何かがおかしいハイスクールD×D   作:ぼけなす

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ティロ・フイナーレ(物理)

拳に気を込め、爆発的な威力で滅殺する奥義。マミさんのティロ・フイナーレと同等。


ディバインバスター(物理)

もはや魔法ではない光線。これを受けたものはしばらく立てない。


第十一話 レーティングゲーム。されど龍は……?

 

 

 最終日、十日間の期間の修業をこなしたグレモリー眷属とオレは遂にレーティングゲームを明日にひかえた。ぶっちゃけ言うとオレ関係なくねと思う。

 

 なんで修業しなきゃならねぇんだよ。

 なんで『無血の死神』とガチバトルしなきゃならねぇんだよ。

 

 何度死にかけたことか。おかげで修業中うっかり寝てしまうことが多かった。その度に正道に怒鳴れてストレスマッハである。

 

 アイツいつかぶん殴る。

 

 そしてアーシアは天然毒舌と化した。無自覚かつ的確に人に毒を吐く元聖女様。あの笑顔で「情けないクズですね♪」って言われた正道は愕然としたのは忘れられない思い出だ。

 

 対象が自分だったら立ち直れねぇー……。

 

 さてそんなことはさておき、オレとソラさんの最後の戦いで遂にソラさんの本来の力を出させることができた。

 

 もう身体能力だけでもチートなのに神器もチートだった。なんだよ。『全て開く者』って。

 

 オレ達の能力を封じるとか勝てねぇだろ。

 

 まあそれでもなんとかして生き延びた。十日間がサバイバルになるとは思いもしなかったわ。

 

『全くだ……。ヤツとはもう戦いたくない……』

「二天龍ですらソラさんにとって殺せるトカゲだしな……。異世界の英雄ってホントスゲーな」

 

 ソラさん達はまたどこかへ旅だったが千香さんとラインを交換した。ラインってスゴいよね。異世界の壁を余裕で越えるもん。

 

『あり得ないからな普通』

「万能通信アプリのラインに不可能はない」

 

 オレはそんな会話をしていると、バルコニーのところでグレモリーさんが本を読んでいた。そーと近づいて彼女を驚かすように声をかけた。

 

「こんな夜更けに何をしてるかなガール」

「ひゃ! なんだ兵藤くんか。明日のレーティングゲームに関わるルールブックを読んでいたのよ」

 

 ふーん。ルールを確認、か。まあルールも戦略に使えるしな。

 

「ところでなんでライザーの婚約のは嫌なの? まあ軽い感じなのは放っておいて、フェニックス家の結婚がなぜ嫌なんだ?」

「別に私はフェニックス家に不服はないわ。不服なのはライザーとの結婚そのものよ」

 

 グレモリーさんから語られたのは周りが自分のことを見てくれないことだ。グレモリーさんは『グレモリー』というブランドでしか見られず、自分そのものを見てくれないのが嫌だった。

 

 そしてグレモリーさんはフェニックス家の政略結婚ではなく、自由な結婚がしたいそうだ。まあ悪魔の社会ってどうも貴族社会みたいなものだしなぁ。

 

「で、『グレモリー』ではなく『リアス』として見てほしい……か。しかも自分が決めた相手と結婚したいとか、わがままだねー」

「悪いかしら?」

「いんや。グレモリーさんがそうしたいならそうすればいい。それはグレモリーさんが解決する問題だし」

 

 もっとも『グレモリー』というブランドではなく『自分』を見てほしいという問題はほぼ不可能だ。それはグレモリーさんが誰かが『自分』を見てくれるとわかったときにしかわからないし、何より名家のブランドは失墜か彼女が死ぬまで一生だ。

 

 ま、オレには関係ないけどこれだけは言える。自由な結婚は家に借りを作るし、迷惑をかけることになる。

 

 グレモリーさんはそのことを考えてるだろうかねー。ま、どうでもいいか。

 

「ねぇ、兵藤くん。あなたは私の考えをどう思うの?」

「理想論。根拠がない子どものわがまま。はっきり言って今回に関しては勝負云々以前に分が悪いハイリスクローリターンなものさ」

「はっきり言うわね」

「当たり前さ。自由な結婚なんてホントは一番難しいさ。相手を探すにも名前が邪魔だし、何より自分に合う人なんて早々いないもん」

「そういうもの?」

「そういうものさ。あ、でもグレモリーさんの考えの先輩に当たる人ならうちの中にいるぞ。お袋もそんな考えだったし」

 

 なんでもどこかの一族のお姫様らしく、自分より弱い相手と結ばれたくないというじゃじゃ馬だったらしい。そんなとき現れたのが親父だったとか。

 

 死闘の末に婚約したらしい。それから一族の反対派とドンパチした末に親父は押し倒されて一期が誕生したのか。

 

 肉食系女子(意味深)のお袋がこうして親父をゲットした。

 

「と、まあオレから言えることはなんにもないさ。グレモリーさんはグレモリーさんの生き方をすればいいさ」

 

 オレはそう言って背中を向け、寝床に向かうのだった。明日でグレモリーさんの運命が決まる。

 

 しかしその翌日、オレはヤツに襲われていた。いやまさか晩飯にヤツが紛れ込んでいたとは。くっ、すまない!

 

 オレはここでリタイヤだぁ……。

 

「おのれ、カニめ! このISSEIを苦しめるか!」

『相棒、ホント運がないな……』

 

 ドライグに哀れと思われた。便は治まったが、しばらく腹痛を仙術で治めることに集中するしかなかった。

 

 

 

 

 

 

(アーシアside)

 

 

 

 

 

 イッセーさんが食中毒でダウンしてしまいました。なんでも今日の夕食で食べた料理がたまたま悪い身を食べてしまい起きたようです。

 

 肝心なときには役立たずですね♪

 

「あ、アーシアが毒舌に……。誰だよこんなふうにしたの!」

「うるさいですよクズさん。その口を抉りますよ」

「本当に何があったアーシア!?」

 

 何やらわたしの口ぶりが前よりひどいだとか。そんなにひどいですか?

 

 イッセーさんのお母さまには「その毒舌でガンガンいこうぜ!」って言ってくださいましたし。

 

「いっせー。とにかく兵藤くんは参加できないから代わりの人を幸田さんが用意してくれたわ……」

 

 部長さんが呼び出した人は筋骨隆々で魔法少女服をきた猫耳の漢女のお二人。確か名前はミルたんと巴たんでしたっけ?

 

「ってなんですかこの漢女達!? 人間でしょ!」

「違うにょ。私達は魔法少女だにょ」

「先輩である私がイッセーたんのために勝利を導くにゃ!」

「いや魔法少女じゃねえだろお前ら! それだとゴシラとガメラが魔法少女になるわ!」

 

 正道さんは何やら不服なようですが、この二人は幸田さんがまだ戦えないわたしのために用意してくださったホディーガードみたいな人達です。

 

 実力は仙人モードとなったイッセーさんと互角だとか。

 

「とにかくこの面子でいくわよ。文句は一切受け付けない、はい以上!」

 

 部長さんも漢女の耐性がなかったのか話を早々に終わらせました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 レーティングゲームの開催地は特殊な結界内のようです。そこは駒王学園と同じ校舎で再現されていました。

 

 『悪魔の技術力は世界一ィィィィィ!』とサーゼクスさんの隣で違う魔王様が叫んでいたとか。それからわたしは部長さんの指示で部室内にとどまり、鏡から外の状況を知りました。

 

 まず焼き鳥達のポーン数人とルークが体育館にいました。それを正道さんと搭城さんがあっと言う間にぶっ飛ばしていました。どうやら神威さんのお連れのみなさまの力が発揮されてるみたいです。

 

 そして姫島さんがとどめに雷魔法でドカンと吹き飛ばして戦力を削減することができました。

 

「順調ねアーシア。このまま何事もなければいいのだけど」

「部長さん知ってますか? その発言はフラグです。誰かの」

「アーシア? 何を言って――――」

 

 刹那、搭城さんが爆風で吹き飛びました。運良く正道さんは逃れたみたいですが、搭城さんはリタイヤしてしまいました。

 

 どうやら味方がやられたのを見計らって奇襲をかけたようです。

 

「あの人は……?」

「ユーベルーナ。『ボムクイーン』と呼ばれているライザーのクイーンよ」

「なるほどボンバーマンですね!」

「うん、間違ってないけどそれ本人には言わないようにね。誰だか知らないけどそのあだ名がもうひとつの異名になりそうだと彼女が泣いてたから」

 

 おそらく神威さんの知り合いが原因だとわたしの推測。するとライザーさんが部長さんを挑発する映像を送りました。どうやら一騎討ちを申し込んだようです。

 

「アーシア! 校舎に行くわよ!」

「しかし一騎討ちを挑むのは無謀じゃないですか? 勝てる算段とかあるのですか?」

「勝てる算段はまだない。けど、この機会を逃すとライザーには勝てないわ!」

 

 ……部長さんはまだまだです。将は先陣には出ることはあってはならないと神威さんから聞きました。将が突撃隊長、もしくは斬り込み隊長と呼べるくらいの実力がないと先陣で戦える将ではありません。

 

 つまり神威さんレベルの修羅場を乗り越えた人でないと将は戦ってはいけないです。部長さんはおそらく勝てないでしょう。焦っているこの人が勝てるビジョンが浮かびませんから。

 

 滅びの魔力だけで、ライザーさん――――フェニックスを勝てるとは言い切れませんですから。 

 

 わたしはそれから外に出ることになりました。

 

 

 

 

(??side)

 

 

 

 

 アーシアとリアスが旧校舎から出る前、正道と木場はライザーのルークとナイトと戦いを挑んでいた。しかし、そこには不測の事態が起きていたのだ!

 

「『ディバインバスター』!!」

「きゃあーーー!?」

「イザベラァァァァァ!?」

 

 ミルたんの手から放たれた極太破壊光線がイザベラをリタイヤさせた。この場にいる全員は戦慄を隠せない。

 

「見たかにょ! これが私の全力全開の魔法を!」

「いやあれかめはめ波じゃん! むしろギャリック砲じゃん!」

「正道くん、細かいことは気にしないにょ! まずは敵を倒してから考えるにょ!」

「変態に正論を言われた!」

 

 ショックを受ける正道だが、ミルたんの言うとおりだ。この場にいるナイトの二人を倒さないといつキングであるリアスに牙を向くかわからない。

 

「カーマラインは下がりなさい! このわたくしが直々にお相手しますわ!」

「いけませんレイヴェル様! あなたが出る幕ではございません」

「お黙りなさい! あのなんとか砲を受けたらどれだけの痛みと衝撃が――――だからお願い! イカせて!」

「あなたは何を考えてるのですか!?」

 

 レイヴェルはレイヴェルで通常運転していたことに正道はげんなりしていた。彼女にいったい何があってああなったのか気になる。

 

 するとライザーのクイーンであるユーベルーナが空から現れた。正道はそこで朱乃が負けたことを知った。

 

「くっ、やはりフェニックスの涙か?」

「ふふ、あれがなければやられていたのは私でしたわ。さあ、ライザー様のために私がお相手しますわ」

 

 魔法陣を出したユーベルーナだったがその背後に黒い何かが彼女の影となる。その人物は某クルクル巻きヘアーでマミるという単語を作り出した魔法少女と同じ服装。その服装は悲鳴が上げてるくらいパツンパツンな大胸筋の持ち主――――マッスルグレネード巴さんは拳を構えていた。

 

「ティロ・フィナーレ(物理)!!」

 

 砲撃ではなく拳の一撃が振り返ったユーベルーナの腹部に直撃。くの字に曲げた彼女は地面に叩きつけられて動かなくなった。

 

「これが魔法だにゃ!」

((絶対違うだろ!))

「さすが巴たん。私の遥か遠くの一撃の持ち主だにょ……」

「常に後輩の上を行くのが先輩だにゃ」

 

 力関係で言えば巴さんの方が上のようだと正道が考えているとアーシアから連絡が届いた。ライザーと一騎討ちをするという報告だった。

 

「木場、あとは頼む!」

「わかった! これが終わったら合流するよ!」

 

 正道はプロモーションし、ライザーのいる屋上へと向かった。そこには疲弊したリアスとぼんやり見ていたアーシアだった。

 

「もうリザインしたらどうだリアス。この勝負勝てるはずがないだろ」

「嫌よ! 私は諦めない!」

「部長!」

 

 正道も参戦するかのように彼女の前に立ち、ライザーを睨み付ける。

 

「なんだこの下級悪魔は?」

「俺の名前は正道一成。リアス・グレモリーのポーンだ!」

「ポーンだと。ふん、たかだかポーンが俺に勝てると思っているのか!」

 

 ライザーは背中より炎の翼を出し、そこから炎の羽根を飛ばした。一つ一つが強力ではないが彼の肉体を傷つけるには申し分がない。

 

「『修行者の籠手(モンク・マスター)』!」

 

 それを耐えるために正道は自身の身体を強化。しかしライザーが次に放ってきたのは火炎大球だった。それを受けた正道は火傷を負う。

 

「アーシア、回復!」

「わかりました」

 

 アーシアはこの戦いは勝てないと悟っていたが主の言うことは一応聞いておくことにし、『聖母の微笑み(トワライト・ピース)』を発動させた。正道はまたライザーに立ち向かうが、最悪はまだ続く。

 

 なんと倒されたはずのユーベルーナが爆発で正道を攻撃してきたのだ。これにより正道はまた倒れてしまう。

 

「遅かったなユーベルーナ」

「はい、思った以上にナイトに手こずってしまいまして。それにあの巴さんもどうやらリタイヤしたようです」

『リアス・グレモリーのナイト。リタイヤです。なお、巴さんは魔女退治に向かったためリタイヤしました』

(巴さん……この世界に魔女はいないよ)

 

 放送からグレフィアの事務的な声が聞こえ、アーシアは微妙な顔になり、リアスは愕然とした。

 

「ま、まだまたぁ!」

 

 正道はそれでも、とまた立ち上がる。そんな彼にアーシアは弓を構え、放った。光の矢が辺り、彼は「ぐっ」と苦悶の声をあげた。

 

「アーシア!? 何を!」

「黙って見てください」

 

 するとアーシアが放った矢は消え、正道の身体が元の無傷へと変わった。

 

「まどかさん直伝の射的と力の操作です。これなら離れたところでもいつでも傷を癒せます」

 

 アーシアが学んだ武器に『聖母の微笑み』を付与させる技術は彼女が召喚したただの弓矢でも効果があった。つまり彼女は対象さえ視界に入れば離れたところからでも回復させることができるのだ。

 

「小癪な! ユーベルーナ!」

 

 ライザーの指示でユーベルーナはアーシア地面に爆撃魔法を放つ。アーシアには身体能力や防御する力がない。つまりアーシアは無防備のままその爆撃を受けることとなった。

 

「きゃあ!」

「「アーシア!!」」

 

 爆風で巻き上がる砂塵でアーシアの姿は隠れる。しかし砂塵が晴れたとき、驚くべき光景が目に映った。

 

「ミルたん……さん?」

「大丈夫……にょ。アーシアたん……?」

 

 ミルたんがその身でアーシアを守ったのだ。正道は怒りのあまりユーベルーナに突撃したが、ライザーの火炎で大ダメージを受けた。

 

「があァァァァァ!」

「いっせー!」

 

 ミルたんと正道は致命傷を受け、もはやリアスは戦う気力がなかった。ライザーの「リザイヤ」という言葉に彼女は耳を傾けてしまっていた。

 

 しかし、それでも立ち上がる者がいた。

 

「諦めちゃ駄目にょりーあたん……」

「み、ミルたん!?」

 

 そうミルたんだ。漢女たるこの人はまだ諦めていない。正道も火傷ながらもなんとか立とうとしている。

 

「正道くんもまだ諦めていないにょ。諦めるのなら、最後まで戦って死ぬにょ!」

 

 漢女(おとめ)ミルたんにリアスは深く感動した。彼(?)の生きざまに、その生き方に感動したのだ。

 

「アーシアたん。もういいにょ……あとは――――」

「リザインする、わ……」

 

 だからこそただの人間に属するミルたんには負担をかけたくなかった。

 

「どうしてだ部長! 俺もミルたんもまだ……!」

「もういいの……いっせー。これ以上二人に負担はかけたくないのよ……」

 

 リアスは悲しそうなに投了宣言した。ミルたんはそのまま倒れ、正道は叫びながら泣いた。アーシアも目を瞑り、何かを思っていた。

 

 こうしてグレモリー眷属は負けた……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――さて、つまらない前哨戦の話は終わり

 

――――ここから先がヤツの出番だ。

 

 

 

 

 

 




レーティングゲーム不参加な一誠。しかし次回はライザーと戦います。

ぶちギレた一誠さんは次回の次回です。
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