ホロライブ・オルタナティブ【リアー・タイムズ】トキノソラを翔ける少女 作:小畑 お爺ちゃん
「宝石のお兄さん?」
その一言に驚いたようにそちらを見る翔
「えっ?あぁ、キミは・・・」
そこに居た少女は非常に整った顔立ちをして、美しい黄金の髪をたなびかせて立っていた
今時の女子高の制服を魔改造したようなファッション
至る所にアクセサリーの用な物を付けているが、彼女の可愛さと相まって非常にマッチしていた
「あの、助けてくれて・・・ありがとう。」
そんな少女が見た目にそぐわず、オズオズといった仕草でお礼を述べていた
「あぁ、良かった」
翔はホッとしたように、表情を崩しながら彼女に声をかけた
彼女は翔がビルに入ったときに見付けた瓦礫に挟まれて身動きが取れなくなっていた所を助け出した娘だ
「あの、あのねっ!お兄さん!」
「ん?どうした?」
「私の名前は
人懐っこく笑顔を振りまきながら聞いてくる彼女に、翔も知らず知らずの内に笑顔になっている
「俺の名前は
「そっか!よろしくね、ショウお兄ちゃん!」
その笑顔は弾けるようで
翔は一瞬、自身が担架で運ばれる様を幻視した
「あぁ、よろしくな。舞ちゃん」
「うんっ」
翔はその後、暫くの間
舞と取り留めのない会話を続けていた
しかし楽しげに続いていた、その会話は
翔の一言で急に終わりを告げた
「舞ちゃん、親御さんは?」
「・・・・・・・・・」
急に真顔になって黙り込む舞
それに、翔は直ぐにマズイと思ったのか声を掛けようとした
「あ、無理に喋ら」
その言葉を塞ぐかのように、舞の冷静な一言が被せられた
「死んじゃいました」
「な、あ・・・・・・・・・。その、ごめん・・・」
「良いんです。父とは仲が良くありませんでしたから・・・、それに今日、父から追い出されるはずでしたし・・・」
「追い出される・・・?」
年頃の娘を追い出す、とは穏やかじゃない話題に・・・
翔は困惑しながら舞を見る
舞は微かに笑った様に見えた
翔は不安に駆られたのだろう
舞に対して疑問を投げ掛けた
「・・・身近に頼れる大人は居る?」
それに、静かに首を横に振る舞
寂し気に・・・ 少しだけ悲しそうに笑う少女がソコに居た
「お母さんは海外で、今の状況じゃ電話は繋がらないし・・・」
そう言いながら舞はポケットからiPhoneを取り出す
そこにアンテナを示すマークは無く、電波が届いていない事を示していた
「私、クオーターなんです。母方の祖父がイギリス人で・・・。母は仕事で海外を飛び回ってて、電話は頻繁に寄越すのに、帰って来なくて・・・」
遠くを見やりながら少女は続ける
「でも、戦争が始まって・・・。そしたら日本は良くわからない奴らに惨敗して・・・。このゴタゴタで母からの連絡が途切れると、父が人が変わったみたいに怖くなって・・・。」
舞の顔が俯く、体は微かに震えていた
ぎゅっと、自身の身体を抱きかかえる様にして
一分程、無言で時間が過ぎる
再び顔を上げると口を開いた
「・・・昨日、出ていけと言われました。荷物を纏めて外に出たらエントランスで爆発に巻き込まれて・・・」
舞は微笑むように翔に向き直る
「お兄さんに助けてもらいました」
そう、嬉しそうに言った
「父は部屋から出てなくて、高層階に居たから爆発に巻き込まれて・・・」
視線は崩壊し、上部が消し飛んだビルへと向けられた
その顔は少しだけ喜色を含んでいるようで、瞳は複雑な色みをうかがわせた
再び伏せられたその表情は寂し気に、曇っていた
「親戚は皆、海外で・・・。日本には頼れる人が居ないんです・・・。私、本当に一人ぼっちになっちゃった。えへへ・・・」
その、無理に笑う様が痛々しく見える
翔は、一言で言うなら怖い表情で黙り込んでいた
その感情はおそらく・・・
怒りであり、嘆きであり、同情であり、
何か決意のようなものだったのだろう
「舞ちゃん、一緒に行こう」
「えっ!?」
舞は驚いた用に声を上げる
「俺達と一緒に行けば、一人じゃないから・・・。 皆が、俺が、一緒に居るから」
そう言いながら、翔は彼女に手を差し出す
舞は暫くの間、
「よろしくね。舞ちゃん」
「うん、よろしくね。ショウお兄さん」
そんな二人の背後で澄んだ青空が何処までも広がっていた
それは・・・
歩き出した二人を祝福しているようにも・・・
これから暮れていく未来を示唆しているようにも・・・
それは、受け取り手次第なのだろう
まだ、物語は始まったばかりなのだから
《阿月 翔》 あつき しょう
抜群の体格と筋力量を誇る青年
メンバー内のムードメイカー的立ち位置
困っている人が居ると放って置けないタイプ、それが女性や子供なら尚更放って置けないお人好し
ただし、本人のメンタルは非常に弱い
槍による接近戦と宝石魔術による中距離戦を好む
《御丸 舞》 おまる まい
イギリス人の祖父を保つクォーターの少女、美しい黄金の髪が特徴
劣悪な家庭環境で育ち、学校生活と私生活で共に虐められて育った少女
その為、非常に洞察力に優れている
見た目は明るく振る舞う少女だが
その胸の内は常に疑心暗鬼が渦巻いている
好きなものは少女漫画とオシャレ