ある男の夢の先に…   作:しがない放浪者

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3話目です。
此方では前回、死ぬ筈のSがどうなったか等の補完(?)と、
更なる今後の展開になります。

追記 設定を少し変更しました。


ある男の現実世界#2

……………………………「何故だ…」

 

 

 

 

 

 

死んだ筈だった。

あのビーム兵器に焼かれて死んだ筈だった…。

 

 

 

たが…何時まで待ってもビームで焼かれた感触がない。

閉じた瞼を開き、正面を見る。

 

 

そこには…

 

 

ビーム兵器に何処からか飛んできた長刀が刺さり、機能を停止していた…。

 

その時、脳裏に死んだ友人達の姿と、

「生きろ」

と言われた気がした。

 

 

 

「まだ…生きなきゃならないのか。」

 

 

 

敵の慌てた声が聞こえる。

 

京香「た…隊長!射撃できません!何処からか飛んできた長刀が刺さって…!」

 

 

アルバート「一体何処から…っ!!?拙い!京香!ビーム砲を投棄して後方に回避だ!!」

 

京香「りッ…了解!」

 

敵は直ぐにビーム砲をパージし後方へ下がる。

すると、敵は左から銃撃され、先ずはパージされたビーム砲が被弾し、爆発。

敵2番機は間一髪で救われたようだが…右腕部の一部が破損していた。

 

敵の隊長機が2番機に駆け寄り、共に後退しながら左側に銃撃している。その先にはある友軍機が敵隊長機に向け接近戦を仕掛けようとしていた。

 

 

サミュエル「い…一体何が…」

 

此方にしがみ付いている敵機がそう言う。

 

 

(敵が混乱した今なら)

 

 

そう思い、先ずは1機殴り飛ばす。

 

ジェームズ「っ!?コイツ…ッ!!」

 

残りの2機も殴るか蹴るかして距離を取る。

 

恭弥「うぐあぁっ!」

 

サミュエル「うわぁぁ!」

 

 

まずはこの3機を潰さなければ。

 

 

 

すぐさま短刀を装備し、一番近くの猟兵機へ肉薄する。

 

ジェームズ「ッ!最初は俺かよ!」

 

敵は愚痴りながらも短刀を装備、此方の短刀に合わせ斬撃を繰り出し、鍔迫り合いの様になる。

 

ジェームズ「そう簡単に殺られると思うなっ!」

 

すると体制を整えた残りの2機も、それぞれ長刀と短刀を装備し此方へ向かってくる。

 

 

恭弥「今度こそ…終わりだ!」

 

サミュエル「死にやがれぇぇぇぇ!」

 

 

雄叫びを上げ、此方の機体のすぐ右後方と左後方へ回り込み、突きを繰り出そうとしてきたその瞬間、何処からかの銃撃により、2機共武器を持つマニュピレーターが吹き飛んでいた。

 

 

???(友軍機)「そこのアンタ!無事かい!?」

 

 

なんだ…?何処かで聞いた事がある声が…。

 

 

恭弥「!?」

 

サミュエル「何処からだ!?一体どこかっ…ガハッ」バギィ

 

???(友軍機)「敵さん、アンタの後ろだよ」

 

素早く移動してきたのか、友軍機は左後方側の敵の背面に来ており、短刀で機戦の背中を貫き、貫通させていた。

 

サミュエル「ばっ…馬鹿…なぁ…っ!」

 

その瞬間友軍機は、更に短刀を捩じ込む。

 

サミュエル「が…がぁ…あ…姉さ…。」

 

そう言い遺し、短刀を抜かれた瞬間に仰向けで斃れる。

 

 

ジェームズ「さ…サミュエル!」

 

恭弥「クソッ!」

 

もう1機はそう吐き捨て、マニュピレーターかある左腕で友軍機を殴り、距離を取った。

 

 

自分も相手の短刀を押し返し、すぐさま操縦席へ斬撃を連続で5度繰り出す。

 

ジェームズ「ァ………」

 

敵は何も言えずに息絶え、その場に倒れ込んだ。

 

 

すると何処からともなく叫び声が響く。

 

 

 

アルバート「貴様らぁぁ!よくもジェームズとサミュエルを!」

 

突如銃撃され、避けるのが間に合わず左腕を損傷する。

撃ってきたのは隊長機で、機体の左腕を失い、生身の腕が見えていた。

 

見えている拳には、かなりの力が籠もっていたのだろう。震えていた。

 

 

アルバート「ッ!!恭弥、生きていたか!良かった…。此処は一度後退する!京香、恭弥を支えてやってくれ!急ぐぞ!」

 

京香「…了解!」

 

恭弥「すまない京香…そっちも手負いなのに…。」

 

京香「…良いんですよ。さぁ、行きますよっ!」

 

敵が後退していく…。

逃がす訳にはいかないと、前に出ようとするが敵隊長機と、この3機以外の他にいた、生き残りの猟兵機達による牽制射を受け、そのまま見逃す事しか出来なかった…。

 

 

然し、未だに戦闘は続いている為、そろそろ移動した方が良いのかもしれない。

 

その前に、先程助太刀してくれた友軍機に話しかける。

その機体には、左肩に椿のエンブレムと、721という数字が描かれていた。

 

 

「先程の助太刀、感謝するよ。お陰で殺られずに済んだ。」

 

 

???(友軍機)「大丈夫さ、気にすんなって〜。」

???「さてと、そろそろアタシは他を倒しに行く。」

???「一緒に行こう?」

 

 

 

「その前に少し良いか?」

 

そう言い、操縦席を開き、顔を見せる。

 

???「?どうしたの?急に…あ…。」

 

友軍機は少し驚きつつ、少し間を置き、呼応して操縦席を開く。

やはりか。

 

 

「ツバキ…で、合ってるか?」

 

???「…そう。でもあの時名前だけだったね。アタシは藤堂椿。あの夢にいたアンタは本物だったんだ…。S。」

 

腕に装備する端末が送られてきたデータを受信していた。

データは戦闘後に確認しよう…。

 

「藤堂 椿 年齢17 東方方面第4特殊機甲師団 第721機戦連隊第2大隊所属 階級 特務大尉」

 

 

「一応は…そうなってしまうね。」

 

 

椿「まぁ、取り敢えずその話はまた後で。先に敵サンをを殲滅してからにしよっか。極東の死神さんっ!」

 

 

そう言い、椿は敵残存部隊へ突撃する。

 

 

「…フフッ、自由な奴だね君は。」

 

 

自分もウェポンラックから長刀を装備し、椿に追従する。

 

 

降下猟兵隊との戦闘で気付かなかったが、敵はかなり消耗していたようだ。

 

 

敵機戦1「何だこの2機、動きが早っ…」

 

敵機戦2「早いぞ奴ら!」

 

敵機戦3「馬鹿者!狼狽えるな!」

 

敵を見つけ次第、椿と連携しながら殲滅していく。

椿の操縦技術はかなりのもので、思わず見惚れてしまいそうだ。

 

 

敵が少し多くなってきた。

 

 

敵機戦4「貰ったぁぁぁぁ!」

 

取り逃していた敵が目の前まで来て、持っていた機戦用バズーカを向ける。

それに気付けた為、発車直前に下方へ避ける。

放たれた弾頭は目標を失い、少し離れた位置で炸裂した。

 

敵機から距離を取り、長刀をブーメランの要領で投げる。

 

敵は何とか避け、バズーカの狙いを調整をするが、ここで意外にも長刀が戻って来ていたのだ。

しかも、その敵は戻って来る長刀に気付けず、機体の両脚部を切断されてしまう。

 

敵機戦4「何ぃぃ!?」

 

敵は驚き、装備していた飛行ユニットで空中へ逃げようとした。

その隙を見逃さず、帰ってきた長刀を上手く掴み、此方も飛行ユニットを起動、敵を少し追い越してから、袈裟斬りの要領で斬り伏せる。

 

敵機戦4「うわああぁぁぁ…」

 

そう叫んだ後、敵は何故か爆散した。

その上機体ごと斬った以上、肉体を切断されて即死の筈だが、断末魔が出せる程度には生きていたようだ。すまない…。

 

敵機戦5「ミゲルゥゥゥゥゥ!」

敵機戦5「えぇいよくもミゲルを!」

 

新たな敵が襲って来たが、其奴は椿が後から操縦席を貫く。

 

敵機戦2「隊長、撤退しまっ…」

 

敵機戦3「ぅわぁぁぁぁ!」

 

敵機戦6「死にたくねぇ!!…ぎゃっ!!」

 

夢中になって敵を屠っている内に、気が付くと敵機戦小隊は全滅し、残骸が転がっているだけだった。

 

 

 

17:49

 

漸く抵抗を続ける敵部隊を友軍や椿と共に全て掃討し、戦闘が終了した。

 

格納庫へ戻り、機体の修理を頼む。

飛行ユニットを付けてくれた整備兵は、号泣しながら自分をポコポコ叩いてきた。

激戦だった事は理解してくれているが、それでも耐えられなかったようだ。

彼には本当に申し訳無い事をした。

木下…彼には今度何か奢ろう…。

 

 

その後、また椿と会い、椿の部屋のメモを受け取った。

椿「またねっ」

彼女はそのまま待機室へと戻っていく。

取り敢えず食事を済ませる為、待機室で着替えてから食堂へ行こうと考える。

 

一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一

 

今回の此方側の被害について。

 

兵器

戦車173両。機戦2,397機。ヘリコプター31機。航空機96機。迫撃砲や対戦車砲、要塞砲、対空砲合わせ1304門。その他通信施設や野戦指揮所等の損害。

 

人員

一般兵13,974名。戦車兵483名。部隊指揮官2,398名。機戦パイロット1,316名。砲兵2,417名。航空機パイロット103名。ヘリコプターパイロット52名。衛生兵161名。工兵1,237名。対空要員1,005名。その他1,961名が戦死。

 

負傷者は総数で30,000名にも及んだ。

(航空機に対しパイロットの死者が多いのは、複座機も含まれる為である。)

 

 

そして、敵側は想定になるが、撃破報告を統計すると、

戦死、負傷合わせ75,000名以上との事。

されど、撃破報告の重複等も考えられる為、正確な数字は不明。

 

 

格納庫や待機室、食堂では今回生き残れた者達が、喪った者達を想い、涙を流している。今回の犠牲者数はかなり多かった。

その影響も大きく、帰還後ショックで運ばれた者や、虚空を眺めている者、中には自殺を図る者すらいた程。

無理も無い。目の前で友人や恋人も失えば、その辛さは大きい。

 

 

俺も昔そうだった。

 

 

然し、何時までも悲しみに暮れていれば、今度は自分の身を滅ぼす結果に繋がってしまう。今は避けねばならない。

 

死んだ仲間や自分が殺した敵の為、そして自分が喪った戦友たちの為にも、生きなければと割り切る。

 

着替えも終わったので、食事を摂りに向かう。

 

「今回の方面軍再編は上層部も苦労しそうだな…」

 

一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一

 

 

20:22

 

 

そう云えば戦闘中に、夢で会った椿と再会したが、また後程と言った事を忘れていた。

取り敢えずシャワーや歯磨き等は済ませてあるので、格納庫で貰ったメモを元に彼女の部屋へ向かう。

 

 

「…ここかな。」

 

メモに書かれた部屋に来た。

部屋用のインターホンを鳴らす。

 

椿「今出るよ〜」

 

ドア越しにそう聞こえた。

数秒後、ドアが開く。

 

椿「おぉ来た来た。さぁ、入りな〜。」

 

「お邪魔しますっと。」

 

彼女の部屋に入る。

 

リビングへ入ったその瞬間、意外なものが視界に飛び込む。

 

 

リビングの壁には、ナイフによる切り傷がかなりあった。

そうか…彼女も…。

 

「同類だな…」

 

気が付けばそう呟いていた。

すると彼女は、意外そうに此方を見つめてきた。

 

椿「アンタも真逆…やってんのかい?」

 

「少し…ね」

 

そう言い、着ていた長袖のTシャツを捲り、左手首を見せる。

すると彼女も、腕に付けていたリストバンドを外し、手首を見せた。

 

「夢で会ったのは…必然だったのか?」

 

椿「…きっと、そうかもしれないね。」

 

 

すると笑いが込み上げてきた。そして、久方振りに大声で笑ってしまった。何故かは解らないが、何だか面白く感じてしまった。

夢で会った相手が現実にいて、それも身近な上にかなりの似た者同士という、まるで漫画のような事態が現実で、今まさに起こっているのだ。それが面白可笑しくて仕方無い。

 

 

するとつられたのか、椿も笑い始める。

 

 

暫く互いに笑い続け、疲れてしまったので、椿の部屋のベットに腰掛けても良いか?と聞いてみる。

 

椿「はぁ…、はぁっ…あ、あぁ。良いよ…はぁ〜疲れた…。」

 

椿の部屋には小さなテーブルと大きめのベッド、小さなソファと中型のテレビがあるだけのシンプルな部屋だ。

 

その大きめのベッドに腰掛け、少し休息を取らせてもらう。

息も整いつつある頃、椿が隣に座り、もたれ掛かってきた。

 

椿「ゴメンね、少しこうさせて。」

 

それに応じ、俺は好きにすれば良いと答える。

 

きっと暫くは出撃も無い。こうして誰かと休息を取っておくのも良いかもしれない。

そもそも、誰かと共にいるのはもう何時振りになるのだろうか、そう考えていると、隣から小さな呼吸音がしてきた。

 

隣を見ると、椿が寝息を立て、気持ち良さそうに眠っている。

その姿を見ていたら、何だか自分も眠くなってきてしまった。

今日の戦闘は激しかった為、その反動が漸く来たようだ。

 

椿には申し訳無いが、ベッドにあった大きめの抱き枕を移動させ、もたれる事にした。流石に椿を放置するのは気が引けた為、

少し間を空け隣で寝せる事にした。

(女慣れしてないんだこっちは!)

 

 

椿を動かす際、起こさない様慎重に移動させたが、彼女は起きる事無く心地良さそうに眠っていた。

 

 

そして、気付かぬ内に自分も眠っていた。一一一一一一一一一一

 

 

3話設定

 

藤堂 椿 年齢17 技術大尉になります。

彼女の説明は1話と今作でしましたが、今後も増えていきます。

 

 

Sの階級

 

一応大尉で、何時でも少佐にはなれるようですが、今はまだ良いと思い、大尉として戦っています。

 

 

 

椿の部屋

 

椿の部屋には、最小限の物があるだけです。

冷蔵庫、レンジ、オーブン、炊飯器、ある程度の調理器具、皿用棚、テレビ、大きめのベッド、抱き枕、小さいソファ、着替え用のタンス、洗濯機、乾燥機等で、ゲーム機やその他遊戯に使える物はあまりありません。

そして作中の通り、部屋には幾つものナイフによる傷がびっしりあります。ですが、物を壊したりはしていません。

 

部屋の広さはワンルームの部屋が奥に二部屋。玄関のすぐ近くにキッチン等があり、風呂とトイレは別になります。風呂、トイレは玄関に近いものの、外からはしっかり見えない位置にありますのでご安心を。そして、風呂とトイレのすぐ近くに洗濯機と洗面台が位置します。

(尚、基地の兵士用の部屋はみな、この形式です。)

 

 

 

Sと椿の腕

 

これは多分、皆さんもご存知かと。

 

 

2人の所属する隊

 

椿

東方方面軍第4特殊機甲師団(第4特機師団) 

第721機戦連隊第2大隊長。

(彼女が技術大尉で第2大隊長を務める理由は、度重なる戦闘により人員があまりにも不足、その為戦闘経験も多い上にセンスが高かった彼女が選別されました。)

 

 

S

東方方面軍第4特殊機甲師団(第4特機師団) 

第7独立機戦小隊長。

(尚、所属はSのみ。理由は彼が断り続けています。尚、上層部はこの事にかなり頭を悩ませています。)

 

東方方面軍

物語の舞台は、日本の関東に位置しており、第4特機師団は幾つかの師団とともに、関東圏の防衛を担っています。

同様に、西方方面軍(関西)、南方方面軍(九州)、北方方面軍(東北及び北海道)の各軍も存在し、防衛を担います。

 

 

日本の人口

この世界では、日本は地面というか…土地が我々現実より形が違い、多少大きい事もあって、それに伴い2億人を超えています。

 

ですが、戦争が始まる前はもう少しいました。

現在は国民総動員法が戦時中より少しマシな程度で蘇ってしまったため、国民全てが軍人みたいなものです。

ですので、現人口は二億四千万ぐらいになるかな。

(戦争前は三億人に行きかけていました。)

 

 

 

整備兵

 

彼はS専属の整備兵で、Sの同級生で19歳。

昔からロボットや機械が好きで、軍に入る時も機戦整備兵を熱望し、配属が決まった際は絶叫と共に跳び上がったそうです。

名は木下アストナージ。

ハーフの彼は、彼の両親があるアニメが好きで、そのメカニックキャラから取ったと伝えたそうです。

そして彼も両親とそのアニメを見て影響され、ロボットが好きになったと言います。

 

彼、なかなかの天才で、一部のオプション装備は彼のアイディアから来ていたりします。(自軍飛行ユニット等)

 

現実編で度々登場します。

 

 

3話設定オワリ




3話終了です。

休日のおかげでだいぶ進められました。

今回は前回の続きと椿との現実での出会いになります。
椿の登場形式には悩みましたが、王道(?)的でも良いかな…と言う事で、この様な登場になりました。

また、文章もそこまで多くはないです。
飽く迄繋ぎですのでね。



という訳で、ここらで御暇させて頂きます。
誤字脱字、アドバイス等や、リクエスト的なモノがあればその時は感想欄やメッセージ何たらでお待ちしています。


次回は2度目の夢に突入します。
そして、私的な用事が入りますので、1週間後になるかと思います。何とかそれまでに投稿できるようにはしますが…。
では、4話でお会いしましょう、お楽しみに!
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