何かがおかしいハイスクールD×D   作:ぼけなす

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第十七話 とにかく混ぜろ。異論はやらん

 

 

 イリナと家に入るとイリナの相方と思われる少女がソファーに座っていた。黒の強い青い髪に白のメッシュ入った彼女はローブで身体を隠していたが、オレは気づいていた。

 

「聖剣……か」

「ッ!? なぜ貴様が」

「んー、オレって気配とか敏感だからね。あとイリナの腕輪が聖剣なのも知ってる」

 

 オレの指摘に彼女は警戒心をあらわにする。まあ当然だよな。さてさて、オレがただ者じゃないことを理解してくれたおかげで牽制できた。

 

 オレはイリナになぜここに来たのか聞いてみた。

 

「ふふーん。イッセーくんに協力してほしいことがあるんだ!」

「だが断る!」

「即答!? え、なんで!?」

「このISSEIが協力するとでも? ふっ、オレに協力をあおぎたいのならその育ったおっぱい揉ませてみせろ!」

「い、いやよ! というかイッセーくん変わってない!? エロくなってない!?」

「男とはエロくなってなんぼ。思春期の男なればお乳やお尻に情念を抱くのも道理だ。ゆえにオレはお前のおっぱいを所望するぜ!」

「なんでこうなったの!?」

 

 心の叫びと言ったイリナのツッコミに愛莉もうんうんと共感していた。ふっ、変わったオレに目が離せないみたいだぜ。

 

「つーか、イリナちゃん。一誠に協力ってなんだ? んで、相方の人の紹介してくれない。さっき『イッセーくんのニオイがする! クンカクンカ!』って言って中断したじゃん」

「そんなこと言ってないですよおじ様!?」

「そうだぞ幸田。『クンカクンカ』じゃなくて『ペロペロ』じゃったぞ」

「おば様ァァァァァそれだと更に変態チックです!」

 

 イリナはもう完全に弄られキャラである。相方の少女も「こんなイリナ初めてだ……」って目を丸くしてたし。

 

「はあはあ、とにかく自己紹介するわ。彼女はゼノヴィア。私と同じエクソシストよ」

「ゼノヴィアだ。イリナの相棒をしている」

 

 ゼノヴィアの第一印象は硬派って感じだ。そんな彼女にオレは近づいた。

 

「よろしくゼノヴィア。オレの名前は兵藤一誠だ。変態だ」

「どんな紹介だそれは……」

「そんなゼノヴィアちゃんにお近づきの印」

 

 オレが渡したのは小さな小さなカボチャのマークのある布である。イリナは顔を真っ赤にしてを奪った。

 

「ゼノヴィアに何を渡してるの!?」

「パンツ。小さい頃イリナがお泊まりのときの忘れ物だ。よかった。無駄にならなくて」

「忘れ物したのなら返してよ! なんでずっと持ってたのよ!?」

「いやてっきりマーキングとか思って」

「そんなマーキングがあるか!」

 

 そうなの? うーむ。どうやらイリナは飛雷針の術を使うために置いたわけじゃなかったのか。

 

「てか、普通パンツをプレゼントする!?」

「幼女の生パンティは売れる。実のところお前が帰ってこなかったら売ろうとしていた」

「最低よ!」

「そうだぞ兵藤一誠。女性のパンツを他人に売るな。ワタシが良い値で買い取ろう」

「ゼノヴィア、アンタなに言ってるの!?」

 

 「冗談だ」とゼノヴィアが言った。ノリノリなところが仲の良い証拠なのだろう

 

「とにかく明日、グレモリー家と交渉するの。そのときに協力に関して一緒に話すから来てくれない?」

「OK。お尻を触って良いならいつでもいいぞ」

「主よ……これもあなたが与えた試練なのですか……!?」

「ジョークだから神に祈らないで」

 

 まあその神様もポックリしてるわけだが。そんなこんなでイリナ達が出ていった後、一期と桃亞、愛莉が話しかけてきた。

 

「兄様はどうするおつもりですか」

「協力するさ。幼馴染みが危ない仕事したらやめさせるのがオレの仕事だ」

「エッチな仕事でも?」

「……………………当たり前だろ!」

「今、見てみたいなって思ってたでしょ?」

 

 冷ややかな目でオレを見つめる三人。あらやだ四面楚歌?

 

 まあ見てみたいと思ったのは認めるけど。そのときオレの背中に空色の髪の少年が乗ってきた。

 

「あにじゃ、あそんで!」

「あー! らっせーずるーい。ニィニィ、あそんでー!」

「クロも……」

 

 深海の瞳の白髪のロングと真紅の瞳の黒髪のロングの少女達も少年のように乗ってきた。彼と彼女達はアーシアの使い魔が人間になったときの姿――――つまり、ラッセー達である。

 

 深海の瞳で白髪の少女がハク。真紅の瞳で黒髪がクロ。ラッセーラブな二人だが、なぜかオレを兄として慕ってきている。

 

 今回はラッセーに嫉妬して乗っかってきたわけだが、さすがに重い。

 

「ラッセー、降りろ。重いって」

「えー! あにじゃの肩車楽しいもん」

「もん、じゃねーよ。ってハクも腕にぶら下がるな。クロ、オレのわき腹をサンドバックにするな。痛いって」

 

 やれやれ……お袋に教えられた人化の術でさらに手のかかる子どもが増えた気分だ。

 

 ……ってさっきから無言だったが四人共、なぜ微笑ましくオレを見る。

 

「いえ、ホントに兄弟のように見えて」

「イッちゃん、お兄ちゃんしてるなーって♪」

「微笑ましくて……♪」

「兄様をとられるのが悔しいですが、このようなところを見せられれば誰だって微笑ましくなります♪」

 

 むむ……カオスなオレを微笑ましく見ようなど許せぬ。しかし悪くない気分だったのでしばらく三人と戯れるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 翌日、オカ研へ向かった。既に一期は先に向かっており、後はオレの到着を待つだけだ。

 

 そんなわけでオレは窓なら突撃した。

 

「ニャッチ!」

 

 ガシャーンとガラスを突き破り入ってきたオレはそのままポーズをとった。

 

「兵藤一誠、ただいまとうちゃ」

「片付けなさい」

 

 グレモリーさんに言われてガラスを片付けることとなったでござる。

 

 閑話休題。

 

 そんなこんなでイリナ達の目的が話された。

 

「聖剣が奪われたですって!?」

「ああ、コカビエルという堕天使にな」

 

 なんでもコカビエルという堕天使の幹部が聖剣を四本奪ったらしい。え、まさかアーサー伝説を再来するつもり?

 

「それで教会側は聖剣の奪取または破壊の依頼がきた。……そういうわけだから、この件は関わらないでほしい」

「悪魔が手出しするなと? 関与してると言いたいの?」

「上の見解はそうだ。堕天使と手を組む可能性がある、とな」

「ふざけないでほしいわ。グレモリー家がそんなことするものですか!」

 

 それを聞いたゼノヴィアは「それを聞いて安心した」と言って席から立った。全く面倒なものだ。頭が固いのかねえ上の人は。

 

 するとゼノヴィアがアーシアを見た。

 

「君はアーシア・アルジェントなのか?」

「へえ、噂に聞いたけど悪魔に転生していたんだ」

 

 ……どうやら悪魔に転生したと教会側でも噂になっているようだ。

 

「君は未だに主を捨てられないでいるのか?」

「はい……こんな身でありますがわたしはまだ捨てきれません」

「だったらここで粛清されるべきだ。それが主への許しだ」

 

 ゼノヴィアが聖剣を振りかぶろうとした刹那、彼女の手首を掴み、防いだ。

 

「……なんのつもりだ?」

「こちらのセリフだ。主への許しかどうか知らないが人の友人に手を出すな」

「主の粛清こそ彼女にとっての本懐だ。邪魔を――――」

「神様へのためか知らないがはっきり言ってやる――――アーシアを殺すならお前をぶち殺す」

 

 いつもの調子ではなく、虚無の心となったオレの言葉にゼノヴィアは生唾を飲んだ。その睨みゼノヴィアだけなくイリナにも向けた。

 

「イリナ、お前もそのつもりか? 主ためならアーシアを殺すのか。彼女の生きたいという想いを無視して殺すのか」

「そ、それは……」

「……だとしたら協力どころではない。アーシアはもはや兵藤家にとって娘と同義だ。その彼女を殺すならば教会を滅ぼすぞ」

 

 一期もオレと同じく殺意を込めた目で見ていた。イリナはその睨みに負けて「降参」と言った感じに手をあげた。

 

「貴様、本気か? 我々を滅ぼすだと?」

「本気だ。なんらなら今からやってやろうか?」

「いいだろう……君の力をここで見せてもらいたいものだ」

 

 どうやらオレとやる気満々のようだ。すると木場も便乗してきた。

 

「面白そうだね。僕も混ぜてよ」

「君は?」

「君達の先輩さ」

 

 こうしてオレと木場、ゼノヴィアとイリナという組み合わせの戦いが始まろうとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 結界が張られた校庭にて、オレとタイツみたいな戦闘服のゼノヴィアが対峙していた。オレは籠手を出して、首の骨を鳴らす。

 

「ほう、セイクリッド・ギアか」

「まあな。んでその剣がエクスカリバーか?」

「ああ。破壊の聖剣(エクスカリバー・デストラクション)。破壊の剣だ。そしてイリナのエクスカリバーは擬態の聖剣(エクスカリバー・ミミック)。どんなものにも擬態できる」

 

 なるほど。だから腕輪か。

 

 てか、なぜか正道も参加しようとしていた。木場と正道でイリナに挑むつもりだ。

 

 でも大丈夫かな。アイツが昔のままならヤバいし。おっと、それよりも今は前に集中だ。

 

「いいのかネタばらしして」

「構わない。勝つのはこちらだ」

「カチーン。少し激おこぷんぷん丸になりそう」

 

 というわけで少し本気になる。まずは仙人モードに移行し、火遁の炎を吐いた。しかしその火はエクスカリバーによってなぎ払われた。

 

「この程度で焼き肉にはならないぞ!」

 

 一閃。ゼノヴィアの斬撃を回避したときグランドが地割れが起きた。

 

 なるほど。破壊力は凄まじいな。だけど、そんなもん何度も見てきた。

 

 オレは次の一閃を籠手で受け止める。ビリビリと震えるがグランドには地割れが入った程度で籠手は一切の傷はない。

 

「馬鹿な。この力に耐えただと!?」

「この程度で破壊と名乗るな!」

 

 多くの破壊を見てきたオレにはこの威力では日常茶飯程度だ。耐えきれないものではない。

 

 オレはゼノヴィアを蹴飛ばして、口から水鉄砲を吹いた。それはエクスカリバーで払われたが残された多くの水。それはあくまでもある忍術を使うための土台でしかない。

 

「仙法・水龍神の術!」

 

 水龍が大きな口を開けてゼノヴィアを呑み込んだ。そのまま地面に叩きつけられたゼノヴィアに手刀を構えていた。勝敗は決した。

 

「そんな……エクスカリバーを持つワタシが……」

「戦える武器を持ったからっていい気になるなよ人間。所詮、それは戦えるというだけで『勝てる』わけではないのだから」

 

 ま、何はともあれこれでよくわかってくれただろう。

 

 オレはイリナが戦っているところを見た。すると予想通りと言えるべき展開があった。

 

「アハ、アハハハハハハハ!」

「ぐっ、うっ……」

 

 イリナがどんどんと変則的な斬撃を加えていく。狂ったように笑みを浮かべ、狂喜する。目は虚ろで、光もないまさしく病んでる瞳だ。

 

「あー……やっぱりそうなったか」

「あのイリナを知ってるのか?」

「うん。昔、血が出たときアイツの目が狂気的になったからなぁ。教会でもそうなのか?」

「……ああ、あの姿を別名血の天使(ブラッディエンジェル)とも呼ばれてる。数々の悪魔の血で汚れた姿でそう言われていたのだよ」

 

 イリナは血を見ると喜ぶ変態である。イロモノ的なものではない変態じゃないがものすっっっごく危ない少女である。

 

 小さい頃にやってた戦国武将ごっこではよくオレの擦り傷にむしゃぶりついてたなぁ。

 

「アイツの前世エリザベート・バートリじゃねーの?」

「否定できない……。エクスカリバーより狂暴で使い勝手が悪い……」

「というかお前ら止めろよ! あと変態。お前もさっさと――――げぶぅ!」

 

 正道が何か言っているような気がしたがイリナが顔面を踏みつける。彼女の靴が正道の血で汚し、木場に更なる追撃を与える。

 

「スゴいスゴーい♪ 普通の斬撃ならもう死んでもおかしくないのに粘るね」

「冗談じゃない……。僕はこんなところで負けられない!」

「ふーん? あなたは何かを抱えてるようだけど私にはどうでもいい。もう本気でやっちゃうし♪」

「なっ!?」

 

 今まで手を抜いてたことに驚く木場だが、よくよく考えてみろ。イリナはまだ擬態の聖剣(エクスカリバー・ミミック)の能力でさえ使ってない。

 

 イリナのエクスカリバーがウニョウニョと動き始め、それが更なる変則的な斬撃となって木場に襲いかかる。

 

 まとも斬撃が一切ない狂人の剣劇。騎士である木場とは相性が悪すぎる。

 

「ならば破壊力で!」

 

 何を焦ったのか木場はセイクリッド・ギアで大きな大剣を擬態の聖剣(エクスカリバー・ミミック)にぶつけた。しかし、それはスルリと受け流され、無防備となった木場にイリナは言った。

 

「君のエキスパートはスピードと手数だね。でもこんな陳腐な剣で斬りかかるなんて、周りが全く見えてないね?」

 

 イリナの膝蹴りが木場の顔面に当たる。そこから三日月に口角があがったイリナはとどめとばかりに斬撃を振るおうとした。

 

「ストップ。ここまでだぜガール」

 

 イリナの斬撃を籠手で受け止める。彼女は不服そうな顔でオレを見ていた。

 

「邪魔しないでよイッセーくん。斬れないじゃない」

「グレモリーさん家の眷属をやっちゃ駄目だって」

 

 休戦から戦争が再会するって。

 

「ぶーぶー……不完全燃焼だよー。じゃあ、イッセーくんが受け止めてくれる?」

 

 は? 何を?

 

 そう思ったときイリナが一閃。オレを肩から切り裂いた。制服を切り裂かれ、イリナは笑う。

 

「アハハハハハハハ! たくさん出て――――ない? え、血が出てない……?」

「当たり前だっての。オレはドラゴンなんだよ。人間程度の筋力じゃ斬れねーっての」

 

 まさか斬られるとは思わなかったな。イリナは自分がしたことに顔を青ざめ始めた。冷静になってくれた。

 

「さてとオレの制服を切り裂いた挙げ句、オレを斬ろうとした罪。悪い子はどうなるかわかってる?」

「ひぅ……!」

 

 ニコリと笑って腰を引いたイリナの背後にまわり、気で立てなくさせた。

 

「悪い子にはいつだってこんなお仕置きだよなぁ――――お尻ペンペン」

「ちょ、今はゼノヴィアやみんながいるんだよ? だから、ね、ね!」

「だが断る。このISSEIに噛みつく駄犬にはお仕置きだべぇ~」

「いやちょっと待っ――――きゃいん!」

 

 というわけでイリナに公開お尻ペンペンの刑を行使した。途中から艶やかな声になってきたことを追記しておく。

 

 

 

 

 

 イリナのお仕置きを済ませた後、オレは一期に治療を受けていた。心配されたがどうも全くの無傷だったそうだ。うん、まともじゃないな。

 

「うぅ、イッセーくんのいけずぅ……みんなの前でお尻ペンペンするなんてぇ……」

 

 お尻を押さえたイリナは顔を真っ赤にして恨めしそうにオレを見た。

 

「いや暴走したお前が悪いだろ。小さい頃から血を見ると興奮するのを耐えろ」

「だって血を見るとなんか高ぶってくるもん。私の戦闘民族の血が騒ぐもん」

「サイヤ人じゃねーだろお前。それからこんなのまだマシだ。オレの知り合いなら亀甲縛りにした挙げ句、インターネットにアップロードしてるから」

「それ社会的に抹殺する気満々じゃん!」

 

 そりゃそうだろ。オレは精神的だがソラさんなら社会的も抹殺するつもりだ。

 

 するとゼノヴィアが感心していた。

 

「それにしてもあのイリナをよく止めたものだ。ワタシでも手のかかる危険な子だったのに」

「イリナはまだ比較的普通だろ。こちとら包丁を構えて襲ってくる妹もいるし、よく刺そうとしてくるし」

「うん、君もおかしいよそれ」

 

 なんと。一期のヤンデレもおかしいと捉えられたか。普通の変態でいるつもりだったのだが、まさか……。

 

「兄様、あそこに転がってる正道一成(ゴミクズ)はどうしますか」

「グレモリーさーん、とどめさしていいー? 感想欄では不人気だから殺っちゃっていいー?」

「メタ発言をやめなさい!」

 

 正道を殺れということを否定してなかったのでグランドでリアル犬神家埋めをしようとしたら姫島さんと子猫に止められた。残念。

 

 あ。あと木場きゅんがグレモリーさんから離れました。はぐれじゃないから大丈夫だよね?

 




イリナは至って普通の女の子です☆

……周りの変態性が強くて狂気が強調できないんだよワトソンくん。
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