はぁ……恋愛描写は苦手分野だ。
進也side
「…………ん?」
再び目を覚ますと、俺の視界には天井が映っていた。そうか…またあの時のように気絶したのか。
『目覚めたか、進也。』
「……ミハエル、俺はどのくらい眠ってたんだ?」
『3日だ。』
3日か…紅魔異変の時よりは傷が深くなかったのか。体に巻かれてる包帯も少ないし…そんなことはどうでもいいか。
俺は布団から体を起こすと、すぐ側に置いてある俺の服を着用し、シフトブレスとミハエルを装着する。
コンコンッ
「着替えたから入っていいぞ。」
「入ります。」
ちょうどその時に妖夢が入ってきた。初対面のときとは違う程礼儀正しかった。
「怪我の方は大丈夫ですか?」
「ああ、大分良くなった。」
「そうですか。」
『妖夢と言ったか。幽々子と会えるか?』
「ちょうど幽々子様がお呼びです。」
俺は妖夢に案内され、幽々子がいる部屋に入る。そこには幽々子の他、紫ともう一人の少女が座っていた。少女の服装を見る限り、紫の助手か何かだろう。そして少女には九尾の尻尾が生えていた。
「ん?…あら、目覚めたのね。」
「多少痛むけどな。」
『分かってはいたが、紫と藍も来ていたんだな。』
「異変が解決したと聞いて、すぐに駆けつけたのよ。」
そんな会話の中、藍と呼ばれた少女が俺の方にやってきた。
「貴方が炎斗群進也ですね?」
「ああ、そうだけど?」
「私は八雲藍。紫様の式神だ。」
式神…なるほど、いわば紫の使い魔みたいな存在なんだな。
「それはさておき、異変の件は本当にごめんなさい。」
「西行妖を咲かせたのはともかく、ロイミュードを解放したことは大罪よ?」
幽々子が謝罪する中、紫はそう言った。ミハエルが造ったとはいえ、今までずっとロイミュードを幽閉してきたからな。黒歴史を解放するなんてことはかなりの罪だろうな。
『幽々子、ロイミュードを解放したのは101だけだな?』
「ええ。ただ…解放する際に結界を弱めちゃったから……もしかしたら…。」
まじか……結界弱まったらロイミュードが逃げ出すのに……。
『……進也。』
「ああ、これは後々忙しくなりそうだ。」
俺は溜め息をつきながら、座卓に置いてある茶を飲む。そして湯呑みを置き、幽々子の方を向く。
「幽々子さん、貴女が今回の異変を起こしたきっかけは何ですか?」
「…………ある日のことよ。私は書架で一冊の古い記録書を見つけたの。その記録には、[何者かが西行妖に封印されている]ってね。だから西行妖を満開にすれば封印が解けるんじゃないかって思ってね。」
幽々子は少しの間黙っていたが、異変を起こしたきっかけを話してくれた。どうやら西行妖に誰かが封印されているらしく、その封印を解くために西行妖を満開にさせたかったらしい。俺にとっては気にくわない願いだ。
「そんなこと、封印されている奴は望んでないと思うぞ。」
俺は西行妖の方を向きながら話す。他の皆は俺の方に注目する。
「どういうことなの?」
「封印されている奴は、これ以上犠牲が増えないために自らの命と引き換えに西行妖を封印したんじゃないかってことですよ。それにもし満開になって封印が解けたとしても、求めていたものとは全く違うものかもしれないですよ。過去を求めても、得られるなんて分からない。だから…今を真っ直ぐ生きるんです。」
俺はレーサーを目指していた時の言葉を加えながら話す。幽々子はこれを聞いて思考が一瞬フリーズしていた。
『進也は幻想郷に来る前、事故で失ったものがある。だが進也は過去を求めようとはせず、今を真っ直ぐ生きているんだ。だからお前も罪を背負ってまで過去を求めようとはするな。いいな?』
「檀…。」
「それじゃあ、俺はここで失礼します。」
俺はそう言うと、座卓に置いてあるミハエルを再び装着してその場から出る。
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「なぁミハエル、そういえばアリスはどうしたんだ?」
『うーん、あの後自宅に帰ると言ってたな。』
「そうか。じゃあ冥界から出たらアリスの家に戻らないと「進也!」…ん?」
俺がミハエルと会話しながら白玉楼から出ると、前方からアリスがやってきた。
「アリス…来てくれたのか?」
「うん…貴方が心配だったから…。」
3日前の戦いからか、どことなく弱気なアリス。俺は来てくれたことに感謝することしか言えなかった。
俺はアリスと共に階段を降りていく。何の会話もなく、ただ沈黙したまま……。
「……進也。」
「…どうした?」
ここでアリスが口を開いた。
「私ね、怖かったの……ファンタジアフリーズ以来、ロイミュードを恐れてたの…。もし進也が来てくれなかったら、私は命を落としていたかもしれなかった。」
アリスの過去は、俺と同じく辛かったんだな…。
「だからね、私は貴方に感謝したいの………
ありがとう。」
「……!」
その言葉は、至ってシンプルながらも暗い気持ちを一気に吹き飛ばしてくれるような温かい言葉だった。
「俺もお前に感謝してるよ。俺がピンチのところを助けてくれた時のお前、すごく輝いてたぜ。」
「進也…!」
『うん、二人はなかなか良いコンビだ。』
「さぁ、帰ろうか。」
「うん!」
俺はそういうと、アリスと共に再び階段を降りる。その際、アリスが見せた笑顔は虹のように明るかった。
死神side
「“友達”が1人犠牲になったか…。」
「ですがロイミュード達を幽閉している結界が弱まったそうです。解放されるのも時間の問題です。」
「そうか!」
夜の都会の橋の上、俺はハートとブレンの会話を聞いていた。俺の仕事はロイミュードの処刑、すなわちリセットだ。俺はさっきからイライラが止まらない。奴を見てから……。
仮面ライダー……お前は、俺が殺す…!
紫side
「彼を幻想郷に招いて正解だったわね。」
私は進也達の様子を見ながらそう言った。過去を求めず、今を真っ直ぐ生きる。それが仮面ライダーとして戦う彼の信念かもしれない。
檀……彼を頼んだわよ。
「……紫。」
「?」
幽々子が突然、切ない表情で声をかけてきた。
「進也のことなんだけど………。」
「…何かしら…?」
私は突然と重苦しくなった空気の中、幽々子から進也についての話を聞いた。
「…………。」
それは…………とても辛いものだった。
次回 東方加速戦士
アリスと同居することになった進也。だが進也には一つ思い悩むことがあった。それはドライブの装備についてだった。
そして突如として現れたロイミュード。進也は戦いの最中、開発者の正体を目にする。
次回[ドライブの装備は誰が作っているのか?]
スタート・ユア・エンジン!