メルファリア~第Ⅱの人生~ 作:Vermillion
[Sergeant司令室]
コンコン・・・
シグルス「Sergeant司令。」
Sergeant「はーい。どうぞー。」
ガチャッ
Sergeant「いらっしゃい。シグルス。今日は朝からどうしたの?」
シグルス「今日は君の司令服を持って来た。」
Sergeant「私の司令服?」
シグルス「そうだ。いつまでもその恰好で、戦場に立たせるわけにも行かないからな。
司令官はこの服を着用することを義務付けられている。」
Sergeant「この服をねぇ・・・。」
シグルス「あぁ。君のは特注品だった為、作成には時間が掛かったが
ようやく一着一式揃えることが出来た。」
Sergeant「特注って・・・主に胸元・・・胸囲部分よね。」
シグルス「そうだ。・・・・・・どの仕立て屋に聞いてもその脅威の胸囲サイズが入る
司令服が見当たらなかった。・・・とりあえず着てみてくれ。」
Sergeant「え? 今? それと、今のは笑いを取りに来たの? 胸囲と脅威を
掛け合わせて? 正直、寒―――」
シグルス「・・・私は少し退出しよう。呼びかけるから着替えたら教えてくれ。」
Sergeant「・・・わかったわ。着てみるだけ見てみましょ。」
シグルス「では。」
バタン
Sergeant「・・・蛾みたいな制服ね。」ヌギヌギ・・・
パサッ・・・
Sergeant「よい・・・しょっと・・・。」スッ
Sergeant「・・・胸がきついわ・・・。
やっぱり蛾ね。シグルスー。着たわよー。」ペラペラ・・・
ガチャッ
シグルス「ふむ。なかなか、見栄えるようになったぞ。Sergeant司令。」
Sergeant「そう。それじゃ、早速脱いでも良いかしら?」
シグルス「・・・は? 何を言っている?」
Sergeant「脱ぐのよ。この司令服から普段着に着替えるために。」
シグルス「Sergeant司令。その服は・・・。」
Sergeant「司令官専用。しかも、義務付けられている服でしょ?」
シグルス「なら言いたいことは分かるな?」
Sergeant「えぇ。でも・・・この服は・・・ちょっと・・・・・・。」
シグルス「・・・何が嫌なんだ?」
Sergeant「言っても良いのかしら?」
シグルス「あぁ。君の意見を聞いておこう。」
Sergeant「じゃ、言わせてもらうけど・・・これは戦場にも着て行く物よね?」
シグルス「あぁ。そうだが。」
Sergeant「『司令官が』着て行くものよね?」
シグルス「そうだと言っている。」
Sergeant「・・・この制服は、その司令官を的にするコンセプトの元に作られているの?」
シグルス「Sergeant司令。わかりやすく、簡潔に述べたまえ。」
Sergeant「こんな目立つ服装で戦地へと赴くなんで、バカなんじゃないの?
司令官は私です。って大広げに敵味方関係なく教えているようなものじゃない。」
シグルス「・・・。」
Sergeant「こんなのを着て、私達の戦場に来たら完全にただの
わかりやすい
しかも、こんな・・・白と紅芋タルト色のようなデザインで
森林、山岳、市街地戦は無理として、雪山戦で使えるんじゃないかと
考えたけれど、この紅芋タルト色のラインがそれを邪魔しているわ。
大体ね。なんでマントの装着も義務付けられているのよ。マントってのは
一見見栄えは良いかもしれないけど、戦場では邪魔な装飾品にあげられるのよ?
しかも足もとまで隠す普通のマントなら防寒対策やら、風呂敷きやらなんかに
併用して使用できるけど、このマント堅甲骨までしか隠れてないじゃない。
しかも紅芋タルト色の線が入っているから、見栄えは悪くて蛾のようになって
いるし・・・何らかの防水加工がしてあると思って水につけてみたら吸収して
余計に重くなっただけで何の効力も発揮しないし。コレを最初に作って、
採用した人間の顔が見てみたいわ。」
シグルス「・・・。」
Sergeant「まだあるわよ。シグルスが履いているズボンだけど。
それに関しては素晴らしい司令服の一部だと思うわ。でもね?
私たち。つまり、クリィム司令も履いているこのスカート。もう一回言わせて
貰うけど、設計して採用した人たち、【バカ】なんじゃないの?
なんで、こんなに短いのよ。何? 萌え。萌えでも追求したの?
もう・・・ホンッッッッッッットに【バッカ】じゃないの?!
戦場。戦場に行くのよ? 私たち、戦場に行くのよ? 合懇や大学に行くんじゃ
ないのよ? 命の。やり取りを。する。『せ・ん・じょ・う』に行くの!!。
それなのにこんなに足を露出させて。何? 動きが取りやすいように、
ミニスカートを選んだ? ねぇ、本当にその設計者と採用者を思いっきり
殴っても良いかしら? 別にロングスカートでも側面にスリットを入れれば
問題解決じゃない!! 頭を使いなさいよ。もっと頭を!! そもそもね!
敵を欲情させて何がしたいの? か弱い女の子を演じて『助けて、許して』って
言いながら、パンチラでもするの? それで、危機を乗り越えられるとでも?
【バカでしょバカ!!】世の中ね、そんなに甘くないのよ! 完全にR-18ルート
確定じゃない!! そうね・・・別作品で例えるなら・・・オークと女騎士状態よ。
それとこのパンティストッキング・・・男を欲情させるのには向いているわね。
パンスト破りのサービスでも始める気?
つまり、私が何を言いたいか。戦場に行くならもっと適した服装があるでしょ
って話! 私たちがズボンを履くことを禁止されていると言うならば、せめて
ミニスカートじゃなくてロングスカートに変えなさい! 緊急回避行動しても
怪我をしないロングスカートに!!」クワッ
シグルス「・・・・・・。」
Sergeant「・・・はぁ・・・。わかってもらえた? シグルス。」
シグルス「あぁ。君の意見はよく分かった。」ウンウン
Sergeant「久々に、本気で
シグルス「私もだ。久々に誰かから怒られた気分だ。」フゥ・・・
Sergeant「それで・・・もう着替えても良いわよね?」
シグルス「いや―」
Sergeant「頭に乗せたプチ王冠とマントについて、割愛した部分――」ニッコリ
シグルス「と、とりあえず、今日1日だけ。
1日だけでも良いから服を着ていてくれないか。
今日は何処にも行かないのだろう?」
Sergeant「・・・予定ではそうだけど。」
シグルス「ならば、1日だけでもいいから着ては貰えないだろうか?」
Sergeant「・・・わかったわよ。1日だけよ。もう・・・なんか、朝から疲れたわ・・・。」
シグルス「・・・私もだ・・・。最近、胃が痛くて仕方ない。」
Sergeant「はぁ・・・。」
シグルス「はぁ・・・。失礼するぞ。Sergeant司令。」
Sergeant「・・・えぇ。」
バタン・・・
Sergeant「・・・。みんなの所に行こうかしら・・・。」
[寮・宿舎・団らん場]
Sergeant「はぁ・・・。」
アンソニア「Sergeant司令がため息をつくなんて珍しいっスね。
なにかあったんっスか?」
フォビドゥン「にゅふふ。わたし達で良ければ相談に乗りますよ~。」
ワイバーン「丁度、暇していた時にお前が来たからな。」
Sergeant「なら・・・ねぇ。この服、どう思う?」
アルモニカ「・・・。シグルス司令やクリィム司令が着ている司令服ですよね!
わたしはカッコイイと思いますよ! はい!」
Sergeant「・・・絶対に他の司令には言わないから、正直に言ってほしいわ。
この服、どう思う?」
アルモニカ「・・・いやー・・・。ちょっとマントの形が良くないなぁ・・・
とは思いますけど・・・似合っていると・・・思いますよ?」
Sergeant「・・・3人は?」
フォビドゥン「うにゃー・・・。司令は足や腕が長いからですかねー・・・。
ちょっとその制服だと、露出面積が多いと思います~。
ハーミールには、敵いませんけど・・・。」
アンソニア「こんなこと言うのもアレっスけど・・・色が悪いっスね・・・。
深紫色が特によくないと思うっス。」
ワイバーン「目立つ点を見れば、わかりやすいから良いと思うぞ。」
Sergeant「・・・そうよねぇ・・・。」
フォビドゥン「もしかして、悩み事って・・・。」
Sergeant「そう。この服に関してよ・・・。」
ワイバーン「結局のところ。お前はその服に関してどう思うんだ?」
Sergeant「一言で言えば『最悪』よ。デザインも、機能も、性能も・・・
全て最悪・・・。普段着の方が落ち着くわ・・・。」
アルモニカ「だったら、普段着を着ればいいだけの話じゃないですか!
これで万事解決ですね!!」
Sergeant「それがね。そうもいかないのよ・・・。
なんだか、上の方で決まっているみたいで・・・。」
フォビドゥン「あー・・・。」
ワイバーン「・・・制服と言ったやつか。」
Sergeant「はぁ・・・。」
アンソニア「だったら、ここに居る時はその服を着て、出かける時や、
戦場に出るときは普段着に着替えればいいんじゃないっスかね?
ほら・・・茂みとかに隠れて着替えたり・・・して。」
アルモニカ「おおっ! なかなか良い案ですね!! どうです軍曹殿?!」
Sergeant「・・・。」
フォビドゥン「・・・。」
ワイバーン「・・・。」
アンソニア「だ、駄目っスかね?」
Sergeant「アンソニア・・・。」
アンソニア「ウ、ウス・・・。」
Sergeant「その発想はあったけど、実行するまでには至らなかったわ。
アンソニア、貴方最高よ。そうね。上手く使い分ければ・・・
それにこの制服で・・・ふふふっ。ふふふふふふふっ。」
ワイバーン「・・・また何か思いついたのか?」
Sergeant「えぇ。ワイバーン。この服は目立つのよね?」
ワイバーン「あ、あぁ。森林で、フォビドゥンとお前どちらを見つけやすいか
と言ったら、その服を着たお前の方が断然見つけやすいぞ。」
Sergeant「ふふ。ふふふふふふふっ。
ありがとう、4人とも。また新しい発想が浮かんできたわ。」
アルモニカ「・・・? 何を思いついたんですか?」
Sergeant「ちょっとした作戦よ。その時になったらまた教えるわ。
そうと決まったら、こうしてはいられないわね。同じものを作らなきゃ。
ふふふっ。ふふふふふふっ。笑いが止まらないわ・・・。」
フォビドゥン「あ、司令~。買い物に出かけますか~?」
Sergeant「えぇ。材料を少し買いに城下町に出るわよ。」
フォビドゥン「なら、一緒に同行しますよ~。布類が安い店を知ってますから
一緒に買いに行きましょ~。」
アンソニア「あ、オレも行くっス。荷物持ちとか必要っスもんね。
手伝いますス。」
アルモニカ「わたしはココに残りますね。プレート元隊長に用がありますので。
ワイバーン殿はどうしますか?」
ワイバーン「・・・。・・・Sergeantに付いて行く予定だ。」
Sergeant「それじゃ3人とも、正面玄関で待っていて。
私も準備したらすぐに行くから。」
[正面玄関]
Sergeant「アンソニア、フォビドゥン、ワイバーン!」
アンソニア「来たっスね。」
フォビドゥン「やっぱり司令は普段着の方が似合いますね~。うん。似合ってます。」
ワイバーン「司令服は手に持っているのか。」
Sergeant「えぇ。型取りするのに必要だからかしらね。
さてと。それじゃ、城下町に行きましょうか。」
[城下町]
フォビドゥン「にゅふふ~。こっちですよ。こっち~。」
Sergeant「また裏路地にある店舗?」
フォビドゥン「いえ、こっちを通った方が近道なんですよ~。」
アンソニア「フォビドゥンって、色々な道を知ってそうっスね。」
フォビドゥン「はい~。大体の道は知ってますよ~。
兵士になった頃はよく城下町を探索しましたからね~。
迷路みたいで面白かったです。」
ワイバーン「子供の頃じゃないのか?」
フォビドゥン「あ、わたし森育ちなので~ 13歳までは森で過ごしてました~。
皆さんはどう過ごしてましたか~?」
アンソニア「オレは普通に城下町で過ごしてたっスね。
フォビドゥンみたいに、遠くまで外を探検したりしてないっスけど・・・。」
ワイバーン「ワタシは山賊の生活から抜け出したくて必死に勉強していたな。
まぁ、結局山賊になって、今はSergeantの部隊で副部隊長を
務めている訳だが・・・。」
Sergeant「へぇ・・・。」
フォビドゥン「司令は子供の頃はどんなでした~?」
Sergeant「わ、私!?」ビクッ
アンソニア「あ、それオレも聞きたいっス。どんな子供時代を過ごしたっスか?
Sergeant司令は。」
ワイバーン「お前の子供時代か・・・確かに。興味はあるな。」
Sergeant「え、えぇ? 子供時代? 子供時代よね・・・?
子供時代は・・・あまり覚えていないわ・・・・・・。」
フォビドゥン「またまた~誤魔化そうとしても駄目ですよ~。
司令は10年前ぐらいの記憶でしょ~。どうだったんですか~?」
Sergeant「ええっと・・・子供時代ねぇ・・・。ええと・・・。
姉や妹が沢山居たわね。えぇ。」
アンソニア「それだけっスか?」
ワイバーン「姉妹だけだったのか?」
Sergeant「ええっと・・・。兄や弟も居たような・・・。アレ?
どうだったかしら?」
フォビドゥン「思い出せないんですか~?」
Sergeant「えぇ・・・何せ、兄弟姉妹と一緒に居たのは1週k・・・3ヵ・・・
3年だったから・・・。」
アンソニア・ワイバーン・フォビ「「「3年!?」」」
Sergeant「あ、間違えたわ。8年ね。8年・・・。短かったから、あまり記憶にないのよね。」
ワイバーン「びっくりしたぞ・・・3年では、まだ赤ん坊とそう変わらないからな。」
アンソニア「8年でも十分早いと思うっスよ?」
フォビドゥン「でも8年ですか~・・・早いですね~。
あ、ここですよ。ここで買うと安値で布が買えてお得なんですよ~。」
ガチャッ
アンソニア「様々な布があるんスね~。」スッ・・・
フォビドゥン「あ、触っちゃダメです!」
アンソニア「えっ。」ビクッ
フォビドゥン「ちょっと、ここだと多くは話せないので一緒に外に来て下さい。」
Sergeant「え、えぇ・・・。」
バタン
フォビドゥン「この店に入るときの規則を教えますね~。」
ワイバーン「規則があるのか!?」
フォビドゥン「はい~。ます、触ると手垢が付いたって言われて、その部分まで
買い取りなんですよ~・・・だから、買いもしないのにお触りは禁止なんです。
わたしも初めの時は驚きましたけど よく考えてみれば確かにその通り
なので何も言い返せなかったですけどね~。」
ワイバーン「・・・つまり、触らないようにすればいいんだな。」
フォビドゥン「あ、でも。」
ワイバーン「でも?」
フォビドゥン「体が付いてもアウトです。買い取りです。」
Sergeant「体の汚れが付着・・・時には油が付くものね。」
フォビドゥン「その通りです~。」
アンソニア「他には何かあるんっスか?」
フォビドゥン「店内での長時間のおしゃべりも禁止です。これは唾や唾液が飛ぶ
からですね~。唾や唾液は水分で染みてしまうので、多い面積の
買い取りになるので注意が必要です~。」
フォビドゥン「あとは、咳とかくしゃみも駄目です・・・。場合によってだと買い取り
範囲が膨大になる可能性も~。」
フォビドゥン「・・・うーん・・・。あとは・・・大丈夫ですけど、飲食ですかね?
禁止です~。もう、油ものが大変で・・・。1ロール丸々買い取りとか
過去に普通にありましたからね~・・・。」
Sergeant「支払えない場合とかはどうなるの?」
フォビドゥン「問答無用で、自警団、軍に突き出されます~。
まぁ、私たちは軍の人間なので~・・・通報されたら足りない分は給料から
天引きですかね~?」
アンソニア「じゃ、じゃあ、オレ達は外で待ってた方が良さそうっスね。」
ワイバーン「・・・・・・そのようだな。アンソニアとここで待っている。
買い物が終わったら教えてくれ。」
Sergeant「えぇ。なるべく早めに決めるわ。」
フォビドゥン「じゃあ、行ってきますね~。司令、ついて来てください~。」
Sergeant「・・・・・・えぇ。」
[布屋]
フォビドゥン「・・・・・・。」
Sergeant「・・・。」
フォビドゥン「ちょっと、ここで待っててください。」
Sergeant「・・・。」コクン
フォビドゥン「こんにちは~。」
「・・・いらっしゃい。また来たのかい?」
フォビドゥン「はい~。あの、友人の服を少し見て貰えませんか~?」
「どれだい・・・?」
Sergeant「・・・。」スッ
「はいよ・・・ちょっと待っててな。」ヨッコイショ
フォビドゥン「はい~。」
Sergeant「・・・。」
フォビドゥン「あ、司令。ここは普通に話しても大丈夫な場所ですよ~。
くしゃみや、飲食は駄目ですけど~。」
Sergeant「そうなの?」
フォビドゥン「はい~。」
Sergeant「フォビドゥン。さっき・・・。」
フォビドゥン「あ、ごめんなさい。司令。ここのお婆さん、過去に兵士に酷いことされて
兵士は嫌いなんですよ~。
だから、私の友人ってことにさせて貰いました~。」
Sergeant「そうなの。・・・。」
「はいはいはい。友人さんや。この服、何着作るつもりだい?」
Sergeant「ええと・・・予備も含めて12着は作ろうかと・・・・・・。」
フォビドゥン「12着ですか!!?」
「12着かい!?」
Sergeant「え、えぇ・・・。」
「・・・12着も作るとなると・・・・・・。」
フォビドゥン「作れますか~?」
Sergeant「もちろん。」
「はい。13489700Gだよ。」
フォビ・Ser「「!!?!??!???!??」」
「どうするかい? 買うのかい? 買わないのかい?」
Sergeant「ぜ、全然安くないみたいだけど・・・?」
フォビドゥン「ちょ、ちょっと聞いてみますね・・・?」
「・・・。」
フォビドゥン「あのー・・・なんで、こんな金額に・・・。」
「当り前さね。この服で使われている布は全て魔法の繊維で作られている。
そんな服を12着も作るとなると・・・この価格になって当然よ。」
フォビドゥン「どうします~?」
Sergeant「あ、あの・・・普通の布で12着作ったらどのくらいになるのかしら?」
「あぁ。それならこの大きさで・・・42730かね。もちろん。サービスで縫い糸も付けるよ。」
Sergeant「お願いします・・・。」
「はいはい。今、集めるから少し待っててな。」
Sergeant「それと・・・。フォビドゥンと・・・この寸法の体系で作れるOB色の布も
お願いします。」
「はいはい。」
フォビドゥン「・・・! 司令・・・。」
Sergeant「大丈夫よ。まだ、残金は残っているわ。この前プラチナを1枚売ったから。」
「・・・はい。これが商品ね。あとで入り口から受け取って・・・じゃ、会計・・・。」
Sergeant「50000Gからお願い。」
「今後とも、ご贔屓に。」
フォビドゥン「にゅふふふ。また来ますよっと。」
Sergeant「ありがとう。」
[カセドリア王国・城下町―裏路地―]
アンソニア「出て来たっスね。」
ワイバーン「商品はどうした?」
フォビドゥン「ここから、取るんですよ~。」ズルズルズル・・・
Sergeant「改めてみると量が多いわね・・・。」
アンソニア「それじゃ、オレがこっちを持つっスね。」
ワイバーン「こんなに買ってどうするつもりだ・・・。」
Sergeant「作ってからのお楽しみよ。」
[裁縫室]
フォビドゥン「こっちですよ~。」
Sergeant「もうひと頑張りよ。アンソニア。」
アンソニア「お、重いっス・・・。」
ワイバーン「これを此処に置けば良いのか?」
Sergeant「えぇ。・・・よいしょっと・・・。」
ドサドサドサッ
Sergeant「みんな、ありがとうね。それじゃ、フォビドゥン。
ちょっと手伝ってもらえるかしら?」
フォビドゥン「了解しました~。」
アンソニア「頑張って下さいっス。」
ワイバーン「それでは、ワタシ達は戻るぞ。」
Sergeant「えぇ。また夕食で会いましょ。さて、フォビドゥン?」
フォビドゥン「はい~。」
Sergeant「貴方の身体を図っても良いかしら?」
フォビドゥン「にゅふふふ。どうぞ~。」
Sergeant「・・・・・・。」サッサッサッサッサッ
フォビドゥン「♪~。」
Sergeant「はい、終わったわよ。」
フォビドゥン「早いですね~。」
Sergeant「慣れているからね。それじゃ、今日はフォビドゥンもありがとう。」
フォビドゥン「では、また夕食で~。」
Sergeant「えぇ。また夕食で。・・・よし。それじゃ、魔物化してないけど
早速作ってみましょ。まず、紙と物差しで・・・。」
[食堂]
Sergeant部隊『いただきまーす!』
マスト「うまっ! うまっ!!」
フォビドゥン「にゅふふ。司令~。何処まで完成しました~?」
Sergeant「とりあえず、司令服のレプリカは3枚仕上げたわ。
中々上出来ね。」
カジュアル「司令! 司令服を作っているんですか?」
ロイ「司令服と言うと、シグルス司令やクリィム司令が着ている服ですよね!
なるほど司令の姿を昼食以来見かけなかったのは、裁縫室にずっと居たから
だったんですね! それで――」
シグルス「それで、その私が渡した本物の司令服は今どこだ? Sergeant司令?」ニッコリ
Sergeant部隊『・・・・・・っ。』ビクッ
シグルス「隣に座らせてもらうぞ。」
Sergeant「・・・どうぞ。」
シグルス「それで―――」
Sergeant「それで何の用かしらシグルス?」モグモグ
シグルス「Sergeant司令。私が今朝渡した司令服はどうした?」ニコニコ
Sergeant「今は部屋よ。」
シグルス「今日1日だけでも着ているように伝えたはずだが・・・?」
Sergeant「えぇ。聞いたわね。」
シグルス「ならば、何故、今着ていない?」ピリッ・・・
Sergeant「・・・シグルス。」
シグルス「なんだ。」
Sergeant「その話は今しなきゃならないこと? わざわざ私の隣の席に来て。
和やかな空気を一瞬で凍らせてまで、話さなきゃいけない内容?」ジロッ
シグルス「おおっと、これはすまない。会話を続けてくれて構わないぞ。」ニコニコ
アンソニア「え、えぇと・・・。」
Sergeant「無理に会話をしようとしなくていいわ。シグルス、私たちが別の場所で
話せば良いだけよ。」ニッコリ
シグルス「そうか。では、少し場所を変えよう。Sergeant司令。」ニコニコ
Sergeant「そうね。少し場所を変えて、ゆっくり話し合いましょうか?」ニコニコ
バチッ! バチバチバチッ!!
マスト「あわ・・・あわわわわわわ・・・。」
ロイ「ひ、火花が!! 火花が飛んで見えます!!」
アルモニカ「召喚獣が一戦交えようとしている姿にも見えますね・・・。」
[シグルス司令室]
シグルス「それで? 君の言い分として、着ていない理由はなんだ。」ピリッ
Sergeant「夕飯時だったからよ。」ピリピリ
シグルス「は?」ピリピリ
Sergeant「厨房であの服は動き辛かったから、と言えばシグルスにも伝わるかしら?
それにいくらエプロンをして料理しているとはいえ、司令服に料理染みが
付いて居たら格好悪いし、なによりだらしがないでしょ?」ピリピリ
シグルス「あぁ。なるほど、そう言うことか。
では何故その料理後に司令服へと着替えなかった?」ピリピリ
Sergeant「もしも、食べ物を落とした時の保険よ。例え料理で料理染みが付かなかった
としても食べ物を服の上に落としたら、それは同じこと・・・洗剤どころか、
洗い方が手洗いしかないこの世界で染み落しそのものが、どれだけ大変か
理解している?」ピリピリ
シグルス「そのためのナプキンだろう? Sergeant司令にはそう言った習慣は無いのか?
いや、すまない。【アラクネであるSergeant司令に】そんな【習慣がある筈が
ないな。】」ピリピリピリ
Sergeant「悪いわね。魔物は育ちが悪くて。まぁ、でもアレよね。
ナプキンって見ているコッチとしては赤ん坊が使っている【涎掛け】みたいで
【食べ方が汚いシグルスには丁度良い幼稚な道具】よね。」ピリピリピリ
クリィム「2人とも、そこまでにしないかな? シグルスもそうだけど、Sergeant司令も
言い過ぎだよ。議論は司令服についてでしょ? いつの間にかに罵り合いに
なってるよ・・・。」
Sergeant「・・・・・・。」
シグルス「・・・・・・。」
クリィム「もう・・・シグルスはSergeant司令の上官でしょ。Sergeant司令はシグルスの
部下でしょ? シグルスはSergeant司令を抑えなきゃ。Sergeant司令は
シグルスに少しは従わなきゃ。このままじゃ、いつか戦場で大失敗するよ?」
Sergeant「はい・・・。」
シグルス「あぁ・・・。」
クリィム「Sergeant司令は司令服をちゃんと着ること。確かにデザインは・・・・・・
Sergeant司令の言う通りかもしれないけど・・・上官がちゃんとしてなかったら
みんな、ついて来ないよ!」
Sergeant司令「・・・はい。」
クリィム「シグルスも! Sergeant司令が言っていることを全否定してないで
もっと広い視野でSergeant司令を見たらどうかな? Sergeant司令は
見方を変えれば あの時も、今回の件も間違った事を言ってない筈だよ。」
シグルス「だが、それでは・・・。」
クリィム「それでは? それでは何?」ニッコリ
シグルス「・・・いや。なんでもない。」
クリィム「2人とも、もっとしっかりしてよ。第三者視点から2人を見てると
いつ殴り合いの大喧嘩が始まるんじゃないかって、気が気じゃないよ・・・。」
Sergeant「ごめんなさい。」
シグルス「すまない。」
クリィム「・・・私からの話はお終い。あとは2人で話し合って今後どうするか決めて。
私はココで黙って見てるから。
でももし次、喧嘩になったら私も参戦するつもりだよ。その時はよろしく。」
シグルス「・・・Sergeant司令。先ほどは過ぎたことを言った。
非礼を詫びよう。」
Sergeant「いえ、私も・・・。ごめんなさい。・・・悪かったわ。」
シグルス「司令服の件だが――」
Sergeant「今後も基本的に着るつもり。デザイン性や機能性を見たら嫌な点もあるけど。
着ない時についてだけど、今日のように朝昼夕食の食事時と料理時と片付け時
は着れないわ。理由はさっき言った通り。良いかしら?」
シグルス「許可しよう。それ以外は着用するのだな?」
Sergeant「いえ、まだあって・・・王都外で戦場へ赴く際、敵との交戦がある場合は
私服と言うより戦闘服の着脱の許可を願いたいわ。その・・・司令服だと・・・
今朝言った通り目立つから・・・。」
シグルス「・・・わかった。それも許可しよう。」
Sergeant「えぇ。ありがとう。・・・私からは以上よ。」
シグルス「ではSergeant司令。それ以外の時は司令服を着用しているように。
私からも以上だ。」
クリィム「・・・うん! これで丸く収まったね。よかった。よかった♪」
Sergeant「あ、最後に一つだけ・・・訂正をいいかしら? クリィム司令。」
クリィム「ん? なにかな?」
Sergeant「私は司令服の件について、シグルスに悪態をついていたわけじゃないわ。」
クリィム「え。そうなの?」
シグルス「Sergeant司令。君が私に対して悪態をついた決定的な理由とは・・・
私が理由もなく無関係である君の兵士を怖がらせたからだろう?」
Sergeant「えぇ。その通りよ。・・・それだけね。」
クリィム「・・・・・・。」ポカーン
シグルス「なんというか。Sergeant司令。君と言う人は・・・。」ヤレヤレ・・・
Sergeant「悪かったわね。でも・・・もう仲間が怯える表情は見たくないのよ。」
シグルス「・・・そうか。」
Sergeant「それじゃ、片付けがあるから私はここ等で失礼するわね。」
シグルス「あぁ。」
クリィム「・・・・・・。」ポカーン
【一言】
今月はここまで。また来月。