃんだぁ〜生徒会に入るんだねぇ」

 

のんびりとした話し方をした私達の癒し本音さんが生徒会室へ来た……どうやら彼女も生徒会の一員らしい、そして後ろには楯無先輩と同じ青髪の女の子が立っていた。恐らく彼女が日本国家代表候補生なのだろう

 

「本音そこ立ってたら私入れないんだけど」

 

「あごめーんかんちゃん、入ろ入ろ」

 

 

そう言いながらダボダボの袖越しにかんちゃんと言われた少女の手を引く本音さん……癒しですわね

 

「さてさて!全員揃ったことだし……話ましょっか?」

 

「何についてでしょうか?」

 

「そりゃあ勿論この学園で何か不満がないかとかよ……入学してきて日が浅いけれども今の時点で不満を持っている生徒は普通にいるもの」

 

「お姉ちゃんその前に私自己紹介していい?2人とは初対面だから」

 

「ああごめんなさい簪ちゃん、お姉さんすっかり抜けてたわ」

 

「全くもぉ……初めまして、1年4組所属の更識簪と言います。日本国家代表候補生で4組のクラス代表と生徒会を兼任しています……よろしく」

 

「よろしくお願い致しますわ簪さん……しかしまあなかなかどうして似た者キャラが多いようで」

 

「と言うと?」

 

「まず私とシア、簪さんと本音さんは姉がいる。そしてシアと本音さんは同い年でお付のメイドですし虚先輩とシアのお姉さんも同様です……手のかかる姉じゃないのが羨ましいですわ」

 

「いえシエルさん、お嬢様はかなり手が掛かりますよ?ことある事に仕事ほっぽって簪お嬢様の様子を見に行くぐらいですから」

 

「虚ちゃん!?」

 

「姉なんてそんなものだよ……例外なのが虚さんだけであって」

 

「そういえばウチの姉も最近同人誌にハマってるみたいでちょっと残念系になってきました」

 

何ですのこのキャラのダダかぶり具合……世の中の姉とはそう言った人物しか居ませんの?

 

 

その後普通にお茶会が終わり食堂で就任祝いとかやってるらしいですが思い切りボイコットしましたわ知りません




《TIPS》レーザーショットガン《ブルーバルサム》

型式番号含めた正式名称は【VP-66LS《ブルーバルサム》】、AC6において手持ち火器のレーザーショットガンそのまんまである。牽制から追撃、フィニッシュまで多様に扱えるこの子はかなり素直でEN効率はかなり良い。

通常射撃による面制圧とチャージショットによる一極集中の使い分けが出来るからなのかスターブレイカーよりかは素直(あっちは撃ち分け沢山できるし近接武器にもなるしややこいことにもなるから仕方がない)

然しながら通常射撃の衝撃残留値は悲しいレベルにしょっぱく大体連続チャージショットによるレーザーグレネードとして運用する事が多くなる

名称の由来はシエルの「通常射撃が日本の鳳仙花の様に弾が飛び散らばりますわね」の一言から始まり青いレーザーが飛び散る様子から【青い鳳仙花】を意味する《ブルーバルサム》と名付けられた
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。