あらすじ!
レッドガンの壁ことG4ヴォルタを撃破。緊迫した空気でイグアスを迎撃しようとするも間の悪いことに司令が飛んだ。
VSツルギは我がアリウス特務部隊、ヴェスパーが担当します。
騙して悪いが貴様は危険因子の可能性があるんでな。ここで捕まってもらう。
あらすじ終わり!
バイザーをつけた、まるで機械のような抑揚のない声をする少女は、少し姿勢を傾けると─
ズガァアン!
「がぁっ!?」
「……」
瞬きの間にラスティの目の前へ移り、その勢いのまま蹴り飛ばす。速さで制圧するからあまり防具をつけていなかったラスティは辺りに散らかる建物の残骸に盛大に突っ込み、反対側まで吹き飛ばされる。
「ごホッ!ぉぇえ!」
バシャバチャと音を立て血を吐き出す。チカチカと明滅する視界の中震える手で何とか鎮痛と気付けの効果がある薬を1つ飲み込み、体に神秘を纏わせて無理やり体を立ち上がらせる。
「この力…このスピード…そして、まるで生きた死人のような…!まさか、完成してたとはな…強化人間プログラム…!」
ゆっくりと歩いて近づく機械のような少女…強化人間。
「推定達成率73%。目標を仕留めます。」
無感情にそう呟き、確実に任務を達成するために武器を構え、再び前傾姿勢をとりブースト、左回し蹴りを食らわせる。
「……」
「くっ!」
神秘による強化によって目が追いつき何とか反応し回避行動ができるも避け切ることは叶わずスティールヘイズを持っている腕とは逆の腕を蹴り上げられてしまい体制を崩す。その隙を逃さず
ダダダダダダ!
─バチバチバチ!!
針のように軽く鋭い弾丸に電気を帯びさせ、敵の行動を制限し、動けなくさせたところを制圧・捕獲する。
「っ!ぐぅ…!」
無様に転がりつつ1点に神秘を集め破裂させ、その勢いで電撃から逃れる。傷に響く行動に呻くも、そんな暇はないと顔を上げると瓦礫を持ち上げ振り下ろそうとする姿があった。
バチバチバチ…!
ドォォ──ン!!
咄嗟に出たのは神秘を暴発させて無理やり起こした不完全なアサルトアーマーは振り降ろされる瓦礫を砕き、強化人間の少女をほんの少し痺れさせる。
「これは…問題なし。捕獲し、いつもと同様に拘束すれば関係の無いこと。」
一瞬だけ異変があった自身の体に目を向け、問題無しと判断を下し、ラスティの捕獲任務を続行しようと前を向くと。
「…対象の逃走を確認。コード5、マダムにログを送信…これより黒狼ラスティのものと思われる痕跡を追い追跡を開始します。」
残骸が砕かれたことで舞った土煙に紛れ姿を消したラスティを追うためにブースターを噴かす。
「「スロー、スロー、クイック、クイック、スロー…」」
「あぁ、楽しいですね、オーネスト!」
「私のファイアトゥースも笑っています…素敵だぁ…!」
ドン!ダダダダダダダ!!
ボォォォォォ!!
銃撃と爆発、そして炎の圧力に攻めきれないでいるツルギ。上手く火炎放射器の放射持続限界を迎えて大きな隙を生み出さないように動きハミングバードのリロードを狩りに行けなくされている。
「ちっ、やり辛い…!クヒッ!だが、この程度でやられるかぁああああ!!キェハハハハハハ!」
ダンダン!ダンダン!
ツルギのショットガンの射撃により複製が数体消し飛ぶ。リロードを狙う弾丸を流れるように躱して蹴りと投げ技を食らわせて更に数体撃破。常に動き続けるツルギのスタミナは、底を突く気配はない。無尽蔵で最強の暴走機関、それが剣先ツルギだ。
「楽しんでいただけて、私達も心から嬉しく思いますよ!」
「私ちょっとこのキャラ辛くなって…ゴホン!素敵なステップです!ツルギ!足捌きが美しいと思います、よ!」
キンっ
…ドゴン!
「ツルギの姿が見えない…心配だ、怪我をされてはダンスが中止になってしまう…」
「やったか!?」
「効かないィ…!私はァ!!」
双眸を紅く光らせ爆煙の中から飛び出すツルギ。銃を持っているが構えることをせずオーネストとハミングバードの2人目掛けて突進。
「複製達!」「きてるよぉ!?」
「インビンシブルダァ!ギャハハハハハハハハハハ!!!」
「「うわぁっ!!?」」
盾になった複製達はあっさりと巻き上げられ、ハミングバードとオーネストは吹き飛ばされて消えていった…
キュイン!
ズドドドドドドドドドド!
強い神秘が込められた弾丸の雨がユスティナの複製とアリウス兵に降りかかる。
「これが、ゲヘナ最強!」
「手も足も出な、うわぁ!?」
「ヒヨリ!」
物陰に隠れ狙撃をしていたヒヨリは弾道から位置を特定され集中して射撃され瞬く間もなく制圧される。
「うわああ!」
「ぎゃあああ!」
「もうダメだぁ…おしまぐガバ!」
「おかしいな…アリウスは…これ、から…」
出てきた端から消えていくユスティナの複製、姿勢を低くして耐えようとする者、物陰に隠れやり過ごそうとする者、全てが虚しいほどにあっさりと制圧され、残ったミサキは最早戦おうとすら思わなくなった。このまま帰っても仕置きが待っていて、ここで抵抗しても殺される。
「コード78、増援を…」
「ねぇ。」
物陰に隠れ無線で増援を上申しようとするミサキに、コツコツと靴を鳴らしてミサキに近寄るヒナ。あるかもしれない抵抗を警戒して、銃をすぐにでも撃てるように構えながら声のトーンを低くし威圧する。
「…なに…殺す前に情報を抜き取ろうってこと?それとも人質として連れていこうって?」
自分たちが束になっても足元を触れられなかった圧倒的強者が、自分の射程内に居る。複製を動かせば隙を着けると考えて─
─複製達は現れども動かない。それは、無駄な抵抗をしないという意思であり、諦めである。普段から希死観念を持つミサキは無謀無駄な行動を取るほど愚かでは無い。
「いえ、殺さないけど…とりあえず、貴女には着いてきてもらう。伸びている人達を運んで拘束する。ゲヘナで預かって、今回のために作ってもらったトリニティの一区にあるレッドガン駐屯地で話を聞くわ。…良い?」
「…分かった。」
既に任務達成を放棄している。ここで抗っても帰れば処罰が待っている上、たとえ幾ら複製を動かそうともその全てが等しく消される事実、味方が全て眠らされた結果を虚しく思いヒナに従う。武装を解除し大人しくついて行く。
「ヒナ委員長!ご無事ですか!?」
「見つけた!委員長だ!」
「ようやく見つけたぜぇ!」
「勝った!エデン条約、完!」
「アコ。私は大丈夫。…申し訳ないけど、レッドガンと一緒にこの人達を連れて行って欲しい。私は先生の所に向かうわ。」
「ヒナ委員長…分かりました。必ず連れていきます!」
「あれ、委員長は?」
「先生の元に加勢に向かいました。貴女達、ヒナ委員長が捉えた敵兵をレッドガン駐屯地に送るので早く陣形を整えてください!」
「了解〜」
「せっかく見つけたのに連れて帰んないのかよぉ〜」
「りょーかいー」
「あなたたち…!」
アコが持っていたリードで手首を結ばれ、複製達にアリウス兵を担がせる。レッドガン隊員に護送され向かう先はエデン条約締結のため無法者を片っ端から捕らえられるように、トリニティに許可を得てレッドガン隊員が作ったレッドガン駐屯地。ここから近いゲヘナの牢獄だ。
途中で正義実現委員会の生徒複数が加わり、アリウス兵が目覚め始めても手遅れな程に強固な陣形となった。
「よし、無事に着きましたね。」
道中でトリニティやゲヘナの生徒から訝しげな視線をたんまり贈られたが護送しているのがレッドガンと正義実現委員会と知るやいなや各々がやるべき事を再開し絡まれることが無かった。
「止まれ!ここから先はレッドガン駐屯地だ!どんな用があって来たのか聞こうじゃないか、行政官殿!」
「先程G1ミシガンに連絡した、ヒナ委員長が捕縛した敵兵力を連行してきましたので尋問をお願いします。」
「今確認する。少し待て」
無線機を取り出しその通告があったかの確認をしようとする彼女、G6レッドの背後より一回り大きな影が現れる。
「その必要は無い、G6。さて、戦場はるばるよく来たな!何年ぶりだ?バニバニども。さて、話は中で聞こう。言っておくが、道中で逃げ出せなかった貴様らが脱走できるほどここの戦力は低くない。余計なことは考えないことだ!それで、引率をしていた行政官、貴様はどうする?」
「私はこれから現場の指揮に向かいます。ヒナ委員長が、燃える大地の中戦っている事を知らせ、自体の鎮圧に尽力します。では、頼みましたよ!」
言うだけ言うとさっさとその場から立ち去ってしまうアコ。素早い判断に強い意志。
「ナンバーに空きがあれば勧誘しているところだったな。…さて。」
亀のように固まっては「ばにたす…ばにたーたむ…」「虚しいんだ…結局…」と壊れたラジカセのように呟くアリウス兵達を一睨みして静かにさせると、、
「まずはその薄汚い姿のままこの場を歩かせるわけにはいかないな?お前たち!こいつらをまとめて風呂に入れてきてやれ!話はそれからだ!」
了解!と辺りに響く声量を揃って返しせっせと準備を始める隊員たち。偶然居合わせ自分たちの指揮官が命令したから付き添った正義実現委員会の生徒はオロオロしていたら「お前たちも手伝ってやれ!」と言われてしまいアリウスの入浴をサポートすることになった。
簡単に言えば、正義実現委員会(トリニティ)とレッドガン及び風紀委員の引率(ゲヘナ)により捕縛された一部アリウス兵の更生がなされようとしている。
「コード18。V.V及びV.VI。空崎ヒナに敗れゲヘナの捕虜となったスクワッドを奪還する。」
トリニティを襲った主犯、マスクを着けた襲撃者が、先生に銃を向ける。だが、当然そのまま撃たせる訳もなく素早く行動を起こすヒナタ。
「危険です先生!退避を!」
''…うん。''
先生の前に立ち射線を遮るも、一瞬の内に回り込み背後を取られる。
「貴様が先生だな?ここで─!」
死ね、と続け背中から鉛玉をもって胸を貫こうとしたところで殺気を感じ後ろにステップを踏む。
ズガン!と地面が小さく破裂し、巻き上げられた砂煙が先生の体を隠す。
「お前は…そういう事か。」
その射撃の主の姿を見て苦い顔をうかべる。目立った傷はなく、疲れた様子もなく、先生をこの場から離脱させるための最適解を選びとった者は─
「貴方が主犯でいいのかしら?」
─風紀委員長、空崎ヒナ。
''ヒナ!無事だったんだね!''
「私は、頑丈だから平気。先生の方こそ怪我は?」
''大丈夫だよ。''
「…そう、良かった。先生、相手は先生の命も狙ってると思うから早く逃げて。」
''でも、''
「あなたの事を守りきれないかもしれないから、お願い。来る途中でセナを呼んだから、車両に乗って直ぐに離脱して。」
ヒナの傲慢ともとれる発言はしかし正論。先生はヘイローによる守りも、電源が残り僅かなためシッテムの箱によるバリアも無い。生徒に全て任せてしまう事に対する葛藤も束の間にヒナが呼び出した救急医学部の車両が走ってくるかげが見える。
「先生!」
急かすように声を出す、相手から目を逸らさないヒナの姿に決意したようで
''…分かった。どうか無事で…!''
何も出来ない己の無力に歯噛みして車両から伸びる手を掴み離脱する。
「させるか!」
ヒナに睨まれ動き出せないでいた襲撃者サオリは車両のタイヤに向けユスティナの複製と共に数発の弾丸を放つも半透明の膜を数瞬だけ張ったヒナに阻まれる。
「させるわよ。」
戦闘が始まる。ヒナの戦い方は面の制圧による正面突破に対しサオリは大量の複製達を目くらましに使い隙間からグレネードの投擲や銃撃をする暗殺戦い方。
ヒナに接近しても、接近されても詰み、距離を取りすぎても詰む。中距離から、位置を特定されないように動き回らなくてはならない。スタミナの消費量の違いも明確になっている。
隙間から撃つ。複製達にも攻撃させ、自身は隙間からグレネードをヒナの眼前に投擲。視界を潰し、神秘を込めたナイフを喉元に投擲。直ぐに移動する。
ヒナは込められた神秘を感知、ナイフを掴みより多くの神秘を流し投げ返す。そのナイフはサオリの移動先を読んで飛んでいき、当たりはしなかったが髪を数本切り飛ばす。投擲された先の複製は一列分、約50体を貫く。
1度周囲の複製に深紫の光線を放ち殲滅。ヒナは姿勢を低くし躱したサオリの姿を視認、狙撃。サオリは転がって直撃は避け、直ぐ起き上がり自身とヒナを隔てるようにグレネードを落とし爆煙の壁を作る。
デストロイヤーの連射にて煙の向こうにいるサオリを狙うが既にそこには居らず新たに生み出された複製達に囲まれる。
戦況が直される。
(あの紋章、やっぱりどこかで…!?)
サオリに付けられたドクロの紋章。それはどこかで見たものだけど、どこで見たのか思い出せない。ひとりモヤモヤしていると投げ込まれたグレネードに反応が一瞬遅れる。気づいてから直ぐ蹴り返し、空中で爆発させる。
「油断していたはずなのにこの反応速度、まるでラスティだな。」
複製を目くらましのように使い隙間から攻撃を差し込む戦法で戦うサオリだが、たとえ当たっても微々たるダメージしか与えられずすぐに回復される事に苛立つ。加えて、自治区での実践を想定された部隊同士の戦闘でよく見た油断と見せかけた誘いにかかってしまい、ヒナの事をラスティのようだと評するほどに。だが、その一言が。
「ラス、ティ…まさか貴女が…!」
そのたった一言が、難攻不落のヒナに隙を生み出す。そこを突き、サオリは…撤退を選択した。既にヒナから離れ、囲むように何重にも複製を展開させたサオリはヒナに告げる。
「ここは引き分けとしよう、空崎ヒナ!複製がある以上私を捉えられない貴様と、貴様にまともなダメージを与えられない私の勝敗は着くことは無い。」
離れたサオリに気づき複製を振り切って接近しようと神秘を足裏に溜め、破裂させた勢いで飛ぼうとするヒナ。
「逃がすとでも…」
「それと、ラスティからの伝言だ。『君と過ごした時間は虚しいものだった。楽しくもなかったぞ、お友達ごっこにもならない児戯は。』だ、そうだ。」
「な…!?」
サオリはラスティの定期報告書を見ていた訳では無いが、先程ラスティの名前を出した時の動揺に何かを感じて、それをダメ押しに出した。
効果はあったようで、サオリの逃走を易々と許してしまう。
「精々背負うことだ!虚しくとも戦う理由を!」
サオリはそんな捨て台詞を吐き完全に姿を消した。
「ラスティ…」
放たれた言葉の衝撃は、ラスティとはラスティが編入して以来の付き合いで、何度も共闘をしたり買い物にも出かけた仲の、親しい友人以上であると思っていたヒナにとって大きなものであった。
「……」
残された複製とヒナ。複製はアッサリとヒナのデストロイヤーの前に消えていったが…その様は、孤独に戦うヒナの胸中と同じく虚しさだけがあった。
『やあ、戦友。この戦場(靴下セール)で居合わせるとは偶然だな。…ここで会ったのも何かの縁だ。共に、(本能を解放した主婦たちの)壁越えと行こう。』
思い出が溢れる。
─ショッピングモール(イオンコーラル)で買い物をしていたらセールという名の激戦場でたまたま遭遇して…そのまま流れで靴下を乱獲した。
『久しぶりの共闘だな。助け合いの精神で行くとしようか!』
思い出が、喉元を圧迫し目を焼かんとする。
混じることの無いと思っていた温泉開発部と美食研究会が結束し、十数メートルほどの人型兵器で風紀委員会を蹴散らしていたのを片付ける仕事で向かったところ、マコトに任務を渡されたから来ていたラスティと共闘した。
思い出が、ヒナの心に深い傷を入れる。
「ラスティ…!」
『この圧(倒的資産吸引)力、退くべきか!?だが、ここで退いてはレッドガンの名が廃る…!戦友、ちょうどいい所に!出会っていきなりで済まないが…金を、貸してほしい。…待ってくれ!必ず返す!今は手元に無いが、口座から引き落とせばあるんだ!担保としてこのSSRペロロ将軍を渡す…信じてくれ、戦友。』
過去が…ヒナの傷んだ懐を思い出させる。
─あの時に渡されたカードは今も保管してある…結局、あの時に貸したお金は10万円。最後の1枚でようやく弾いたカードにすごく喜んでいた。確かURの全てを均す行進、進撃のペロロジラ…見せてもらったし説明もしてもらったけど何がいいのか分からなかった。
ヒナを焼こうとしていた熱が、一瞬にしてさめる。
冷静に考えて敵の言葉を信じる方がおかしい、と真実にたどり着いてしまう。
「…たとえ貴方が言った、言ってないとしても。私は取り立てるわ。あの時に貸したお金と、付けられた傷の分を。…教えてもらうわよ、あなたの戦う【理由】と、あなたを駆りたてる【背景】を。」
空崎ヒナ、リタイアならず。
─こうして、陰で蠢いていた悪意が襲いかかり、あちこちで硝煙の匂いばかりが香ってくるようになったトリニティの聖堂区画。
「イグアス隊長。ヴォルタさんはギリ生きてますが…意識不明です。」
「ざけんじゃねぇ…ざっけんじゃねぇ、野良犬が!!」
「!?隊長!怪我してるんだから大人しく─」
「黙ってろ!」
「止めてくれ!誰か!このままじゃ出血多量でイグアス隊長が!」「のしかかって抑えろ!」「何としても行かせねぇぞG5…!」「落ち着いてください隊長!」「行かないでくれG5!」
「隊長!」
「G5!」
「てめぇら…
まとめて消えろ!!」
「「「「「「うわあああ!?」」」」」」
─せっかく治りかけた隊員を吹き飛ばし傷口を開かせたことも気にとめず、必要なものを取るだけとって、狂犬が怒りのままに動き出す。
─さらわれた仲間が居れば、引き戻すのが仲間というもの。
「敵襲ー!!」
「くそっ、嗅ぎつけられたか!」
「やれやれ、ちょっとした遠足もアクシデントがあれば楽にはいかないね、''ペイター''くん。」
「はっ、誠に遺憾でありますね第5隊長殿。」
「救出対象を確保。総数50名、不足なし。」
「第5隊長、第6隊長。特記戦力3名の内2名は席を外していて、残った1名は全盛より衰えた歩く地獄のみ。今は複製が抑えているためすぐに引き上げなければ…」
「分かったよ。じゃ、ミサキとヒヨリだっけ?君たちは隊員を引き連れてここを出ろ。私とペイターくんは少しここを崩してから行くとするよ。」
「…分かった。武器は?」
「それなら…」
「ここに、第5隊長殿。」
「ペイターくんが拾ってきてくれたよ。さ、早く行くんだ。」
「…行こう、ヒヨリ。」
「は、はい…」
ドゴン!ドゴン!
「じゃ、戻ろうか。」
「はっ。」
「我々の、レッドガン駐屯地(サボり場)が…!」
「許せねぇ…!あの眼鏡とおかっぱ!」
「それだけ吠える暇があれば手を動かせ!掃除が追いついてないぞボトム、チグリス!」
崩れ落ちるレッドガン駐屯地。幸いにもG1が展開した広範囲の半透明のシールドが隊員を包み込み、人的被害はなく。食らった被害は弾薬類の消耗品のみだった。
─レッドガン駐屯地は落とされた。この被害により、レッドガンは前線より離れた所にあるこっそり作っていた仮駐屯地に移ることとなった。レッドガンの支援は、受けにくくなってしまった。
ガン!と衝撃が与えられ横転する車両。驚き、中からは1人の大人と複数人の生徒が出てくる。
''なにごと!?''
「車で離脱したにしては遠くに行っていなくて助かった。おかげで、目標を始末出来そうだ。」
''君は─!?''
「先生!!」
「お下がりください、ここは私たちが─」
「遅い。」
先生を下がらせたのは愚策だったな、とつぶやきを残し、初めと同様に回り込んで狙いを定める。あの時のような妨害は…やってこない。
ダン!ダダン!
''──ぅ!?!''
放たれた凶弾は、先生の脇腹に3つの穴を開ける。
「そんな…!」
「先生!!」
腹部に3発。ヘイローのない大人にとってこれほどの傷を受け生き残ることは難しいだろう。
「はぁ─時間もないか…では、解散だ。」
1つ息を吐き、その場から瞬く間に去るサオリ。
「早く止血を─」
「救護騎士団に緊急連絡─」
「弾が、体の中に残って─」
バタバタと、先生を助けるために動く生徒の声をかすかな意識の中聞き取り不甲斐なさで倒れる。
(''私…みんなの足を引っ張って、ばっかりだ…なさけ、な─'')
─聖者は悔いばかりを抱き暗闇に倒れた。史実の通り腹を撃たれて。確実に命が絶たれたことを確かめられず。
「…ぐっ、ぅ…」
「コード5。対象を捕獲。これより帰投し…再教育センターへ送ります。」
『そのくらいやってもらわなくては困る。それより、時間がかかりすぎです。研鑽を積みもっと使いやすくなったらどうです?』
「…申し訳ございません。」
『…謝れば許されると思っているとは、頭が足りないのを考慮できなかった私が悪かった。まぁいいでしょう。直ぐに帰投し、貴女も再教育センターで待機しなさい。』
「了解です。マスター・ベアトリーチェ。」
ブツ、と一方的に通信が切られる。どうやら、機嫌が悪かったようだ。
「君…なんで、マダムに理不尽に使われて…何も言わない。」
「……」
「私は、動けないんだ…少しくらい教えてくれても…良いんじゃないか?」
「…私は道具で、マスターは、私の持ち主。持ち主に従うことが道具のあるべき姿。それだけです。」
「そうか…ところで、私たちはどこかで会ったことは、無いか?」
「…あまり無駄なことを言うのなら、アゴを砕きます。」
「く、くく…思い切りが良いな、君は。どうだ、ヴェスパーに来ないか?」
『その思い切りの良さ、良いじゃないか!将来は私の部下としてヴェスパーに来ないか?!』
「……拒否します。私は、IX BALL。マダムに従う兵器です。」
─大きすぎる力は潰される。不穏の影があれば徹底して修正される。それが唯一、''黒い凶鳥''への対策手段だから。しかしここに、その秩序にほんの少し、気にする必要のない程の小さな歪みが生まれる。それは凶と出るか吉と出るか。
香る硝煙の向く先に答えがある。
To Be Continued……
どうしてこうなった?ヒナVSラスティをするつもりだったのに気づいたらカスティ書いてたしラスティはフェードアウトしてるし…何コレ。
次回─「エデン条約締結阻止」
感想、評価お待ちしています。
ラスティならどうするかな?ここはこういう場面だったっけ?とかなりながら書いているので矛盾点、違和感があればお伝え下さい。これからの作品のクオリティ向上に役立てていきます。最近はコーラルが切れてきていけねぇ。そろそろ注入していかなきゃな!
では、読者諸君の色好い返事を期待しているぞ。
私からは以上です。
一方その頃
吹き飛ばされたハミングバードとオーネストは、普通に戦線復帰して普通に踊りながら戦っていた。
行く末をどうするか
-
『ヴェスパーの災禍』
-
『アリウスの解放者』
-
『壊滅』