我、Vtuberになる。「フハハハハハハハ!!存外Vtuberも楽しいではないかフハハハ!!!」   作:ばぐひら/Baguhira

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意外にも好評だったのでもうしばらく続く…かも?


四話 同期たちの初配信

「さぁさぁ観念しなって!!!」

 

 

「しなってよ!」

 

 

「知るか、我は帰る。もう付き合ってられんわ…おい手を離せッ!やめろ貴様らァァァァァ!!!!」

 

 

 今現在、俺は同期の籾慕とデュースに両手を捕まれている。籾慕だけならまだなんとかなったのだが、デュースの力が想像以上に強くなかなか振りほどけ無い。何故こうなった…?俺はあの時のことを思い返す

 

時間を少し遡り………

 

 

――――――――――

 

 

『………あ、あー、ああーー。聞こえているか?』

 

 

コメント

:聞こえてるよー

:きちゃーー!

:声がええ…

:聞こえてる

:カワイイ(確信)

:あああああああああああ!!!!

 

 

「お、始まったな」

 

 

予定されていた時間となり、籾慕の配信がスタートした。

配信画面には、黒縁メガネをつけており少しダボダボなパーカーを着た少女が映し出される。見た目はダウナー系の陰キャ女子の様であるが小柄で小学生低学年ほど、声はのんびりゆったりとした可愛い系である

 

 

『やあやあ皆のもの…待たせたな、だぜっ!正直ここまでの人が見に来ると思わなかった、私は嬉しい、物凄く嬉しい。具体的に表すと運動会のマラソンで2位になれた時くらいには嬉しい』

 

 

コメント

:www

:ww

:草

:wwwww

:う〜ん、そう聞くとさほど嬉しくなさそうw

:クセが…クセがスゴイッ!!

:クソワロタw

 

 

「なるほどこういう系か」

 

 

その見た目と声に反し、その内容は独特な喋り方でリスナーたちの笑いを誘う。そして俺は悟った、分かってはいた事なのだが…やはり同期も大概クセが強い者たちなのかと。

 

 

『うん、まずは自己紹介。私は籾慕 火鈴、ブイムル三期生。好きなものは本、睡眠、ダンス。苦手なものは野菜とゲーム。皆、仲良くしてほしい。ちなみにバストはA、安心してほしい。ぶい』

 

 

「いきなりなに爆弾発言かましてやがんだこの子!?!?」

 

 

おっと素が。いかんいかん、しっかりせねば…いやしっかしホントに何言っちゃってんだこの子?

いきなりの爆弾投下で素が出てしまったが、コメ欄は見たこと無いくらい盛り上がっている。

…はやすぎてコメントがまともに読めねぇ!これはまさか………

 

え、炎上だアァァァァァ!!!

 

 

『わお、すごい盛り上がり、これは予想外。いったい何にそんな反応したというのか、皆目検討もつかない』

 

 

『コメントもはやすぎて読めない、打つ手なし』と、何が起こったのか本気で分かっていなさそうな籾慕。まず彼女には一般常識を身に着けてもらいたいと切に願うばかりである

 

 

『私は主に雑談配信をしていくと思う、ゲームはさほど上手くないし、リアルで行えるものも少ない。それと動画は出さないで行くつもり、全部配信。いつかコラボ配信をしたいと考えてる』

 

 

コメント

:ほうほう

:なーる、把握

:OK理解した

:いきなりまともになったな

:やることはやる、それはそれとしてふざける女

:さっきとの温度差よw

 

 

「…なんだ、まともになったな」

 

 

そうして淡々と自身のこれからについて話していく籾慕。この短時間ではあるが、まるで性格が掴めない。

まあただ面白い同期だと再認識する

 

 

『…さて、時間も余ったし、暇になった。自己紹介はした、ノルマ達成。だけど終わってからどうするかはまるで考えてなかった。しまった…ってやつです、はい。それじゃあ適当に質問コーナーでもやる、皆じゃんじゃん質問をしていってほしい。』

 

 

コメント

:え?マジ?

:年齢教えて!

:いきなりの質問コーナーww

:急だなぁw

:身長体重は??

:好きな人おるん?

:無計画www

 

 

「…自由な奴だな」

 

 

そうして、籾慕はこれ以降は爆弾発言はしなかったものの、その独特な雰囲気でリスナーたちを翻弄し続けた。

最後に『私の一つ前に配信した人、おもしろかった。気が合いそう』とか不穏な事を言い放ち配信を閉じた。しかし大半のリスナーたちは「厄介なやつに目をつけられたな…」「ご愁傷さまです」「彼ですか?残念ですがもう…」などいろいろ面白がっていたようで、その日“逃げろギルガメッシュ”がトレンド入りした。

 

そしてあの問題発言は軽く炎上したらしい、そりゃ(初配信にバストの話をしたら)そう(炎上確定コース)

 

 

――――――――――

 

 

『おうおうおう!!!待たせたな諸君!我こそは偉大なる大魔王、デュース・バットである!!』

 

 

コメント

:キターーー!

:来ましたわ

:三期生の大トリ

:魔王様!?

:違う、大魔王様だゾ

:イケメンだァァァ!!!

 

 

籾慕の配信が終わり、デュースの配信が始まる。画面には鋭く赤い瞳をし、大きな二本のツノと羽を持った青年が映し出された。モチーフは悪魔だろうか?その白髮が左右に揺れる

 

 

『俺様が三期生最後の締めを務める事になったんだが、まあその、なんだ…前半二名が俺様の同期ってマジ?』

 

 

コメント

:まじ

:マジ

:大マジ

:マジですねぇ

:ブイムルはどこかしらがイかれてる奴らの集まりだしねえ…

:これも運命ってやつよ

:がんばりたまえ

 

 

「なんだ…思っていたよりずっとまともではないか?」

 

 

以下二名(自身含む)と比べると幾分マシな常識人のように見えるデュース

しかし忘れてはいけない、ブイムル(ここ)は何かしらネジが外れてるか常識外のナニかを持ったイカれた狂人(面白い奴ら)が集まっている場所である。ここに受かったということは、少なくともコイツも一般人にはないナニかがあると見て間違いなさそうなんだが………

 

 

『…と、そんな理由で休日の配信は休むことがあるけど、理解してくれよな!そのかわり平日は殆どの配信が深夜配信になるだろうけど、あーでもコラボとかなら時間帯関係なく配信するかもなぁ』

 

 

コメント

:了解であります!魔王様!

:ははぁー!!

:そういうことでしたら我らにお任せ下され!

:魔王様万歳!!

:↑狂信者ども湧いたんだが

:初配信ぞ?はやいな

:前二人のせいですっごいまともに見えてしまう…

:何いってんだまともだろ

:あれは…うん

 

 

『ヤメロォ!!あの二人と比べられたら俺様のキャラが薄まって見えるじゃねぇか!!!』

 

 

そう言って悲しい事実を自身の口から述べるデュース。実際自分の前に配信をした同期の二人組は初配信という身でありながら、二人共『初配信なんて知らねぇ』の心持ちで色々とかき回したりしているので、そんな二人と比べるとデュースは少しだけ見劣りしてしまうのは仕方がない事だと言える。お労しや

そんなデュースだが、心なしか少し声のトーンがマジに聞こえるのは何故だろうか?まあ気の所為だろう

 

 

『俺様魔王系のイケメンだぞこっちはァ!何故にこの濃さでインパクト押し負けんだよ!?普通逆だろうが!』

 

 

コメント

:確かにそれ聞いたらおかしいな?

:相手が悪かった…そんだけだよ

:一般常識が欠けてて問題発言連発しまくるダウナー系メガネ幼女&リスナーを雑種呼ばわりする最古の王様で現代に蘇った英雄王

:勝てねぇ…

:これはしゃーなし

:俺は魔王様のこと推しますぜ!

:比べる対象があれ二人は不味い

 

 

『ドォシテダヨォォォォォォォォォォ!!!!!!!』

 

 

「………」

 

 

“パタッ”

 

 

見ていていたたまれなくなった俺は、開いていたパソコンをそっと閉じる

 

 

「…強く生きろ」

 

 

そう思わずにいられなかった

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