…………誰も読んでなさそうだけど(遠い目)
オレこと兵藤一誠はフェアリーテイルの馴染みのあるメンバーと会うためにここ、『アカネリゾート』に来ていた。
フェアリーテイルのギルド本部に来たのはよかったが、他ギルドによって破壊されたため、ただいま再建工事中だった。
んで、マカロフのじいちゃんに聞いてナツやグレイ、エルザの居場所を聞いたらここにいるらしい。
早いこと再会するためにオレは一期と桃亞を引っ張って海に突貫した。
水飛沫を上げ、二人が失神しているのを確認したオレは注目の的になっていた。なので、オレは言った。
「海賊王に、オレはなるッッ!」
「「カッケー!」」
おっ? あそこにいるのは我が盟友。ナツ・ドラグニルではあーりませんか。
その隣にいるのはエルザとグレイと…………え、誰? あの金髪巨乳。
まあいいや。んなことよりも五年ぶりの再会だ。オレのこと覚えてるだろうか?
そう思って降り立つとエルザが近づいてきた。
「こ、」
「こ? こ…………コマネチ?」
「この馬鹿者がァァァァァ!」
「アデュー!?」
渾身の右ストレートをくらわされました。海面を水切りのようにバウンドし、最後には岩場に激突し、砂煙が舞った。
「くっ、再会にぶたれるなんて! なぜだ。完璧な決め台詞とポーズだったはずだ!」
『相棒、それ昔と比較してみろ。変な方向で進化しちゃってるのが丸わかりだから』
変な方向で? ふっ、何を馬鹿なことを。
昔のオレなどクールクールとか言ってるがそんなの面白味の欠片もないつまらない男じゃまいか。
今のオレこそISSEIという言葉がふさわしい!
『というか二人の娘はどこにいる?』
「…………あれ? さっきまで海面に浮かんでたんだけど」
「兄様、ここですよ?」
ギギギとブリキ人形のように振り返るとそこには笑顔の二人がいた。ただし目が笑ってないけどね!
「いきなり海に飛び込むなんて、何を考えてたのかなぁ、イッちゃん?」
「え、それはその……テンションに身を任せて……」
「せっかくの服を濡らすなんて…………少し頭を冷やしましょうか?」
オレは一期の背後に『あぅあぅ』と鳴く神様がうっすら見えたので逃げた。しかし魔王から逃れられない!
一期から放たれた巨大な氷山がオレに直撃し、更に桃亞から放たれた巨大な光の槍で氷山ごとやられた。
ブラックアウトした意識でプカプカと海面に浮かんでたとハッピーは言ってたそうな。
それからオレは新たなメンバー、ルーシィを紹介された。なんとお嬢様だったが自ら家出し、フェアリーテイルに入ったそうだが、それが原因でジョゼという他ギルドのマスターが依頼と評してフェアリーテイルを襲うきっかけになったらしい。
そのジョゼというクソヤローに腹が立ったがどうもマカロフのじいちゃんがお仕置きしてくれたらしい。
今度来たら問答無用でぶちのめそうと思った。
「ちくせう。水着のお姉さまを見るという我が野望が潰えた……」
「お前そんなこと考えてたのかよ。それにしても五年間に何があったんだ?」
「変態と変人に会ってきた」
「だからか……」
「というかグレイさんや、そこの青髪巻き毛さんは何者?」
「はじめましてジュビアです」
オレと一期達は着替え、地下のゲームコーナーにいた。服装は和服な一期にピンクのドレスの桃亞である。対してオレはラフな格好だ。アロハシャツとホットパンツという動きやすい服装である。
ゲームコーナ近くのバーでオレとグレイ、ジュビアという女性はいた。この子もジョゼの仲間だったらしいがグレイにほの字になったとか。
話して見ればグレイにメロメロでかわいらしいこと。
くっ、おのれイケメンめ! 顔がいいから惚れたのか!?
まあ応援するけどね。
というかこんなメンツになるとは思わなかった。
ナツとハッピーはスロット(?)しているし、エルザと新たな仲間のルーシィとポーカーしてる。
「まさかあのルーシィって子は星霊魔導士とはねぇ。召喚術と違ってコストがかからなくていい」
「そういうもんなのか?」
「まあな。召喚術はお前らと違う魔力を使って発動する魔法だからな。召喚にかかる疲労は一般人からすればフルマラソンと同じだからな」
とは言えそれができちゃう人種がいる。
例えば神威ソラ。神器という魂の武器を召喚してもその力を使って戦える。
オレの言う魔力の定義は精神と身体のエネルギーを混ぜた力だ。某白い魔王とは違い空気中にある魔力とかを吸収して発動するわけでもない。
「だからフルマラソンして召喚するより、道具使って召喚するのがてっとり早いってわけ」
「なるほどな」
「ところでグレイ、ちょっと聞きたいことがあるのだが……」
真剣になって聞いた。
「エルザのバストどれくらいになった!」
「それオレが知るわけねーだろ!」
「くっ、なんてこったい。まさかエルザの成長がわからぬとはこのISSEI。不覚!」
「いや見るとこそこか!? もっとあるだろ! 美人になったとか」
「笑止! エルザが将来美人なることは周囲の知る事実。ならばこのISSEIは斜め上の答えを聞くまでだ!」
「今のお前完全にエロガキだな!」
ふっ、何を今さら。そう思いながらカルピスを飲むと、グレイの後ろに巨漢がいた。顎には鉄のガードがついており、上半身ははだけたアラビアンみたいな格好した男だ。
左目は眼帯しているその男はこちらをじっと見ており、オレはヤツが魔法式を展開したとき、影分身の印を組んだ。
世界が暗闇に包まれた。
何も見えない――――が、仙人モードになったオレは直感で相手の動きを予測し、魔法から避けた。
相手は暗闇で暗殺するというアサシンみたいなものだ。いきなり回避されたことに驚いているんだが、すぐに蹴り飛ばされた。
しかしそれは分身である本物ことオレは既にここから逃げ出し、みんなのいるところへ向かっていた。
「静か過ぎる。影分身!」
影分身を使ってオレ達はナツ達のところに向かった。一番肝心だと直感したのはエルザとルーシィだった。
どうも嫌な予感がしたからだ。
ポーカーの場所まで行くとそこには変なロープで縛られたルーシィに失神して倒れたエルザがいた。
「なんだ? まだ客がいたのか?」
「…………テメーら何もんだ」
「ミリアーナ」
「はいにゃ!」
ルーシィを縛ってるロープと同じものがオレの腕に絡み付いた。オレは次に投げられた金髪ガン黒の男のカードから回避するため、影分身を使って突貫させた。すると影分身はカードの中に吸い込まれ、煙となった。
「カードの魔法か。まさかお前はFFか。FFのエースか!」
「シュウだっての! 誰だよエースって!」
「ゼロ式のカードマスター」
オレはそう言いながら絡み付いたロープを引きちぎった。それを見た猫女はガーンとショックを受けていた。
「にゃにゃ!? 私のネ拘束チューブが!」
「しかも魔法が使えるとは、お前何者!」
「よくぞ聞いてくれた!」
オレはジョジョ立ちすると敵の二人はポカーンと口を開けて呆然となった。そんな彼と彼女に気にせず宣言した。
「通りすがりの――――変態だ!」(バーン!)
「「まともな回答じゃなかった!」」
……渾身の名乗りがツッコまれた。ぶーぶー。もっと恐れ戦慄しろよー。
「まあ隙有りなんだけど」
「「ッ!?」」
気づいた頃にはもう既に遅し。両手に螺旋丸を構えた影分身が突っ込んでいた。これが決まればノックアウト――――と思い気や影分身の脳天に銃弾らしきものが突き刺さって煙となった。貫通してないけど、バッドで殴られたものだからダメージを受けたからだ。
撃ったのはマフィアっぽい格好をした…………なんか四角くてどがっていた男性だった。
「…………どういう構造してんの?」
「それはこっちのセリフだぜボーイ。なぜお前さんは魔法が使えたんだぜ」
「んなもん、オレが魔法を使ってないからだ」
「なるほど……つまり固有スキルってところか」
間違っちゃいないけどな。それはさておき今の状況は三対一。いや、四対一か。
先程の巨漢さんが現れたのだ。さてとどうするべきか。
オレは赤龍帝の籠手を出そうとしたとき、紫の光のわっかがオレを縛り上げた。これは魔法か!
「ほほほ、どうやら邪魔者がいたようですねぇ」
「ドルマゲスか」
ショウが呟いた男、ドルマゲスは不気味な印象を与える魔導士だった。ピエロに模した格好で、なんと言っても先が蛇の口を開けたような形をした杖から嫌な感じがした。
「さあジェラール様の元へ急ぎましょう。これからが正念場なのですから」
させるか! オレは最後の悪あがきに石ころを足で投げた。しかしそれは届かず、ドルマゲスが発動した魔法式の中までで止まってしまった。
「ほほほ、お馬鹿な龍ですね。まあいずれ会うときにはズタズタにしてあげますからねぇ」
ドルマゲス達が消え、オレのバインドは消えた。どうやら効果範囲外まで転移したようだ。
オレはルーシィに巻かれたロープを引きちぎり、ナツ達の安否を考えてると彼女が騒ぎだした。
「イッセー早くしないとエルザが、エルザが!」
「ちょっと黙ってろ。んーと、おっ。ナツ発見。んで一期と桃亞も無事みたいだな」
どうやら先程の猫女のロープでぐるぐる巻きにされてたようだ。うたた寝ているときに巻かれたみたいだな。
目が覚めてまわりに驚いてらぁ。
するとスロットで火炎が天に噴いた。ナツの滅竜魔法か。
オレとルーシィはみんなと合流して、ナツが噴いたスロットで集まった。
「あぶねーじゃん! 口に銃弾受けたら大怪我するじゃねえか!」
「いや普通、怪我だけじゃ済まないから……」
「え、そうなの? オレなんか眉間に弾をぶちこまれたけど、貫通してないぞ」
「どんな身体!?」
「あの四角ぅぅぅぅぅ! ぜってーぶっ飛ばす!」
ナツが「うおおおおおッ」と駆け出し、オレはナツの両肩に縄を巻き付けた。
「んじゃ、お先」
「ちょ、どこに!」
ナツをトナカイのようにして、オレはソリに乗った。気分はサンタクロース。良い子にプレゼント(物理)を与えるぜ!
「待ちなさいよ!」
「安心してください。私があなた方を連れて行きます」
後ろでは一期が龍となり、背中にみんなを乗せて追ってきた。これでエルザをみんなで追えるな。
その一方でオレは転移したときに仕込みに集中した。
(??side)
エルザ=スカーレットは魔導士である。だが、今は捕らわれの身であり、無力な少女だった。
彼女を捕らえたのは奴隷時代のときの仲間だ。その仲間は彼女の憧れだったリーダー的存在、ジェラールの言葉に惑わされていたのだ。
ジェラールはある日を境に、かつてのような優しさはなく、何かを求める男になっていた。今もそんな男だ。
エルザはただじっと視線を落としたままだった。仲間を置いてきたという罪悪感とかつての無力のなさを後悔しながら。
「富竹フラッシュ!」
「…………え?」
「へいへいそこの落ち込みガール。オレと話をしようぜYO!」
エルザの前にはラッパーがするような格好になった一誠がいた。なぜ、彼がここにと思ったがすぐに理解した。
「影分身の変化か」
「正解だ。ま、石ころに化けて後は虫なり、なんなりなって移動してお前に合いに来たわけよ。ドーユー・アンダースタン?」
「誰の真似だ。ふっ、とは言え私は逃げるつもりはない。放っておいてくれ」
「そうはいかんな。なんせ、オレとナツ達がお前を追っている。あ、帰らせろも無理だから。そんなことしたらグレイの氷がオレのお尻に突き刺してくるから」
「はは……それもそう、か」
エルザはやはり視線を落としたままだった。一誠はそんなエルザに嘆息を吐いた。
「アイツらお前の仲間なのか?」
「ああ。奴隷時代のな」
「なんと。奴隷という単語を聞いていかがわしいものを感じたぜい!」
「お前が考えてることは絶対ないから。もっとひどいものだった」
エルザの口から出されたのはそれはひどいものだった。
誘拐した子どもや大人、老人達を働かせ、痛め付け、死んだものを打ち捨て、そして彼女が言う楽園の塔が完成したとき、全員を生け贄にするというひどいものだった。
一誠はそれを聞いて口を閉ざした。さすがに陽気にはいられない。エルザが語ったのは彼と出会う前の彼女――――『エルザ=スカーレット』となる前の彼女だ。
それは彼女の言いたくない過去ということを一誠がわかっていたからだ。
「イッセー、これはわたしが解決すべきことだ。だから手出しするな」
「うん、やだ」
「即答か」
「当たり前じゃん。お前、今の顔泣きそうな感じだぜ」
エルザは泣きそうだった。何が辛いのかは一誠にはわからない。
それはジェラールを止められなかったことか、フェアリーテールと別れたくないのかなど様々な理由が一誠の頭に浮かび上がった。
一誠はしばらく沈黙し、顔を上げた。
「ま、お前がどう考えてるかなんてどうでもいい。オレは、いやフェアリーテールとオレ達は――――
――――お前がどれだけ自分を騙そうが関係ない。絶対に見捨てない」
ああ。やはり彼は変わらない……。あのときパンと牛乳を食べさせてくれたときの彼だ。
父親に言われたと言っていたが後からマカロフに聞けば、そんなこと言っていないと彼の父親は言っていた。
父親を言い訳にして助けてくれたのだ。わざわざ言い訳にしたのかは照れ隠しだったのか、それとも気まぐれだったのかはわからない。
しかし彼は優しさを持っていた。その優しさでまた彼女を救おうとするのだ。
「ばか……ものめ……」
「んじゃ、オレはこれにてドロンな。そろそろあの道化ヤローに気づかれそうだからな」
影分身は消え、残されたエルザは涙を落とした。潰された右目は義眼だが、涙が出るような仕組みだったが左目からしか出せない。
しかしその右目からもいずれ流せる日は近いのかもしれない……。
FFのエース:カードを武器にした人。ゼロ式の救われなさに誰もが泣いたと思われる
神器:魂の一部を武器にした道具。それぞれ能力があり、使い手によっては神様と互角に渡り合えるかも?
魔力:精神と身体のエネルギーを混ぜた力。一誠の言う『気』も同じ。なお、生命エネルギーを活性化した力を『氣』らしい。とある武人がよく使います
神威ソラ:前作『とある憂鬱』の主人公。作者の初めて書いたお気に入りの一人。リメイク版を書けたら彼の主人公はです。……変態に振り回される苦労人の
ドルマゲス:ドラクエⅧのボス。この世界では異世界の神器使いという設定。ラスプーンが出るかどうかはまだ検討中
ルーシィとジュビア:原作通り。変態にはならないが苦労人は確定……
ナツ:一誠の天敵。性格は原作通りなので一誠とは仲がいいが、魔法を使われたら彼もお陀仏。なので一誠は彼との戦いは絶対断る
グレイ:原作通り。一誠よりマシな変態だったのだ……