(??サイド)
木場裕斗は悪魔である。真夜中の時間で彼はあることを考えながら依頼主のいるマンションへ向かっていた。
(よく考えたら兵藤くんはホントにスゴいね……。コカビエルをめちゃくちゃにしてたし)
これまでの戦績を考えると彼は堕天使の幹部、フェニックスの三男を葬り、現在も快進撃をしている。だがそれは同時に正道が言っていたことが木場に影響を与えていた。
(いっせーくんは『いずれ部長に危害が』とか言ってたけど、やっぱり信じられないよ。だってあの彼が部長に危害をだなんて……)
まあ正道の言いたいこともわからないこともないが、正道の私怨八割なところもあったりする。とは言え、木場は復讐の話をした一誠が敵にまわるのは信じたくない。
(でもいつかはわからない……。彼の大切な人に悪魔側が手を出せば、戦わなくちゃならない……)
そんなことを考えながらとある号室前まで来ていた。
「依頼主さーん、悪魔ですよー。入っていいですかー?」
「おーう」
許可を得たので入る木場。そこは様々なご利益がありそうな置物や絵が飾れているリビングだった。依頼主であるオジサンはゲームをしているのか、コントローラーとテレビにカーレースの映像が写されていた。
「ちょうどいい。こいつも混ぜていいか?」
「いいぜいいぜ!」
「yesyes!」
……あれ、なんか幻覚が見える。主に一誠とフリードという組み合わせがいるような……。
「あ。俺の名前はアザゼル。堕天使の総督してるよ悪魔くん。んで、こいつは兵藤一誠。一週間前にできたダチの息子だ。んで隣にいるのがしたっぱのフリードくんだ」
「「ウェルカム~♪」」
このとき木場は思う。
――――ホントに敵にまわるのかな、これ?
と思いながらカーレースに参加して楽しむのだった。
(一誠side)
本日は快晴なり! フリードさんを居候に加え、兵藤家の朝は始まる。
なぜフリードさんがここにいるかと言うと親父の傭兵組織に入社したのだ。バルパーの独断で派遣社員のフリードを使い、コキ使っていたらしいのを不憫に思った親父が組織に紹介したら入社できた。
やったね☆ 正社員だよ!
元から戦士としてのポテンシャルも高く、彼はいろんな依頼をこなして助かっている。なお、アザゼルは彼の働きぶりを見て、今も後悔している。まあそれはさておき現在のところフリードさんは前よりイキイキしてる。
そんなイキイキしてるフリードさんだが今日はどうも朝から顔色が悪い。
「どしたの?」
「許嫁に追われる夢を……」
あー……写真で見せてもらったけど許嫁さんは美人だけどかなりのヤンデレらしく、耐えきれなくなったフリードさんは逃げるようになったとか。
「昔の名前を連呼しながら来るんですよ。『アラタアラタ』って来るのはもう恐怖ッス!」
「アラタって呼ばれてたの?」
「教会に拾われる前の名前ですよ。てか、親がなぜその名前を選んだのかが……」
おそらく中の人繋がりでだろうなー。まあ、どうでもいいか。フリードさんが捨て子だったのはさておいて、なぜアザゼルと親しくなっているかと言えば親父の武器に興味をもったからだ。
傭兵活動の親父の武器は全て異世界産で未知の技術の宝だ。セイクリッド・ギアを研究してる男がそれに興味をもたないわけない。
「リリスがくるリリスがくるリリスがくるリリスがくるリリスがくるリリスがくるリリスがくる……」
「兄様、フリードさんはどうしたのですか?」
「トラウマ復活」
「理解しました」
まあそんな感じに朝を過ごし、学校に向かった。そして今日、授業参観である。
学校に着いたオレはいつものように桐生をいじり、アーシアを愛でていた。そして授業が始まる頃にはクラスの両親が集まっていた。
「いつ見てもお前のかあちゃん美人だよなー」
「あれで血の繋がりがないとかなんてエロげー?」
「絶対ないし親父に殺されるから手を出さないから。あとお袋は親父より融通悪すぎるから手に入れた後もマジ殺しファイトのイベントがあるからな元浜よ」
「はっはっはっ。それなんて無理げー?」
兵藤幸田の新婚日記というエロげーである。エロのときは従順であるが、それ以外は臨死体験の祭りである。親父の経験談はホントに勉強になる。
ゴールインした後がホントの戦いとは本当のことだったとは。
「松田の母さんも美人じゃん。あれ、お姉さんって聞かれても頷けるぞ」
「最近、母さんの息子を見る目が男に飢えた目になってた……」
「受け入れてゴールインしちまえ」
「いや駄目だろそれ! 倫理的にどうよ!」
「関係ない。愛の前では倫理など関係ない。影からこっそりと四六時中意中の相手を見ていてもモーマンタイ」
「それストーカーだろ!?」
松田はツッコむがもはや手遅れなような気がした。ほら、今も息を荒げて松田を見ているもの。
「ちくせう。一誠、誰か彼女紹介してくれ」
「そんな元浜にこれをやろう」
「おぉ、美少女の写真――――じゃなくて何このマッスルさん!? 誰だよ!」
「彼女の名前はミルたん。それは変身後の姿だ。大丈夫、変身解いたらお前好みの合法ロリだから」
「愛せる勇気がねえよ!」
元浜は血涙を流した。そのとき授業開始のチャイムが鳴った。
英語の授業なのになぜか先生はオレ達生徒に紙粘土を用意した。
「えー、この紙粘土を使って自分が表現したいことを作ってください」
「ちょい待ち。これ英語の授業だよな。美術の授業じゃないよな」
「そうですよ兵藤くん。ちなみに先生はマジシャンズレッドを作りました。ジョナサンかっこいいですよね!」
「アブドルのスタンドじゃん!」
ジョジョにはしるこの英会話教師にまだ文句を言いたかったが、オレ以外の生徒は作品を作りはじめていた。不満はないのかコイツら。
まあそれはさておきオレは何を作ろうか考えた。
そうだな……ドライグを作るのもいいな。
『おっ。俺を作ってくれるのか相棒』
『ふざけるな! 俺のも作れ!』
先輩達がそれを却下。どうも自分を作ってほしいだとか。
『いや我輩だ!』
『いやアタシだ!』
『いやガンダムだ』
『『『お前は黙ってろガンダムヤロー!』』』
ドライグと共に住む残留思念のみなさんがカオスになってきた。オレはどうしようかと考えつつも並行思考で粘土をこねた。
『って相棒! なんか変な生き物ができてるぞ!?』
あ、ヤベ。なんか逆さまの女性の化け物が完成した。「アハハハハハ」と笑いそうな化け物が完成した。
てか、時間もそんなにないし、もうあの人達を作るか。
「はい、終了です。ではみなさんの作品を説明――――兵藤くん、それはなんですか?」
完成したのは化け物と戦う少年少女達。
剣を持ち、斬りかかる少年。
槍を構える少女。
マスケットを向ける少女。
両手に剣を持ち、駆け出す少女。
そしてバックラーを手に掲げる少女とそれを見守る気弱そうな少女という最終決戦的な作品である。
「なんかホントにあった戦いのように見えますよ」
「ワルプルギスVSチビソラと愉快な仲間達です。ちなみにこれを倒したらバックラーとチビソラ以外の少女達は死にます」
「まさかのバッドエンド!?」
バッドエンドというかビターエンドだったような気が。まあそれはさておき、他の作品も見られ始めたわけだが、松田と元浜はやはりおっぱいマットだった。
あやつらの執念は本物だな。アーシアはなんとオレを作っていた。
赤龍帝の鎧のオレ、普段のオレ、英雄達の鎧になったオレという組み合わせだった。
「イッセーさんズです」
「こっちもスンゴイクオリティだね。てか、どこの仮面のヒーローさん?」
「イッセーさんなら仮面ライダーと殴り合えますから。そうですよね、イッセーさん!」
「いやそう言われても無理だから。あの人達の能力がある主人公達挑めば瞬殺されるから」
いくらソラさんでもライダーキックを受ければただでは済まない。アイツらに対抗できるのはやはり精神汚染という変態攻撃しか思いつかないや。
もし、現れたら千香さん、ノエルさんのコンビで戦ってみよ……。
「むむ……今回がMVPが二人になりそうです。というか売ってください! 千円出します!」
「先生ズルい! ならアタシは二千円!」
「三千円!」
「五千!」
「一万だ!」
オイオイ……オークションにまで発展したぞ。
そんな感じでアーシアとオレの金額がとんでもないことになったので買収禁止が出された。
てか、お袋……さすがに紙粘土に五万は出さないで……。
チビソラ:ソラの幼少期。純粋無垢な少年がなぜあんな凶暴な男になったのだろうかの真相はだいたい戦争のせい。
ワルプルギスの夜:とある原作の最終ボス。しかし真のラスボスがほむほむになろうとは作者も予想外である
バッドエンド:死ぬ結末が多い。チビソラとほむほむ以外のヒロインが圧殺または惨殺される結末。ピンクの少女は概念化してしまい消滅するという悲しい結末だった。
なお、彼女達の後の話だがハッピーライフらしい。……チビソラだった彼は苦労する毎日だが