誤字報告ありがとうございます!
はい。まだ日常パートです。先生は今頃ミレニアムで冒険してます。
早く条約行きたいけど時を刻まなきゃいざって時の重さが軽くなっちゃうからね。
………
……
…
─とあるミレニアム生の随想録─
なあ、最近ゲヘナに新しい戦力となる生徒が編入したらしい。それに伴って風紀委員会とは別の治安維持組織を結成したんだとか…なんとか条約っていうものの締結前によくやる。そうは思わないか?
…ん?ああ違う違う!私が気になっているのはその新人の体に取り付けられているっていう人体取付型ブースターなんだ!ただ体に取り付けられているのに何を燃料にしてどう制御を取っているのか、どうやって作ったのか製作者は誰なのか疑問が尽きない。できることならぜひお会いしたいと思っているよ。ロマンを追い求める、''マイスター''として。
─何処かの薄暗い室内─
明かりがなく薄暗い部屋。家具と言えるものは古い椅子と机のみ。元よりここは人目から離れてコソコソとするために設けられたようで長居することを目的に造られていない。
そんな場所にはバイザーをつけ首元に【9】の数字が刻まれた少女は機械のように感情を見せず、呼吸は完璧に等しい間隔で行われている。その様はまるで人間のふりをした機械、AIのよう。その少女は、ただ佇んでいる。2枚の異なる報告書を読み取り、溜息をついては上品に取り繕った所作で机に置く、赤く、人の形をした異形の傍で。
命令を待っているのだ。
「…やはり子供は何をしでかすか分からない。大人しく
異形は広げた扇をパチン!と力を込めて閉じると、見ていた報告書から目を離し佇む少女を見やる。
「マスター・ベアトリーチェ。如何なさいますか。」
抑揚のない声色はホラーゲームの人工知能型エネミーを彷彿とさせるようで、人という意識があるのかすら読み取れない。
「まだ何もしなくてよろしい。どうせ
─【現実】を見ず【楽園】というまやかしを信じる愚か者に
「了解致しました。」
「【──────】。あなたは戻って訓練を続けなさい。私はまだここに居ます。」
「はっ」
少女はズレのない動作で一礼し、扉をくぐって部屋を出る。残ったのは赤い異形のみ。
「まったく、この私に無駄な忠告をする黒服も、小言を言ってくるマエストロも…言うことを聞かない4番も、頭の悪いスクワッドも!どいつもこいつもこの私を苛立たせる…!」
「…ですが、最後に笑うのは私です。私は【ベアトリーチェ】、【ロイヤルブラッド】を生贄に【教義】を成し、《崇高》に至るものです。この程度では崩れませんよ。もしものプランはあることですし。二重三重に…フフ、フフフフフフ…!」
─ゲヘナ学園 イツノマニ・アリーナ─
先生が万魔殿に来てからしばらく。噂ではトリニティで補習授業の為に呼ばれて行ったとか生徒を水着姿に着替えさせたとか、暗闇でナニかをしたらしいが、あの大人がそんなことをするとは思えないからデマなんだろうな。
そんなくだらないことを考えつつ私はものすごい顔で地面に倒れ伏すマコト議長から目を逸らした。
…イオリ隊長がG4とG5にリンチされている光景が目に入り、今度は空を見上げた。黒く羽ばたいている
つまり戦友は私の夢だった…?
〜数時間前〜
私はいつものように仕事をしに行った。
「マコト議長、レッドガンの訓練について話があるんだが良いだろうか。」
「話してみろ。」
「実は、風紀委員会との合同訓練を考えている。レッドガンと風紀委員会の普段からしている訓練を合同ですることによって良いところを取り入れレッドガンの更なる強化に励みたい。風紀委員会のメリットはレッドガンと顔合わせができることだけだ。どうだろうか?」
「そうか…ならば許可しよう。存分に実力を見せつけるが良い!奴らを相手に飾った言葉は不要だ、ボコボコにしてやれ!」
「了解した。ああ、1つ伝え忘れていたことが…」
スマホを取りだし、録音した音声データの再生準備をする。
「…?」
「レッドからだ。音声データを再生する。」
再生ボタンを押す。
『貴様、あの時代から成り上がって偉くなって随分とたるんでいるんじゃないか?普段から訓練をしている様子は無いと周りのヤツらへの聞き込みによりわかっている。そこで!今回の作戦では貴様のためにG10のコールサインを貸与する!G10、復唱!復唱したか!ならば次からは貴様も訓練に参加しろ!』
「以上だ。バッジはこちらのものだ。正式な隊員ではないから訓練を受ける時だけ着けてくれ。」
「」
響く音圧と訓練を受けることになったショックで白目を向いて言葉が出ない様子のマコト議長。ハット我に帰ってきた議長は焦った表情で私に詰め寄り襟元を掴んで揺さぶってくる。
「ふ、ふざけるな!そんなことなら許可を出さないに決まってる!取り下げだ!私は訓練を受けない!」
『ふむ、そうか…ならば許可しよう。存分に実力を見せつけるが良い!奴らを相手に飾った言葉は不要だ、ボコボコにしてやれ!』
録音しておいた先程の言葉を再生する。よく聞こえるように音量を最大まで上げて。
「音量MAXで再生するな!早く削除しろラスティ!そんなものレッドに聞かれでもしたら…!」
バンッ!
「聞かれでもしたらなんだ?G9!許可はもぎ取れたようだな、扉の外まで聞こえてきたぞ!さて、議長サマが許可を出したのならば我々は歓迎しよう!手始めに私からバッジの取り付けをしてやろう!動くなよ?」
「うぁあああ!?く、来るなぁ!?いだだだだ!?」
バッジを取り出し、後退りをして逃げようとするマコト議長に近づきどこからか取り出したロープでぐるぐるに拘束をかけ、叫んで暴れる議長に拳を落として静かにさせてから議長の左胸辺りにバッジを着けた。上司が同じ部隊に所属するとは、感慨深いものがあるな。
「あ、ああ、あ…」
「よし、これで貴様もレッドガンだ!まずは普段の訓練に追いつくために私が鍛えてやろう!さあ!愉快な遠足の始まりだ!」
顔を青くしてガタガタと震えるマコト議長の拘束はそのままに、レッドは議長を担ぐと訓練場へ連れていった。合同訓練はまだ先の話だ、きっとその時のために耐えられるよう訓練をつけに行くんだろうな。
「何をしている、ラスティ。貴様も来い!私自ら貴様と手合わせをしてやる!」
その言葉を聞いて仲間を見つけた顔をうかべるマコト議長。私としてはレッドとの手合わせは願ってもない事だから、マコト議長の表情を見ていると申し訳ない気持ちが湧いてくる。
そうして時は戻り冒頭。
空を見上げていたら腹に鋭い衝撃を受け、神秘を纏うものの受け止めきれずそのまま数メートル吹っ飛ばされる。
「ラスティ!よそ見をしている暇があれば周囲の警戒を怠るな!戦場で射撃訓練を行うつもりか!」
「ぐっ…!」
無様に転がる前に咄嗟に手を地面について飛び上がり体勢を立て直す。気が緩んでしまっていた、反省しなくては…
「はっ、レッドのやつを前にして気を緩めるとか殴ってくださいって言ってるようなもんだぜ?首輪付き。」
「新入りにしてはやると思っていたが、気の緩む内はまだまだだな?ククク…!」
流れを見ていた2人…あの時見張りをしていた金髪と黒髪のコンビ。レッドガン結成がされる前、つまり寮の建築の時から度々絡んでくる2人だ。何の偶然か、彼女たちは私が最初に探していたコンビだったが私の知る名前はもう使っていないらしい。レッドガンのメンバーのほとんどは結成記念だし、と本名とは別のコードネームを付けている。*1
「そうだな。この場で考えるべきじゃないことを考えたのは私の不注意だった。だが、こうして話しかけてくる君たちも気が緩んでいるんじゃないのか?」
名前だったな。この黒髪と金髪がそれぞれ【G4ヴォルタ】、【G5イグアス】。レッドが別のところの面倒を見ているからと隙を見て話しかけてきた。装備の点検をしながら応じる。
「は?テメェと違って俺たちは一瞬たりとも気を弛めちゃいねぇ、一緒にしてんじゃねぇ!」
「へっ、熱くなりやがって…だが言う通りだぜ9番。アタシらがお前見たいなミスはしない。何年ストリートにいると思ってやがる!」
…遠くから近づいてきている存在に気づいていないようだな。
点検が終わったから装備し直して訓練に取り掛かる前に体を解す。少しでも早くこの場から離脱できるようにしておかなくては。
「…どうだか。信憑性に欠けるな?」
気づかない方が難しいくらいに圧を放ちながら近くまで来た彼女にまだ気づかない2人。
「テメェ、体に叩き込まなきゃわかんねぇみたいだな?」
「鬼が来る前に終わらせてやるよ…!」
「遠慮しておこう。私はまだ最後のメニューが終わっていないから戻るからな。相方は戦友だから楽しみにしてたんだ、雑念が消えてスッキリ取り組めるというもの…じゃあな、気張っていくんだぞ2人とも。」
「あぁ!?テメェ逃げ「G4、G5!」の…〜〜!?!?」
「なん「一体いつまで!」」
「いつまでぺちゃくちゃとしゃべっているつもりだ!このバカ者共が!!そんなに喋りたければトリニティに行くかそこら辺の壁にでも話しかけておけ!」
「ってぇなクソ野郎!今日こそテメェの顔面に1発食らわ…っ!」
「イグアス!ちっ、あの首輪付き裏切りやがった…!」
「ふん!G5、貴様が生意気なのはいつまで経っても変わらんな!それとG4!貴様もレッドガンも万魔殿の所属になるから首輪付き呼ばわりは辞めるように寮を建てたあとに口を酸っぱくして言っはずだ。口を慎め!さもなくばトラックを50週してこい!」*2
…後ろから聞こえる痛みに悶える声と言い争い、人からなっていい音じゃない打撃音を聞こえていないことにしながら必死に呼吸をしているマコト議長の元へ向かい起き上がるのを手伝って水を飲ませる。これから戦友との組手だからな、是非とも見に来てもらいたい。
「ということでどうだろうか。」
「私は行かな…いや待て…?キキ、キキキ!見せてもらおうか!この短期間で成長したとかいう貴様の力を!」
恐らく私が組手であってもヒナを落とせば議長を見る目や評価が爆上がりになり崇めている構図が浮かんでいることだろう。
ヒナとレッドの放つプレッシャーといつもよりハードな内容のメニューを終えて疲弊したみんなを、ここに来ていつの間にか作られていたアリーナ、通称イツノマニ・アリーナの観客席へと誘導する。
「何が起きんだろうな!」
「代表対決があるんだってよ。さっきバカとラスティが話してるのが聞こえたぜ?」
「マジか!じゃあ総長と風紀委員長の戦いが見れるのか!」
「いや、私じゃなくてラスティが戦う!後この戦いは最強対決ではなく代表者決闘だ!そろそろ始まるぞ。お前たち、よぉく見ておけ。」
『これより、合同訓練の締めくくりを執り行う。双方の代表者、アリーナへ。』
放送がかかり、アリーナの2つの穴からラスティとヒナが歩いて入場する。どちらも本気でぶつかることを示している。
『万魔殿から選出されるは治安維持部隊、レッドガンの隊員!コールサインはG9!【ソングバード】、黒狼ラスティ!』
「やあ、戦友。こうして君と戦えることを楽しみにしていた。」
─側面に【首輪を着けた狼】があしらわれたバイザーをつけ、レッドガンの隊服を着用しているラスティ。スティールヘイズのセーフティはすでに解除され、すぐにでも発砲とモードチェンジ、チャージ移行が行える状態だ。見るものによっては、威嚇のようにも楽しみが溢れたようにも見える笑みを浮かべている。
『対する風紀委員会から選出されるは数多の規則違反者を取り締まり実績実力共に【最強】、空崎ヒナ!』
「…早く終わらせて次の予定に進みましょう。」
─ラスティを見据える紫に光る双眸は、観られたものの背筋を凍らせる程の威圧感と、格が足りていない者では戦意を無くしへたりこんでしまうだろうと確信できる。だが、見るものが見れば分かるだろう。そんな圧力を纏ったヒナがうっすらと笑みを浮かべていることに。
手袋をはめ直し、愛銃デストロイヤーを構える。
『始め!!』
両者ともに動き出す。キヴォトス全体で見ても随一のそのスピードを持つもの同士の衝突は、轟音を響かせ、思わず目を覆ってしまうほどの強い風を巻き起こす。
「っ!やるな、戦友!私にパワーで負けないとは!」
「貴方だけが強くなったと思わないで。私だって研鑽は積んでいるのよ?」
スティールヘイズとデストロイヤーの銃身を押し付け合い、少しの緩みが命取りとなる状況で軽く会話を挟む。
少しの均衡の後、埒が明かないと悟り離れるラスティとヒナ。最初のあいさつが済んだことで自分の持つ戦法を押し付け合う本格的な戦いがはじまる。
「行くぞ、スティールヘイズ」
「勝つわよ」
先手を取ったのはヒナ。デストロイヤーに紫のオーラを取り込ませると
大きな翼を広げて空中で姿勢を整えてふわりと一瞬だけ滞空すると、そのままラスティに銃口を向け─
ズガァン!
「…ッ!!」
旋律の一撃
機関銃であるはずのデストロイヤーから放たれたのは狙撃弾。掃射が来るものだと思っていたばかりに予想外の一撃を頭に食らってしまう。咄嗟に神秘をまわせた事で気絶は免れる。だが頭に強烈な一撃をくらい立つことも覚束無い。*3それでも何とか地を踏みしめる。
「この隠し札を使わされるとは、思ってもなかったわ…っ」
「…っ」
本来であればどんなに大きい自動人形でも硬い戦車でも貫けて、一撃でどんな生徒でも沈めることの出来る切り札。滅多に使わない分発揮される性能はずば抜けていて、コレを知らないものは万魔殿や風紀委員を含めて多い。
それでもヒナは油断しない。徐々に膨らんでいくラスティの気迫に1歩退き最大限警戒する。
「やっぱり、まだ動くのね…!」
「はは、動くともっ…!これからだろう、戦友。これからもっと…
面白く!」
バリッ!
放たれる神秘の奔流。その白光は、20メートル離れていたヒナが予兆を感じ取って大きく下がるも、その距離を容易に飲み込むスパークとなり襲いかかる。無意識に制御されていた神秘の流れを乱され唐突に訪れたスパークによる爆発ダメージと、神秘干渉による頭痛と耳鳴り…
ヒナの脳内に、鉄と鉄を打ち合わせたような甲高い音が鳴り響いた。神秘と神秘の全体的な衝突による反響。
「っ、隠し札を持っているのはお互い様ね…!」
「動けよ、戦友!私とスティールヘイズはまだこんなものでは無いぞ!」
─エネルギー充填開始。充填完了まで30秒。─
体がふらつきデストロイヤーを地に突き立てるヒナ。そこを容赦なく追撃にかかるラスティ。
「っ!容赦ない…!」
ブースターを強く噴かせ、砂を巻き上げながら突っ込んでくるラスティを紙一重で躱し頭を降って体の制御を取り戻す。
「ただの演目ではあるが私と戦友の強さ比べの場だ、本気で勝ちに行く。」
ヒナがつい口に出した言葉に対して、ラスティはスティールヘイズのバースト射撃と急接近からの掴みかかりで応える。
「なら、私もそれに答えないとね。」
ドウッ!
神秘の出力が上昇し、纏うオーラも一段と圧力を増している。
「あなたがやっている動きは…こう、かしら。」
広げた翼で機動力の補正を掛け、体の背面から神秘を吹き出させクイックブーストを再現する。
「まさか、神秘の操作を!?」
「並んだわ、ラスティ。」
神秘を認識し意識して操作出来るようになったか…まさか自力で操作と認識が可能になる者がレッドに続いて現れるとは。
だが…!
より高く飛ぶのは!私だ!!
「ブースター出力制限解除…戦友、ここからはスピード勝負と行こうか!」
「望むところよ。」
同時に飛び出しぶつかり合う2人。
ラスティとヒナは同時にブーストキックを繰り出し相殺、流れるようにブースターを噴かせるのを常にしてインファイトに持ち込む。
ラスティがヒナの胸元を穿とうと拳を突き出すと、ヒナは躱して左から銃身を振り抜く。それを左腕を振り払って弾く。その勢いのまま回転し掌底を叩きつけるも防がれる。
クイックブーストで一瞬にしてラスティの背後に回り込んだヒナは神秘がふんだんに込められたデストロイヤーを乱射。ラスティは神秘の放出力を高めてシールドを創り出して耐え切る。
リードを譲らない接戦は、まるで社交ダンスのステップのよう
観ている側すら息つくまもないその状況が数分続く。しかし両者ともに少なくない傷を負いながらも健在。
「…埒が明かないな。」
「…そうね。」
呼吸を整え、お互いにモードチェンジ&リロード。考えていることは同じなようだ。
「次の一撃で」
「勝負を決めましょう。」
眩く青白い光と禍々しく黒混じりの紫色のオーラがそれぞれの持つ愛銃に込められていく。
次第に銃身からエネルギー活性による色の変化が見られるようになり、スティールヘイズからは夜明けを示すような明るい橙色、デストロイヤーからは高貴さを感じさせるような深みがありつつも透き通る紫が発せられる。
「「スティールヘイズ:エネルギー充填完了、出力最大/
デストロイヤー:狙撃弾装填、出力限界解除」」
銃口を向け、照準を合わせる。
呼吸音が聞こえる程の静寂
極光を秘める銃身
互いの目に周りの事など映らない
限界まで膨張した風船のような緊張感がボロボロになったアリーナを支配することも気に留めない。
重なった1呼吸
「外しはしない」
「これで決めるわ」
ドパンッ!/ズドンッ!
ほぼ同時にトリガーを引き、着弾。衝突することく対象に向かって突き進む一撃必殺。どちらも避ける素振りを見せずに爆ぜた地面が巻き起こす砂煙の中に飲み込まれて行った。
「どっちだ…?」
「ヒナ委員長…!」
「……」
マコトは勝負の行方を、アコとレッドはヒナとラスティの無事を見守る。
次第に晴れていく砂煙に浮かび上がるのは2人の姿。お互いがお互いを認識できているはずだが動かないのは誓いを無碍にしないためか、動くことが出来ないからか、はたまたそのどちらもなのか。
数秒の静寂。倒れたのは──
「っ、とど、かなかった、か…せんゆう…」
G9ラスティ。
「っ…、力の操作が出来なかったら…危なかった…」
スティールヘイズを握る手は解かないまま仰向けに倒れ、ヘイローが消えるラスティ。
その前方には、小さくふらりと体が揺らぐが二の足でしっかりと大地をふみしめるヒナ。
血を流しながらも清々しい青空の下仁王立ちするその姿は、明確に決闘の勝者であることを示していた。
「な、なぁっ…ラ、ラスティーーーー!?」
「ヒナ委員長!」
「よくやった、G9!」
絶望の表情を浮かべてラスティの名を叫ぶマコト、喜色満面で無事を喜ぶアコ、自分的には及第点だが、それでも全力でやり通したラスティに賞賛の声を送るレッド。それはそれとして特別メニューを考えている。
「私の勝ちね、マコト。
綺麗な笑みを浮かべるヒナの視線は、気を失って倒れるラスティに向けられる。
To Be Continued…
ヴェスパー第四隊長の報告書(1部抜粋)
─…ゲヘナ学園で猛威を振るい雷帝の時代をより完全なものとしていた生徒、魅友恵レッドの生死が判明。結果は生存。しかし、随分と弱っているようで最早【歩く地獄】としての強さは風化したと言える。
ゲヘナのカウンター戦力に入れる必要なし。
現・最強の空崎ヒナについては噂通りの強さだが耐久力はあまりないものと思われる。制圧は容易。
─
──
───
次回─「おもちゃだよ!全員集合!」
※読み方:テーマパーク『RaD』
行く末をどうするか
-
『ヴェスパーの災禍』
-
『アリウスの解放者』
-
『壊滅』