STEEL HAZE   作:魚の名前はイノシシ

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あらすじ!

イグアスがパヴァーヌ2章に入場
ラスティがパヴァーヌ2章に入場
レイヴンがパヴァーヌ2章に入場

あらすじ終わり!

薄いなぁ…



ダブルトラブル(2)

 

 

「……あなたはただの傭兵で、私はその雇用主。その関係である以上私があなたの手綱を握っていると理解しているのかしら?今回のことは勝手な行動をして計画の遅延をしたとして報酬の減額の処分とするわ。異論は無いわよね?」

 

「はんっ、高々始末が遅れただけでそんなに深く捉えるなんざ余裕のねぇやつのすることだ。正面から叩き潰して兵器を始末する…それだけだろ?カタイ役人は頭まで固くてさぞかしスマートな生き方してんだろうな。」

 

「………私は、そんなものでも無いわ。ただ自分の合理に基づいて行動しているだけだもの。」

 

「チッ、スカしやがって…それで、今は?」

 

「……決戦は今夜、それに備えて調整するわ。必要ならあなたの武器も調整するけれど…」

 

「ああ、頼む。エンジニア部の作ったものなだけに性能はいいんだが余計なものまでついてて気になってんだ。炸薬を詰めて杭の射出スピードを上げられたら頼む。」

 

「ええ。トキ、貴女も今夜に備えて休んでおきなさい」

 

「ですがリオ様のお食事はどうされますか?」

 

「栄養食とスムージーがあるから大丈夫よ。」

 

「…ダメです。私がお作りしましょう。確かに味気ない栄養食を摂り、味の良くないスムージーを飲むのは効率やエネルギーの観点から合理的ですが、やはり私の食事の方が美味しくて栄養もあるので私がご用意します。」

 

「貴女は休んで……いえ、そうね。なら私は作業をしているからいつものように、お願いするわ。」

 

「あ、俺にも適当になんか作っといてくれよ?」

 

「はい。では準備してまいります。」

 

そう聞くと恭しく一礼をし、部屋を出ていく。

 

「………」

「………(気まずっ)」

 

食事を待つしばらくはリオとイグアスの2人きり。何かこの気まづい空気の部屋で話題を振ろうと辺りを見回すと巨大なナニカ…チェーンソー、その設計図が床に落ちていた。

 

「……ん?おい、リオ!これなんだ!?チェーンソーか?!」

 

「そうよ。それはアバンギャルド君に搭載する予定だった武器なんだけれど重くてエネルギーを多く使うから没になったわ。制作には失われた無名の司祭の技術をふんだんに使っている上、そのどれもが解析が完全に済んでいないの。アバンギャルド君にも、当然人にも扱えないシロモノ。いうなれば、武器の範疇を超えた【オーバードウェポン】かしら。」

 

「お、おお…いきなり喋るなコイツ、びっくりした…これ、何とか軽量化とか低燃費化とか、なんか使えるようなスケールにできねぇか?」

 

「……今は無理ね。そんな事をしている時間は無いわ。」

 

「あぁそうだったな!!クソ…!なぁリオ!終わったら俺が使えるぐらいまでスケール抑え込むの、頼んでもいいか?」

 

「それなら少し時間はかかるけれど可能よ。…だからといって浮かれて油断しないでちょうだい。」

 

「当たりめぇだ!ははっ、今なら野良犬野郎もぶっ潰せそうだ…!」

 

「お待たせしました。こちらお食事になります。…何してるんですか、イグアス様。」

 

「何でもねぇさ!」

 

 

不審がるトキを横目にイグアスは上機嫌に「おー、あー、ふへーははー♪」と鼻唄を歌いながら食事に手をつける。あっという間に食べ終えてリオの方を見ると、作業の邪魔にならないように口元にオムライスを運ぶトキとオムライスを口を開けて待っているリオの姿があった。

トキがこちらに気づくと無表情なのにドヤッとしているのが分かったが、イグアスはその心を何も理解できなかった。

 

何も見なかったことにしてその光景を忘れるように背にかけた愛武器のAR【ブリンガー】を手入れをする。

 

 

そして数十分後。

 

「終わったわ。炸薬をより詰められるようにして、杭の射出機構にもう一つの小さい推進装置を搭載。武器に着いている近接ブースターにロックオン機能を搭載してブースト距離のアシスト、空冷機構を増設して必要な冷却時間を短縮したわ。だから前よりも重量は増しているけれど扱いやすくなったはずよ。」

 

「おう。…確かに重くなってるが気になるほどじゃない。少し慣らしてくる。」

 

そう言い残して部屋を出ようと出入り口に振り向くと、リオから声がかかる。

 

「動きを慣らすならそこにあるヘッドギアを使うと良いわ。装着した人の脳波を読み取って情報を全て正確に再現するの。運動量に対する疲労の大きさ、物質の重さまで再現した仮想現実シミュレーション。簡単な仮想敵の設定からキヴォトスでも強いとされるレベルの人型エネミーまで揃えてあるから効率的よ。も終了する事を思えば終了できるわ。」

 

「お、便利なのあんのか。じゃあ遠慮なく使わせてもらうぜ。」

 

 

イグアスが寝台に乗ってヘッドギアを装着するとリオは電源をいれる。するとヘッドギアからシステム起動の音声が流れた後に稼働する。イグアスは今、電脳世界に足を踏み出した!

 

「リオ様、あのヘッドギアはアビ・エシュフに合わせたレベルになっていますが大丈夫なんでしょうか。」

 

「問題はないわ。レベルはいつでも変えられるのは知っているでしょう?」

 

「ですがイグアス様にレベルの変え方は分かるのでしょうか?」

 

「……失念していたわ。」

 

「……。」

 

「でも終わり方は伝えたからきっと大丈夫なはずよ。」

 

「…なら、大丈夫なんでしょうか。」

 

「……さて、時間が余ったわ。オーバードウェポンの調整でも軽くしておこうかしら。」

 

「……イグアス様、どうか頑張ってください。」

 

時間になる前に起こせばいいか、と主従は揃って判断し汗をかき始めたイグアスをそっと見ないようにしてオーバードウェポンの調整に取り掛かる。

 

 

 

 

『君にプレゼントだよぉ?気に入ってくれると良いんだけど…ハハハハ!!』

 

「なんだこの、訳の分からねぇコイツは!?」

 

何度再挑戦しているのか分からない。今はどのくらい時間が経っているのか検討もつかない程に追い詰められ続けている。時間が近くなれば起こしてくれるだろうと思い至ってからは、時間などそんな事を気にしなくなる。

 

「無限に出てくる機械に跳ね回りやがるチビ、挙句この連携…!しま」

 

『ほらほらぁ、早く動かないと蜂の巣にしちゃうよ??…て、もう聞こえてないかなぁ!?アッハハハハ!!!』

 

重厚な機関銃が弾丸の雨を降らせるてイグアスの体を穴だらけにしていく。運が悪いことに右目を抉られた上に心臓を潰されて、反撃に出ようと踏み出した右足も消し飛ばされてゲームオーバー。

 

『擬似ヘイロー ハソン。貴方ノ ハイボクデス。サイチョウセン シマスカ?』

 

YES◁▷NO

 

「あんなやられ方で終われるか!殴り殺してやるクソ野郎が!」

 

イグアスはナメた態度でナメた発言をしてガチで殺しに来た愉快を演じる男にナメられたことに対して報復することに執念を見せた。挑戦しない選択は無い。イグアスの脳みそも、NOという字を無いように認識してヘッドギアの方も選択肢が変化している。つまり、今こうなっている。

 

YES◀▷YES

 

 

顔面に化粧を施してドレスを完璧に着こなした筋肉質な男が、ステージの中心にライトアップされて生成される。敵はランダムなためすぐ復讐出来そうになくてイラついたイグアスだが…

 

『こうしてレディとステージに2人とは、運命ですね…運命ならば、受け入れたい…さぁ、レディ!この舞踏会を共に楽しみましょう!』

 

「キッショ!!ぉえ!!」

 

この男、初対面の年頃の女子にこんなこと言えるのどうかしてるし、そんなこと言いながらゴツイ火炎放射器とゴツイバズーカ構えるの最高にどうかしてる。

 

『まずはこちらのシューズをお受け取りください!』

 

「危な!てめぇいきなりやってくれんじゃ」

 

男が撃ってきたバズーカを間一髪で避けながら反撃に出ようとしたところを懐から出した短刀で心臓をひとつき。そのまま捻って完全に心臓を捻り潰した後、丹念に丁寧に、寂しそうに火葬をする。

 

『踊り疲れてしまったのですね。ああ、花はどこだ…手向けなければ…』

 

『擬似ヘイロー ハソン。サイチョウセン……』

 

「クソァ!!!こんなふざけた野郎に!!!」

 

YES◁▷YES

 

「やってやる…!俺はレッドガンでしこたま扱かれてんだ…こんなところで終われるかよ!」

 

イグアスの報復対象が増えた。

 

YES◀▷YES

 

『ふん、対名も無き神々の兵装アビ・エシュフ…その大袈裟な肩書きもここで終わりだ。この私が夢幻の水底に沈めてくれる!』

 

「逆にてめぇを奈落に突き落としてやるよ!」

 

これまた男の声で生成される敵。アビ・エシュフの名前が出たことでこれが通常モードではないと普通なら気づくがイグアスは普通に気づかない。前口上は最後の方だけを覚える奴だから。

 

『擬似ヘイロー ハソン』

 

YES◀▷YES

 

『あれぇ、また来たの君?よく気力持つね、おじさんその若さに感心しちゃうよ。ま、手加減なんかしてあげないんだけどね!ハハハハ!』

 

『擬似ヘイロー ハ』

 

YES◀▷YES

 

『そこの犬。貴様が何度と噛み付いてこようとも、その気力尽きるまで何度でも殺してやろう。』

 

『擬似ヘイ』『擬似へ』『擬似』『擬』

 

「あぁああああああああああああぁぁぁ!!アアアアアアアアアアアアアアア!!!!」

 

度重なる敗北。記録が引き継がれているのか再会を喜ばれたり再会をうんざりされたり再会しても淡々としていたり…とにかく同じやつに会ったり、知らない奴と会ったり。そして敗北を積み重ね…イグアスはとうとうストレスで発狂した。

 

 

 

 

『何回来るのもいいけどさ、1回頭冷やしたら?そんな無鉄砲じゃそこらのゴミクズと変わらないよ。じゃ、またね!』

 

『擬似ヘイロー ハソン。サイチョウセン シマスカ?』

 

「……ぶっ殺す!!」

 

YES◀▷YES

 

『またまた再び出会えるなんて!やはり運命なのですね、私の貴方♡さあ、尽き果てるまで踊りましょう!』

 

「でたなこの変態!!」

 

『愛の花束を受け取ってください、私の貴方!』

 

「要らねぇよ!隠し持ってる、それもなぁ!!」

 

『なっ、サプライズをさせてくれないのですか!?…いや、なるほど。気づかなくて申し訳ございません。恥ずかしがり屋さんだったんですね?私の貴方…♡』

 

「────────ッ!!!!!!!」

 

バズーカを前進しながら避けて懐に強烈なキックをお見舞する。短刀が砕け、変態がひるんだ隙に火炎放射器を持つ手をへし折る。それでもおちょくってくる変態はシューズに仕込んでいた刃でイグアスを刺し貫こうとする。

 

「っぶねぇ!引けば死ぬ、速攻!」

 

「ああ、こんなに熱烈に求めてくれるだなんて…素敵だ!本当に心が踊ります!」

 

パイルバンカーの近接ブーストを多用して緩急の激しい戦いを強要しているというのに流されずに落ち着いて戦う姿はまるで踊っているかのように華麗で不気味。搦手を駆使してくる変態を相手に善戦し足掛けをしてきた所を逆に捕らえて地面に叩きつける。そのまま顎をぶん殴り立ち上がれなくしてから渾身のフルチャージパイルバンカーを顔面にぶち当てる。

 

 

『贈り物を…くれるのですね…素敵だ…』

 

遂に変態を打ち倒したイグアス。頭が完全になくなったのに口が残っていただけに最後の言葉を聞いてしまい勝っても負けても嫌な奴を知る。

 

 

『システムより通達。通算100回のチャレンジと、敵性反応の消失を確認しました。一時リザルトを表示します。』

 

「………。」

 

10敗

9引き分け

一勝

 

『長らく掛けた挑戦、お疲れ様でした。チャレンジは失敗してしまいましたが、数多く敗北しながら食らいついたあなたはきっと挑戦を始める前よりも強くなっていることでしょう。』

 

「終わり、か…?」

 

『この後はラストバトルになります。対戦相手の情報はこちらをご確認ください。これを切り抜けられた暁には、貴方様の世界に対する見え方が変わることでしょう…』

 

「最後あんのか…対戦相手、は…はぁ???」

 

ラストバトル

 

NEXT

 

巨大怪獣 ペロロジラ

 

 

『それでは、奮ってご参加ください。』

 

「…はぁ?」

 

 

『擬似ヘイロー ハソン。チョウセンヲ ツヅケマスカ?』

 

続ける◁▷続ける

 

「──はぁ?」

「は、はは…」

「………」

 

プルプルと、俯いて武器を握る姿は心が折れ、理不尽に泣き震える……

 

「やってやろうじゃねぇかこの野郎!」

 

そんな情けない姿ではなく、普通にキレているだけのイグアスがいた。

 

失敗した。

 

 

『これだから未来ある子供ってやつは!ハハハハ!』

『これからもっと…面白く…!』

『明星ヒマリは…やめておけ…』

『ようやくまともに眠れるか…』

『贈りもズガンッ!

 

 

『アイボール機動砲台、制御不能!』

『おのれ…!略奪者めぇぇ!!』

 

 

あれからもう一度最初からやり直して、ペロロジラでは無かったラストバトルも突破した。

 

『チャレンジ クリア。オツカレサマデシタ。』

 

『チャレンジクリアを確認。一時リザルトを表示します。』

 

10敗

5引き分け

11勝

 

 

 

 

 

『システム レストモード。マスターリオより司令が入るまでスリープモードに移行。』

 

「だぁー!水と何か食い物くれ!」

 

「終わったようね。」

 

「おかえりなさい、イグアス様。気分はどうでしょうか?タオルとお水です。」

 

「おう……っはぁー!もう一杯頼む!」

 

タオルと水を受け取って一気に飲み干しババっと汗を拭い取る。拭き終わる頃に水のお代わりと手作りのおにぎり(焼鮭)が渡される。

 

「なぁリオ、トキ。ミレニアムはあれが基準の強さなのか?」

 

「貴方の受けたモードはアビ・エシュフを装着したトキの訓練用に合わせたレベルよ。そのレベルをクリアできるのはミレニアムでもそう居ないわ。」

 

「やっぱりな。道理でアイツら異様に強かったわけだ。じゃ、それを俺がギリクリア出来たってことはアビ・エシュフとタメを張れるって事か?」

 

「リザルトが分からないけど、クリアしたというのならそういうことになるわ。」

 

「奴らにゃこんな設備はねぇはずだ、こっちが実力的に圧倒的リードを保持してるってことか。負ける気がしねぇな!」

 

「イグアス。それで油断してやられたら目も当てられないこと、忘れないでちょうだいね。」

 

「…けっ、ちょっとぐらい浮かれたっていいだろ。ま、心配性な雇い主のためにも真面目にしてやるさ。」

 

自分たちの有利状況を明るげに話すイグアスに一言注意すると舌打ち、悪態をつきながらも了解する。

 

そこで話は終わり、状況の再確認に入る。

 

 

イグアスはゲーム開発部の協力をする生徒の相手。トキはリオの護衛、アバンギャルド君が先生達の相手をする。

やられてしまっても自立走行型救急ロボットが回収に向かうため気にせず戦ってもいいこと。

相手には先生が付いているとしても、こちらにはアバンギャルド君を始めとし実力者が揃っているから負ける道理は無いこと。

 

 

「…そろそろ時間よ。準備はいいかしら。」

 

「勿論だ。」

 

「いつでも出撃可能です。」

 

「行くわよ。」

 

3人の目には侮りも油断も無い。張り詰めすぎず、緩みすぎずの緊張感を持ち各々の戦場へと足を運ぶ。

 

 

To Be Continued……

 

 





次回─「ダブルトラブル(3)」

次はラスティ達の視点。エミュ…難しいっすねぇ…
感想とかくれてもいいんだぜ。


フロムの新作トレーラーを見て湧いて出た安いおまけ。ただの幻覚です。

「…独立傭兵について、ですか。ええ、知っていますよ。発祥はブラックマーケットの北側。初めに──と名乗った人物は今や行方知らずですがその名を襲名して、数多の──が産まれたと伝説があります。その話も更に北の方…ああ、いえ。これは意味の無い事です。すみません。とにかく、──という方が始まりで、ただの傭兵とは違って実力も仕事も…全てめちゃくちゃで。その様は戦いという戦いにあちこち移り往くワタリガラスのようで…【血に渇いた獣】のようだと。ただこの話は誰も信じてくれなくてですね…何せ、昔話なものなので…
──ああ、ただ、一つだけ。私もその──だったんです。だからこの話はそう外れてもいないと言えます。まあ、今は名乗るものなど見ないでしょうが…。…はい?…ふふ、そうですね。ああ、それがしっくりくる。この歳になって、気づくだなんて…

戦場こそが、私達──【レイヴン】の……」

以上、ボケも入り始めた老人の昔話

行く末をどうするか

  • 『ヴェスパーの災禍』
  • 『アリウスの解放者』
  • 『壊滅』
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