主任夢小説不完全燃焼群   作:鍵主(ゴミ虫)in Hell

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RD視点の話


夜の来訪者

誰かいる・・・・・

 

理由もなくガレージの窓から下を覗くと誰かがいた。夜で電気もろくについておらず、顔はよく見えなかったが自分より一回りは小さいと思った。壁にもたれかかって誰かを待っているように見える。

 

こんな時間に誰かを待っているのか?

 

目を細めて観察していると、

 

「何見てんの」

 

「ぎゃあっ!」

 

主任に後ろから声をかけられた。

 

「なにって・・・」

 

もう一度窓を見やるとそこには誰もいなかった。

 

「さっきまであそこにいた人を」

 

見てると言われてみれば見ているが、見ている判定になるのか怪しい。

 

「人」

 

「オレよりも一回りくらい小さくて性別はわからなかった。知り合いか?」

 

「・・・・あー。まあね」

 

妙な笑いで返事をする主任。訝しむRDはもうすこし攻めた質問をしようと口を開く。

 

「じゃあ

 

 

ガンガンガン

 

 

ガレージのドアを叩く音がする。さっき見た人がノックしているのだろう。

自分より主任が出た方が話が早く済むので親指でドアの方を指す。

 

「はいは〜い。今行きまーす」

 

主任の知り合いで夜にガレージで誰かと待ち合わせをするような人物は一体どんな奴なのかは気になるので、すこし後ろからついていく。

 

ドアの先には目測通り自分より一回り小さい男がいた。女性とまではいかずともオシャレには気を遣っているようで、自分自身の魅力を最大限引き出すようなコーデをしていた。

 

「しゅ〜に〜ん〜。約束の時間になっても来なかったのどうしてですか!」

 

どうやら主任と待ち合わせをしていたがすっぽかされて怒っているようだった。

 

「メンゴメンゴ。今から行こ?」

 

夜も更けてきたと言うのに今から出かけるというのか。どこへ行くのかはさておき、約束をすっぽかされた上に夜遅くに出かけるなんて了承するわけが

 

「はあ・・・じゃあ早く支度してきてください」

 

了承した。

主任は支度をするために奥にある部屋へ行き、ここにはRDと来訪者だけが残された。あちらもRDに気づいているようで、両者ともに気まずい雰囲気に陥っていた。

 

「あー、その。こんばんは」

 

「こ、こんばんは」

 

RDから挨拶をされるとは思ってもいなかったようで、すこし吃るような挨拶を返してきた。

 

「えーっと、オレRDって言います」

 

「あっ、私はフジと申します。その、よろしくお願いします・・・?」

 

聞いたことのない名前なのでAC乗りではないのだろう。調子に乗っているRDも初対面の人には丁寧な口調で挨拶をしていた。

 

「・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・」

 

挨拶が終わったあと、また気まずい沈黙が流れる。

 

「その、主任とのご関係は・・・・・」

 

現在のRDには珍しい、丁寧な言葉で質問をする。

 

「あっ、そのっ・・・・すみません。それは言えません」

 

「えっと、そうですか。こちらこそ言いにくいことを聞いてしまって、その、すみません」

 

結局元の状態に戻ってしまう。天井を見上げたりACを眺めたりして暇を潰す。すこしすると主任が戻ってきた。さっきとは違い、なんだかオシャレな服装だった。RDから見たら、の話だが。

 

「それじゃ、行こっか」

 

「はい」

 

二人ともすこしだけ上機嫌になった気がする。

 

「いってらっしゃい」

 

横並びで歩いていく二人をRDは眺める。二人の関係性はなんなのか、これからどこへ行くのか、そもそもフジとは一体誰なのか。考えてもしょうがないことなので、RDは早々に扉を閉めて自分のACに向きなおる。扉が閉まりきる直前、フジが主任の手を握りしめたのには気づかなかった。




2024/10/8
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