主任夢小説不完全燃焼群   作:鍵主(ゴミ虫)in Hell

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ガチで題名決まってません
センシティブ回避のため黒塗りあります


題名決まらないんで取り敢えず虫の話

「ハッ!」

 

パチン

 

寝る直前に部屋に入ってきた羽虫を潰そうと何度も手を叩いている。そしてついさっき、やっと潰せたところだった。

 

「やった〜!」

 

格闘すること3分、ずっと天井を見上げていたからか首が引き攣るように痛い。まあ、羽虫を殺せたならプラマイプラスだろう。手を洗って眠りにつく。

 

 

夢を見た。

 

 

私は虫を潰している。小さい虫だ。潰していると何か大きなものが迫ってきていた。砂埃が目に入り、痛みを感じた瞬間、私は羽虫のように潰された。

 

 

 

 

 

目覚まし時計が鳴る直前に目が覚めた。直前なので鳴る前に止めることはできなかったが。

流石にあんな夢を見るとは思いもしなかった。食物連鎖のような夢で気色悪くて面白い夢だった。

寝ぼけ眼でベットから立ち上がる。フラフラしながら窓を見るとそこには汚染された砂埃が舞っていた。

 

朝の支度をして朝食を食べる。とはいっても朝食を食べると腹を壊すのでゼリー飲料を一つ食べるだけだ。その頃には目が冴え始めていた。

今日の仕事場は主任のところだ。私はフリーランスの事務員をやっている。自称とはいえフリーランスの事務員ってなんだ・・・・という話をいつかした気がする。

 

慣れた手つきでドアのロックを解除する。

 

「おはようございまーす」

 

最近は主任の企業に依頼されることが多い。たいてい・・・というか毎回主任のいる部署だ。一度だけ主任以外のところに依頼されたことがあるが、その時に社員の方から聞いた話に驚いた。いつも企業ではなく主任が勝手に依頼をしていると言ったのである。開いた口が塞がらなかった。開けてなかったけど。

理由を聞こうとしたら教えてくれた社員が急いで仕事に戻ってしまった。首を傾げながら振り向くと主任がいた。

人殺しを楽しむような奴には近づきたくないよな、わかるよその気持ち。なんだかゾッとする気分だったが、それと同じくらい気分は高揚していった。

昔話はそれくらいにしておいて、私の意識は現実へと戻って行った。

 

ドアを開けると主任が先に椅子に座っていた。主任はAIなので義体というやつを使っているらしい。

・・・・いつ見てもイケメンだな。作り物とはいえ顔だけはいいんだよな、顔だけは。

 

「おはようございます」

 

「久しぶり〜♡」

 

「はは、まさか。昨日も会ったじゃないですか」

 

いつものように茶化してくる。折り畳みの机と椅子を組み立てる。いっつも思うんだけど、この机って意外と重いからよく指挟むんだよな。痛い。

 

この部署はほとんど人が来ない。全員が実働部隊なので基本的にガレージかジムにいるらしい。たまに書類作成などをしに来る人を見るが、顔を覚えられない頻度でしか会わないので、毎回初対面だ。究極の現場主義者な主任がなぜここにいるのかというと、義体はACに乗せないからだ。乗せる意味がわからない、と前に言っていた。出撃の時は義体にコードを差し込んでそこからACに移動するらしい。

 

出勤から4時間、昼休憩に入った。いつもは自宅で作った弁当を食べているのだが、今日は用意するのを忘れてしまったのでそこら辺の店で買ったのり弁を食べた。やはりのり弁は美味い。美味。

 

そういえばだが、キャロルさんはここにいない。いつも電子の方で情報整理?とかをしているらしい。なのでアナログ担当が私になるということだ。主任がやればいいのにと思うが、仕事途中に出動することになる場合が多々あったらしい。なのでフリーランスの私が雇われることになったのだ。仕事の依頼自体はかなり多いので一つ一つが少し安くとも、高くて少ないよりもリピート率が高いので実はかなり儲かっている。だからここもそういう理由でリピートしてもらっていたと思っていた。

お金がもらえるならどうでもいいが。

 

のり弁を食べ終わるとさっさと仕事に戻った。場所にもよるが、依頼された仕事を終えたら時間がどうであれ帰宅してもいいというところがある。ここもそういうとこだった。俄然やる気が出るのでかなり良い仕組みだ。

書類整理、計算代理、名簿確認、その他諸々を任せられる。今日は普段よりも気分がノっているのか、仕事を終えるペースが早い。

 

「お疲れ様〜、まだ仕事いけそうだからこれもシクヨロ〜」

 

主任が仕事の書類をドサっと山盛りにしてきた。その量に驚いて固まっているのを確認すると、主任は席に帰っていった。

さっきまでの書類の量:増えた書類=3:7ぐらいだ。ブラック企業か何かか?

これはもう7時帰宅確定演出だ。このくらいの量になると気分がノっている時でも遅くなってしまう。気落ちしながらノロノロと手を動かし始める。さっきよりも格段に効率が落ちている。

溜め息をつきながらジロリと睨むと、諸悪の根源はニコニコと笑っていた。なんなんだろうか、嫌がらせか何かなのだろうか。

 

7時ごろ、やっと仕事が終わった。途中で仕事を増やされることはなく、最後まで終わらせた。諸悪の根源である主任はこの建物に乗り込んだレジスタンスの対応に行ったそうだ。何をするのだろうか。ナニカサレルのだろうか。拷問とかかなぁ、と思いながら片付けをする。

一度大きく伸びをすると、ドアが開かれ主任が入ってきた。

 

「仕事終わったんだ〜、お疲れサマ」

 

つまらなさそうな顔をした主任に声をかけられて固まってしまった。

主任に帰りの挨拶をされたからではない、主任の服に染み込んだ赤いシミを見てしまったからだ。ちなみに主任がいるときに退勤すると普通に挨拶 してくれる。

 

「もしかして、これにビックリしちゃった?」

 

主任はわざわざシミのあるところを見せてきた。あのシミは十中八九、拷問されたレジスタンスの血液だろう。とはいえこんなディストピアみたいな世界だ。というかディストピアだ。そもそも自分の血で見慣れているので『うわっ』と思うぐらいだった。その反応を知っているからこそ見せてきたのかもしれない。でも普通に嫌がらせなのでやめてほしい。

 

「いえ、特には。それってレジスタンスの血ですか? 死因は拷問死ですか?」

 

普通にどういう拷問をしたのかが気になるので聞く。想像したのはレジスタンスの⬛︎⬛︎を⬛︎り⬛︎⬛︎したり、⬛︎を⬛︎⬛︎したり、⬛︎⬛︎を⬛︎り⬛︎⬛︎て⬛︎⬛︎るとかだと思った。ちなみに、どんなに屈強な人でも精神的に効く拷問は自分の体の一部を目の前で喰われることらしい。はい。

 

「あー・・・ちょっとグロいかもよ?」

 

「うーん、例えば⬛︎⬛︎を⬛︎り⬛︎⬛︎したり、⬛︎を⬛︎⬛︎したり、⬛︎⬛︎を⬛︎り⬛︎⬛︎て⬛︎⬛︎るとかですか?」

 

「いや・・・・さすがにそこまではしない・・・・でも⬛︎⬛︎るってとこは少しだけ掠ってるね」

 

ああからさまにドン引きしている。さすがに全ては違ったらしい。だが何かを⬛︎⬛︎たらしい。さすがに⬛︎⬛︎ではなかったか。そこを⬛︎⬛︎り⬛︎⬛︎れたら死んでしまうからか。

 

「それで、どうなったんですか? 情報吐いてから死んだんですか?」

 

「いや、吐かなかった。断末魔らしい断末魔も無かったし、つまらなかったな」

 

「だからつまらなさそうな表情してたんですね」

 

主任は部屋に入ってきた時、かなりつまらなさそうな表情だった理由がやっとわかった。主任はつまらない時の表情がわかりやすい。それだけだが。

 

「それでは帰りますね。お疲れ様でした」

 

「お疲れ様。気をつけてね〜」

 

 

普段の言動から稀によく主任にドン引きすることはあっても主任がしたのは見たことがなかった。

まさか私が原因になるとは思いもしなかった。ちょっと可愛らしかった。いやいやいやいや、可愛らしいだなんて言葉は主任には似合わないだろう。

首を振って否定する。面食いといえど、あの顔でドン引きされたとしても性格が終わってる。性格が終わってることを念頭に置いて平静を保つ。

疲れているのだろう、今日はもう寝よう。夕飯を食べることも、風呂に入ることも忘れて布団に飛び込む。

 

耳元から羽音がして、何も見ずに手を叩く。

グチャリと嫌な感触がしたが目を瞑った。

 

 

夢を見た。

 

 

昨日見た夢と同じだ。

虫を潰している。小さい虫を潰して潰して潰していると

 

 

 

潰された。




2024/9/5
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