主任夢小説不完全燃焼群   作:鍵主(ゴミ虫)in Hell

1 / 19
初めてのAC小説にして、初めての不完全燃焼小説
悔しい


常演

黒い鳥(レイヴン)さんから預かった手紙を主任に渡すだけの簡単な依頼だった。なんの手紙なのか気になったが、プライベートな物かもしれないのでグッと堪えて目を瞑る。主任は嬉しそうな顔をして手紙を眺めていた。たしか主任は黒い鳥さんのファンだったんだっけ、よく知らんけど。

来た理由は手紙を渡すだけ、本当にこれ一つだけだった。

 

が、一つだけ話したいことがあるのを思い出して主任を呼び止めた。

 

「主任、私言いたいことが一つあって」

 

「な〜に? もしかして戦闘したい♡、とか?」

 

私がACに乗れないことを知ってて言うとは・・・・あと♡を付けるな。私はそういうタイプではない。

 

「いやいやいや、違いますよ。あの、私、主任の演技好きです」

 

「え? いつ演技したかな?」

 

「いや、今もしてるじゃないですか。おちゃらけた感じでさ、話してるじゃないですか」

 

「ん〜〜〜〜? だから、演技ってなにかな?」

 

「意固地だなー! 言ってるじゃないですか! あなたの今の言動が演技だって言ってるじゃないですか!」

 

「・・・・・・・どうしてわかったの?」

 

先ほどまでのおちゃらけた口調とは打って変わり、真面目な口調で喋りだす。カメラ越しに目があるわけではないのでそう感じている、としか言えない。だが主任は自分を見定めている。じっとこちらを見つめて。

 

「あっ!認めてくれたんですね!よかったー!」

 

背中に冷や汗が伝う。いまだにこちらを見定めている視線は相変わらずだ。

いつもの笑顔で平素を装う。無駄な呼吸も、意味のない目配せもせず。

 

「なんでわかったの?」

 

「いやいや、めちゃめちゃわかりやすく演技してたじゃないですか〜! あんなんで気づかない方が不思議ですよ」

 

今の自分の動き、どう見てもオオサカのオバチャンだ。オオサカもオバチャンもよく知らないが。

 

「ふーん・・・・知ってどうするの?」

 

「どうもしませんよ? だって私、主任の演技が好きって言いたかっただけなんで」

 

少し驚いた顔、というか雰囲気を感じた。

 

「えぇ・・・そういうのは大抵弱みを握って脅すとかそういうのなんだけどな〜」

 

「まあ、いいじゃないですか。主任にとって都合の悪いことにはならないんですから。それじゃ、また今度」

 

「ん、じゃあね〜」

 

最後はいつものおちゃらけた口調に戻ってくれた。きっと許されたか興味が湧いてくれたかのどちらかだろう。主任は興味を無くした時の反応がとてもわかりやすい。少なくとも興味が失われたわけでは無いことの安堵で肩を下ろした。

これ以上なにかを言われないために急いで退散したのだが、それは知られていたのだろうか。




2024/8/25
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。