仮面ライダー刀刃(ヤイバ)   作:禍津日

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第陸話『魔獣決戦』

「仮面ライダー宵闇、参上ってね。さあ、二ラウンド目だ」

 

全身を黒ずくめで固めた夜の戦士は、マントを翻すと敢然と魔獣に立ち向かっていく。

魔獣は腕が十本あり、顔全てが眼で覆われた怪物だ。その腕が一斉に宵闇を標的に打ち出される。

それを宵闇は全て刀で軌道を逸らして命中を避けると、照準を狂わされた腕は誰もいない地面を打ち据えるのみで、土煙が舞う。

 

土煙を切り裂くように跳躍した宵闇はガードが甘い魔獣の黒い体毛に覆われた箇所を刀で切り裂く。が、空中で刀を振り抜くのに力が入らないからかその傷は浅い。

魔獣はすぐさま目から熱線を放って宵闇を焼こうとする。

 

「無限の闇の前には、あらゆる物がその意味をなさない」

 

宵闇が装甲同様に漆黒のマントを熱線が着弾するタイミングで振る。

すると、熱線が反射されて逆に魔獣の眼をいくつか灼いた。

魔獣が苦痛に呻く間に踵を返した宵闇は白雪を抱えて遠くへ避難させる。

 

「どうしてここに・・・?」

「大切な《姫》の危機とあらばナイトである僕様は駆け付けるのさ。・・・と言いたい所なんだけど、藤林に頼まれてしまったからね。状況は・・・あまり芳しくないようだけど」

「あれは、一体・・・?魔人ではないのですか・・・?」

 

白雪は少し遠くで雄叫びをあげる魔獣の姿を見る。それは意思疎通が取れた魔人とは違い知性も理性も感じられない、獣のような怪物だ。

魔獣は一瞬で視力を回復させると、十本の腕を巧みに動かして地面を跳ねるように移動する。

 

「おっと・・・。話し中だ、そこで少し良い子にしてもらおうか」

 

空から無数の黒く、巨大な槍が降ってきて魔獣の腕を全て地面に縫い付ける。

これは宵闇が指を弾いただけで起きた現象だ。白雪は改めて彼の術の練度の高さに舌を巻く。

実力だけなら《祓》最強と称される《五刀》を凌ぐと言われるだけのことはある。

 

《五刀》とは《祓》に所属する《刀》の中でも指折りの実力者として知られる、人の身でありながら人を超える程の力を身に着けた者たち。

それ故に彼らが投入される任務は大概が魔人に関連するものが多数で、今回は全員が別件を抱えているために《五刀》に比肩しうる存在として榊────仮面ライダー宵闇が派遣された、ということなのだろう。

 

「あれは、そうだね・・・。魔人の成れの果て、生命の残滓。本能のままあらゆるコトダマを集めようとする・・・可哀想な獣、魔獣さ。だからアレはさっさと倒さないといけない」

「分かりました。微力ながら、私も助太刀します。《姫》として迷える魂を祓う事も、私の使命ですから」

 

白雪は刀刃・氷刀に変身すると、刀を腰から抜き放ち宵闇の隣に並ぶ。

戒めを自力で解いた魔獣は牙を剥き出しにして叫び、刀刃と宵闇に攻撃を開始した。

 

かくして、正真正銘の魔人との最終決戦が始まる。

 

 

*******

 

「うーん・・・彼が出てきちゃったか。困りましたね」

「《姫》一人でも厄介なのに困るわねぇ。ああん、その種をこの胎になみなみと注いでほしいわぁ。きっと素敵な子供が生まれるはずよぉ」

「貴様のだらしないそこで、達する男が、いるものか」

「失礼しちゃう。にしても、どうするぅ?せっかく産まれた魔人ちゃんが呆気なく倒されちゃったらつまんないわよぉ」

 

三人の魔人が見下ろす下界では、自我を失って暴走する魔獣相手に二人の仮面ライダーが互角に戦っている。最大の武器の十本の触手のような腕の内、既に半分の五本が切断されている。

このままではじきに討伐されてしまうだろう。

 

「まぁ?期待外れの子だったから死んでもらっても構わないんだけど?連中に花を持たせるっていうのも癪よねぇ」

「弱い者は死ぬ、自然の摂理」

「ではここは私が動きましょう。実験体の戦闘データを得なければならないですし」

「じゃあ私もぉ・・・かわいい子供たちで他の街を襲っちゃおうかしらぁ?」

 

魔人たちは狂気を孕んだ笑みを浮かべ、戦況を混沌へと変えていく・・・。

 

 

*******

 

「よっと、ほっ・・・。あはは、なかなか君強いねえ」

 

魔獣が地面を叩いて発生する衝撃波を避けながら、宵闇は不敵な笑みを浮かべる。

所詮は産まれたて、と侮っていたが認識を改めなければ。

実際、まだ宵闇は準備運動程度の実力しか出していない。

 

「ふざけてないで、真剣に戦って下さいッ!!」

「やれやれ。ウチの姫は気が強い」

 

魔獣の攻撃を刀で防ぎながら、刀刃が宵闇への不平を口にする。

宵闇は肩を竦めると、地面を強く蹴って夜の街へと高く舞い上がった────!

 

「とおッ!!・・・ん?」

 

魔獣の頸に刀を振り下ろそうとして、瞬間、ガクン、と宵闇の身体が重くなる。

その一撃は空を切り、逆に魔獣の反撃を喰らってしまう。

 

(何だ、これは────?)

 

魔獣の打撃を刀で受け止めたが、衝撃で遠くまで飛ばされてしまう。

くるくると空中で回転し、その場で着地。

 

「・・・!?」

 

地面に足をつけたまさにその時、流星群のような弾丸が宵闇目掛けて執拗に降って来るではないか。だが、宵闇は慌てることなくコトダマトウに緑色のコトダマ『膜コトダマ』を装填し、能力を解放する。

宵闇が刀を魔法のステッキのように振るうと、彼の周囲に夜空を思わせる薄い膜が出現、流星群を全て受け止める。

爆発の際に生じた白煙が晴れると、彼の眼前に新しい言魔が立っていた。

 

「ふーん?『所長』の手先かな?新しい実験体ってとこだね」

 

宵闇は冷静にひとりごちると、襲撃者を観察する。

それは辛うじて人の形を保っているだけで、醜悪な外見をしている。

肩には無理やり縫い付けられたとしか思えないレーダーが接着されており、縫合が雑だったのか怪人が身動ぎをするたびに血を流している。が、全体的なシルエットは猫のそれだ。

しかし、その手の爪は獲物をより苦しめられるように傷口に突き刺さって肉をズタズタにする形状になっている。

 

デザイナーの酷薄かつ残忍な性格が表れているその言魔は、猫言魔に強制的に別のコトダマを外部から移植する改造手術を施した二種合成言魔、あえて名づけるなら(キメラ)言魔。

 

「また趣味の悪いデザインだねえ・・・。猫ちゃんが泣いてるぜ」

 

言魔はレーダーを操作すると、周囲の瓦礫を宙に浮かばせ、頭上へと打ち上げる。

すると、爪を構えて宵闇に突進してくる。

 

「気が進まないけど、倒すしかない、か。悪い《姫》!一人で魔獣の相手をしていてくれ」

「分かりました!!なるべく早く戻ってくださいよ!」

「大丈夫・・・すぐ終わるよ」

 

宵闇はだらりと刀を構えると、その身体が消える。

少し遅れて言魔の肩のレーダーが粉々に破壊され、言魔がダメージを受けた肩を手で庇う。

宵闇は何もコトダマを使っていない。単純に地面を蹴って走っただけだ。

言魔は慄然とする。全く、見えなかった・・・。

 

レーダーが破壊されたことで制御ができなくなり、瓦礫が空から地面に降り注ぎ、地面を穴だらけにしていく。宵闇は肩のそれが術をコントロールするための制御装置だと看破していたのだ。

 

「無理やりコトダマをくっつけても術なんか使える訳ないじゃん。だから機械的に術を発動するのをサポートするしかない・・・って感じかな?そうでしょう!いるんでしょ『所長』?」

「やはりあなたではデータの計測には向きませんね、宵闇さん」

 

何もない空間が揺らぎ、そこに緑色の魔人が姿を現す。

彼は特に強大な魔人の一人で、その異名は『所長』。

狂気の実験を行い続ける至上のマッドサイエンティストだ。

 

「機械で術式をサポートするってアプローチは僕様も悪くないと思うよ?でもさ、これ見よがしに目立つ機械が付いていればそこが弱点かなって分かるでしょ。で、何のコトダマを植え付けたのかな?『重力操作』の能力だから・・・”重”?それとも”降”?」

「前者です。ふむ・・・。あなたのその意見には一考の余地がありますね。体内に演算処理装置を埋め込むか、それとも・・・?また実験を再開しなければ。ああ、もうその失敗作は不要なので殺処分よろしく」

 

伊達眼鏡の奥の瞳を好奇心で輝かせると、『所長』は去っていった。

相変わらず人を食ったような性格の────彼は文字通り人喰いの怪物なのだが────男だな、と宵闇は苦笑いを浮かべる。彼とは実に長い付き合いだった。

 

「んじゃ、よろしくされちゃったから祓わせてもらうぜ。悪く思わないでおくれよ?」

 

宵闇はコトダマトウを肩に担ぎ、殺コトダマを投げて刀に装填。バックルをハンマーで軽く叩き、必殺技を発動させる。

言魔は勝機がないと悟り逃走を図ろうとするが、足がズブズブと地面に沈んでいき逃げる事ができない。否、これは闇だ────。どこまでも続く、底なしの漆黒。

 

「《闇・刀・殺 深淵黒夜・奪命斬》」

 

宵闇は一切その場を動かず、ただ刀を振るだけだ。それなのに言魔の身体が左右にズレ、そのまま深い闇の底へと落ちる。一撃必殺の不可視の斬撃、宵闇が編み出したオリジナルの技だ。

 

「ふいー、じゃあ姫の援護に行きますかね、と」

 

宵闇はマントを翻し、魔獣に苦戦する刀刃を援護しに向かう。

 

 

 

「ぐうううッ!!」

 

刀で攻撃を捌き損ねた刀刃の身体に魔獣の腕がめり込み、ビルの中に叩きこまれる。

ここは、どこかの会社のオフィスだろうか、戦闘の余波で書類が至る所に散乱している。

刀刃はむくりと起き上がると、周囲を見回す。刀がどこにもない。

飛ばされる過程で、どこかに落としてきてしまったのだろうか。

 

「魔獣・・・厄介な」

 

刀刃は忌々しげに呟いた。彼女が魔人と交戦するのはこれが初めてだった。

ここまで強敵だとは正直思ってもみなかった。

だが、ここで怯む訳にはいかない。自分は《刀》、言魔を狩り、人を守るのが使命。

窓から飛び降りると、地面を転がって衝撃を吸収する。

 

幸い、付近にはまだ刀が刺さっている。手近な一本を引き抜き、無差別に周囲を破壊し続けている魔獣を睨む。一体、この怪物は何が目的なのだろうか。

 

「やあ、御無事で何よりだ」

「宵闇、どうすればアレを倒せるのですか?」

 

うーん、と宵闇が唸る。そこに再び敵が現れた事を認識した魔獣が光線を放ってくる。

二人は一跳びでビルの屋上まで移動し、体制を整えた。

 

「多分必殺技を打ち込めば・・・だけどたくさんコトダマを取り込んでいるからねえ。核を壊さないことには」

「では、私が氷力の力で魔獣を粉砕します。討ち漏らしたら残りをあなたが」

「オーケー、それでいこう。腕を全部落として、その間に懐まで入る感じで」

 

手短に作戦会議を終え、魔獣に飛びかかる。魔獣はその黒く、グネグネとした腕で迎撃しようとするが、刀刃が宵闇に速コトダマを投げ渡して形態を変化、宵闇・闇速となってその腕を瞬く間に斬り落とす。

宵闇・闇速は高速移動に邪魔なマントがなくなり、装甲が胸部を覆うプロテクタのみになった姿。

刀刃が作戦通りにがら空きの胴体に滑り込み、刀刃・氷力に変化、分厚くなった装甲の手で刀を両手に強く握りしめ、必殺技を発動する。

 

《氷・力・殺 氷華満面・剛力殺》

 

「せええええええええッ!!」

 

その凄まじいまでの膂力に物を言わせて魔獣の腹から顔に至るまでを切り裂いていく。

ズブリ、と何かに触れる感触を腕に感じ、さらに力を込める。

それは魔獣の、魔人の核だ。それが跡形もなく破壊され、ついに魔獣が断末魔の叫び声をあげる。

やった。ついに魔獣の討伐を成し遂げたのだ。勝利の感覚に心が湧きたつ。

魔獣の身体が崩壊していく。もう形態を変えて暴走する心配もなさそうだ。

 

(後は、重傷の癒を病院へ運ぶだけですね・・・)

 

長い浮遊感の後、刀刃は地面に着地する。街は悉くが破壊され酷い有様だが、もう大丈夫だろう。

変身を解こうとして、宵闇が遠くから何かを叫んでいるのが分かる。

だが、何を言っているかまでは・・・。

 

直後、崩壊したはずの魔獣の核が爆発を起こし、周囲が爆炎で吹き飛ばされる。

その中にいた刀刃をも巻き添えにして・・・。

 

 

*******

 

物凄い音がして、健斗は目が覚めた。傷が痛むから、まだ眠っていたかったのだが・・・。

健斗は自分の身体の感覚がほとんどなくなっていることに気づいた。

どうやら、もう手遅れらしい。

 

(はは・・・。結局、僕、何にもできなかったなあ)

 

魔人には軽く一蹴され、こうして死にかけているのだから。

霞みゆく視界に、荒廃した街が飛び込んでくる。大勢の命が失われているのが何となくだが分かった。魔人は、言魔は、人の命だけじゃなく、そこから産まれるだろう人の幸せをも奪ったのだ。

怒りが湧いてくる。言魔への怒り、弱い自分への怒り。

 

(ん・・・?何だ、あれ?)

 

地面に横たわる、ズタボロの少女。腕は見るも無惨に千切れ、顔は火傷で爛れ、腹に鉄骨が突き刺さっている。鉄骨がゆっくりと引き抜かれるが、そこからは噴水のように血が噴き出していく。

どこからどう見ても、最早助からないのは明白だ。

だが、しかし。あの少女、どこかで見覚えがあるような・・・。

そんな死に体の少女に縋りつく白髪の少女、少し離れた所で項垂れる長身の男性。

あれは恐らく白雪と、《黒》の榊のはずだ。じゃあ、今倒れているのは・・・?

 

『ありがとう。何か、気持ちが楽になった気がするわ』

 

任務の残酷さに泣いていた少女。使命と復讐心の狭間で揺れていた少女。

そうか、あれは・・・。

 

(優月、ちゃん・・・!?)

 

水族館で行動を共にした少女、病葉 優月は現在死の淵にいた。爆発が刀刃を呑み込むまさに寸前、彼女を突き飛ばして自分が爆発に巻き込まれてしまったのだ。

お陰で白雪は助かったが、優月は致命傷を負ってしまっていた。

 

助けないと・・・。助けないと。自分にできるのは、それだけだから。

何で助けたいと思うのだろう。何で・・・?

 

(わかんないや。わかんないけど、優月ちゃんには生きていてほしい)

 

健斗は仮面ライダー癒。人を救い、癒す剣士。だから、立ち上がる。

他に理由は必要ない・・・。

 

最早感覚が半ば消えた身体で立ち上がり、治コトダマと予備用に支給されているもう一つのコトダマをバックルに装填、血塗れの手でハンマーを叩く。

 

「・・・変身」

 

《治と治 全てを癒す救いの大地!》

 

緑色の装束が、健斗の身体から流れ続ける血液を吸って赤と緑が入り混じったグラデーションの姿の、どこか宗教画で描かれる天使を思わせる仮面ライダー。

万物の救済者、その名は仮面ライダー癒・双治。

彼がふらつきながらも歩を進めると、ひび割れた大地が瞬く間に癒され、緑に染まり、胤が芽吹き、大輪の花を咲かせる。死にかけた土地すらも瞬時に命の満ち溢れる花園に変えながら、癒は歩く。

花を自分の血で赤く染めながらも、倒れそうになりながらも、歩みを止めることはない。

 

「癒・・・!?その姿は」

「・・・死ぬ気か?」

 

榊の声にハッとする。そうだ、自分は死ぬつもりなんだ・・・。

でも、後悔はない。何も成せずに死ぬくらいなら、人を助けて死んだ方がいいに決まっている。

自己満足だし、身勝手なのは百も承知だ。でも、人は自分の生きたいようにしか生きれないから。

治コトダマを扱えるのも、自分の怪我だけは治せないのも、今この瞬間、彼女を助けて死ぬためだったんだろう。

 

なら、後悔はない。癒は必殺技を発動する。

 

《治・治・殺 極楽浄土・涅槃創世》

 

刀を軽く優月の腕に刺す。もう流れる血がほとんど残っていないのか、刀が腕に沈んでいっても血が出てこない。だが、関係ない。最期の力で、生命の力を注ぎこむ。

 

「そんなことをしたら、あなたが!?」

 

白雪が止めようとするが、癒は優月を癒し続けた。自分の命の灯火が、消えるまで。

 

(ああ、でも・・・)

 

死ぬことに未練はないつもりだったが、一つだけ心残りがあるとすれば・・・。

 

(もう一度、優月ちゃんと水族館に・・・)

 

そう思ったのは初めてで。もしかしたら、それは・・・。

 

そこまで考えて、癒の意識は永久に閉ざされた。

 

 

 

 

『起きて』

 

『優月ちゃん、起きて』

 

「う・・・ん」

 

安心する柔らかい声を聴いて、優月は目を覚ます。

ここは病室だ。何故か枯れた花が部屋の隅にある花瓶に飾られている。

カーテンに遮られているものの隙間から光が漏れているから、昼間なのだろう。

ベッドから上体を起こすが身体はどこも痛くないし、傷も一つもついていない。

なのに何故、病院にいるのだろうか・・・?

 

「そうか、私は・・・」

 

咄嗟に白雪を突き飛ばして、爆風に巻き込まれて・・・。

じゃあ何で、助かったのだろうか?

そう考えていると、扉が開き、白雪が入ってくる。

 

「目が、覚めましたか・・・」

「そっか、魔人、倒したんだよね」

「ええ。大変でしたが、何とかなりました」

 

白雪に見た限りでは目立つ怪我はなさそうだ。

しかし、どこか疲れているような、何かを言い淀んでいるような様子だ。

いつも冷静な白雪らしくない、そう優月は思った。

そういえば、彼は・・・健斗はどうなったのだろう・・・?

 

「村雲君は、どうなったの・・・?」

 

薄々、その答えは予想していたものだったかもしれない。

でも、もしかしたら。そう思ったから。

白雪は俯きがちにだが、はっきりとした声で言った。

 

「・・・死にました。あなたを命懸けで、治して」

「え・・・?」

 

点滴の垂れる音が、やけによく聞こえた。

 





枯れた花が花瓶に飾ってあるのは、癒・双治が歩いた時に咲いた花が彼が死んで枯れた花をそのまま花瓶に飾っているためです。
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