ブラックマーケットでなんやかんやして独立傭兵団リンクスを設立
少しこじつけが強い傭兵ネームを命名
より高く飛ぶのは、私だ─!
あらすじ終わり!
あれからまた数日経過した。ほんの数日でも美味しく取れる依頼は取っていき、とにかくこの界隈で暴れた。
物資輸送中の車両を護衛したり、ヘルメット団やスケバン達の殲滅したり、運良く回ってきたカイザーの軍事拠点破壊の大仕事をしたり。残念だが仲間が増えることは無かったが……
「……そろそろ節目を作るべきだな。あまり長く居すぎると間に合わなくなる。」
ゲヘナのレッドガン、トリニティの正義実現委員会、アリウスのヴェスパーとスクワッド。自身の知る中ではレッドガンとヴェスパーが立て直しが近いと考えそれに合わせた準備を進める。
「ラスティ、今日はこんなのが届いてたよ。」
「見せてくれ。」
すっかり喉が良くなったレイが、リンクスのアカウントに届いた依頼を見せに来た。そこに書いてあったのは…
「『ご近所トラブルを解決して欲しい』か。依頼主はRaDの頭目、被灰カーラ……」
「ミレニアムの廃品回収、武器開発とかそこそこ大きめの所だったはず。」
「ああ。私はRaDに少しばかり縁がある。他には…めぼしい依頼は無さそうだ、*1これを受けるとしよう。」
「分かった。『その依頼、是非受けさせて貰います。詳しい内容をお願いします。』…メール送ったよ。」
「ありがとう。じゃあ、準備を進めておこう。どうせ戦闘になるからな。」
「うん。…オルトゥス、早速電話かかってきた。」
「私が話をしよう。レイヴンは準備を。」
レイからスマホを受け取り、電話に出てスピーカーモードに切り替える。
『久しぶりだな、ビジター。RaDのチャティ・スティックだ。此度の依頼受諾感謝しよう。依頼内容についてだが、幾分か機密情報が混ざっている。RaDで直接会って話させてもらいたい。』
「久しぶりだな。相分かった。カーラの様子は?」
『今は歓迎会の準備で手が離せない。よって俺が連絡係になった。』
「そうか、特に聞きたいことは無いぞ。こちらの準備は「出来た。」…もう出来ている。これからRaDに向かうが大丈夫か?」
『いつでも準備は出来ている。久しぶりの再会、待っているぞビジター。』
「準備は良いらしい。じゃあ行こうか、レイヴン。」
「うん。パーティーか…初めてだから楽しみ。」
RaDに到着しエレベーターに乗ってグリッドに乗り込む。少し胸を高鳴らせながら入口に近づいていくと開けた円形の広場のような玄関が見えてくる。奥には鉄の重厚な扉ががっちりと閉められていて簡単に侵入できるようにはなっていない事がひと目でわかる。
「誰か立ってる。門番?」
鉄扉の前には1人、片膝を立てて座り込みながらコーラ瓶を呷り
「プハッ!ハーッ!タマシイニシミルー!」
と息をつく少女が。
こちらに気がつくとヨッコイショ…と立ち上がり、空の瓶を放り捨てると傍らに置いていた奇っ怪な武器を両手に持ち近くに歩み寄って来る。
「なんだぁ?お前ら、見ねぇツラだなぁ…ここが誰のシマだか分かってんのか?」
「ラミー、久しぶりだな。私だ、覚えてるか?」
「あぁ?ぁ〜……ああ!久しぶりだな!ボスから話は聞いてるぜ!俺ぁ出迎えだからよ、ここでずっとお前らのことを待ってたのよ。で、そっちの嬢ちゃんはどなたよ?」
「独立傭兵、コールサインはレイヴン。ワケありの私に着いてきてくれる心強い仲間さ。ラミー、会場までの
「
「はぁ?おい…おい、ぉおいおいおい!」
ズカズカと、一言発する度に踏み込んでくる異様なラミーから距離をとりいつでも動けるように構えをとる。
「まったくわかってるくせになぁに案内だの言ってんのよ!俺達の出迎えはもちろん──」
ギャリィイイイ───!
「こういう事だろォ!?ギャハハハハ!!」
両手に持った銃剣ならぬ
「来ぉい!トイ☆ボックス!」
ガコンッ!
と黄色の鉄球のような物が1つ上から降ってきて、
バカッ!
とその内の機体が晒される。無数の銃口が取り付けられた胴体は、一切の装甲を捨て去ったストイックすぎる形状。まるでダンゴムシだな、と考えて気を引きしめる。
「レイ、やるぞ!」
「むん!」
トイボックスの弾幕と球体と起き上がりの形態変化の速さ、起き抜けの射撃コンボ、そして上下に跳ねる戦法のラミーは相手取るのに厄介だったが、トイボックスが起き上がった隙に攻撃を叩き込み破壊。*2
ラミー単体でも、ヴェスパーのオーネスト*3以外に全く見ない奇妙な戦法はそこそこ苦戦したが、チェーンソーの動力部分に攻撃を当てることが出来てそのまま回路が火を吹いた。ラミーはそれを気にせず、もしくは気づかずにチェーンソーを噴かせたものだから…
「お、俺のマッドスタンプがぁ!?」
当然、爆散した。爆散した二丁のマッドスタンプに気を取られ手元を凝視してしまう隙を晒したラミーを、
「終わりだ!」
「ガッ!?」
正面から近づいてアイアンクローをかけそのまま後頭部から硬い金属の床に叩きつけてラミーを撃破。
「片付いたな。」
「素敵なお出迎えだったね。中が楽しみになってきた。」
鉄扉がガチャガチャと音を鳴らして開いていき先に進めるようになり、リロードをしながら扉に向かって歩みを進める。
『ビジター達が会場に入場した。プロジェクト【サプライズ】始動、各員はそれぞれ歓迎態勢に入るように。』
扉を進みRaD内部の廊下を歩くと鉄網のシャッターが道を塞いでいた。それには『ようこそビジター!』と書かれた垂れ幕、色とりどりの丸いポンポンと星を象った飾りや紙の輪っかを繋げたやつがかけられていた。
「ここは……」
「またおっきい扉…オシャレだ。」
眺めていると放送が掛かりカーラの声が響いてきた。
『よく来たね!パーティーを楽しめるくらい元気そうでなによりだよビジター。』
『パーティーの本番はこれからだ。その扉が開いたら3エリアに分けられた勝ち抜きになる。最奥には特別な相手が待っているからせいぜい頑張りな!!』
それを言い残して放送が切れる。同時に、飾り付けられたシャッターが奥開きに開いた。飾りは振動で落っこちた。
小型のロボット、4脚MT、飛び蹴りや殴り掛かかってくるRaDの構成員を捌いて右に左に曲がったりして進んでいくと「勇気を示せ」という文字と「↑」が書かれている鉄板がポツンと置かれている崖みたいな所に出る。
下を見下ろすと人や機械がワチャワチャ動きながら2人が来るのを今か今かと待っているようだ。
「なるほど、あそこに飛び降りればスタートか。」
「早く行こう。色んな機械とか人とかいて楽しそうだ。」
『ビジター達のスタート地点突破を確認した。キヴォトスのどこに行ってもみられない花火会場へ招待しよう。』
『歓迎の花火だ、受け取りな!』
「「「イエーーイ!」」」
「わー!」
「さすがRaD、派手にやるな!」
『さあ、まだまだこれからだよ!最後まで楽しんでもらおうじゃないか!』
「さっきとは比べ物にならないほどの数に弾幕、心が踊るな!」
「♪」
こんなアトラクションは他ではないだろうな。アトラクション以外ではアリウスで死ぬほどあったが…レイは随分と楽しんでいるみたいだ。鼻唄まで歌って…連れてきてよかった。
「ハーッハッハッハ!!重くて扱いづらい新製品って話だが!」
「3人なら扱える!」
「この新作が負ける訳ねぇだろぉ!」
「「「行くぞぉおおお!!!」」」
「それなら、撃たせる訳にはいかないな!」
ゴゥン──!
「「「嘘だろ!?」」」
ド─…───
キ──ィーーーーン─……
2人でトリガー部分を挟み1人が砲身を支えるような陣形を砲身を蹴り上げる事で崩す。見た目以上に扱いづらいと納得出来る程の爆発と爆音がエリア一帯を覆ってとんでもない花火となった。砲はあまりの衝撃に耐えきれなかったのか弾け飛んでいた。
「オラオラオラァ!もっともっとパンチャーとキッカーを投入しろ!これも全部ミレニアム持ちだァ!!」
「ヒャア!たぁまんねぇぜ〜!!」
「炸薬!炸薬!炸薬!うおおおおぉ!!!」
あの砲撃から、爆発力を競うようにあらゆる場所からRaDの兵器がポコポコ投入されては自爆したり、砲撃隊がドカドカ火薬を撃ち込んで来た。
『第2エリア突破を確認。第3エリアのセンサーを起動する。』
「いやに静か…」
「なんだ?」
『最後は皆大好きなセンサーにふれるな!ってやつだ。入口にゴーグル3角と逆3角が噛み合うように並べられた平たいゴーグル。があるだろう?それを装着して、張り巡らせた赤外線レーダーに触れないように進むんだ。』
「とりあえず進もう。」
「ああ、慎重にな。」
迷路のような作りになっているようで行き止まりに当たったりすること数分。
「!センサーに触った!」
「何が来るかな?」
完全に避けたと思ったセンサーに足先が触れてしまった。それによってセンサーの先から2体の小型兵器が銃口を向けながらのこのこ歩いて来た。
「2体だけだったな。センサーは機体の起動制御に紐づいているようだな。」
「戦ってるうちにセンサーに触っちゃうと大変なことに…」
センサーに注意して進むことさらに10分。今度はつまづいてしまったラスティがセンサーに触れてしまった。
「しまった!レイヴン、周囲の警戒を!」
「─上から来てる、気をつけて!」
三体の兵器がやってきた。
「緑と赤の扉…どうする。私は君に委ねよう。」
「うーん…折角だから、私は赤の扉を選ぶよ。」
扉を潜り行き止まりに当たること3回、縦にセンサーが伸ばされている行き止まりがあった。
「格子状のレーダー…」
「見て、壁に何か書いてある。」
『音声ガイド→』と書かれた紙の横に赤いボタンが取り付けられている。
それを押すと少しのノイズの後、チャティの声がなり始める。
『ザザッ──よく来たな、ビジター。助言を送ろう。頑張って走り抜けてくれ。それと、後方に気をつけろ。これだけだ、じゃあな。』
「短いな?」
「オルトゥス!前からセンサーが!」
「!そういう事か!」
気づいた時にはもうセンサーが2人の体を通り抜けた後だった。通路の幅ギリギリの4脚MTが後ろからガショガショと忙しなく動いてかなりのスピードで迫って来ている。
「さすがにここでは戦えない、走るぞ!」
「こうなったらセンサーを気をつけても居られない!」
センサーを無視して走り抜けた結果、全て起動させてしまったけれどほとんどが4脚MTに引き潰されてしまった…
「ふぅ〜…ここが最奥か?」
「ゴール?」
『おめでとう。その扉をくぐってスイッチを押したらゴールになる。』
『さ、早いとこくぐっちまいな!あたしらはもうその先で待ってるからさ!』
「やけに広いのにボタンは部屋の入口にある…妙だな。」
「とりあえず押してみる。」
カチッ、とボタンが押されて。
扉が閉まる。天井が左右に開いて…
ドン─!
衝撃が伝って届き、着地に発生した突風から腕で目を隠す。
風が止み、腕を解いた視界にはある姿が映された。
「!この姿、まさか!」
「っ!」
両腕の巨大な赤熱チェーンソー
円柱の胴体
正面と煙突から覗く溶岩の滾り
その姿は色々あった今でも忘れない、あの重機解体用機体!
「あの時よりも大きくなってるな!」
『騙して悪いが…いや、最初に言ったか?最後の特別な相手はみんな大好き、スマートクリーナーだよ!』
スマートクリーナー
カーラの紹介に応えるようにチェーンソーを振り上げる。
「スマートクリーナーは強敵だったな。」
「うん。」
私が開口部が弱点であることと引き付けている間に攻撃をして欲しいとレイに伝えてあの時の再演を披露した。あの時と違って戦い方が分かっていて、2人で挑めた事でより早く仕留めることが出来た。
完全停止したスマートクリーナーは、開かれた天井から無数に伸びたワイヤーに連れ去られて行ってしまった。
少し休んでいるとチャティが操作している車椅子が迎えに来てくれた。それに乗ってグリッドを修復したり喧嘩している構成員達を眺めたり、話しかけてきた人と話していると社長室に着いていた。
「こうして会うのは久しぶりだねぇ。元気してたかい?パーティーは面白かったろ?」
「ああ、久しぶり。楽しませてもらったよ。レイヴンも、初めてながらにはしゃいでいた。レイヴン、この人が今回の依頼人の被灰カーラだ。この若さで武器やおもしろ兵器、お手軽アイテムと色々作っているRaDの頭目を張っている。」
「初めまして。独立傭兵団リンクスが1人、レイヴン。よろしくお願いします。」
「ああ、よろしく。さて、早速だが本題に入ろう。チャティ!この部屋に電波ジャミングとゲートロックを頼む!」
『既に貼り終えている。人が来たら俺が対応しよう。』
「助かるよ。…さて、本題の前に警告をしよう。これはそこそこ機密性のある依頼になる。一応だがこの契約書にサインを書いておいて欲しい。」
一、被灰カーラは独立傭兵団リンクスに正当な報酬を支払う。
一、リンクスは今回の依頼によって起きた出来事の一切を他言しない。
一、リンクスは依頼を途中で破棄、または別勢力へ寝返ることは許されない。
一、リンクスはミレニアムの生徒会長と被灰カーラの味方である事。
「……カーラ、これはどういう事だ?なぜミレニアムの生徒会長が?」
「それを話すには機密に触れるからねぇ、知りたければ依頼を受ける事だ。もっとも、受けてしまえば後からやっぱ無しつてのは出来ないがね。」
「…どうする、オルトゥス。怪しすぎる、犯罪の片棒でも担がされるんじゃないの。」
「………。」
「無理にとは言わないよ。元よりアタシとあの子で片付けられる算段だったのを見誤ったんだ。助力が得られなかったとしても自業自得として割り切るつもりさ。あんたが懸念しているだろう各方へのネタバラシなんて狡いことはしないさ。」
「さあ、どうする?急かすようだがこちらも時間が無いんだ。ここで決めてって貰うよ…ビジター。」
「オルトゥス」
「そうだな…────。」
To Be Continued……
次回『ダブルトラブル』
行く末をどうするか
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『ヴェスパーの災禍』
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『アリウスの解放者』
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『壊滅』