ホロライブ・オルタナティブ【リアー・タイムズ】トキノソラを翔ける少女   作:小畑 お爺ちゃん

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年代  統合暦10100年
場所  四方界 東の都(イースタ)


プロローグ
旅の始まり


ホロライブオルタナティブ【リアー・タイムズ】トキノソラを翔ける少女

 

これは、第二次天魔大戦の後の物語

 

これは、俺の第一次魔界侵攻の前の物語

 

これは、私のこれから経験する物語

 

これは、かつて俺の経験した物語

 

これは、何処かの誰かになる前の物語

 

これは、【運命(彼女)】と出会う〘もう一つの物語〙

 

さあ、時の彼方に広がるソラの話をしよう

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

目の前に立つ少女に対して最後にもう一度確認する

 

「本当に、良いんだな・・・

これはどう合っても変えられない結末に立ち向かう事になるんだぞ?」

 

「うん、これで良いんだよ。マサル君」

 

あの日、出会ったままの少女が目の前に居る

ブロンズの長髪、快晴の空みたいな青い瞳

澄み切った蒼い聖剣を腰に据えて

彼女の名前はトキノソラ

 

「この最後の探索を無事に終えようと、終えまいと・・・。どちらにしても、ここに居る君は消える。これは変えようの無い事だ。だけど・・・」

 

無理に過去に付き合わなくても良い

と、続けようとするが

少女がその首を左右に振る

 

「・・・・・・、わかった」

 

クルリと振り向いて後ろに居た二人の人物に頭を下げる

 

「彼女を過去に送って下さい。お願いします」

 

「わかった。始めようか」

 

先に答えたのはベル・オルデナフル

この世界の始まりから存在する天上の神の1人

人類のハッピーエンドを望むと豪語する変わり者の快楽主義者

 

「オケィ〜、Ready to go(準備完了)」

 

もう一人は評議会に所属するメンバーの1人

時間を司る神として崇められている少女

綺麗な黒髪に飲み込まれそうな青い瞳をしている

 

「すまない、クロニーさん。これが終わったら君も・・・・・・」

 

「いいっこナシ、です。All right、構いませーん」

 

そう言いながらニコリと笑う

それに、俺も頷くように首を縦に振る

 

そして、トキノソラの方を再び見る

 

「行って来い、無事な帰りを待ってる」

 

「うん、行ってきますっ!」

 

満面の笑みで答える彼女を見て、後ろに下がる

床に描かれた複雑な魔法陣が眩い光を放つ

少女の姿が光の柱の中に消える

 

凄まじい魔力によって強力な風が巻き起こる

その風に煽られる、思わず眼を瞑ってしまった

風と光が収まった目の前に彼女の姿は無かった

 

彼女の立っていた場所に向かって1人呟く

 

「待ってるぞ・・・、まだ旅は終わってないんだからな・・・」

 

天井を仰ぎ見る

煙草をポケットに感じながら

一息入れるか、と考える

ふぅ、と1つ息を吐いて外へ向かう

 

薄暗かった部屋から外に出る

騒がしい喧騒の中、戦後復興が進んでいく東の都(イースタ)を眺める

第二次天魔大戦を経験したこの世界

戦火が街にも降り注ぎ、多くの建物が、そして命が失われた

それでも彼ら、彼女らは前を向いて歩いていく

長かった啀み合いは解消され

何処かの馬鹿が天界長に居座った今なら

多くの問題は解決されていくだろう

まあ、あいつは過労死一歩手前を水平飛行してるだろうが、惚れ込んだ女の手前

あいつが簡単にくたばるとは思えない

せいぜい改革やら復興やらに尽力すれば良い

 

煙草を吸おうとして箱を取り出す

それと同時にこぼれ落ちたモノがあった

ふっ、と視界に写るのは可愛らしいピンクの御守り

ボロボロになって煤に塗れながらもその存在を今も強く誇示している金の刺繍

煙草を吸うたびにガミガミと小煩く言ってきていた彼女を思い出す

ははっ、と乾いた笑いを溢しながらその御守りを拾い上げる

 

もう、煙草を吸う気は失せていた

 

はぁ、ともらした溜息は白い吐息となってソラへと登っていく

それを眺めながら昔に体験した出来事を思い返していた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

誰も居なくなったその部屋に、1人の少女がふらりと現れる

その姿は今、まさに魔法陣によって掻き消えた少女と瓜二つ

双子というより、同一人物といった方が正しいほどに似通っていた

 

少女は部屋の中央まで歩いていくと、床の魔法陣にそっと触れる

 

「行ってらっしゃい。いい旅をしてね

帰りを、私も待ってるから」

 

柔らかい笑みを浮かべて少女は手帳にペンを走らせる

 

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