何かがおかしいハイスクールD×D   作:ぼけなす

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この主人公ははっきり言えば狂ってます。
もうネタにはしるのが一誠です……。


第一話 襲われました。撃退しました。

 

 

 夕方から夜中。日は落ちてもう夜だ。

 

 オレこと兵藤一誠は変人であり変態である。そんなオレでも家族には心配される。

 

 なぜならオレの家族は『普通』という文字がないのだからだ。

 

「ただいまー。いやー、告白された女の子がヤンデレで困った困っ――――って!?」

 

 その瞬間、顔の近くに氷でできた包丁が刺さった。それにはビックリ仰天なオレなわけでして。

 

「あぶね! あと少しで天国のカウントダウンするところだったぜ……」

兄様(あにさま)、お帰りなさい……」

「おう、ただいま。とりあえず……怒りを静めてくださいな」

 

 目の前に黒髪ロングの少女が冷気を撒き散らしている。普通より胸が大きく、スレンダーな体型で和服を着る大和撫子系美少女こそ、オレの義妹。兵藤一期(いちご)である

 

「兄様、告白されたとはどういうことですか?」

「い、いやー。なんか一期ちゃんと同じ黒髪な子でね。告白されたのですよ。んで……」

「あ、言わなくていいです。そうですね……」

 

 一期は周囲の水蒸気を凝固させ、氷のナイフを数本造りだし、浮かばせていた。そんな彼女にオレは寒さが原因なのか、一期の氷の笑みに震えているのかわからないがびくびくしていた。

 

「兄様をコロシテ私もシヌ!」

「うん、ちょっと待とうぜマイシスター! お前がヤンデレなのはわかってたけど、落ち着こうぜ!」

「いや離して! 愛莉姉ちゃんや桃亞(とうあ)姉ちゃんに先に兄様の貞操を奪われるくらいなら今日の寝込みに拘束しようと考えてましたのに!」

「お前そんなこと考えてたの!? マイシスターは肉食系!?」

 

 小さい頃から清らか清楚な美少女だったのに!

 

 おのれ、誰が原因で……。あ、母の血筋か。そもそも種族的にも肉食だったし。

 

「あ、おかえりイッちゃん。一期ちゃんはイッちゃんと仲が良いね!」

「よく状況を見ろ桃亞! この状況はまさにオレ大ピンチだし、一期は暴走してるから!」

「えー? 兄妹(きょうだい)喧嘩じゃないの?」

「こんな兄妹喧嘩あってたまるか!」

 

 首を傾げるのがオレの幼馴染みで四大お姉さまの一人。名前は劉崎桃亞。やや黒みかかったブロンド髪のツーサイドアップで、天使という種族のハーフらしいがこんな感じで天然が強い。世間知らずの清楚なお嬢様くらいの天然である。

 

「むー。それなら何しているの?」

「兄様を殺して私もシヌ!」

「死なぬ! このISSEI、幼馴染みや義妹の乳を吸うという野望を遂行するまで死なぬゥ! 吸いだけに!」

「え!? 兄様が私の胸を……? そ、それなら私のお部屋に来ていただけたらいつでも」

「いやお前は最後の攻略対象! 幼馴染みをクリアせねばオレの第二の野望のハーレムが完成しない!」

「またそんな不埒なことを!」

「うん、イッちゃんもイッちゃんもだけど、一期ちゃんもイッちゃんの妹だね」

 

 何やら失礼なことを言われたような気がしたがこの戦い、負けるわけにはいかない。

 

 燃えろハート! 震えろビート!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんなこんなで玄関前でばか騒ぎしていたら兵藤家の家庭担当の兵藤氷菓(ひょうか)の雷が落ちた。喧嘩両成敗されて、オレ達二人はしぶしぶ食卓についた。

 

 兵藤氷菓、彼女はオレ達二人の母である。綺麗な銀髪でサファイア色に輝く瞳。三十路のはずなのだが肌が二十歳前後とはどこの美魔女かと思った。スタイルも一期と似ているため、これが姉妹だと聞かれても疑いようがない。

 

 ちなみに彼女も一期と同じ人間ではない。

 

 そしてその隣にいる黒髪のナイスガイな男こそ、兵藤家の大黒柱である兵藤幸田。

 

 二十歳にしか見えないが実は結構長生きしている男だ。身体は人間なのだが兵藤家中ではもっとも人間に近くて遠い存在だ。

 

 どうやって稼いでいるのか知らないがローン無しでこの家を建て、学費も三年間分も支払っている。たまーに、稽古してくれるが変人で天の邪鬼なところがある。

 

 例えばオレのケーキを勝手に食べたのに、後日大好物の大福を買ってきてくれたり、めんどくさいと言いながらもしっかり仕事をしてくれる。

 

 まあそんなこんなで兵藤家はこういう家族構成である。桃亞の両親は父親が既に亡くなっており、母親は遠い国いるらしく、オレ達の家に居候というわけだ。

 

 オレは父親に告白されたことを話すと一期は不機嫌そうな顔でプイッとそっぽを向いた。

 

 あー、かわいいなぁ。なでなでしたい。チュッチュッしてー。

 

「だが許さん。一期がほしければこの幸田くんを倒せ息子よ。もしくはミドリの一個600円のケーキを献上せよ」

「意外に一期の人生やすいなオイ。600円って」

「なお、息子が他の嫁の家へ婿に行くならタダだ。もってけ泥棒だぞ」

「いやオレは貰われるより貰う方になりたい」

「ふふ、だけど一誠が貰われるのはこの私が許さない。一誠がほしければ魔王を倒して来いって言うわ」

「どこの勇者様? そしてオレは王国の姫殿下?」

「兄様が王子ならば私はいつでも姫勇者になります!」

「うん、落ち着こうか妹よ」

 

 桃亞はオレ達のやり取りをニコニコ笑い、父と母は毎度のことながらイチャイチャ。

 

 一期はオレにキスを迫ってくるので手で押さえつける。うん、この家にいるとオレはツッコミ役になる。

 

 ツッコミが一人しかいないのは辛い。というわけで押さえつけた一期の手のもう片方を使って愛莉にラインを送る。

 

ピロリン。

 

 返ってきた。『(-.-)Zzz・・・・』だった。

 

 おのれ関羽。主のピンチに眠っていたのか。

 

「それにしてもカオスだね!」

「とりあえず助けて桃亞さんや」

 

 混沌の食卓に呟くオレだった。

 

 

 

 

 

 

(??side)

 

 

 

 

 

 

 さてここからは一誠の回想である。

 

 夕暮れの時間、彼は天野夕麻という少女に告白された。

 

 黒髪のスレンダーな美少女で、おそらく松田と元浜ならば喜んで告白を了承するくらいかわいい。一誠とて男だ。彼女の告白にとてもうれしい。だから彼は答える。

 

「だが断る」

 

 ものすごい笑顔でそう返したのだ。それには夕麻も目を点にして理由を聞いた。

 

「えっと……どうして?」

「いやー、人生初の告白にはとてもうれしかったよ。うん、君なら告白されても問題ないよ。十人中九人はその告白を了承するよ」

 

 だけど、と一誠は続けて言った。

 

「うれしかったけど、がっかりした。だってつまらないもん」

「つまらない、ですって?」

「うん。ありきたりに顔を紅くして、ありきたりな告白して、ありきたりな恋人関係を作っていく――――そうなる運命なんてとてもつまらない」

 

 十人中九人で了承しない人物の一人――――それが彼、一誠だった。彼は普通を望まない。普通な告白を望んでいない。

 

 だからがっかりしたのだ。

 

「だから本気で付き合いたいならテイクツー。告白するとき鉄棒で懸垂しながらお願いします」

「……そう。じゃあもうしないわ」

 

 ありま、と一誠が呟いたとき夕麻の背中から黒い羽が伸ばされた。彼女は堕天使。下級だが普通の人間をあっという間に殺せる人外なのだ。

 

「な、なんだ!? あれがまさかかの有名な……魔法少女!?」

『いや違うって。堕天使だヤツは。というかなんで魔法少女なんだ?』

「親父の知り合いの奧さんが元魔法少女で黒い翼に黒いセクシーなドレスを着れるって聞いた」

『いや確かに聞いたが堕天使と比べるな。その奧さんの方がオーバキルだから』

「ごちゃごちゃと呟いてないでさっさたと死になさい」

 

 夕麻こと堕天使レイナーレは光の槍を造り、それを投擲した。

 

「おお! なんだアレ。まさかライトランサー……」

 

 一誠は最後まで避けず、その槍を胸から貫かれた。彼の身体がよろけ、苦しそうに呻き始める。

 

「ぐ、ぐあァァァァァ! この一誠がこんなところでェ!」

「まだ死なないなんてスゴい生命力。けど、これでおしまい」

 

 レイナーレはとどめに頭に光の槍を突き立てた。一誠はバタンと倒れて、レイナーレは鼻で笑って背中を向けた。

 

「哀れね。自分の中に神器さえなければ平穏に暮らせたのに」

「え、知ってたの?」

「!?」

 

 レイナーレは振り返った。そこには今でも光の槍が刺さったままの一誠が立っていたのだ。

 

「な、なんで死んでないのよ!?」

「さあ? お前を倒すまで死んでも死にきれない……ってことでいい?」

「死ね!」

 

 レイナーレの槍が一誠の溝尾を貫いた。貫通し、穴が開いた身体だが徐々に塞ぎ始めた。

 

「な、何よアンタの身体! 普通の人間じゃないわね!」

「いや確かにそうだけど……。それよりも」

「来なさいドーナシーク、カラワーナ、ミッテルト!」

「聞いてよー」

 

 レイナーレの他の堕天使が空中から現れ、一誠を向けて怪訝な顔をしている。

 

「あれは人間……か?」

「頭に突き刺さってる光の槍をツッコミたいのだが」

「どうでもいいけどさっさと殺っちゃえ!」

 

 ミッテルトは光の槍を一誠に投げつけた。彼は仕方ないと思い、赤龍帝の籠手を出し、その光の槍を拳圧で打ち消した。それから一誠は突き刺さってる光の槍を引っこ抜き、自身の状態を確認した。

 

(うーむ。ライトランサーによるダメージは致命傷ではないな。光の特性が強いからオレには効かなかったのかな)

『いや普通の人間からして見れば致命傷どころか即死だからな相棒。もうお前が人間じゃないのは認めるがな』

「な、なななっ!? 光の槍を!?」

「ヤツは危険だ! ドンドンやれ!」

 

 ドーナシークがそう叫ぶと一斉に光の槍を投げつけた。一誠はそれを避けずにそのまま歩いていると一誠の身体から槍が傷をつけることなく通り抜けた。

 

 これこそ赤い龍(ウェルシュ・ドラゴン)の元来の能力――――『透過』である。

 

 全ての光の槍は透過され、四人の堕天使達は焦りを生み出す。

 

「無駄無駄ァ! このISSEIにそんなちんけな槍など聞くかァ!」

「ならば直接下すまで!」

 

 堕天使ドーナシークは肉弾戦に持ち込むために拳を構え、一誠の顔面を捉えることに成功した。奇襲が成功し、一誠にダメージを与えることができたことに彼は笑みを浮かべたが、次に見た一誠の顔を見て彼は血の気が引いた。

 

 彼は不敵な笑みを浮かべてドーナシークを見ていたのだ。まるで顔に蚊がいたかのように、彼を見ていたのだ。

 

「貧弱貧弱ゥ!」

「ぐあぁ!?」

 

 ドーナシークの胸ぐらを掴み、地面に叩きつけた。彼は今の一撃でノックダウンしたのを見たレイナーレは光の槍を構えて特攻した。

 

「この化け物めェェェェェ!」

 

 レイナーレは冷静ではなかった。一誠という驚異の存在を前にして彼女はドーナシークを一撃で倒した彼を見誤っていた。一誠は新たに左手に拳を作り出し、言った。

 

二つの赤龍帝の籠手(ツイン・ブーステッド・ギア)

「なっ!? 龍の籠手(トゥワイス・クリティカル)の亜種!?」

 

 一誠の腕には赤龍帝の籠手が二つ『BoostBoost!!』と籠手が鳴り響き、『Explosion!』と鳴ったとき彼は邪悪な笑みを浮かべた。そして、レイナーレは悟る。

 

 

――――あ、これなんか始まるわ、と

 

「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァ! 

 

 

WRYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYY!!」

 

 レイナーレに怒濤のラッシュが炸裂した。顔面、腕、足、腹部などなどをあらゆるところに拳を叩きつけ、そして最後に強化した一撃を叩き込み、レイナーレはどこかへぶっ飛んだ。

 

 それを見たミッテルトとカラワーナは呆然としていた。男が女を殴れるものではないという固定概念が強かったので、彼女達はオブラートな形でレイナーレを倒すと思っていた。しかし一誠はどうだ?

 

 問答無用で容赦のないネタでレイナーレをボコボコにタコ殴りにした。彼女がやられたところは彼の拳の形を残したコンクリートの地面があった。

 

 二人の堕天使はそれを踏まえてドーナシークを抱えて一誠に言った。

 

「今日のところは引き上げてやる!」

「だけど忘れるな。私達は堕天使の中では雑魚! 真の堕天使に目覚めたレイナーレ様が必ずや貴様を倒す!」

「せいぜい震えて待っているがいいわ!」

 

 一誠はそれを聞き、ギロリと睨むと言った二人は一目散に逃げていった。そのとき彼女達はみっともなくガチ泣きしていた。鼻水流しながら逃げた。それを一瞬だけ見れたことに溜飲をおろした一誠は言った。

 

「そういえばあの魔法少女のコスプレ女と男はなんだったんだ?」

『だから堕天使だって言ってるだろが!!』

 

 まだ勘違いしていた一誠だった。

 

 

 

 

(一誠side)

 

 

 

 ドライグに堕天使という存在を聞き、オレはこのことを兵藤家のみんなに話すことにした。んで、さっきの『(??side)』の回想を説明するとお茶を飲んでいた親父は言った。

 

「ほっとけ」

「了解」

「いや無視しちゃ駄目だろ。妾の息子が殺されそうになったのだぞ」

 

 お袋が冷気を吐き出しながら青筋を浮かべていた。『私』から『妾』という本来の口調に戻ればそれはぶちギレた証である。まあまあとオレはお袋をなだめていると親父は言った。

 

「ぶっちゃけ下級ごときに俺達の息子を殺せるものか。アリがゾウにたった一匹で挑むことだぞ」

 

 つまるところレベルが違いすぎる。オレと挑めるのはせいぜい兵藤家の誰かくらいだろう。

 

 ……あ、桃亞もそうだわ。パートナーがいれば最強コンビなんだわ。

 

「とにかく一誠。また現れたら遊んでやれ。一般人を巻き込んだら……わかってるな?」 

「えー……別に他人なんて」

「世間帯もあるから守れ。お前は変態だがそれくらいできるだろ?」

 

 むー……めんどくさいなぁ。あ、でもヒーローごっことか面白そうだ。遊べるしなー♪

 

「イッちゃんってホントにおかしいね」

「おかしいのはオレじゃない――――世界さ」

 

 オレはそう言いながら漬物を口に入れるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、でも誰かに見られていたかも。視線感じたし」

「そいつをどうしたの?」

「アフロのカツラを投げつけた。仙術による接触だからアレってなかなかとれないんだよねー」

「願わくば女子じゃないことだね」

 

 桃亞が知らない誰かに同情していたが、残念。たぶん猫耳だから女の子さ。

 




狂人一誠。どこかおかしいのがこの主人公。

正義の味方でもなければ邪悪な悪党でもない。単なる変態です。そしてISSEIのDIO様化は必然でした。ネタの宝庫ですから(笑)
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