何かがおかしいハイスクールD×D   作:ぼけなす

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やってしまった……。他のも書いてるけどどうしてもこの衝動が抑えきれなかったです……。

まあのんびりゆっくり更新していきます。

ではどうぞ!


プロローグ

 

 

 

 桜が舞う季節、春。穏やかな晴れの日では新入生は張り切り、在学生はやや気だるそうながらも新たな出会いに心を踊らせる。

 

 そんな季節がオレにもまた来た。こんにちわ。どうも兵藤一誠です。

 

 今日から駒王学園二年で青春を謳歌している学生だ。まあ青春と言っても馬鹿やってるわけだが。

 

 この駒王学園は元々女子高だったのだが、近年共学化し、男も通えるようになった高校だ。中学の同級生、松田と元浜もまたそれが目的である。

 

 男子にはモテモテハーレムという幻想にやられたのだ。まあ今では変態三人衆というわけだが。

 

 ん? オレか?

 

 馬鹿め。二人と同じと思ったか。オレは幼馴染みの二人がこの学校に通っているから入学したのだ。四大お姉さまと呼ばれてる我が幼馴染みのお姉さまとの繋がりを持つために入学した。

 

 ククク、この一誠。必ずや幼馴染みの二人を手中に収める!

 

『いや相棒。なら普段からの行いをなんとかしろ。あんなあからさまなスケベ行為に一人は確実に嫌われてるぞ』

「だが断る。オレの求愛行動をドライグには否定されたくない」

『誰かコイツに常識を教えてくれ』

 

 その常識はずれが何を言うか。ドラゴンであるドライグにそう内心で毒づく。

 

 ドライグとはかつて二天龍と呼ばれていた赤龍帝でオレの子どもの頃に夢の中に出てきたドラゴンだ。堕天使、天使、悪魔の戦争の中でライバルである白龍帝のアルビオンと喧嘩していたため、その戦争もろとも巻き込み、最終的には魔王と神によって封印された。

 

 若さゆえの過ちか知らないが周りをもっと見ようよと思ったのも思い出せる。

 

「さてと今日も楽しみますか、オレのスクールライフを!」

『もう大人しくしてくれ』

「だが断る。お前も戦争中でも大人しくできてなかったくせに」

『ちくせう』

 

 なんでこうなった……?

 

 幼馴染みと家族のせいですが何か?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 オレが席に座ると松田と元浜がいつものようにオレの前にエロ本を出してきた。

 

「どうだイッセー。興奮すんだろ」

「特にこの乳! けしからんだろ!」

 

 確かに大きいな。しかし幼馴染みよりやや小さい戦乳力(せんにゅうりょく)だ。まだまだだな。

 

「やだあの男子ぃ……」

「またあんなものを持ち込んでサイテー」

 

 女子の心ない一言に松田と元浜が怒る。

 

「なんだと!」

「男子の妄想力をナメるな! 脳内で犯してやろうか!」

 

 元浜……それはいただけない!

 

 オレはエロ本を丸めて、元浜を叩いた。

 

「いっ……何すんだよイッセー!!」

「お前の愚かさに叩いただけだ。脳内で犯す? はん、その程度の女で妄想するなど片腹痛いぞ元浜!」

「なんですってこの変態!」

 

 先程サイテーと言ったクラスメイトがオレの発言にキッと睨み付ける。オレは腕を組み、大胆不敵に笑みを浮かべた。

 

「当然だ。四大お姉さまレベルですらないお前らごときの女など妄想するに値しない。変態? ああ、オレは変態でいい。だが、忘れるな! 同時にオレは変人であることを!」

「いやそれ誇れることじゃないじゃん! 変態と変人の混合体(ハイブリッド)ってカオスの塊じゃん!」

「カオスなど今さらだ! 魔乳のお姉さまと錬金術師の五河さんに変態と変人の素晴らしさを教えてもらい、カオスを知った。そんなものオレにとってもはや誉め言葉だ!」

「駄目だコイツ。早くなんとかしないと!」

 

 ふん、常人には理解できないようだ。

 

 変態とは無敵の象徴。

 変人とは天才の象徴。

 

 それが理解できないとはなんと凡人な連中なことか。

 

『相棒……頼むからあの女子の言うことを理解してくれ。オレにとって恥だから……』

(ドライグ、そうは言っても今さらだろ。カオスで面白おかしく生きるのがもはやオレのスタンスだ。だから変えられようもない。というかそもそも神滅器(ロンギヌス)その物が厨二な名前だろ)

 

 赤い龍帝の籠手――――赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)とはなんと言う厨二だろうか。最初聞いたとき、黒歴史って思ったぞ。

 

『グッ、言い返せない……。なぜ普通にブーステッド・ギアじゃなくて赤龍帝の籠手にしなかったのだ!』

(まあ過ぎたことは仕方ないだろ)

 

 たまにドライグも過去の過ちに嘆いている。まあそれはしばらくしたら治まるから良いとして、そろそろ時間だ。

 

「さてオレも用事ができた。松田、元浜。めげるな。お前の努力は決して無駄じゃない」

「「い、イッセー……お前!」」

 

 感動する松田と元浜に背中を向け、ポケットに手を突っ込んだオレは教室から出る。

 

 兵藤一誠はクールに去るぜ……!

 

『いや報われない努力だろ。というか相棒の努力って変態力を高めるものだろ』

(当然だろ)

『……すまん二人共。どうやら俺はお前達にとんでもない導き者を関わらせてしまったようだ……』

 

 なんと失礼な。

 

 

 

(??side)

 

 

 

 授業が全て終わり、放課後となった生徒達は下校や部活に行く。部室で汗を流し、青春を謳歌するのも学生だ。

 

 だが、松田と元浜は違う。彼らの青春はモテること。そして女体を見たい、触りたいという性欲である。

 

 松田と元浜はいつものように放課後、薙刀部の部室を覗いていた。着替えに入る女子を見ながら松田と元浜は「おぉー!」と静かに喜んだ。

 

 何より彼らが釘付けになったのは黒髪のサイドポニーの少女だ。凛々しい面持ちで女子から見てもかわいいよりカッコいい。だが、彼女を女子と象徴する丘はとても自己主張しており、キュッとしたクビレと張りのあるヒップがある。

 

 彼女の名前は関羽愛莉。道場を持つお家で四大お姉さまの一人だ。一誠の幼馴染みの一人で、ドライグから嫌われてるかもしれない言われてる女の子だ。

 

(真面目で優等生。そして何より強きで勇ましいお姉さま!)

(そんなお姉さまの裸体を拝めるとは、神よ! 感謝します!)

 

 彼女を含めた薙刀部が衣服を脱ぎ始めた瞬間あとに、バタンッと扉が開いた。そこにいたのは一誠だ。しかもジョジョ立ちという変わったポーズをとりながら。

 

「……イッセー。またあなたですか。これで何度目ですか」

「十三回目だ。今回こそ、オレの勝利を獲らせてもらう」

 

 何やら勝負が始まりそうだが、松田と元浜は血涙を流していた。

 

(なんでこのタイミングで来るんだよイッセー!)

(せっかく絶好の機会だったのに!)

 

 親の仇を見るように一誠を睨む二人だが、一誠と視線が合った。ヤツは気づいている。そしてその上で言ったのだ。

 

「松田、元浜! すまないが邪魔させてもらった。お前らがコソコソと覗きに行くことにオレははっきり行って許せない。理由はわかるか?」

(い、イッセー!?)

(まさか……幼馴染みだからか!?)

 

 元浜と同じように愛莉もやや期待しているはずなのだが、何度もやられて彼女は彼の目的を理解していた。

 

 バーンと言う文字が背景に出ているかのように一誠は言った。

 

「コソコソして『覗く』より堂々と『見ろ』! それが真の漢だろ!」

 

 一誠の宣言に愛莉はやはりかと思い、一誠を知らない新入生部員は呆然としていた。そんな空気の中で覗きをしていた松田と元浜は泣いた。

 

「さすがイッセー! 俺達にも到底できないことをやってのけるようとする……!」

「そこに痺れるぅ、憧れるぅ……!」

 

 彼は情けなかった。こんなコソコソ覗くことはなんと情けないことか。

 

 真の漢ならば堂々とすべきだったのだ。二人は感動する中で、一誠は言った。

 

「今日は退け松田に元浜。覗きをしようとしたことは今回オレは気にしないが次回から堂々と正面から『見て』こい!」

「「い、イッセー! ううおォォォォォ!」」

 

 感動しながら彼らが走り去った後、一誠は「やれやれだぜ」と呟いて再び愛莉と対峙する。周りは完全に呆れて冷めた目だが、愛莉だけは違った。

 

「……あの二人をよく逃がしましたねイッセー」

「はて? なんのことやら」

「惚けないでください。私に対する覗きだけでなく、新入生に対する覗きを防いだ。彼女達に天敵を教えるために」

「へぇ、それはなぜ?」

「簡単です。『平等な立ち位置』。あなたはいつだって勝負に関しては平等から始めます」

 

 覗きを『勝負』も例えると、一種の先制攻撃の反則技だ。一誠は勝負に関して平等の立ち位置から始め、あとは実力をもって戦う男なのだ。

 

 幼馴染みだからこそ愛莉は知っていたのだ。一誠は卑怯な手は使わないこともないが卑劣で最低なことはしない男なのだ。

 

「……確かにそうだな。しかし一つ違うぞ愛莉。オレが見たいのはお前の裸体だけだ。他のよりもお前しか眼中にない」

「毎度のことながらなぜ私なのですか?」

「好きだからだ。それ以外ない」

「その求愛が間違ってることに気づいてないのですか?」

「普通なんてつまらないだろ。面白おかしくスリリングこそオレの求める学生生活だ。勝負する、戦う、勝つか負けるかの瀬戸際こそスリリングで愉しいだろ!」

 

 一種の戦闘狂に見えるが彼はおもしろさを求める。未知ですら恐怖対象ではなく面白いスリリングなのだ。

 

 それを理解している愛莉はホントにこの男は、と呆れる。

 

 まあ大半は自分のせいだ。いつも勝負ばかりで一誠と絡んでばかりだったのでこうなることは無理もない。しかし残りの原因は兵藤家という家族達が関わらせた変態と変人だ。おかげで一誠はおかしな方向に熱血になってしまった。

 

「……仕方ありません。新入生にも私の実力を見せる機会ですし、その勝負。受けましょう」

「よろしい。オレが勝てば婚約だ」

(((行程ぶっ飛ばしてる!?)))

「いいです。その代わりにあなたが負ければハーゲンダッツを買ってください」

(((人生かけた戦いなのに対価がハーゲンダッツ!?)))

 

 薙刀部部長は「あー、またかー」と苦笑を浮かべ、構えをとる一誠と愛莉の審判として手をあげた。

 

「いざ、尋常に――――始め!」

 

 二人の影が交差し、拳と薙刀がぶつかった。

 

 

 

(一誠side)

 

 

 

 夕方、カラスが鳴き、遊んでいる子ども達が帰り出す時間の中は誰もが寂しがる時である。もうすぐ一日が終わることに悲しい気持ちになるのは当然だ。

 

「いたたた……いやー負けた負けた! やっぱ愛莉はつえーな!」

『確かにそうだな。人間の中であの女は飛び抜けてるな』

 

 オレは愛莉と一ヶ月に一回の勝負を挑み負けた。いつものように求婚しては負ける。そんなことを繰り返すこと十三回目だが、なぜか清々しいや。

 

「どうだドライグ~。オレの幼馴染み強いだろ? 最高だろ」

『ああ。だがしかし相棒』

 

 ドライグは急に真剣な面持ちで聞いてきた。

 

『なぜ神器(セイクリッド・ギア)を使わない。それさえあれば相棒は余裕で勝てるだろ』

「いやー、それは反則だろ。ほら愛莉言ってたじゃん。平等な立ち位置から勝負したいから」

『ほう、ならばお前の親父から教わった仙術や影分身を使わなかった?』

 

 ドライグの指摘にオレは無言になる。やっぱり気づいてたか~。オレが人間のままのスペックで挑んでいたことを。

 

『なぜお前は手を抜く? 勝てる戦いになぜ負ける?』

 

 ドライグは当たり前のことを聞いてきた。勝つことは確かに誰もが求める。うん、人間としてそれは当たり前の欲求だ。

 

 けれどオレは違う。だから答えを言ってやった。

 

「だってそれだと面白く(・・・)ないじゃん」

 

 そう面白くない。全ては自身が愉しくなるために、周りを楽しめるためにオレは道化となる。うむうむ、それこそ変態であり変人であるオレのポリシーだ。

 

 ドライグは呆れた嘆息を吐いた。

 

『お前ホントにおかしいな……』

「おかしいのはオレじゃない。世界さ」

 

 オレが鼻唄を歌いながら帰ろうとすると、「兵藤一誠くん、ですよね!」と声をかけられた。

 

「そうですよー。みんなのイッセーくんですよー」

「あ、あのお願いがあります!」

 

 オレに声をかけた黒髪のスレンダーな少女は言った。

 

「私と付き合ってください!」

 

 ……さてどうしたものかな。

 

 

――――これは悪魔の物語でもドラゴンの物語でも

 

――――変態のような変人であり、変人のような変態が面白おかしく生きていく物語だったりする

 

 

――――でもオレからのツッコミはあるんだよねー

 

 

 




楽しければそれでいい。それが混沌の少女が望む結末。

――――まあその少女も変態ですけど
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