一週間に一話になるかも……。まあ話ができしだい更新します。
オレの食中毒から完治した。え、治るの早い? 仙術でなんとかしました。
さてその後にアーシアから話を聞いた。ミルたんがグレモリーさん所縁の病院に入院し、グレモリー眷属が負けて、リアス・グレモリーはフェニックス家に嫁ぐこととなった。
まあなんとなくだけど、わかっていたことだ。そもそもキングが動いたら駄目でしょ。
グレモリーさんぶっちゃけ滅びの魔力しか取り柄のない悪魔だし。
「はっきり言い過ぎではないでしょうか」
「食中毒で一日中ダウンしたオレが言うのもなんだがぶっちゃけ、今のグレモリーさん弱い。異世界じゃあ、不死の化け物なんて色んなとこにいるんだから」
「イッセーさんは部長さんの婚約のことをどう思っていますか?」
アーシアは納得してないみたいだ。政略結婚はどの時代でも乙女の敵だ。まあ、オレがどうこう言っても意味がないしな。
「どうだっていいのが本音。グレモリーさんの問題はグレモリーさん自身が解決すべきものだから」
「ひどいですね」
「ひどいのはオレじゃない。いつだって世界さ」
オレはお茶を飲んでいるとリビングの扉が開いた。
「一誠、ウェンディングパーティ行こうぜ!」
「誰の?」
「ゼクスくんから! あのお兄たま婚約パーティ参加していいだとか!」
「なんと。それはウマイもん食えるってこと? お粥ばかりでオレの舌が刺激を求めてるぜ」
「俺もだぁ! んじゃ、一期と氷菓も連れてくか!」
キャッホーと叫びながら親父はリビングから出ていった。するとヒラヒラと手紙のもう一枚が落ちていた。
それを拾って読んでみたが……親父め。パーティ参加は建前でこれが本命か?
ああめんどくさい。グレモリーさんの事情は彼女自身でなんとかしてほしいのに。
「んじゃ、アーシア。お前はどうする? このまま残ってくれた方がありがたいんだけど」
「どういうことですか?」
オレはアーシアにその手紙を見せた。アーシアはそれに目を開いてオレを見ていた。
「んー、ホントに大丈夫かな。慰謝料請求されたらキツいしなー。
――――フェニックスの」
手紙に書かれていたのは依頼。親父の傭兵家業へのだ。その
――――ライザーと戦え、と
(??side)
豪華な空間にて婚約パーティは開かれていた。あちらこちらにある丸テーブルには美味しそうな料理が並び、豪華な服装でおしゃれした悪魔達が談笑をしていた。
その中には木場と子猫、朱乃もいた。招待されなかったのは正道だけだが、怪我から復帰されていないので当然だった。
「ごきげんようグレモリーの皆様」
「レイヴェル・フェニックス……」
「今宵のパーティに参加していただいてうれしいですわ。あなた方の主、リアス・グレモリーと我が兄ライザー・フェニックスが結ばれて喜ばしいことですわ」
悔しそうに木場は拳を握り、朱乃は悲しそうに目を伏せる。
自分達は負けたのだ。これは仕方がないことだと言い聞かせる。
すると照明が落ち、注目を浴びせるかのようにスポットライトが階段がある扉を照らす。
そこから出てきたのはライザーとリアスだ。ライザーはもはや上半身がはだけているようなスーツで現れ、リアスはもはやウェンディングドレスの衣装だった。
もはや婚約パーティではなく披露宴だ。周り悪魔は彼と彼女に歓声を送っている中で会場の扉が開く。そこにいたのは正道だった。
グレフィアが用意した転移の紙によるものだ。彼女が独自に判断して渡した。
「(グレフィア、彼に?)」
「(はい、念のために)」
「部長、助けにきま――――くばぁ!?」
「「…………(えー……?)」」
サーゼクスとグレフィアが次に見たのは扉を開けて入ってきた正道の上から誰かが降ってきた。その拍子に正道は潰され失神した。
「お父様、何か潰しましたよ?」
「気にしなーい。ま、どうせ賊でしょ」
「やれやれ……妾達をこんな場所から入らせるとはヌシは正気じゃないのう」
「親父は正気じゃないから」
兵藤家の面々は潰された正道に目もくれず、それぞれ感想を漏らしていた。一期は青色の清楚な和服をまとい、氷菓もシルバー色の清楚なドレスを着ていた。
二人の美しさに悪魔の男性だけでなく女性も感嘆なため息をあげる。
その背後にいる男――――兵藤幸田は、黒のタキシードを着込んでいた。その立ち振舞いはまるで彼女達を守るボディーガード兼執事。絵になる存在だった。
しかし一誠だけは駒王の制服だ。なぜ彼だけ制服なのか気になることだが、そうとは知らず、ライザーの眷属達は一斉に兵藤家を侵入者として牙を向けた。
「無礼者!」
「ここで始末してくれる!」
イザベラとカーマイラは剣で斬りかかる。そんなとき一誠は飛び出して、彼女達の衣装に触れて指を鳴らした。
「
瞬間あと、二人の衣装は弾け飛び羞恥に染まった。一誠はそんな二人にカメラを向けて更なる追い打ちをかける。
「富竹フラッシュ富竹フラッシュ!」
「貴様、何をしている!」
一誠はニタリと笑って言った。
「この写真をバラ撒かれたくなかったらひ――――」
「えい☆」
「あぁー! カメラがァァァァァ……」
写真が無惨にも一期に破壊された。膝について愕然する一誠にライザーはギロリと睨み付ける。
「貴様ぁ、誰の許可を得てここにいる!」
「私の許可さ」
サーゼクスはここで兵藤家を招待したことを告げた。
(一誠side)
サーゼクスさんがオレ達のことをライザーに説明していた。周りの悪魔達は一期とお袋の美しさに酔いしれていた。近づこうとする者がいたが親父の眼光で誰も近づけなかった。
親父もマジだ。手を出そうという輩は月に変わってお仕置きだろう。
「それじゃあ、一誠。そろそろ準備」
え、オレ?
どうやら戦うのは親父じゃなくてオレという話になっていたそうだ。
「いや戦うのはオレじゃなくて親父じゃん」
「残念だけどあの焼き鳥くん程度じゃ瞬殺しちゃうって」
「オーイ、ライザーが親父を睨んでるぞー」
「あの程度の眼光で? なら、もっと鋭く冷たく睨みやがれ」
睨み返した親父を見たライザーは生唾を飲んでいた。
やっぱ親父はスゴい。たった一睨みで場を戦場と同じ雰囲気に変えた。悪魔達は震えながらも臨戦体勢に入っていたが、へっぴり腰程度じゃーなぁ。
「これ幸田。ヌシは何をしとる」
そんな親父を扇子で叩く。少し痛そうに親父はお袋に言った。
「いやだってあの若造が……」
「だからと言って弱い者いじめはイカン。ヌシは妾を倒した男――――誇り高き戦士じゃぞ」
親父は不満そうに口を尖らせる。お袋に理不尽にたしなめられたと思っているのだろう。するとお袋がオレに向かって言った。
「さて一誠よ。此度の戦いは妾一家の誇りをかけた戦いだ。わかっておるな」
「いやわかんねーよ。なんかオレが戦うことになってるのだけど……」
「サーゼクスがヌシとあの焼き鳥と戦わせろとのリクエストだ」
「えー……めんどくさい」
「そうか」とお袋は言って何も言わなくなった。
え? なんもないの?
「そうじゃな。此度は妾と幸田には関係のない戦いだ。ゆえにお前も別に戦う必要はない」
「あ、そうなんだ。んじゃ……」
「ただし、じゃ」とお袋が次に言ったことは信じられないものだった。
「一期をあの焼き鳥の嫁に与えなければならん」
「…………は?」
「幸田に依頼されたのは必須依頼というものだ。この依頼は必ず遂行しなければならないくらいだ。当然、それなりの金額になるはずだが……。それを破棄する場合、それ相応の対価を払わなければならぬ。そしてサーゼクスが依頼したのは一期の悪魔化だ。ゆえに今回フェニックス家に嫁ぐことになるな」
お袋はニタリと笑うが、オレはそれどころではなかった。
あの一期が……悪魔?
あの一期が……嫁入り?
あの一期が……。
オレには信じられないことだった。一期は好きでもなんでもない男に嫁入りする。
しかもあの焼き鳥に?
そんな焼き鳥にオレは『お兄様』と呼ばれる?
思考が元に戻り、オレはライザーに向かって言った。
「ライザー! お前に『お兄たま』と呼ばれることだけは許さん!」
「お兄たま!? てか、なんだその呼び名は!」
「お兄さん、おにぃ、兄様――――そしてお兄たま。全ての兄にとって最上級の呼ぶ名前だ! 妹からまだしも男のお前だけには呼ばれたくない! てか、ぶっちゃけ一期はオレの未来の嫁だからやらん!」
オレがそう言うと一期はいやんいやんと顔を紅くして恥ずかしがり、兵藤家を除いた面々は呆然としていた。
それからオレはサーゼクスさんに向かって言った。
「いいぜサーゼクスさん。オレとライザーを戦わせるというアンタの茶番劇、付き合ってやる」
お茶らけた感じがなくなりオレは虚無の感情へとシフトしていた。それを見たサーゼクスさんは笑みを見せる。
「ではレーティングゲームエクストラマッチ――――『赤き龍帝と不死鳥』の戦いを用意しよう」
サーゼクスさんがオレとライザーを転移させたのはコロシアムだ。大理石に囲まれたフィールドだが、空はなぜか赤い。視力を悪くさせそうな空だな。
『一誠くん、君は今回の報酬をどうする?』
「どういうことだ?」
『今回の戦いはどちらかと言えば私のわがままでね。君には特別報酬を与えたい』
『サーゼクス様、何を仰いますか! このような下輩にあなたが報酬を与えるまでもない』
その言葉に通信越しからオレに対して批難の声が上がる。どうやら人間であるオレごときに魔王様の直々の報酬が勿体ないみたいだ。
『そこの人間! 貴様も何か』
「うるさいから黙れ。お前ら一族を皆殺しにするぞ」
『ん、なっ……』
オレが映像通信に向けたのは濃密な殺気だ。ソラさんが向けていた殺気だ。その殺気によりオレに対する不満の声はなくなった。
「今は魔王と会話している。お前らゴミ共と会話してられるか。それでも相手したいなら――――死ぬ覚悟はできてるだろうな?」
『ひ、ひィィィィィ!』
最初に不満を言っていた悪魔は完全に怯えきっていた。この程度の龍の威圧に耐えられないなどゴミだな。
まあ数人は冷や汗をかいて堪え忍んでいるが。
「報酬は一期の婚約破棄」
『それは対価だから、これを受けた限りにはもう婚約はないよ』
「じゃあお前の妹の婚約破棄で。なんかぶちぶち文句言われそうだから」
「んな……! そんなことが許されるとでも!」
『いいよ。君が勝てばリアスの婚約はなかったことにしよう』
サーゼクスさんは満足そうにこの報酬を受け入れた。まるで待ってましたとばかりに。
どうやら全てはサーゼクスの手のひらの上のようだ。ぶん殴りたいと思った。
「貴様ぁ、この婚約パーティがなんなのか理解しているのか?」
「さあな。オレはただ望まぬ婚約を行おうとしているここが気に入らないだけだ。ぶっちゃけどうでもよかったが――――オレの妹を巻き込まれた限りにはやるしかない」
「チッ、サーゼクス様! こちらも報酬を求める」
『どんなのだい?』
「兵藤一期を俺の第二夫妻にする許可だ」
……コイツ、何を言っているのかわかっているのか?
そもそも親父が許すとでも……。
『いいよー』
「許すのかよ!」
『いやだってここで負けたらお前はライザー以下だ。そんな男に一期がやれるとでも?』
あんのクソ親父……。絶対に勝てということかよ。
やれやれ……仕方ない。もはややる気がないとか運がないとか言ってられない。
オレは戦いが始まる前に仙人モードの気を練り込むことにした。
「ドラゴンか。なるほどただの人間ではないな貴様」
「まあな。んで、なんでうちの義妹を求めた?」
「ん? そりゃ、あんな美しくもかわいらしい女はいない。俺の第二夫妻になるだけの資格はある」
……それだけか? それだけなのか?
「もっと他にある? は。お前の義妹がどんな女だろうと関係ない。俺の手にかかれば従順になるさ! だから安心して負けな!」
ライザーは始まりの合図も待たずにオレに火をぶつける。オレは口から水遁の術をぶつけ、相殺したがライザーは翼の噴出でオレの背後にまわっていた。
ライザーの炎の拳がオレの顔に当たり、大理石に叩きつけられた。
「ふん、他愛もない。サーゼクス様。この勝負は俺の――――ッ!?」
大理石に叩きつけられたオレを見たライザーは顔を青ざめる。瞳は獣特有の縦筋になり、皮膚は鱗が出ている。頭には東方の龍の角が生えていた。
『ライザー・フェニックス。貴様はとんでもないことを言ったな』
「だ、誰だ!?」
『我が名はドライグ。赤き龍帝のセイクリッド・ギアに宿る龍だ』
ドライグは籠手から声を出していた。そして言った。
『貴様はこの世で恐ろしい者がなんだか知ってるか?』
「なんだ……それは?」
『答えは簡単だ。この世で一番恐ろしい者。それは親馬鹿、ブラコン、そして――――
――――シスコンだ』
オレは雄叫びをあげる。ビリビリと空気が震え、瓦礫と化した大理石は吹き飛んだ。
「ドライグ! 禁事手準備。このクソヤローは三十秒間はオレの手でフルボッコだァァァァァ!」
『ヒャッハー! 祭りだ宴だ馬鹿騒ぎだ!』
キャラ崩壊するほどの乱れっぷりを見せるオレとドライグ。もはやライザーに勝ち目はない。
久しぶりの大暴れにドライグさんは壊れてます。さてさてどうなることやら……。
シスコンキャラって妹が絡むと最強になりますよねー……。
あ、焼き鳥は滅殺されません。フルボッコされます。