何かがおかしいハイスクールD×D   作:ぼけなす

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ノエルの能力は事象のねじ曲げ――――つまり『失敗』に導かせることも可能です。

え、なんでこんなこと言ったのかって?

彼女が原因でシリアスが死ぬから……。


第二十八話 そして始まる会談

 

 

(匙side)

 

 

 あ、ありのままに起きたことを説明するぜ!

 

 俺こと匙元士郎は悪魔である。グレモリー眷族のギャスパーのトレーニングに付き合わされ、散々な目にあった。まず、元エクソシストのゼノヴィアに追い回されたり、ラインをギャスパーに繋げて、アタックナンバーワンみたいなトレーニング方法でバレーボールを兵藤に撃たれまくられるわでボロボロである。

 

 ギャスパーに自信を持たせる前に俺が死にそうだよ。

 

 そして今、ギャスパーは引きこもり自信が皆無になった。

 

「ギャスパー……出てこようぜ。でないと兵藤がまた来るぜ」

『いやですぅぅぅぅぅ! あの人なんか怖いですぅぅぅぅぅ!』

「……それには俺も同感だわ」

 

 兵藤一誠。変人にして変態。いや変態にして変人か?

 

 自分のことを変態と名乗り上げ、幼馴染みのみや気に入ったターゲットにして絡んでくる。最初は単なるスケベかと思ったが、ヤツの戦いは全てにおいて恐ろしかった。

 

 堕天使の幹部が連れていかれた後、生徒会は事後処理に一誠が倒した堕天使の後始末をするために向かった。

 

 

 

 そこに待っていたのは人には見せたくないグロテクスな光景だった。

 

 

 

 目が頭ごと抉られ、首が木の枝に突き刺さったり、胴体とお別れした死体があった。まるで怨敵を皆殺しにしたような光景だ。

 

 俺はそれにはひどく恐ろしいと感じた。

 普通の思考回路があるヤツすることじゃないと思った。

 なんせ、人と変わらぬ容姿をこんな容易く残酷に惨たらしく殺すことなど俺にはできない。あいつは何か恐ろしいものを秘めているような気がした。

 

 それは赤龍帝ではなく、どす黒いナニカだ。紫藤イリナが傷つけられたときに現れる恐ろしいモノだ。

 

「あいつはホントに恐ろしいよ。大切な人を傷つけられたらあっさり倫理とか捨てるヤツだよ。だけど見方を変えたらそれだけ熱心なんだよな」

『熱心、ですか?』

「ああ、あいつは頼まれた以上。放り出すヤツなんかじゃねえよ」

 

 例えば、アーシア・アルジェント。見ず知らずの彼女のために奔走し、怒りを示してくれた。

 

 アーシアちゃんは笑って話してくれたが、後から木場に聞いてみたらレイナーレとか言う堕天使を泣いて謝っても殴り続けたという鬼畜所業を見せてくれたらしい。

 

 それはさておいて、ヤツは見ず知らずの彼女を最後まで放り出すことなく必死になっていた。結局、悪魔になったらしいが兵藤は生き返ったアーシアを見てめちゃくちゃ喜んでいたらしい。

 

「だからお前が強くなるまで見捨てない。あいつは頼まれた以上、最後までやり遂げると思うんだよ」

 

 たぶん、だけどな。それを聞いたギャスパーは部屋の扉を開けてこっそりこちらを覗いていた。

 

「……匙さん、もう少しがんばって見ますぅ」

「うしっ」

 

 ……けどまあ、こいつを放任することはしばらく無さそうだ。俺はそう思った。

 

 

 

(一誠side)

 

 

 

 

 会談当日。正道は姫島さんに連れられ、アスカロンを手に入れ向かった。姫島さんはもう使われてない神社に住んでおり、悪魔である彼女でも入れるようになっていた。どうも神社は悪魔にとって危険な建築物のようだ。アーシアも気を付けねば。

 

 んで、オレは会談までぼんやり屋上を眺めていた。暇なんだよ。

 

 今日は一期と親父、お袋は夏休みに帰省予定の異世界に予定を立てに訪問しているし、クロスロードとギャスパーは今日もトレーニング。今のギャスパーはある程度自信がついてるから、オレの支援はもう必要ないようだ。

 

 愛莉は出掛けてるし、桃亞もガブリエルさんと一緒に天使の会議に参加している。

 

 なんというかオレだけ取り残された気分だ。こうも一人だと寂しくなっちゃうピョン。

 

「そう思わないかうちはの女」

「あら、気づいてたの?」

 

 うちはシズクが二枚の羽根を広げて降り立った。綺麗なパープルのツーサイドアップが揺れた。

 

「何しに来たんだ?」

「んー、暇潰しかな」

「そうかい。じゃあ他を当たりな。今は一人でいたいんだ」

「そうかしら? あなたの目はまるで迷子になった子どもみたいよ?」

 

 ……この女。

 

「何が言いたいんだ?」

「別に~。ただ一人ぼっちになってどうなのかな~って」

「大したことねぇよ。たまにあるんだよ」

「その度に寂しそうな目になってるのね」

「………………」

 

 オレは無視して景色を見ることにした。うるさい女の言葉を耳にしたくなかった。

 

「ねぇ、あなたもヴァーリと来ない?」

「唐突な勧誘だな」

「あなたのことを気に入ってるからよ。理由はあなたが強いからよ」

「強くないさ、オレは。だから強さを求めてる」

「嘘つき」

 

 顔までうちはの女が近づいてきた。それにオレはビックリしたが平然としたフリをした。しかしそれを見透かすかのようにコイツは言ってきた。

 

「『英雄達の鎧』だっけ? あなたはその力を使うけど、ホントは一人で倒せる力があるんじゃない?」

「ない。オレの強さはあの鎧にある」

「そうかしら。あなたは一人でいることが怖いんじゃないかしら? 自身の力があるから、力があるからみんなが離れていく――――そんな不安があるんじゃないかしら?」

 

 ……ッ!

 

「図星であなたの周りは優しい人ばかり。だけど陰ではあなたのことを恐れて離れたがっているかもしれない。いいえ、それだけじゃないわね。あなたは普段は変態と言ってるけど、それは自分で言い聞かせてるだけじゃないかしら」

 

 シズクの目はいつの間にか写輪眼になっていた。その眼を見ていると、オレの中の不安が増大していく。

 

「あなたは一人でいる方が強い」

「違う」

「あなたはみんなといると弱い」

「違う!」

「あなたは本当は繋がりを断ちたくなくて、馬鹿なフリをしている――――かわいそうな迷子」

「黙れ!」

 

 オレは手を払い、シズクを突き放す。するとシズクの身体が複数のカラスとなって飛んでいった。

 

「……イタズラが過ぎるじゃないのか、うちはシズク」

『くすくす、そうね。でもあなたは不安があるのは本当よ。力があるゆえに孤独となることの、ね』

「ふん……くだらない」

 

 幻術を使ってイタズラするワルガキの戯言に悪態をついて、オレは屋上から中へ入る扉を開いた。

 

「不安なんてそのうちなくなる」

 

 そう自分に言い聞かせて、学校に入った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして会談は始まった。集まったのは堕天使側がアザゼルとヴァーリ、シズク。天使側がミカエルさん、ガブリエルさん、イリナ。悪魔側がサーゼクスさん、セラフォルー、シトリー達とその眷族。グレモリーさんも同じくである。

 

 一方、特別ゲストとしてオレと桃亞、雷斗さんにノエルに、フリードさんがいた。

 

「なんで雷斗さんとノエルもいるの?」

「カオスのにおいがしたから」

「コイツを止めにきた」

 

 OK、把握。ノエルさんのいつもの暴走に巻き込まれたというわけだな。哀れなり雷斗さん。

 

 会談の内容はコカビエルの暴走の批難である。まあコカビエルはコーキュートスに幽閉されたらしいが、ぶっちゃけ処刑すればいいじゃんとオレと雷斗さんは思った。

 

 言うこと聞かぬ部下を断罪しても悪くないじゃん。

 

 そんな感じでアザゼルが和平を結ぶということを言い出した。今まで休戦だったのだが、どうやら平和的な終わり方を望んでいるようだ。

 

「アザゼル、ではどうしてセイクリッド・ギアを集める?」

「それは……」

 

 と、言いかけたとき。オレはある感覚に支配された。

 

「これは時間停止?」

「だな。てか、誰だよ。こんなことしたヤツ」

 

 雷斗さんはやれやれと嘆息を吐いた。おそらくこの時間停止はギャスパーのだ。誰かがギャスパーの力を暴走させた、とかだろうな。まあなんの目的かは知らないが。

 

「というわけでアザゼル。説明しろ。でないと殴る。答えても殴る」

「OK、落ち着け! 説明するからその拳を収めろ雷斗!」

 

 半ギレな雷斗さんに声をかけて落ち着かせるアザゼル。どうやら巻き込まれた腹いせのようだ。

 そういえばなんだかんだ言ってこの人、よく事件に巻き込まれるな。

 

 例えばクラナガンのゆりかごとか。

 

 すると魔方陣が浮かび上がり、そこから知的な女性が現れた。敵だとオレは本能的に悟った。雷斗さんも同じくだ。

 

「ごきげんよう三大勢力のとっ――――」

「「ダイナミックエントリー!!」」

「ゴブッ!!」

 

 オレと雷斗さんがドロップキックで敵を壁を突き破るくらい蹴った。それにはみんなも唖然である。

 

「……いきなりドロップキックするか普通」

「いや敵だろアレ。なら、とっとぶっ殺せだろ。なあ、一誠」

「yesyes!」

「とりあえず言わせてもらうぞ一誠くん。……ひどいッスね」

 

 そうか? これが普通だろ。

 そんなとき、先ほど蹴り飛ばされた女性が這い上がってきた。ゼェゼェと息を荒くしながら腹部を痛そうにさすっていた。

 

「いきなり何する下等な生物!」

「うっせーなザコ。お前の話なんか聞いてる暇はねーんだ。だからとっと死ね。今すぐ死ね。三秒で死ね」

「毒を吐きまくられた!?」

 

 雷斗さんと同じように言ったらそう言われた。まあこの女に構うことはないか。オレはアザゼルにこの女が何者か聞いた。

 

「『禍の団(カオス・ブリゲード)』というテロ組織だ」

「ブリーフ・オブ・パンティ? なんだ。その下着を集めてそうな変態組織は」

「いやカオス・ブリゲードだから。なんだその変態チックな組織は」

「カテレアちゃん、どうしてここに!?」

 

 セラフォルーの知り合いだったらしく名前が判明した。するとカテレアは忌々しそうな見るような目でセラフォルーを睨んでいた。

 

「忌々しいシトリー家の女が、高貴なるわたしの名前をなの、」

「イッセーぱんち」

「ぶぼぇっ!?」

 

 またしてもカテレアを壁を突き破るくらい顔面パンチを与えた。全員なんとも言い様のない空気で沈黙した。

 

「んで、カテレアって誰なのサーゼクスさん」

「えっと、旧魔王派でレヴィアタンの子孫だよ」

「旧と新ってあるの?」

「ああ、そうだよ。今のところ新魔王派が実権を握ってるから、おそらく旧魔王派の不満が爆発したんじゃないのかと私は思うんだが」

 

 なんだ。じゃああの女性はやっぱり。

 

「「ただの負け犬じゃん」」

「わたしは負けてなーーーーい!!」

 

 雷斗さんとノエルの言葉に反応したカテレアは魔力砲撃を放とうとした。雷斗さんは床に何やら模様を描いて魔力を注入した。

 

 そのとき、魔力砲撃が直撃し、部屋が爆発した。オレと桃亞、フリードさんはグラウンドへ退避した。アザゼルとミカエルさん達は動かなくなった人達を運んでこちらにきた。残された雷斗さんとノエルは魔力砲撃を受けてしまったようだ。

 

「あはははははは! このわたしを侮辱するからいけないのよ下等生物!」

 

 それは違うぜカテレア。お前は雷斗さんをわかってない。あの人はあの程度じゃ、死なないと思う。なぜならあの人はソラさんの師匠だ。

 

 

 

――――師匠が弟子より柔な身体ではない

――――師匠が弟子より劣るはずがない

 

 

 よく弟子が師を越えるとか言うけど、それは滅多に起きない。その弟子が既に一人前か免許皆伝されてるヤツらだ。弟子という肩書きを持ったままで挑むのは無謀である。

 

 要するに、だ。

 

 

「あの人が死ぬビジョンがおんまり思い浮かばん」

「全くッスね」

 

 煙幕が晴れたとき、そこにいたのは白い制服のような衣装を着た女性と「ヤベ、失敗しちゃった?」というなんとも言えない顔をした雷斗さんがいた。

 

 ……なんでだろ。あの女性を見ているとゾッとする。

 

「これはどういうことなのかな、雷斗くん」

 

 雷斗さんが逃げ出した。しかし大魔王から逃げられない!

 

 女性は杖から極太光線を放ち、雷斗さんを黒焦げした。しかも雷斗さんをアイアンクローしながら言った。

 

「説明してくれないかな?」

「そら、を……よぶ、つもりだった……。けど、なんで……か、おまえが…………ガクッ」

 

 雷斗さんが力尽きた。どうやらソラさんを召喚するつもりがこの女性を召喚したようだ。……ってなんかピースしてるノエルがいた。

 

 犯人はヤツだ! 召喚をねじ曲げて間違いにしやがったんだ!

 

 それから女性は雷斗さんを投げ捨て、オレ達を含めて全員を見ていた。

 

「せっかく久しぶりにお休みしてたのに、こんなわけのわからないところに呼び出しておいて許せないよ」

 

 

 タイミングが悪すぎたようだ。もうあれ完全に激おこプンプン丸だよね? 八つ当たり五秒前だよね?

 

 女性の背景がドドドドドドッッッ!と浮かび上がってように見えてるしッ。

 

「さあ、O☆HA☆NA☆SHIの時間なの」

 

 オレはこの日、白い魔王という単語を学ぶこととなった。

 




特別ゲスト

白い魔王:例のあの人。一誠のセクハラに制裁を加えた。頭の中身は肉食系女子で常に雷斗の貞操を狙っている。ちなみに娘である聖王ちゃんも狙っているので危惧してる

次回、カオスとヴァーリ戦開始前

原作沿いのオリジナル展開です。
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