メルファリア~第Ⅱの人生~   作:Vermillion

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司令官③話㊤-日課とトラウマ

[司令室]

 

Sergeant「さ、気分爽快! 今日も一日がんばりましょ。

     ・・・朝食にどんな朝飯サプライズを仕掛けようかしら?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[厨房]

 

Sergeant「おはようございます。」

 

 

「あーら。また来たの? 一人じゃ、厨房は割り切れないから助かるわ。」

 

 

Sergeant「えぇ。昨日はどうでした?」

 

 

「大歓喜よ。それはもう、みんな御代りがするほどだったのよ?」

 

 

Sergeant「そうですか。それはよかった・・・。」

 

 

「特にリンゴウサギだっけ? あのデザートは特に人気があったわ!

 またみんな食べたいですって!」

 

 

Sergeant「また、材料がそろえば・・・。いつでも作りますよ。」

 

 

「・・・・・・。」

 

 

Sergeant「・・・どうかしましたか?」

 

 

「・・・・・・そんなに畏まらなくても良いのよ? 昨日や一昨日みたいな

 態度をとっても、おばちゃんは怒らないわよ。」

 

 

Sergeant「・・・色々とこの世界の料理を教えてもらおうって言うのに

     あの態度は、ちょっと駄目かな。思って・・・。」

 

 

「いいのいいの。貴方は、貴方で構わないわ。それと、ここの世界の料理って・・・

 貴方まるで、ほかの世界から来たみたいな口ぶりをするのね。」

 

 

Sergeant「・・・!」

 

 

「大丈夫。貴方が敵国のスパイでも シグルス司令やクリィム司令には

 黙っててあげるわ。」

 

 

Sergeant「・・・・・・。」

 

 

「さぁ、今日は何を作る気なの?」

 

 

Sergeant「ランダム御結びを作ろうかと・・・。」

 

 

「ランダム御結び?」

 

 

Sergeant「えぇ。一見はただの御結びなんだけど・・・」コソコソ

 

 

「ふむふむ・・・。・・・それは、なかなか面白そうねぇ・・・。」

 

 

Sergeant「もし、成功したら商品化も狙える一品よ。」

 

 

「まぁ、今回は第1回目だし・・・貴方の言うとおりに作ってみようかしらね。」

 

 

Sergeant「・・・と言うと?」

 

 

「デンジャラスな御結びもそのうち・・・イッーヒッヒッヒッヒ!」

 

 

Sergeant「それは面白そうね。ふふふふっ・・・。」

 

 

「それじゃ、さっそく取り掛かろうかね!」

 

 

Sergeant「ええ。」

 

 

 

 

 

 

[ランダム御結び・作成中・・・。]

 

 

 

 

 

 

「手馴れてるね。」ギュッギュッギュッ

 

 

Sergeant「えぇ。まぁ・・・。」ポンポンポン

 

 

「あたしの御握りと違って弾力もあって・・・見栄えも良いわ。

 こんな、料理が上手な貴方を嫁さんにもらったら、その男は一生幸せもんだね。」

 

 

Sergeant「そ、そうかしらね?」

 

 

「そうだよ。」

 

 

Sergeant「ふふ・・・。」

 

 

「笑う顔は美人だけど、照れる顔はもっと美人ね!」

 

 

Sergeant「ほめても、何も出ないわよ。」

 

 

?????「・・・。」ソローリ

 

 

Sergeant「・・・!」ピクッ

 

 

「どうしたんだね?」

 

 

Sergeant「近くに見つかったらまずい人の足音が・・・。」

 

 

「何も聞こえなかったけど・・・。」

 

 

Sergeant「・・・ちょっと、そこの台の後ろに隠れるわね。」

 

 

「はいはい。」

 

 

Sergeant「・・・。」ササッ

 

 

アンソニア「おばちゃん、おはよっス。」ヌッ

 

 

「・・・! おはよ。」

 

 

アンソニア「今日の朝食は御握りと御結びっスか?」

 

 

Sergeant「・・・!」

 

 

「どうだい? 結構、上手にできてるだろ?」

 

 

アンソニア「・・・Sergeant司令。いるっスね。」

 

 

「はて? この厨房にはおばちゃんしか居ないよ?」

 

 

アンソニア「隠しても無駄っスよ。Sergeant司令の御結びは、

      特徴的で綺麗な三角形をしてるっス。」

 

 

「・・・・・・。」

 

 

アンソニア「そして・・・相変わらず美味しそうな・・・。」

 

 

Sergeant「・・・はいはい。いるわよ。ここに。」ヌッ

 

 

アンソニア「・・・Sergeant司令。昨日、オレあれほど・・・。」

 

 

Sergeant「アンソニア、これは私の日課なの。日課ならいいでしょ?」

 

 

アンソニア「・・・日課スか。」

 

 

Sergeant「えぇ。みんなには黙っているけど、私。司令官をする前は

     どこにでも居る普通の主婦だったの。夫がちょっとした戦術師で・・・

     なんていうか・・・朝と昼と夜は、作らないとムズムズするのよね。」

 

 

アンソニア「・・・・・・。」

 

 

Sergeant「・・・だからね。できれば止めないで欲しいわ。

     司令官業には支障が出ない程度にするから・・・・・・。」

 

 

「・・・・・・。」

 

 

アンソニア「・・・そうだったんスか。・・・Sergeant司令!!」バッ

 

 

Sergeant「!」

 

 

アンソニア「悪かったス!! オレ、てっきり司令がオレたちと仲良くなるために

      無理してキッカケを作っているのかとばっかり思ってたス!!

      ・・・日課だったんスね。・・・悪かったっス・・・。」

 

 

Sergeant「土下座なんかしなくても、いいのよ。勘違いは誰にでもあるわ。

     それで、アンソニア。」

 

 

アンソニア「・・・・・・?」

 

 

Sergeant「朝食。どの、御結びを食べるの?」ニッコリ

 

 

「イッーヒッヒッヒッヒッヒッ!」

 

 

アンソニア「・・・こっちの御結びは・・・Sergeant司令が作ったんっスよね・・・?」

 

 

Sergeant「えぇ。そうよ。」

 

 

アンソニア「・・・目が笑って無いっスけど・・・。」

 

 

Sergeant「ふふふふふっ・・・。」

 

 

アンソニア「目が野獣の目になってるっス・・・。

      あの・・・食べないって手は・・・。あるん――」

 

 

Sergeant「「ない。 朝はしっかり食べるッ。」」

 

 

アンソニア「そ、そうっスよねぇ・・・。じゃ、コレ・・・貰うっス・・・。」

 

 

Sergeant「「イッーヒッヒッヒッヒッヒッヒッ!!」」

 

 

アンソニア「なんスか?! これ、何か危険な物でも入ってるんスか?!!」

 

 

Sergeant「「イッーーーヒッヒッヒッヒッヒッヒッヒッヒッヒッ!!!!」」

 

 

アンソニア「怖いっス! Sergeant司令! 食堂のおばちゃん!

      ダブルで、怖すぎるっス!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アンソニア「ふぁっ・・・コレ、何っスか!? 肉・・・! 昨日の残りの肉っス!!

      もしかして・・・。」モグモグモグ

 

 

Sergeant「えぇ。1個じゃ足りないなら、2個目も良いわよ。」

 

 

アンソニア「頂くっス!!」

 

 

Sergeant「食べ過ぎて、訓練に支障を出さないようにね。」

 

 

アルモニカ「ややっ! この気配は軍曹殿!!」

 

 

Sergeant「おはよう。」

 

 

アルモニカ「なんで、厨房に・・・? それと、この白い綺麗な三角形と

      歪な三角形は一体・・・?」ツンツン・・・

 

 

Sergeant「「ふふふふっ・・・ヒッヒッヒッ・・・イッーヒッヒッヒッヒッヒッ!!」」

 

 

アルモニカ「ヒッ・・・こ、怖くないぞー! 怖くないったら、怖くないぞー!!

      そうだ! プレート隊長とインティゴ殿と訓練に――」

 

 

Sergeant「行かせないわよ?」シュバッ

 

 

アルモニカ「い、いつの間にっ!!?」

 

 

Sergeant「朝食を食べずに訓練に出ようとする悪い子は、Sergeantが成敗するわ。」

 

 

アルモニカ「ま、負けないぞー!!」

 

 

「いいねー・・・若いころを思い出すねー。」

 

 

 

 

 

 

[戦闘中]

 

 

 

 

 

アルモニカ「荒ぶるタカのポーズ!!」キェエエエエエエ!

 

 

Sergeant「荒ぶる蜘蛛の構え!!」キシャァァアァァアアア!!

 

 

シグルス「・・・・・・。」

 

 

アンソニア「おおっ! Sergeant司令! まるで本物の蜘蛛みたいっス!!」パチパチパチ

 

 

シグルス「疲れているのだな。ついに幻覚が・・・。」グリグリ・・・

 

 

 

 

 

 

[戦闘終了]

 

 

 

 

 

 

アルモニカ「おいひぃ! おいひぃ!! 軍曹殿が作った御結び、おいひぃよぉ!!」

 

 

Sergeant「・・・成敗。」フゥ・・・

 

 

アンソニア「さすが、Sergeant司令っス!!」

 

 

 

 

 

 

[厨房→全員で朝食→談笑]

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[訓練場]

 

マスト「そういえば、司令。今日はどこ行くんだ?」

 

 

ハーミール「んゆー☆ 昨日とは場所が違うねー☆」

 

 

Sergeant「えぇ。シグルスから別の訓練場に来るように言われてね。

     何の用かしら?」

 

 

ワイバーン「・・・賊退治か?」

 

 

カジュアル「なら向こうが、町への出口だから・・・。」

 

 

フォビドゥン「うにゃー・・・方向がおかしいですねー。」

 

 

ハーミール「シグルスー☆」

 

 

Sergeant「・・・! シグルスー。」

 

 

シグルス「・・・。来たか。」

 

 

カジュアル(あ、一瞬シグルス司令・・・呼び捨てにされて、嫌な顔した。)

 

 

Sergeant「言われた通り、全員連れてきたわよ。」

 

 

アンソニア「こんな、訓練場奥まで来て何するんスかね?」

 

 

シグルス「ご苦労。

     これから、Sergeant司令の・・・そういえば部隊名は決めたのか?」

 

 

Sergeant「・・・! ・・・全員、集合。」

 

 

シグルス「・・・・・・。」ハァ・・・

 

 

マスト「司令、どうしたんだ?」

 

 

Sergeant「・・・部隊名って何?」

 

 

カジュアル「えっ。司令、部隊名まだ決めてなかったんですか?」

 

 

Sergeant「・・・え、えぇ。今、初めて聞いたわ。なんなの? 部隊名って・・・。」

 

 

ハーミール「んゆー☆ 部隊名って言うのはチーム名みたいなものだよー☆」

 

 

Sergeant「部隊名ねぇ・・・。どうしましょ・・・。」

 

 

アンソニア「普通にSergeant部隊でいいんじゃないスかね?」

 

 

Sergeant「捻りがないじゃない・・・。ってことで、案を頂戴。」

 

 

シグルス「・・・・・・。」

 

 

 

 

 

 

[30分後・・・]

 

 

 

 

 

 

Sergeant「決まったわよ。」

 

 

シグルス「・・・・・・。」

 

 

カジュアル(シグルス司令の髪の毛が、もっと真っ白に・・・。)

 

 

Sergeant「名づけて、『アンソニア、シグルスー☆ 死ば鬼たい!』よ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

取った部分=(発案者名)『全容内容』

 

『アンソニア(マスト案) 『司令とアンソニア部隊長率いる仲間たち』

 、(アンソニア案) 『司令と、愉快な仲間達』

 シグルス(カジュアル案)『ダブル銀髪《シグルス、Sergeant司令》無双』

 ー☆(ハーミール案) 『んゆー☆』

 シバ(ワイバーン案) 『「死ば狩りと言う単語を混ぜるなどどうだ?」』

 キ(フォビドゥン案) 『鬼神Sergeant司令部隊』

たい!(Sergeant案) 『「そうね・・・たい!で最後は決めたいわね。」』』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アンソニア「・・・えっ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―アンソニア回想――

 

Sergeant「わかった。みんなの良い部分を取って部隊名を考えるわ。」

 

 

マスト「司令! 流石!! かっこいいの期待しているぜ!」

 

 

Sergeant「えぇ。周りが驚くような部隊名にするわね。」

 

――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シグルス「そうか。アンソニア、私をシバキたいのか。・・・アイベックス。」

 

 

アイベックス「・・・・・・。」ササッ

 

 

アンソニア「・・・えっ!? ちょ・・・Sergeant司令!?」

 

 

Sergeant「ポイントは『隊』と『たい』を掛け合わせているところね。

     アイベックスは、またリンゴウサギが食べたいの?」ニッコリ

 

 

アイベックス「」玉ヒュン

 

 

シグルス「・・・・・・。」キリキリキリ・・・

 

 

フォビドゥン(シグルス司令の胃が、ストレスマッハなのがわかりますね~・・・

        明日には禿てるかも~・・・。)

 

 

ハーミール(んゆー☆ わっち、知ーらない☆)

 

 

マスト「ねーちゃん。司令ってSってやつなのか?」ヒソヒソ

 

 

カジュアル「バカマスト。あれはSじゃないわ。ドSよ・・・。」ヒソヒソ

 

 

ワイバーン「あいつはシグルス司令に何か恨みでもあるのか。」

 

 

Sergeant「・・・。」

 

 

ジュウカラ「チッチッチッチ。」

 

 

Sergeant「・・・!!」ギラッ!

 

 

 

シグルス(・・・あぁ、目が紅に・・・染まった・・・か・・・。

     なるほど、最初からこれが狙いで・・・。・・・胃が・・・。)キリキリキリ

 

 

マスト「ね、ねーちゃん・・・司令の目が水色から深紅に・・・!」

 

 

カジュアル「あたし、何も見てないわ。気のせいじゃない?」

 

 

ワイバーン「ワタシもだ・・・兜がずれて・・・何も見えなかった。」

 

 

フォビドゥン「うにゃー・・・す、砂が目に入っちゃいました~。」ゴシゴシ

 

 

ハーミール「んゆー☆」

 

 

アンソニア「あ、普通に見て無かったっス。」

 

 

Sergeant「・・・ジュウカラ!」グッ

 

 

ジュウカラ「いきなり、手荒い歓迎ですねぇ。チッチッチッチ。」キィンッ

 

 

Sergeant「今度は、こっちの番よ・・・っ。」ギリギリギリ

 

 

シグルス「ジュウカラ。」ボソッ

 

 

ジュウカラ「そう簡単には・・・?」

 

 

シグルス「・・・。ジュウカラ・・・。縛られてやってくれ・・・。

     私の胃が・・・。」キリキリキリ

 

 

ジュウカラ「・・・・・・。シグルス様が そう仰るなら、仕方ないですねぇ。

      チッチッチッチ。」

 

 

Sergeant「・・・・・・。」

 

 

ジュウカラ「・・・おっと。」グラッ

 

 

Sergeant「・・・!」

 

 

ジュウカラ「・・・スキが出来たのに追撃を入れないとは。ノロマですねぇ・・・

      そんなのでは、戦場で死にますよ? チッチッチッチ。」

 

 

Sergeant「・・・はぁ・・・そうね。死ぬわね・・・。シグルス『司令』?

     部隊名はまだ正式に決まってないわ。さっきのは、ちょっとした冗談よ。

     何か用かしら?」

 

 

ジュウカラ「・・・・・・。」

 

 

マスト「あ、ほ、ほら、目の色が・・・。」

 

 

アンソニア「いつもと同じっスよ?」

 

 

Sergeant「マストー、あなた疲れたのね。」

 

 

シグルス「・・・ゴホン。君の昇格試験を行う。」

 

 

Sergeant「私の?」

 

 

シグルス「そうだ。」

 

 

Sergeant「折角だけど、私の昇格試験は早すぎるんじゃないかしら?」

 

 

カジュアル「司令!?」

 

 

Sergeant「カジュアル、口を挿まないで貰える?」

 

 

カジュアル「・・・・・・ごめんなさい。」

 

 

Sergeant「ありがとう。・・・こちらこそ、ごめんなさい。」

 

 

カジュアル「・・・・・・。」

 

 

シグルス「なぜ、そう思う?」

 

 

Sergeant「・・・まだ3日目よ? 私が司令官になってから。

     それに大した戦果も挙げてないし、昇格は早すぎるわ。」

 

 

シグルス「君は山賊を退け、生け捕りにした。しかも誰一人欠けることなくだ。

     十分な戦果だと評価しているが?」

 

 

Sergeant「でもその山賊のほとんどに逃げられ、指揮を執っている最中

     満足にクリスタルも植えられなかったわ。・・・最低よ。」

 

 

シグルス「だが、君を評価する人間は大勢いる。人望もある。

     それだけでも素晴らしいと思うが?」

 

 

Sergeant「・・・シグルス。良い?」

 

 

カジュアル(あ、呼び方が戻った。)

 

 

アンソニア(戻ったスね。)

 

 

ハーミール(んゆゆ~☆♪)

 

 

Sergeant「司令官って言うのは、戦果を挙げなければ意味がない職種なの

     確かに人望とかも大切だと思うけど・・・。肝心の職務が出来てなければ

     意味がない。そう言った職種なの。・・・わかっているとは思うけど・・・。」

 

 

シグルス「・・・。Sergeant司令。何か勘違いをしていないか?」

 

 

Sergeant「何を勘違いしていると言うのかしら?」

 

 

シグルス「3日。君は3日で、ほぼ軍内全体の人望を得たのだぞ?

     それは、並大抵のことではない。素晴らしいことだ。」

 

 

Sergeant「でも、昇格にはまだ早すぎるわ。」

 

 

ジュウカラ「チッチッチッチ。」

 

 

Sergeant「・・・・・・!」キッ

 

 

ジュウカラ「折角、昇格出来るというのに 勿体ない事を言い出す人ですねぇ。

      チッチッチッチ。」

 

 

Sergeant「シグルスに命令されたかは知らないけど。

     手を抜いてワザと負けた“フリ”をする人間には言われたくないわね。」

 

 

ジュウカラ「・・・。」

 

 

シグルス(あれを・・・見抜いたのか? ・・・彼女は・・・・・・。)

 

 

Sergeant「どうしたの? 仮面で表情が見えないけど・・・図星かしら?」フンッ

 

 

ジュウカラ「まさか。あれは疲労が溜まった結果、なっただけですねぇ。

      チッチッチッチ。」

 

 

Sergeant「そう。なら次は万全な状態で戦いましょ。

     ぐうの音も出ないぐらいにコテンパンにしてあげるわ。」

 

 

ワイバーン「・・・コテンパンとは?」

 

 

Sergeant「フルボッコって意味よ。」

 

 

ワイバーン「フルボッコの意味も分からないのだが・・・。」

 

 

Sergeant「完全にボコボコって意味。と言えば、わかるかしら?」

 

 

ジュウカラ「チッチッチッチ。その時を楽しみにさせてもらいましょうかねぇ

      チッチッチッチ。」

 

 

シグルス「では、Sergeant司令。こうしよう。」

 

 

Sergeant「・・・。」

 

 

シグルス「これは上官命令だ。昇格試験を受け、昇格をしろ。」

 

 

Sergeant「拒否権は・・・ないわね。上官『命令』だもの。」

 

 

シグルス「そうだ。」

 

 

Sergeant「・・・わかったわ。昇格試験を受けましょ。」

 

 

シグルス「分かっていると思うが・・・。」

 

 

Sergeant「絶対昇格でしょ? 分かっているわ。それで、会場は何処?」

 

 

シグルス「ここから、もう少し進んだところにある。」

 

 

Sergeant「そう。それじゃ、頑張りましょうか。みんな。」

 

 

アンソニア「もちろん、頑張るっスよ~!!」

 

 

マスト「相手が誰だろうが、司令が居れば勝てるよな!」

 

 

カジュアル「マスト、一人で突撃しないでよ?」

 

 

フォビドゥン「頑張りますよぉ~!」

 

 

ワイバーン「・・・・・・。」

 

 

ハーミール「んゆー☆」

 

 

シグルス(・・・士気は高いな。だが・・・勝てるかどうかは別だ。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[試験会場]

 

ほぼ全員『・・・・・・。』

 

 

ワイバーン「・・・・・・様子がおかしい。」

 

 

ハーミール「んゆー☆ みんな、元気がなくなっちゃったよー☆?」

 

 

Sergeant「ど、どうかしたの?」

 

 

マスト「司令、ごめん。俺等、勝てるかどうか・・・。」

 

 

Sergeant「え、えっと・・・ええっと・・・。」

 

 

 

 

「もしかして、相手ってあいつ等?」

「噂の司令官は女だし、ヨユーだってヨユー!」

「それにあの悪魔みたいな兜を被ったヤツ、俺知ってるぜ?」

 

 

 

 

ワイバーン「・・・?」

 

 

 

 

「なんだよ。知り合いか?」

「違う違う。アイツ、山賊の一味なんだぜ? 少し前までボスをやってたヤツ。」

「うわっ! マジかよ!! 犯罪者じゃん! 犯罪者!!」

 

 

 

 

ワイバーン「・・・・・っ。」

 

 

Sergeant「ワイバーン。こっちに・・・来なさい。みんなも。

     シグルス。少し私・・・私が、お腹が痛くなったから後退するわね。」

 

 

シグルス「・・・分かった。準備ができ次第。戻れ。」

 

 

Sergeant「・・・もちろんよ。」

 

 

 

 

「おい、見ろよ! 去って行くぜ?!」

「はっ! つまり、その程度の奴等なんだろ?」

「糞みたいな弱さの連中に、犯罪者、ぶりっ子じゃ逃げ帰るのが、お似合いだぜ!」

 

 

 

 

ハッハッハッハッハッハッハッ・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジュウカラ「シグルス様。」

 

 

シグルス「・・・手を出すな。

     彼等は『そのため』の意味も含めて対戦者に選んだ。」

 

 

ジュウカラ「・・・。承知しました。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[木陰]

 

全員『・・・・・・。』

 

 

Sergeant「・・・・・・。」

 

 

全員『・・・・・・。』

 

 

Sergeant「アンソニア・・・昨日、訓練を午前中の始める時『オレたちじゃ、

     訓練の的になるだけ』って言っていたけど、もしかして?」

 

 

アンソニア「そうっス。Sergeant司令の考えている通りっス。」

 

 

Sergeant「・・・・・・。みんな。」

 

 

全員『・・・・・・。』

 

 

Sergeant「・・・みんなは、私が見ている以上に弱いと感じたことは無いわよ。」

 

 

マスト「・・・そんなことない。俺等は弱いんだよ。司令。

    前の司令の時もそうだったけど、俺等まだ一回も勝った事がないんだ。

    あの時の実践を除いて・・・。」

 

 

Sergeant「いいえマスト。貴方達は決して弱くはないわ。

     そうね・・・具体的に言わないと実感がないと感じるでしょうから

     何処が、良い点か挙げていくわね。」

 

 

全員『・・・・・・。』

 

 

Sergeant「まず、部隊長のアンソニア。貴方、自己紹介の時、

     自分で言っていたわよね。『自分には弱点が無い』って。」

 

 

アンソニア「でも、フェンサーが相手だと・・・」

 

 

Sergeant「フェンサーだけ。でしょ? つまり他の弱点は無いってことじゃない。

     私は素晴らしい事だと思うけど?」

 

 

アンソニア「・・・・・・そうっスかね?」

 

 

Sergeant「そうよ。私はそう思うわ。だから、自信を持って。」

 

 

アンソニア「・・・ウッス。」

 

 

Sergeant「次、マスト。」

 

 

マスト「・・・。」

 

 

Sergeant「シグルスから聞いたわよ? 私がココに配属してくるまで、

     随分、やんちゃで いつも単身突撃をしていたそうじゃない。」

 

 

マスト「・・・・・・!」

 

 

カジュアル「・・・・・・。」

 

 

Sergeant「でも、私が来てから単身突撃は見たことないし・・・

     特に不安になる要素が無いわ。」

 

 

マスト「それはっ・・・ 俺、司令にケガとかさせたから・・・。

    迷惑をかけられないと思って・・・。」

 

 

Sergeant「なるほど。萎縮しちゃったわけね。

     話が変わるけど・・・マスト。貴方は片手斧による連続攻撃が得意よね?」

 

 

マスト「・・・おう。」

 

 

Sergeant「知っているかしら? いくら片手斧と言っても、

     連続攻撃を繰り出すのは案外 難しいものなのよ?」

 

 

マスト「そ、そうなのか?」

 

 

Sergeant「えぇ。証拠に、さっきの敵方に片手斧を装備した

     敵は居たかしら?」

 

 

マスト「・・・・・・!」

 

 

Sergeant「居なかったでしょ? それだけ凄い事なのよ。

     貴方の繰り出す片手斧の連続攻撃は。」

 

 

マスト「・・・司令・・・! 俺、頑張るよ・・・!」

 

 

Sergeant「そう。その意気!

     それと・・・怪我の件、もう本当に気にしなくていいから。」

 

 

マスト「・・・。」

 

 

カジュアル「司令、実は・・・。マスト、司令が言っていた「吊るす」って

      言葉が響いているみたいで・・・。」

 

 

Sergeant「あ。えぇ、あの言葉?」

 

 

カジュアル「はい・・・。」

 

 

Sergeant「アレね。あの言葉は大丈夫よ。マストに言ったわけじゃないの。

     実は、マストの裏にそれを指示した人間が居るんじゃないかって

     思っていてね? その人間を吊るそうって、言っていただけなのよ。」

 

 

マスト「ほ、本当か?」

 

 

Sergeant「本当よ。だから、もう小石のことは気にしないで。」

 

 

マスト「・・・ありがとうな、司令!」

 

 

Sergeant「えぇ。・・・次はカジュアルね。」

 

 

カジュアル「・・・! はい!」

 

 

Sergeant「そんなに畏まらなくても良いわよ。カジュアルがその方が良いって

     言うなら別だけど・・・。」

 

 

カジュアル「・・はい。」

 

 

Sergeant「カジュアルは、兵士としても、姉としても。両方頑張っていると思うわ。」

 

 

カジュアル「・・・!」

 

 

Sergeant「カジュアルの誇れるところは、マストと同じ連続攻撃ね。」

 

 

カジュアル「司令、でも・・・あたしがしている攻撃は簡単な魔法で・・・。

      そんな誇れるような部分は何もないです。」

 

 

Sergeant「でも、詠唱の時間が短いじゃない!

     詠唱時間が短いって事は、凄く良いことなのよ。」

 

 

カジュアル「は、はい。」

 

 

Sergeant「いまいちピンと来てない顔ね。・・・良いわ。分かるように話すわね。」

 

 

カジュアル「・・・っ! 司令、ごめんなさい!」

 

 

Sergeant「謝る必要はないわ。これは、私の身内の話なんだけど・・・~~じゃない

     Doctorっていう元軍幹部の召喚師が居たのよ。」

 

 

カジュアル「召喚士・・・ですか。」

 

 

Sergeant「本来の職は守護者・・・ガーディアンなんだけどね。」

 

 

アンソニア「Sergeant司令の周りって、凄い人が多そうっスね。」

 

 

Sergeant「そのDoctorもちょくちょく魔法を使うんだけど・・・カジュアルのように

     魔法を唱えようとすると・・・詠唱に15秒は掛かっていたわね。」

 

 

カジュアル「15秒・・・ですか?!」

 

 

Sergeant「驚くほどじゃないわ。蝋燭に火をつけるぐらいの魔法よ?

     本人は呪術って言い張っていたけど。」

 

 

カジュアル「・・・・・・。」

 

 

Sergeant「カジュアルの呪文を唱えようとすると・・・そうね・・・。

     急がせても1分20秒は掛かるわね。それも1回撃つごとによ。」

 

 

カジュアル「・・・・・・。」

 

 

Sergeant「だから、約2、3秒で唱えられるカジュアルは凄いのよ。

     私は初めて見たわ。2、3秒で魔法を撃てるなんて超人は。」

 

 

カジュアル「・・・・・・。」

 

 

Sergeant「だから頑張って。あいつ等がアッと驚くような連続攻撃を

     見せてやりなさい。」

 

 

カジュアル「・・・はい!」

 

 

Sergeant「それと・・・・・・。

     その杖は樫《かし》の木を使って作られているのかしら?」

 

 

カジュアル「え・・・はい!」

 

 

Sergeant「なら、もしも接近戦に持ち込まれた時は

     思いっきり杖で殴ってやりなさい。マストを殴るときのように。」

 

 

マスト「!?」

 

 

カジュアル「はい! 頑張ります!!」

 

 

Sergeant「期待しているわ。4人の最後は・・・フォビドゥンね・・・。」

 

 

フォビドゥン「・・・うにゃー。」

 

 

Sergeant「フォビドゥン。貴方は、体力は低いし、連続攻撃も出来ないと

     今朝の朝食で嘆いていたわね。」

 

 

フォビドゥン「はいー・・・。」

 

 

Sergeant「でも、中長距離からの攻撃は見入るものがあるし、

     何よりも射程内なら確実に相手を射抜くコトは素晴らしいことだわ。」

 

 

フォビドゥン「そうですかね~・・・?」

 

 

Sergeant「それに戦場では、真正面から立ち向かって戦闘するのが

     戦いじゃないわ。・・・履歴書、読んだわよ。」

 

 

フォビドゥン「・・・。」

 

 

Sergeant「特技は狙い撃ちだそうね。・・・言いたいコト分かるかしら?」

 

 

フォビドゥン「・・・はいー。」

 

 

Sergeant「なら、大丈夫ね!

     そうだ。フォビドゥン。貴方・・・スタミナはどうかしら? 自信ある?」

 

 

フォビドゥン「・・・・・・自信・・・あります~・・・。」

 

 

Sergeant「なら外しても良いから、戦場を駆け抜けながら弓を射なさい。」

 

 

フォビドゥン「・・・・・・!」

 

 

Sergeant「そうすれば、貴方の戦場での戦果は大幅に上がると思うわ。」

 

 

フォビドゥン「・・・はい。」

 

 

Sergeant「あら、今。初めて貴方が、語尾を伸ばさず返事をしたわね。」

 

 

フォビドゥン「・・・・・・っ。」

 

 

Sergeant「私は気にしないから好きに返事していいのよ。」

 

 

カジュアル「・・・クスッ。」

 

 

Sergeant「ふふっ。それじゃ、4人はもう、大丈夫ね。」

 

 

フォビドゥン「はい~。」

アンソニア「ウッス!」

カジュアル「はい!」

マスト「おう!」

 

 

Sergeant「それじゃ、先に戻っていてもらえるかしら?

     2人とも少し話がしたいから。」

 

 

アンソニア「了解っス! みんな、行くっスよ!!」

 

 

3人「「「おおっ~!!」」」

 

 

Sergeant「あ、待って!」

 

 

4人「「「「・・・・・・?」」」」

 

 

Sergeant「元気に戻らないで貰えるかしら・・・。」

 

 

マスト「どういうことだ?」

 

 

Sergeant「貴方達、あいつ等が慌てふためく瞬間。見たくない?」

 

 

カジュアル「できたら、見たいですが・・・。」

 

 

Sergeant「なら、いかにも『この世の終わり』的な顔を見せつけてやるのよ。

     戦闘で相手が油断した瞬間に、一気に叩くわ。」

 

 

フォビドゥン「うにゃー! 面白そうな作戦です~!!」

 

 

Sergeant「何か言われたら、何か反応する『フリ』だけして。

     それが例え・・・“キレそうな内容”であっても。」

 

 

カジュアル「特にマスト。アンタのことよ。」

 

 

マスト「え! 俺かよ・・・。司令? 違うよな・・・?」

 

 

Sergeant「流石カジュアル 分かっているじゃない。」

 

 

マスト「俺かよぉ・・・。」

 

 

フォビドゥン「にゅふふふふふふふふ~。」

 

 

Sergeant「それじゃ、頼んだわよ。」

 

 

4人「「「「・・・・・・はーい・・・。」」」」

 

 

Sergeant「その調子! ・・・それじゃ、次はハーミールね。」

 

 

ハーミール「んゆー・・・。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[試験会場]

 

シグルス「・・・・・・。」

 

 

アイベックス「・・・・シグルス様。」

 

 

シグルス「・・・遅かったな。Sergeant司令の部隊は、どうだった?」

 

 

アイベックス「士気も回復させ、大丈夫そうです。」

 

 

シグルス「・・・そうか。引き続き監視を頼む。

     ただし、近づき過ぎには気を付けるんだぞ。」

 

 

アイベックス「・・・・・・。」ササッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おい、見ろよ。辛気臭い顔してザコどもが帰ってきたぜ!」

「司令官と犯罪者とぶりっ子が見えないがどうした~? 逃げだしたか~?」

 

ギャハハハハハハハハハ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

4人「「「「・・・・・・。」」」」

 

 

シグルス「・・・・・・。」

 

 

4人「「「「・・・・・・。」」」」

 

 

シグルス(どういうことだ? アイベックス・・・。

     まったく、大丈夫そうには見えないのだが・・・。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[木陰]

 

ハーミール「マスター・・・わっちはね。わっちの事を悪く言われたから

      しょんぼり・・・してるんじゃないんだよー?」

 

 

Sergeant「え。じゃあ・・・なんで・・・。」

 

 

ハーミール「マスターのことを馬鹿にされたのが嫌なんだよー・・・。」

 

 

Sergeant「・・・・・っ。私は大丈夫よ。ありがとうね。心配してくれて。」

 

 

ハーミール「んゆー・・・大丈夫そうに見えないから、言ってるのー。」

 

 

Sergeant「・・・・・・。」

 

 

ハーミール「マスター・・・。辛いなら、辛いって言うことも大事だよー。」

 

 

Sergeant「・・・ワイバーン。少し・・・向こう側向いていてもらえるかしら・・・。」

 

 

ワイバーン「・・・・・・わかった。」クルッ

 

 

Sergeant「あと・・・あと、そこのずっと木の陰に隠れているのも・・・。」

 

 

アイベックス「・・・・・・!」

 

 

Sergeant「早く・・・ッ。向かないなら、首だけ向かせるわよ・・・っ!!」

 

 

アイベックス「・・・・・・。」クルッ

 

 

ハーミール「んゆー☆ マスター☆よく頑張ったねー☆ えらい、えらい☆」ナデナデ

 

 

Sergeant「・・・・・・・・・。ありがとう・・・。」

 

 

ハーミール「にゅははははは☆ んゆゆゆー☆」

 

 

Sergeant「んゆー☆ ・・・よしっ。」

 

 

ハーミール「あ☆ 口癖がうつったー☆ んゆー☆」

 

 

Sergeant「んゆー☆ それじゃ、んゆー☆も4人の元へ行ってもらえるかしら☆?」

 

 

ハーミール「んゆー☆マスター☆ わっちは、んゆー☆じゃないよ☆」

 

 

Sergeant「冗談よ。ハーミール。また、私のことで何か言われて心底、

     嫌だったら蹲って、耳を塞いで、何も聞かないようにしなさい。

     んゆー☆」

 

 

ハーミール「んゆー☆ 頑張るよー☆」

 

 

Sergeant「戻るときは?」

 

 

ハーミール「しょぼーん・・・☆ にゅははははははー☆」

 

 

Sergeant「よし。・・・最後はワイバーンね。」

 

 

ワイバーン「・・・・・・。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[試験会場]

 

ハーミール「んゆー・・・☆」

 

 

 

 

「今度はぶりっ子が戻ってきたぞ!」

「女司令官と犯罪者は一緒じゃないようだな!」

「本当は司令官が逃げ出したんじゃないか? 俺達に恐れを為して!」

「あー! 見るからに、メンタルが弱そうだったモンな! あの女司令!!」

「あのザコ共にして無能司令ありってな!!」

 

 

 

 

ハーミール「・・・我慢・・・我慢・・・ん・・・ゆー・・・。」[蹲り]

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[木陰]

 

ワイバーン「・・・なぁ。」

 

 

Sergeant「なに?」

 

 

ワイバーン「お前はワタシを除隊させようと、どうして思わないんだ?」

 

 

Sergeant「・・・除隊させる理由が見つからないわ。」

 

 

ワイバーン「理由なら、いくらでもあるだろう!?」

 

 

Sergeant「・・・例えば?」

 

 

ワイバーン「ワタシは・・・まず、マストのように連続攻撃は出来ない・・・。」

 

 

Sergeant「マストには負けないだけの

     それ以上の力と、体力を持っているじゃない。」

 

 

ワイバーン「だが、その体力も、力も、微々たるものだ。ヤツが強くなれば

      ワタシなど・・・居る意味がない。」

 

 

Sergeant「なら、ワイバーンも負けないだけ強くなればいいのよ。

     難しいことじゃないわ。」

 

 

ワイバーン「第一、ワタシはあいつ等が言っていた通り山賊・・・犯罪者だぞ?」

 

 

Sergeant「えぇ。“元”山賊ね。・・・今は違うでしょ?」

 

 

ワイバーン「だが・・・だが・・・っ! ワタシは犯罪者だっ!! それは変わらないっ!!!」

 

 

Sergeant「・・・・・・。・・・えぇ。そうね。」

 

 

ワイバーン「・・・・・・。ワタシが居ると皆に迷惑がかかる・・・。だから・・・

      ダカラ・・・ッ!! ワタシは、今をもって部隊を辞める・・・!!」

 

 

Sergeant「・・・辞めてどうするの? 山賊家業に戻る気?」

 

 

ワイバーン「・・・・・・。お前に言うことではない。」

 

 

Sergeant「ワイバーン。」

 

 

ワイバーン「・・・・・・。」

 

 

Sergeant「確かに貴方は犯罪者なのかもしれない。」

 

 

ワイバーン「かもではない。・・・犯罪者なのだ。」

 

 

Sergeant「・・・。でも今、必要なのは過去の付いてきたものじゃなくて

     これから自分に付いて行くものでしょ?」

 

 

ワイバーン「・・・・・・。」

 

 

Sergeant「犯罪者・・・それは過去の話。今は、私の部隊で戦う一兵士。

     なにか間違った事、言っているかしら?」

 

 

ワイバーン「・・・・・・っ。」

 

 

Sergeant「『大事なのは、今や未来。昔じゃない』わ。」

 

 

ワイバーン「・・・。」

 

 

Sergeant「・・・だから・・・。ワイバーンも大事な戦力の1人なの――」スッ

 

 

ワイバーン「五月蠅いッ!!」バシッ

 

 

Sergeant「・・・っ。」

 

 

ワイバーン「五月蠅い、うるさい、ウルサイッ・・・!! お前には分からないだろうな!

      ずっと、綺麗な世界で生き続けてきた お前には!!」

 

 

Sergeant「・・・わっ・・・わか――」

 

 

ワイバーン「綺麗事ならば、なんとでも言えるな! お前も一度ワタシ達の世界を

      味わえば分かる・・・!! あの世界がどれだけ辛く努力をしても、

      普通の生活を送ることができない絶望の世界かが!!」

 

 

Sergeant「・・・!!」バシッ!

 

 

ワイバーン「・・・ッ!」

 

 

Sergeant「分かるわよ!! 私だってね! ここに来る前の世界では、嫌われ者だった!

     少し、周りより体が大きくて通常より寿命が長いぐらいでギャーギャー!

     騒がれて! 殺されそうにも、なったこともあった!!」

 

 

ワイバーン「・・・っ!」

 

 

Sergeant「蜘蛛にだってね! 命があるのよ!! それをあの人間どもは・・・!!

     経立が何よ!! 妖怪が何よ!!! 蜘蛛が何よ!!!

     私だって好きでそうなったわけじゃない!!

     誰が好きであんな地獄を生きるものか!!」

 

 

ワイバーン「・・・?!」

 

 

Sergeant「・・・でも、その後も私は生き続けたの! そうね・・・・・・約30年間。

     そうしたら、ある日・・・私の居場所が見つかったわ。」

 

 

ワイバーン「・・・。」

 

 

Sergeant「主に見つかっても、騒がれず、殺されず・・・食事もとれる

     普通に生活を過ごせる空間をね。それから約20年後・・・主の娘さんに

     子供が出来たわ・・・。あの時は一緒に喜んだっけ・・・。」

 

 

ワイバーン「・・・・・・。」

 

 

Sergeant「伊達に50年以上生きると、蜘蛛も人間と同じように感情が付いてくるの。

     それで初めて彼と対面したのが、出産報告から6ヵ月後かなぁ・・・。

     彼も主と同じように私に接してくれたわ。ただし、彼にとっては

     私は姉のようなものだったのかもしれないけど。

     それから12年目の冬には新しい名前をもらったの。」

Sergeant「さらに彼が生まれて16年目の夏『奴ら』は攻めて来た・・・。

     そこで私は、この身体に似た身体を手に入れたんだけどね。

     そして17年目の夏に大人びた彼がやってきた。人間のままで。

     あの時は嬉しかったなぁ・・・素直な態度が取れなかったけど・・・。」

Sergeant「18年目には同居も始めたわ。彼、私の料理が『美味しい美味しい』

     って言ってくれるから喜ぶ顔が見たくて様々な料理を覚えたものよ。

     海に出かけたり、プールに行ったり、銭湯にも行ったわ。

     そして・・・また何年かして私はココに来た。」

 

 

ワイバーン「・・・・・・。」

 

 

Sergeant「結構、長くなったけど。ワイバーンも・・・・・・あら?

     何をなんて伝えたかったのか・・・。」

 

 

ワイバーン「わかった。もう、十分にわかった。」

 

 

Sergeant「そ、そう?」

 

 

ワイバーン「・・・・・・ワタシは、やはりお前について行く。」

 

 

Sergeant「・・・よかった。よろしく、ワイバーン。」

 

 

ワイバーン「・・・よろしくだ。Sergeant・・・。」

 

 

Sergeant「・・・! 今なんて・・・。」

 

 

ワイバーン「・・・二度は言わん。少し長く話過ぎたのだろう?」

 

 

Sergeant「そ、そうだったわね・・・! ア、ア、アイベックス!!?

     今の話、何を話していたか忘れたけど、他の誰かに話したら、

     胴体と頭が別れを告げることになるからね! 覚悟しなさい。

     墓にはパンケーキを供えるわ。」

 

アイベックス「・・・・・・。」ブルルルルッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[試験会場]

 

シグルス「・・・・・・遅い。」

 

 

ジュウカラ「確かに遅すぎますねぇ。シグルス様。私のパーシューターも

      確認に向かわせましょうか?」

 

 

シグルス「・・・・・・! いや、結構だ・・・。帰ってきた。」

 

 

ジュウカラ「・・・。チッチッチッチ。相変わらず、絶望的な顔をしていますねぇ。」

 

 

Sergeant「・・・遅くなって・・・ごめんなさい・・・・・・。」

 

 

ワイバーン「・・・・・・。」

 

 

シグルス「いや、構わない。早く他の隊員を纏め、試験を受けろ。」

 

 

Sergeant「・・・・・・・・・えぇ。」

 

 

ジュウカラ「・・・。あんな調子で大丈夫なんですかねぇ。チッチッチッチ。」

 

 

シグルス「どうだろうな・・・。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Sergeant「・・・遅くなったわね。」

 

 

ワイバーン「すまない・・・遅くなった。」

 

 

マスト「・・・・・・おう。」

 

 

ハーミール「んゆ・・・☆」

 

 

Sergeant「円陣・・・。」

 

 

カジュアル「・・・エンジン?」

 

 

マスト「こう・・・丸く・・・円に・・・・・・なるんスよ・・・。」

 

 

フォビドゥン「うにゃー・・・・・・。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジュウカラ「本当に大丈夫なんですかねぇ・・・。チッチッチッチ。」

 

 

シグルス「・・・・・・。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[円陣]

 

Sergeant「みんな 作戦、大丈夫よね。」キラキラキラ

 

 

マスト「『一見、絶望』作戦だろ!? 完璧だぜ!!」キラキラキラ

 

 

アンソニア「随分と遅かったっスね。何かあったんスか?」キラキラキラ

 

 

ワイバーン「・・・少し説得を受けてきた。怒っているSergeantも綺麗だったぞ。」

 

 

Sergeant「・・・褒めても何も出ないわよ。」キラキラキラ

 

 

ハーミール「んゆー☆何を話したのかなー☆?」キラキラキラ

 

 

ワイバーン「実は・・・話すSergeantの剣幕に見入っていてだな。

      内容が思い出せない。本当に思い出せない。だから、睨まないでくれ。」

 

 

Sergeant「睨んでないわよ?」

 

 

フォビドゥン「うにゃー。司令、睨んでいてもカッコいいです~。」キラキラキラ

 

 

カジュアル「司令、今作戦はどうしますか?」キラキラキラ

 

 

Sergeant「そうね・・・。マスト、カジュアル、アンソニアで

     敵を適当に翻弄しつつ私の元まで徒歩で撤退して。」

 

 

マスト「おう!」

 

 

アンソニア「わかったっス。」

 

 

Sergeant「いい? 徒歩で撤退するのよ? クリスタルは使わないでね?」

 

 

カジュアル「司令、何か撤退するときのコツはありますか?」

 

 

Sergeant「そうね・・・『もうダメだ~』って顔で撤退して。攻撃するときも

     『どうせ、勝てない』のようなムードを出して。」

 

 

ワイバーン「ワタシ達は何をすればいい?」

 

 

Sergeant「えぇ。ワイバーンはハーミールの護衛。

     ハーミールは敵を射抜くことに集中、フォビドゥンは・・・。」

 

 

フォビドゥン「・・・・・・。」

 

 

Sergeant「ごめんなさい。最初はアンソニア達と共に敵を翻弄しに回って。」

 

 

フォビドゥン「わかりました~!」

 

 

Sergeant「今回はハーミールとワイバーンが主役で、他が脇役に見えるかも

     しれないけど脇役も重要な役目だから。頑張って。それじゃ・・・」

 

 

全員『作戦、開始・・・・・・。んゆ・・・。』

 

 

 

 




【後書き】

1ヶ月ぶりに㊤㊦編に分けることにしました。
20000文字越えちゃってるからね。仕方ないね。

深夜に書いた結果がこれだよ! ちょっとアレだね。アレ。うん。
訂正している時間もなかったし・・・。仕方ないね。

それと、彼女の年齢を逆計算しないようにね!
あくまでも、彼女の記憶範囲内の歴史ダカラね!!
(つまり、実際はもっとBB――(不適切な内容だったため、粛清されました。))

そういえば・・・最近、何か大事なことを忘れている気がするんだ・・・。
㊦で思い出せてればいいのだけれど。
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