何かがおかしいハイスクールD×D   作:ぼけなす

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第七話 エピローグ的な再会

 

 

 

 翌日の放課後、オレこと一誠は昨日起こした『本気モード』について全力全開でグレモリーさんに謝った。

 

「いやマジすんませんでしたー! シリアスな空気にしちゃったことで! お詫びにイッセーくん脱ぎます!」

「そっち!? 普通はいっせーのことを謝るでしょ。てか、脱ぐなこんなところで!」

 

 なんと。この360度美少年であるISSEIの身体に興味を示さないなんて。グレモリーさんは枯れてるに違いないきっと。

 

「枯れてないわよ失礼な。というかいっせーのことを謝りなさい」

「だが断る」

「即答!?」

「いやレイナーレをミックミクにする邪魔したのアイツだし、てか。普通凶暴化したオレに近づきますか普通」

「あなたって人は……」

 

 呆れて物言いようがないという顔でグレモリーさんは嘆息を吐いた。まあでも悪かったと思う。なのでオレは正道にお気に入りのエロ本を渡した。

 

「って何渡してんだお前!」

「お詫び」

「お詫びじゃなくて謝れよ。しかもなんでエロ本なんだよ!」

「え、好きじゃないの?

もしかしてBL(アッチ)の人!? やだ、ホイホイ食っちまう男なの!?」

「どうしてそうなる! いや部長もマジにしないでください! だからそんな目で見ないで!」

 

 正道はあらぬ誤解を受けてみんなに弁明する。

 

 フッ、やはり混沌とはすばらしい。シリアスをコメディにしてこそイロモノだ。

 

「まあいっせーの男色説は置いといて、兵藤くん。あなたに紹介したい人がいるのよ」

 

 グレモリーさんが紹介する人? 誰だろ、と思ったときオレは凍りついた。

 

 そう、目の前にいるのはアーシアだったのだ。

 

「あ、あああアーシア!? お前、幽霊になったの!?」

「違いますよ。転生して悪魔になっちゃいました」

 

 イタズラっ子な笑みでオレにそう言った。なるほど、悪魔になったのかー。

 

 

 

――――さてと。

 

「どういうことか説明しろグレモリー」

「『本気モード』!? マジで怒ってる?」

「当たり前だ。アーシアを何勝手に悪魔にしてんだよ小娘。場合によっては無駄無駄ラッシュすんぞ」

 

 ギロリと蛇に睨まれたカエルことグレモリーはビクビクしていた。するとアーシアが「待ってください!」と言って止める。

 

「わたしは後悔していません。またイッセーさんとお話できるのですし、また一緒にいられるのですから」

「アーシア……」

「確かに神様をお祈りができなくなるのは辛いのですが、もう一人ぼっちじゃありません。悪魔側の部長さんやみんな優しい人に会えましたから。それにセイクリッド・ギアがなかったらわたしは悪魔に転生できなかったらしいです。イッセーさん達がレイナーレ様から取り戻していなかったら、わたしはずっと死んだままでした」

 

 アーシアは微笑を浮かべて言った。

 

「わたしのために、助けていただいてありがとうございます」

 

 その言葉を言われてなぜか涙が出てきた。照れ臭くなり、オレはアーシアに背中を向けてしまった。

 

「こちら、こそ……生きてくれてて……ありがどうッ!」

 

 イロモノキャラなのに今日だけは普通の男の子に戻ってしまいたくなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんなこんなでオレが泣いてからしばらく経った時間にて、河川敷をぶらぶらしていた。草原に寝転び、これまでのことを思い出した。

 

 アーシアが悪魔に転生したことには愛莉や桃亞は驚いていた。しかしこれまで通りに接していたから問題ない。

 

 なお、正道はアーシアに嫌われている。理由はオレのことだ。オレの危険性に正道は怖れているのか近づかない方がいいと進言しているらしい。

 

 フリードはあれからまたハロワで就活するはめになったらしいが、嫁さんに見つかり、逃走している。専業主夫にはなりたくないらしい逃走だが、なんでだろ。

 

 フリードの未来がヴァンプさんにしかないや。悪人面なのに。

 

「ま、これにて一件落着。そうだろ――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――今回の黒幕さん?」

 

 オレの背後に何かがいた。ソイツは黒いローブで顔を隠した人だ。姿は人型だが、これだけはわかる。コイツは異世界の人間だ。

 

『どういうことだ相棒。ヤツがなぜ異世界だと?』

(昔、親父に聞かされたんだ。桃亞が使ってる神器――――魂の一部を武器化させる技術には『継承』って言う神器を受け渡す方法があるんだ。これでわかるだろ?)

『まさか、あのドラゴンスレイヤーの腕輪は……異世界の神器なのか!?』

 

 ドライグはドラゴンスレイヤーをセイクリッド・ギアとは呼んでいなかった。無名のセイクリッド・ギアなんてない。長いときを過ごしたのにも関わらず、誰にも知られずドラゴンスレイヤーは生まれない。

 

「レイナーレに神器を渡したのはお前だな」

「さすが混沌と切り裂き魔に見初められた男……。洞察力がスゴいこと」

「どこのどいつだ? なぜこんなことをした」

 

 あのドラゴンスレイヤーさえなければオレはアーシアを悪魔にせずに済んだ。あの堕天使を瞬殺できた。全ての元凶であるそいつを睨む。

 

「クスクス……怖い怖い。さすがドラゴンの怒りに触れたら消し飛ばされちゃいそう」

「どうだか。余裕そうに見えるのは気のせいか?」

 

 ローブで顔を隠したヤツは闇の渦に飛び込んでこの世界去った。残されたオレは嘆息を吐いた。

 

「厄介なヤツに目をつけられたかも」

『相棒の場合、今さらだろ』

 

 それもそうか。やっぱりおかしいのは世界、だな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(おまけだよ!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 さてさて、オレは久しぶりに知り合いに会いたくなり、喫茶店『円環のお断り』に来ていた。そいつは変態……かどうかは定かではないがとにかく似合わない服を着ている化け物と言わせてもらおう。

 

「よ、ミルたん」

「こんにちわだにょ。イッセーくん」

 

 筋骨隆々な身体でありながらフリフリな魔法少女服を着る自称魔法少女の漢女。名前はミルたん。ここのマスターである。

 

 特技はスターライトブレイカー(物理)である。

 

「巴さんいる?」

「トモたんはキュウべぇ探しに行ったにょ。まだ魔法少女の真実を知らない少女を救いに」

「いや世界観違うしキュウべぇいねーから。てか、キュウべぇも発狂するくらいの容姿だから会ったとして即逃げるって」

 

 マッスルグレネード巴さん。特技はティロ・フィナーレ(物理)。ミルたんと同じナイスボディな漢女だ。

 

 魔法という名前の物理技で次元に穴を開けちゃう怪物だ。

 

 彼女(?)に会ったのは昨年の冬。クリスマスイブという幼馴染みと聖夜を過ごそうした矢先、公園でナイバディな黄色の巻き髪お姉さまと巴さんが戦っているところを遭遇した。

 

 彼女達の会話を聞くと「なんで私と同じ格好なの!?」やら「おのれ、偽物! この巴たんがお前を成敗してやるにゃ!」などなどという舌戦が繰り広げられていた。

 

 そのときブランコに座る銀髪の青年が黄昏ていたので話し相手になってやった。その人曰く、変態に関わる人生に達観していたらしい。

 

 残念だったなカエサル。オレはブルータスだったのさ。

 

 まあなんにせよ、変態に好かれる運命に支配された男の人は黄色の女性を落ち着かせてどこかへ帰っていった。

 

 まさかあの銀髪さん神器使いだったとは。異世界出身の人に出会うとは数奇なものだ。

 

 親父にそのことを話すとぶんぶん肩を揺さぶられた。銀髪さんの神器がカギのような剣ということを話すといきなりだ。そのとき初めて親父と銀髪の人は戦友だったと知った。

 

 まさかあの人が英雄だったとは……。てか、巴さん。その英雄の奥さんとドンパチやらかしてたのがスゲーと思った。

 

「いつの世も変態は強いな……」

「イッセーくん、何をするにょ」

「あ、コーヒーで」

 

 いつもの通りにコーヒーを頼む。ここによく来る常連客は何かとおかしい容姿だ。

 

 リリカルマジカルとか言いそうなお姉さまだったり、ダンディな中年だったり、九尾の巫女の未亡人だったりと様々な客がいる。

 

『相棒、気のせいか? なんか世界観を越えてるヤツが一人いるんだが』

「そういうもんだろ。ここは」

『…………否定できん』

 

 おかしいのはオレ達じゃない。いつだって世界さ。

 

 

 

 

 

 




第一巻はこれでおしまいです。
そして次回は一誠の歩んだ道のりです。
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