それは成されるべきものであり、なされるべきでは無いものでもある。争いがあるから人は獣に成り下がり、争いがあったからこそ人は進化し続けられる。
恐れたまえ、 畏れたまえ、怖れたまえ、
過去の負債を。人の業を。人の執念を。
──何処かであり、何処でもない場所で''先生''に現状起きていることを伝えてその対応策を考えついたと言った後。受けた傷は最早命に指がかかっている状態であるからか眠りから覚めずにいる。
「──先生はどう思う?」
''セイア?''
「今あるのは、投げるべきではない賽を投げた結果、人の許されざる深き罪、そしてどこを向いても見えるように撒き散らされた戦いの火。」
──''先生''、君はこれをどうする?これを見て何を思う?
''答えは決まってるさ─''
''ここから、青空を取り戻してみせる。''
「どうして…そこまでするんだい?もうトリニティとゲヘナの首脳陣は全員やられてしまった。戦力だけあっても、この争いの火種は消えないだろう?たとえ解決したとして、黒い凶鳥が、並び戦う狼が、悪い大人の言いなりになり平然と殺しが跋扈する。地獄が蔓延する。」
''私がさせない。私は力がなければ1人で生きていくなんてとても考えられない人間だ。けれど、けれどね、セイア。希望は巡り、明日はやってくるものだよ。諦めない限り人は楽園に向かって進み続けられる。それにやられてしまったと言うけれど、彼女たちは私達が思っているよりもずっと強いんだよ。''
「…諦めないのだね。」
''先生は最後まで諦めちゃいけないからね。生徒を導き、生徒の前を歩き、生徒が安心して明日を探せるように支えるのが大人として。''先生''としての責任と義務だから。''
「……。」
''それに、明日が来ないとまだ組み立てられてないプラモデルが勿体ない…!''
…呆れたようなため息が1つ吐かれる。
「……」
''セイア。君は未来を見るんでしょ?そして恐ろしい未来を知ってしまった。だから、怖くて動けなくなって夢の中に閉じこもっている。…その苦しみは私には想像もできない。未来を見れない私には、今を生き抜いて絶望を切り開くことしか出来ない。''
''未来が決まっているなら、エンディングのひとつが見えるなら。私が別のエンディングを、皆が笑顔になれるハッピーエンドを掴んでみせる。''
「未来はそう簡単に変えられない…1度でも現れてしまったら、簡単に消えてくれないんだ。それでも、進むのかい?」
''うん。1人の力じゃ変えられなくても、みんなと協力すれば叶うものがあるんだ。''
「……。」
''だからね、セイア。恐れることはいいことだよ。でも、恐れすぎてもよくならない。受け入れて、話し合って、理解を深めて。そうして1歩ずつ足を踏み出して人は成長していくんだ。''
「……」
''だから…会話が足りなくて起こったこの現状を何とかするために、起きたらミカとナギサとセイアの3人で話し合おう。''
「…ことが落ち着いたら話し合おう。こうして閉じこもっていたことも、騙していたことも。最も謝れる状態であるならば、ね。」
''その時は私も着いていてあげるから一緒にね!''
「…感謝するよ、先生。お礼に目覚めの補助をしよう。」
そういうと先生の手を取り、神秘を流し込む。これで目覚めも傷の治りも早くなるだろう。
''またね。今度は現実で──''
「…ここから見せてもらおうか。君の翼はどこまで羽ばたけるのか。」
「ちっ!どうしてこうも時間がかかる…?唯一完成させられた強化人間を投入したというのに!どうして全て思う通りに動かこうとしない!?」
スクワッドからの報告からヴェスパーからの捕虜となったスクワッド奪還。唯一朗報と言えるものは先生の抹殺のみ。
インフラを潰した、敵の主戦力を始末した、戦闘部隊を壊滅させた、トリニティ又はゲヘナの首脳陣を消した─そんな報告は一切無い。
「あの鉄の巨人が修復できたなら…いえ、縋るのはやめましょう。」
思い返すは一体の巨大人型ロボット。武器は壊れ原型を留めておらず、ボディもほぼほぼガラクタとなっていた。故にまともに修復もできず、使えるところはブースターとジェネレーターの構造のみだった。それでも、値千金の価値があったのは言うまでもないだろう。
「しかし、元ヴェスパーの捕獲…これで、もう一体のIX BALLが作れる…いえ、こんどは生産性の発達のため敢えて性能を落としてみるのもアリですね…フフ、フフフフフフ!」
居る所の神聖さ、それとは反対におぞましい計画を立てている。
そうしてどのような''個体''に仕上げようかと空想を広げていると通信が入る。
『ザザッ─コード5。マダムにご報告を。こちらV.III ドンライ。ただいまヴェスパー第4隊長、識別名ラスティを再教育センターに収容致しました。これより再教育プロジェクトの準備に取り掛かります。どのような''個体''にするか、ご要望があれば─「今考えています。決まるまでは前段階として心を折るために拷問にかけておきなさい。…ああ、施術は貴方がしなさい、ドンライ。」
─了解です。では失礼します。』
「…さて、もう一体のIX BALLとして作るか、使い捨て…表で仲間だったヤツらへの足止めとして作るか…」
思案は続く。瞳の奥でパチパチ弾ける紅の快楽を享受しながら。
───
──
─
トリニティの会議室にて作戦の伝達が行われる。
作戦の参加者を集め、前には
全体的に焦げているマコト
かすり傷のひとつもないミシガン
爆破の影響で怪我をしているナギサ
が並んでいる。その後ろには各陣営の主戦力人物が佇み待機している。
対面するは作戦の参加者全員。
「─これより、トリニティ及びゲヘナの首脳陣の合意に基づき!今しがた受けている襲撃の対抗作戦を伝える。よく聞いておけ、役たたずども!」
「待てレッド、私をこのままにして進行させる気か!?」
「私たちが役たたずとはどういう─」
''落ち着いて!今は─''
マコトと、正義実現委員会のメンバーの複数から声が上がる。悪い展開になるかと思い、先生は声をあげようとしたところ─
「無駄口を叩くな!!お喋りがしたければ壁に向かって話していろ!…ではまず、本作戦の要になる者を紹介する。腹に鉛玉を3発食らっておきながらなお生き延びている強運野郎、シャーレの先生だ!」
''任せて!''
「先生!?大丈夫なんですか?!」
''私は大丈夫。それよりこの事態を収めなきゃいけないからね''
「よく言ったシャーレ!そしてここからが前線組だ。
まずは第一班。この班は剣先ツルギをリーダーに置き、副リーダーにはレッドガンのナンバーツー、G2ナイルを出す。組員はアシストの得意な正義実現委員会50名、レッドガン隊員30名それぞれを配備。総勢52名の前線部隊とする!この部隊は道を切り開くためのものだ。この事態を治める手段のあるシャーレを、1番前にねじ込めるようにするためのな!」
「G2ナイルだ。よろしくな。」
「…剣先ツルギ。よろしくお願いします。」
「第二班。羽川ハスミをリーダーに置き、副リーダーにはレッドガンのナンバーシックス、G6レッドを出す。組員は近〜中距離の戦闘が得意な正義実現委員会40名、狙撃の得意なレッドガン隊員40名それぞれを配備。総勢82名の後方支援部隊とする!」
「G6レッドだ!此度の作戦行動はそちらにとって不本意であるかもしれないが、緊急事態につきどうかよろしく頼む!」
「……はい。この状況でいがみ会えないですし…こちらこそ、よろしくお願いします。」
「そして第三班。シャーレをリーダーとし、副リーダーにはこの私、レッドガン総長、G1ミシガンがでる!組員は今までシャーレが面倒を見てた雛鳥たち補習授業部の4名と、私の部隊にいるレッドガン隊員50名、そしてG5イグアス。総勢57名の終局部隊の編成だ!シャーレを特に守り1番前まで送り届ける。この部隊が落とされたら、キヴォトスが落とされると思え!」
「補足として、ゲヘナの風紀委員会は既にやつらに対する抗戦を始めています。風紀委員長空崎ヒナは一人戦地で暴れて、その他は各地への救援に向かっている…あのミサイルで少なくない数の負傷者が出た中、あのヒナが普通に動ける程度の負傷しか背負って居ないのはこの状況から逆転できる吉兆です!」
作戦に異論はないか!
そう呼びかける声に挙手をするものは、補足を聞き漏らした者は一人もおらず。
こうして編成が決まった。
なお当作戦において全然に出ないものは全員裏方に回されることとなった。
先生がミシガンに話しかける。作戦前のコミュニケーションだ。
''ミシガン総長、よろしくね''
「自ら挨拶に来るとは殊勝な心がけだな!本作戦は貴様の命にかかっているところもある。油断はするなよ?」
''大丈夫。生徒同士で戦い合うのを見ているだけなのは少し…いや、かなり気分が乗らないけど、生徒に殺人を犯させる訳には行かないからね。''
「それがアリウスのバニーどもでもか。」
雑談も程々に、少し気になっていたことを尋ねる。
''そういえばレッド、G5イグアスっていう子は今どこに?''
「イグアスか。やつは今私の武器を取りに行っている。後1分もすれば戻ってくるはずだ。」
''そうなんだ。ちなみにどこに取りに行ってるの?''
「ああ、それは─
ミレニアムだ。」
そうして、イグアスは今トリニティとミレニアムの間を爆走している。
「あんのクソ女ぁあああ!!トリニティからミレニアムまでどれだけあると思ってんだ!五分で往復出来るわけねぇだろ!イカれてんのか!?」
───
──
─
『G5。G9に手酷くやられたようだな?』
『ちっ、嫌味でも言いに来たのかよ?』
『傷心中の貴様に1つ気分転換になる仕事を与えてやる。ミレニアムに依頼していた私の武器が出来上がった。それを取りに行ってこい!』
『は?何を勝手なこと…』
『返事は【はい】か【YES】だ!わかったら行ってこい!』
『誰が行くか!てめぇで行きゃ良いじゃねぇか!おれは野良犬野郎に…『何か言ったか?G5。』…ちっ!行きゃいいんだろ!?』
『そうだ!アポは取ってやるから五分以内に武器を取ってこい!私はこれから会議があるからな。五分以内にとってこれなかった場合、貴様には私からのフルコースをプレゼントしよう!』
『はあ!?5分?!どれだけ距離があると─』
『つべこべ言わずに早く行け!!それと、戻ってきたら5分後に送る位置情報の下に来い!』
─
──
───
「俺の周りにゃムカつくやつしかいねぇ…っとここか。」
ミシガンとのやり取りを思い出しながらミレニアムサイエンススクールのエントランス受付に到着した。トリニティ出発からだいたい1分ほど。
受付のオートマタに近づくとにこやかに話しかけられる。
「どのようなご要件で?」
「ミシガンの武器を代わりに取りに来た。代行書類だ。」
「ミシガン…ああ、レッドガンの!この前ちょっとゲヘナに行った時に助けられたんですよね〜。あ、書類いただきますね。…はい、確認できました!ではミシガン様の武器の預りはエンジニア部となっていますので案内しますね。」
「ではこちらになります。私は戻りますので、ご要件が済みましたらあちらの方にお声がけ下さい!」
そういうとそそくさと退散して行った受付をしていたオートマタ。
眼前の扉にはエンジニア部と書かれたプレートが貼り付けられている。イグアスはノックをせずに扉を開け…ようとして、ここはゲヘナでは無いことを思い出しなれない手つきで2回ノックする。
「邪魔するぜ。ミシガンの野郎から連絡はあったろ?それの受け取りに…」
「危なーい!」
扉を潜り部屋に入ると、警告と共に目の前に平たい頭に赤いモノアイをひとつつけた小型のロボットが突進してくる。もしも普通の生徒であれば衝突し怪我をしていたかもしれないが、
「あぁ?」
イグアスはレッドガンのナンバー付き。この程度は不意打ちにもならない。左手で裏拳を出し腕を振り払い、その突進してきたロボットを壁にたたきつけ停止させる。
「ごめんなさい!ちょっとプログラミングミスって…怪我は無いですか?」
「いや…」
ここに来た要件を話すと、奥の方からエンジニア部の生徒がやってくる。
「コトリー!試作機3号はどうなった!?」
「あ、ウタハ先輩!お客さんですよ!」
「ああ、武器の受け取りか。レッドガン総長のは…これだ、重量級でありながらも片手で持つグリップをした装弾数1700発のガトリングガン、HU-BEN。そして弾をばら撒き圧力をかける武装、太陽守。これは腕に取り付け、起動スイッチを押す事で撃つことが出来る。」
「解説は私が!…通常は緑色のスイッチを押して横なぎに振って広範囲に圧力をかけながら爆破による制圧も考えています!ですがこれは変形攻撃を可能にしているんですよ!チャージ攻撃は赤のスイッチを押して腕を下から腕に振り上げて使います!前と上方向に強い攻撃がくりだせます!ただ変形とは言っても外見がすごく変わる訳では無いのでちょっと物足りないですが…」
「と、言う感じだ。…トリニティとゲヘナ。今は平和条約のようなものを結ぶために集まっていると聞いている。それなのに武器を今取りに来ているということは何かあったんだろう?」
「…っ」
「深くは聞かないさ。だが、もしもに備えてこれを持っていくといい。どうか君に使って欲しい。」
渡されたのは─
「…これは外と内に小型ブースターを取り付けていてね。扱いを誤れば使い手もただじゃ済まない。あと、側面にはケチャップとマスタードを内蔵する収容スペースがある。」
「うわぁ…」
「じゃ、大事な時に大変なことに巻き込まれた不運な君たちの幸運を祈ってるよ!」
G5 は ガトリングガン と 太陽守、 イグアス用の武器 を 手に入れた!
ちなみにあと1分で帰らなきゃミシガンのフルコースが待っている。
───
──
─
「シャーレ。私は補習授業部の4名、と言ったがもう1名はどこだ?もしや寝坊などしていないだろうな?」
''アズサは…その…''
「…いや、良い。全く、ウサギ共の実力は半端だが潜入は1人前だな。」
「…アズサちゃんは裏切り者なんかじゃないです。アリウスからトリニティに転入してきたスパイなのはそうなんですが…私たちの味方をしてくれて、守ってくれたんです。そして今も、戦ってくれてるんです。」
「そ、そうよ…!今別れちゃってるのも何か大事なことがあるからのはずで!」
「暗闇の中裸の付き合いもしましたし、たとえ短い間でも私たちの間にあった絆は嘘なんかじゃないですから。」
「…そうか、ならばこの状況をなんとかし、アズサとやらを必ず連れ戻すことだ!」
「「「はい!」」」
「ぜぇ…はぁ…と、取ってきたぞ、ミシガン…!」
「G5、戻ったか。タイムは4分58秒、ガトリングに太陽守傷一つもないな。良くやった!私のフルコースは免除してやる。」
「おい、イグアスのやつマジで五分以内に持ってきたぞ…」
「これであいつも化け物側かぁ」
「やべぇな」
「化け物なのはどいつもこいつも元からだろ?何を今更w」
''レッド、彼女がイグアス?''
「ああそうだ。この作戦行動における、もう1人のメインメンバーだ。」
「何の話だ?俺はこれから…」
「そうなんですね、よろしくお願いします。イグアスさん」
「おいミシガン、こいつらはなんだ?」
「簡単に説明すると、今からここを襲撃した愚か者共にカチコミをかける。ここは奴らへ特攻する命知らず共の集まりだ。そこに私がお前を入れた!イグアス、貴様は私の指示を聞いて暴れてこい。」
「…けっ。」
『こちら一班、準備完了だ。』
『二班、いつでも行けます。』
「三班、状況が整った。…では、両学園の合意に基づいた混成戦闘部隊の作戦行動を開始する!行くぞ、命知らず共!」
───
──
─
降りしきる雨にうたれ、かつて古聖堂があった廃墟にて、傷と泥だらけの1人の生徒を、アリウスの生徒3人が向かい合う。
「…何故だ、アズサ。何故そこまで足掻く。そこに何の意味がある?何を証明しようとしている?」
アリウススクワッドのリーダー、サオリが眼前にいるボロボロのアズサに問いかける。
サオリの後ろには、救出されてすぐに合流したミサキとヒヨリが居る。
「思い出せ。全ては─」
虚しいと続けようとしたところでアズサがそれでも、と遮る。
「─たとえ虚しくても、足掻くと決めた。」
「…そこになんの意味もないと知ってか?…そうか。なら、何もなぜないまま全てが終わるのを見届けていろ!」
ダンダンダンダン!
「ぐっ……!」
度重なるダメージがアズサの肉体の許容限界を超え、4発の弾丸をくらい倒れそうになる所を、うしろから誰かに抱き抱えられる。
「ヒフ、ミ?」
怒ったような顔でアズサを支えるヒフミ。
「増援、ですね。数は6…いえ、後ろにもっと……。」
「待って、あいつは……!」
ミサキがG1ミシガンを目に止めて、動向に注意する。
「貴様は……!?」
サオリの目には6人…補習授業部の''4名''と、G1ミシガン、G5イグアス。その後ろに立ち白いタブレットを携えた大人、自身が殺したはずの''先生''が映っていた。
「一班、二班!配置についたか!」
『こちら一班、配置に着いた…ヒヒヒヒヒヒ!』
『ミシガン、問題は無い。途中で報告したが、シスターフッドの一部と合流し、シスターフッドの配置はツルギが。』
『こちら二班、いつでも行けます。ただ…』
『途中で暇をしていた風紀委員会と合流し、そちらの配置は辺り一帯の聖徒会を掃討し終えた空崎ヒナが行いました!そちらの方には予備の通信機を渡してあります!』
「一班、二班了解!突撃の指示はシャーレが出す。それまで待機!」
『『了解!』』
そんなやり取りが裏で行われている間に、補習授業部とアリウスの話は進んでいた。
「…殺意ですとか、憎しみですとか…それがこの世界の真実ですとか……」
「それを強要して、全ては虚しいのだと言い続けていましたが…
それでも、私は……!」
「アズサちゃんが人殺しになるのは嫌です……そんな暗くて憂鬱なお話、私は嫌なんです。それが真実だって、この世界の本質だって言われても、私は好きじゃないんです!」
「私には、好きなものがあります!平凡で、大した個性もない私ですが…自分が好きなものについては、絶対に譲れません!」
「友情で苦難を乗り越え
努力がきちんと報われて
辛いことは慰めて、お友達と慰め合って……!
苦しいことがあっても…誰もが最後は、笑顔になれるような!」
「そんなハッピーエンドが私は好きなんです!!」
「誰がなんと言おうとも、何度だって言い続けてみせます!
私たちの描くお話は、私たちが決めるんです!終わりになんてさせません、まだまだ続けていくんです!」
「私たちの物語──」
「私たちの、青春の物語を!!」
──雨雲が消え、ヒフミの背中に光が差し込む。
「雨雲が……」
「…気象の操作じゃない、これは……」
「奇跡、ですか……?」
「奇跡も希望もない、何これ……!まさか、戒律が……?コード78Eを申請。このままじゃ押し切られる……!」
''ここに宣言する。''
''──私たちが、新しいエデン条約機構''
「…そう来るか。シャーレの''先生''…!」
─
──
「これは、エデン条約……先生、君は……」
「……元は連邦生徒会長が作るはずだった条約、それをその連邦生徒会長が設立した超法規的機関【シャーレ】。シャーレが連邦生徒会長を代行する、そうできるように解釈をねじまげた……」
「アリウスと同じ、条約の主体であるゲヘナ、ティーパーティー、正義実現委員会、そして風紀委員会が集まって……かつて古聖堂があった場所で、連邦生徒会長の代わりに先生が楽園の名を冠する約束を再現させたのか。」
「アリウスの奪った戒律は、契約を曲解し、歪曲し、望み通りの結果を捏造する、まさに【大人のやり方】。それを同じ【大人のやり方】で…。」
「………」
─
──
「……リーダー、ユスティナの統制がおかしくなってる。」
「!!」
「混乱してますね……エデン条約機構を助けるのが戒律、しかし今はそれが2つあって……。」
「……知ったことか。ハッピーエンドだ、自分が好きじゃないからだ。そんな事で世界が変わるなら今の私たちはいない。この憎悪が、不信が、変わるとでも言うつもりか?そんな夢の話を……!」
''生徒たちの夢を……その実現を助けるのが大人の【義務】だから''
「……っ」
''私は生徒たちが願う夢を信じて、それを支える。''
''生徒たち自身が心から願う夢を。''
「……これ以上の言葉は不要か。行くぞ」
サオリたちと、その後ろで待機していたアリウス兵が武器を構える。
「行くぞ、役たたずども!」
''みんな、行くよ!''
To Be Continued……
ちょっと早すぎた自覚があります。この小説では出てきていない言葉やら所属やらが出てきてるしヒナはシナシナになっていないことから乖離している…そのうち修正するかも。
修正しました。セイアと先生の声掛けパート、作戦会議パートを。
途中で思い出せなくなってエデン条約編見返しました。思い出しながら書いてた部分で凄いズレが生じてたから焦ったけど……何とかなりそう?
気になるなら原作をプレイしよう!(無責任)(読者に放り投げスタイル)
次回──「エデン条約締結阻止の裏側」
行く末をどうするか
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『ヴェスパーの災禍』
-
『アリウスの解放者』
-
『壊滅』