「な…進化した!?」
『ロイミュードは条件を満たすことによって進化することができる。進化すると固有の能力を得られるんだ…。』
つまりあいつは春度を集めたことが進化に繋がったって訳か…。
「ふんっ!」
するとチェリーロイミュードが右手から赤い波動を放ってきた。俺は満身創痍の状態で戦闘態勢をとる。
「………あれ?何も起こらないぞ?」
『いや、周りを見ろ!』
「周り?…………!?」
俺はミハエルの言う通りに周りを見てみると、幽々子やアリスの動きを含め、俺とチェリーロイミュード以外の動きが目に見えて鈍くなっていることに気づく。まさか…!
「これって、重加速!?」
そうか、上級態になると幻想郷でも重加速を引き起こせることをすっかり忘れていた…!
「よくも……私の悲願を……!」
「はっ、春度を奪ってまであの桜を咲かせようとしたのはお前だ。自業自得だろう?」
重加速の中、幽々子はチェリーロイミュードを睨みながら言った。だがロイミュードの言う通り、異変を起こしたのは幽々子であり、用心棒として雇ったことが進化に繋がってしまった。まさに自業自得だ。
「さて、もうお前は用済みだ。死ね!」
「!!」
チェリーロイミュードが幽々子を攻撃しようとした……が、途中で止めた。
「…だが、お前は既に幽霊だったな。それなら殺せないな。お前はそこでひれ伏せてろ。」
幽々子が既に幽霊であることに気づいたロイミュードは暴言を吐いた後、今度は俺の方に近づいてきた。
「次はお前だ!」
くっ…こんな状態で……。
俺は満身創痍の体に鞭を打ちながら立ち上がり、迫ってくるチェリーロイミュードにハンドル剣を振る。
「無駄だ。」
「っ!?」
俺はチェリーロイミュードの攻撃を受けてハンドル剣を離してしまった。
「まだだ…!」
俺はホルダーからシャドーを取りだし、ブレスに装填しようとする。
「こいつを喰らえ!」
「ぐあっ!?」
ここでロイミュードが花びらを飛ばして追撃、俺はこれを喰らってシャドーを手離してしまう。くそ、体が………。
勝利を確信したチェリーロイミュードは今度はアリスの方へ近づいていく。
「あの時は仮面ライダーに邪魔されたが、ようやくお前を殺せる。」
「ぁ………ぁ………。」
動揺したまま未だにその場を動かないアリスをロイミュードが掴み上げる。
このままだとアリスが殺される……ちくしょう、動け…俺の体……動けってんだよ……!!
「ふんっ!」
「きゃっ!!」
ロイミュードがアリスを投げ飛ばすと、止めを刺そうとエネルギー弾を形成する。アリスは怯えながら後ろに下がるが、このままだとエネルギー弾が命中するのも時間の問題…。俺には何も守れないのか…?
『進也…。』
!…この声は、千津瑠!?
『貴方には守るべきものがあるわ。だから、前へ進み続けて、進也。』
分かったよ……千津瑠!
俺はキーを回し、ホルダーからスパイクを取りだしてブレスに装填、そのまま前へ倒す。
『タイヤコウカーン!ファンキースパイク!』
俺はスパイクタイヤに交換し、力を振り絞って立ち上がる。そしてボタンを押し、スパイクを前に倒す。一か八か、スパイクの一撃に賭ける!
『ヒッサーツ!フルスロットル!スパイク!』
「おりゃああああ!!」
「!?」
俺は肥大化したスパイクタイヤでチェリーロイミュードめがけて渾身のタックルをかます。ロイミュードはこれを受けて数メートル吹っ飛んだ。俺はその隙にハンターとベガスをアリスのもとへ向かわせる。するとアリスの右腰にホルダーが現れ、そこにハンターとベガスが装填された。シフトカーの力で重加速を免れたアリスは荒い呼吸をしていた。
「大丈夫か?」
俺はアリスに声をかける。アリスはまだ動揺していたが、首を縦に振ったのは確認できた。
「ぐっ……仮面ライダー、なかなかやるな。だが、お前は誰も守れやしない。」
「いや、俺は守ってみせる!」
「馬鹿な。お前は悪意に満ちた幻想郷を守るというのか?異変を起こしたあいつが証拠だぞ?幻想郷に守る要素なんて一つもない。」
チェリーロイミュードは異変を起こした幽々子を指差しながら俺に問う。
「まぁ、一部はお前の言う通りかもな。」
「何?」
「幻想郷に異変なんてなかったら、解決者も博麗の巫女も、ましてや仮面ライダーなんて必要ない。360度ずるい奴やうんざり事まみれだし、俺の居た世界とはまるで違う。けどな、そんな世界の中で頑張ってる人達が光って見える。」
俺は話ながらキーを回し、シフトワイルドを手にする。
『シフトワイルド…!』
「俺は…俺の守るべき人達を守る!」
俺は情熱の篭った決意を言いながらブレスにシフトワイルドを装填し、そのまま前に倒す。
『ドライブ!タイプワイルド!』
スパイクタイヤが射出されると、再び変身時のタイヤ型のオーラが身を包み、アメフト選手を意識した頑丈なアーマーが装着され、ワイルドタイヤが右肩に装備された。
『GOOD!お前の情熱[パッション]はフルゲージだ!』
俺はニューボディとなった姿でロイミュードに攻撃を仕掛ける。
「ぐっ!?」
パワーが強いのか、ロイミュードはさっきと違い、防戦一方の状態になっていた。これがタイプワイルドの力…情熱が高ければ高い程強い!
「そうだ、ワイルドなら……来い、ダンプ!」
俺は何回訓練しても使いこなせなかったダンプを呼び、ブレスに装填して前に倒す。
『タイヤコウカーン!ランブルダンプ!』
ダンプタイヤに交換した俺は、タイヤについたドリル型ナックル・ランブルスマッシャーをロイミュードに叩きつける。
「ぐおっ!?」
ドリルによる強力な打撃攻撃はチェリーロイミュードに大きなダメージを負わせる。すごい、あんなに使いこなせなかった重たい装備が、ワイルドなら嘘のように軽いぜ!
「喰らえ!」
「ぐあああっ!?」
俺はチェリーロイミュードを吹き飛ばす。ロイミュードは壁に叩きつけられると、満身創痍の状態で俺に特攻してきた。
『いいぞ、そのまま決めろ!』
俺はキーを回し、ボタンを押してダンプを前に倒す。
『ヒッサーツ!フルスロットル!ダンプ!』
タイヤに装備されていたランブルスマッシャーが左手に装備された。
「はああああああ!!」
そして俺はランブルスマッシャーをロイミュードに叩き込む。そのドリルは高速回転しながらチェリーロイミュードを圧倒していく。
「おりゃああああああ!!」
「ぐっ……うおおぉ…!」
俺はそのまま空へ打ち上げると、ロイミュードは爆散。そして101という数字型のコアも、空中を少し浮遊した後に爆散した。
「はぁ………はぁ……。」
俺は息を切らしながら変身を解除する。
『よくやったぞ進也。』
「ああ……けど、ちょっと……休憩…させてくれ…。」
またあの時と同じか…。俺はミハエルにそう言った後、その場で倒れて気を失った。
次回 東方加速戦士
異変を解決した進也。自らが行った過ちを謝罪する幽々子。そして、命を賭けて守ってくれた進也にアリスは…。
次回[異変解決とアリスの想い]
スタート・ユア・エンジン!