では、どうぞ
俺はトライドロンで住宅がないか魔法の森の周辺を探索していた。
「うーん、なかなか住宅が見つからないな。」
『それもそうだ。魔法の森はもともと魔法が扱える者しか住まないと聞いたからな。そうそう住んでる人はいないだろうな。』
確かにそれは言えるな。しっかし前にも感じたけどこの森すごいジメジメするな。森のあちこちに茸生えてたし環境も劣悪すぎる。魔理沙はよくこんなところに住めたもんだな。おまけに住宅なんて未だに見つかっていない…。
「はぁ…これは本当の意味でやる気なくすぞ……ん?」
俺が途方に暮れていると、運よく一軒の住宅を見つけた。よかった、魔理沙の他にも住んでる人いるんだな。
俺はその家の近くに停車し、ミハエルを装着してトライドロンから出る。にしてもあの家に行っても留守だったら意味がないな。でもここ以外に住宅はなさそうだし、賭けてみるか。
コンコンッ
「はーい」
ノックに反応して一人の少女がドアを開いた。少女は金髪のショートヘア、服装は青いワンピースを着用していた。俺はその少女の顔を見て頭の中がフリーズした。
千津瑠?
そう、その少女の顔が“あの事件”で死んだ千津瑠に似ていた。
「……。」
『進也?』
「?」
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俺はこの後、少女に家の中へ案内された。そしてイスに座り、ミハエルを外してテーブルに置く。少女は紅茶とクッキーを用意してくれた。魔法の森に住んでるから奇妙だと思ってたけど、意外とおもてなししてくれるんだな。
俺は紅茶に少し砂糖を加えて一口飲んだ。その味は…ちょっぴり甘くて、とてもほろ苦かった。そして紅茶を置き、クッキーを一枚つまんだ。
「ふふっ、おいしい?」
「…ああ。」
「それはよかったわ。」
少女は微笑ましい顔で言った。この感じ、やっぱりあの時と同じだ。
「そういえば名前を言ってなかったね。俺は炎斗群進也だ。」
『俺はミハエル。進也のベルトだ。』
「私はアリス・マーガトロイドよ。」
少女の名前はアリスと言うのか。
「ところであなたたちはどうして森へ?」
「俺は異変解決のために友人を連れていこうとして森に来たんだけど。」
「もしかして魔理沙のこと?」
「魔理沙を知ってるのか?」
「私の数少ない友人よ。魔理沙がどうかしたの?」
『自宅で植物状態に陥っていた。春度を取られたらしい。』
「そう…。」
アリスは魔理沙が植物状態と聞くと悲しげな表情になった。にしてもあちらこちらに人形が置いてあるな。
「人形好きなんだな。」
「?…ええ、私はいつか自律人形を完成させるのが目標よ。」
自律する人形か…すごい夢を抱いてるんだな。俺は夢なんてないけどな……“あの事件”以来ずっとな…。
『進也、さっきまで異変解決してやるとエンジン全開だったのに、どうしたんだ?』
「何だろう…途中でエンストしたっぽい。」
『そうか。』
「それにしてもあなた喋れるの?」
『ベルトに意思が宿ったと考えてくれ。』
「分かったわ。」
アリスってミハエルが喋ったことを何とも動じないんだな。霊夢と魔理沙は驚いたのに。
「進也の夢は何?」
「夢……?」
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「“たかが”才能を発揮させただけのお前がレーサーの道を歩めるものか!!レーサーを舐めるな!!!!!」
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「いや、無いよ。」
『本当に無いのか?トライドロンをあんなに上手く走らせていたのにか?』
「あってもここに来る前に諦めているよ。」
『何故なんだ?』
「話したくない。思い出したくもない。」
「教えて。何があったのかを…。」
アリス……そこまで知りたいのか?……千津瑠のことも含めて言うしかないようだな…。
「………分かった、全て話すよ。俺が夢を諦めた理由を。」
次回 東方加速戦士
進也は自らの過去を語ることにした。果たして、進也が語る“あの事件”とはいかに…?
次回【進也の過去に何があったのか?】
スタート・ユア・エンジン!