ドライブの装備は誰が作っているのか?
「ふぅ……やっと建て終えたよ。」
『これでトライドロンを格納できるな。』
異変解決後、俺はアリスと同居していた。異変を解決した途端、積もるに積もっていた雪が溶け、花が咲き始めた。一ヶ月遅れてようやく幻想郷に春が訪れたんだ。俺はたった今、アリスの家の隣にトライドロンを格納するための車庫を完成させたところだ。本来車庫の建設には約1週間以上はかかるものだが、シフトカー達のおかげで建設をたったの7時間で終えることができた。俺の住んでいた現代だと無論こんなこと出来るわけが無いが、幻想郷だとこれが可能だったりするらしい。
俺は完成したての車庫にトライドロンを格納すると、トライドロンから降りて車庫の扉を閉める。ちなみにミハエルは腰に装着したままだ。
「進也、おつかれ様。」
ここでアリスが俺のもとにやってきた。初対面のときと比べて比較的明るく接してきた。
「お茶淹れたから一息しよ?」
「ああ、そうだな。」
俺はアリスに言われるまま家に入り、椅子に座るとミハエルを置き、紅茶を
飲む。
「ふぅ……車庫を建てたからか、疲れがのしかかってきたな…。」
『丸太を何本も運んだからな。タイプワイルドでも筋肉疲労は当然だろうな。』
本当それだな。タイプワイルドでもどこぞのコマンドーみたいにはいかないもんだな。
「進也の世界には車庫ってものはあるの?」
「ああ、普通に存在するよ。」
幻想郷だと車がほとんど存在しないから車庫もないよな。アリスが珍しがるのも無理もないか………ん?待てよ、そういえば俺も疑問に思ってたことがあったな。
「なぁミハエル。」
『ん?何だ進也?』
「シフトワイルドやハンドル剣を作ったのは誰なんだ?」
『………』
沈黙かよ……そういう秘密主義は好きじゃないんだよな…。
その時、ハンターが俺のもとにやってきた。何かあったのか?
「どうしたハンター?………ロイミュードだって!?」
「え?」
俺はハンターが得た情報を聞くと、すかさずミハエルを装着して現場に向かう。
「ちょっと、進也!」
アリスも俺の後を追った。
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俺たちが現場に着くと、そこには二体のロイミュードがいた。ナンバーはそれぞれ【027】と【051】のようだ。
『やはり、結界が弱まったせいでロイミュードが出てきたのか。』
「進化する前に無力化しないとな。筋肉疲労も重なってるし。」
『そうだな。スタート・ユア・エンジン!』
「変身!」
『ドライブ!タイプスピード!』
俺はドライブに変身し、二体のロイミュードに向かって突撃する。筋肉疲労ながら、その手は緩めずに攻撃を繰り出す。
「操符【乙女文楽】!」
アリスもスペカを放って援護する。ロイミュードとはいえ、下級では重加速が起こせないからシフトカー無しでも自由に行動できる。
「ぐおおおお!」
ここでロイミュード051が光弾を放ってきた。俺はすぐにキーを回し、スピードを三回倒す。
『スピード!スピード!スピード!』
俺は加速してロイミュードの光弾を避ける。
「喰らえ! 輪符【ストライクホイール】!」
俺はスペカを放ってロイミュードを攻撃する。これを受けた051は大きく怯む。
『ヒッサーツ!フルスロットル!スピード!』
「はああああ!」
「ぐわあああ!?」
さらにライダーキックで追い討ちを仕掛け、ロイミュード051は爆散。コアも少し浮遊して爆ぜた。
「残りはあいつだけだな。よし、ワイルドに決めてやるぜ!」
『ドライブ!タイプワイルド!』
ここでタイプワイルドにチェンジし、ロイミュード027を圧倒的な馬力で追い詰めていく。
「おりゃあああ!!」
そして俺は027を吹っ飛ばし、木に叩きつけた。027は力を振り絞って立ち上がろうとするも既に満身創痍だ。
「とどめだ!来い、ハンドル剣!!」
俺はフィニッシュを決めるため、ハンドル剣を呼ぶ………………が、その声が魔法の森に響くだけだった。正直言ってものすごい恥ずかしい。
「あれ?…ミハエル?…ハンドル剣来ないぞ?」
『今トライドロンの中に無いんだ。もう少し待ってくれ…。』
「はぁ!?…何でだよ…。」
今までトライドロンの中にハンドル剣格納してあったじゃん。何で今回無いんだよ?
俺がイライラしながら待っていると…
「進也さん!ハンドル剣はここです!」
後ろから覚えのある声がした。俺はすぐに後ろを振り向く………え!?
「藍!?何でここに!?」
そこにはハンドル剣を抱えてやってきた藍の姿があった。それよりもどうしてハンドル剣を持ってるんだ!?
「いいから!それで決めて下さい!…ね?」
「アッハイ……あ……はい………??」
藍は俺の話を聞かずに無理矢理ハンドル剣を渡すと、にこやかなスマイルを送った。ちなみにチラッとアリスの方を向くと…
「むー…。」
頬を膨らませて拗れていた。藍…お前本当になにしてんだよ…。もう訳が分からない。
『ターンを切ってクラクションを押すんだ!』
「こうか?」
俺はミハエルの言う通り、ターンを右に切ってクラクションを押す。
『ターン! ドリフトカイテーン!』
「はぁぁああああ!!」
俺は回転しながらエネルギーに満ちたハンドル剣を027に叩きつけていく。
「ぐあっ!?」
やがて連続攻撃を受けたロイミュード027は爆散し、コアも爆散した。
「………ミハエル。」
『何だ?』
「“どういうこと”なんだ?」
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『という訳で藍はメカニッカーだったのさ。』
家に戻り、ミハエルは長い話をして今まで藍がドライブの装備を作っていたことを話した。“という訳で”じゃねぇだろうが……(怒)。
俺はミハエルの秘密主義にイライラしながらがっかりする。その際、俺の着ているジャケットが肘のところまで落ちた。
「あ…ギアが落ちた。」
「まぁまぁ、気を落とさないで下さい進也さん。私が頑張ったおかげで今までの戦いに勝てたんですから。」
アリスが呟いているとは逆に、藍は励ましてきた。藍、確かにそうだけどなぁ……。
「それにほら、女子が二人になればそれだけ華が増えるじゃないですか?」
藍はアリスに俺の右腕を掴ませると、自身も同じく左腕を掴み、またにこやかなスマイルを送った。俺は再びアリスの方を見ると、アリスは先程の“アレ”が余程悔しかったのか、藍以上のスマイルを送った。が、ミハエルの秘密主義に苛立っていた俺は二人のいい笑顔そっちのけでミハエルの方を向く。
「何で無視するの!?」
これにはアリスはおろか、藍も拗れてしまった。だが今の俺は二人のことなど満車状態の駐車場の如く頭に入ってなかった。
「秘密主義もいい加減にしろよ?もうこれ以上は無いだろうな!?」
『………』
……また沈黙か…。ということはまた何か隠しているな…何でミハエルはいつもそうやって隠し事すんだよ…。
「マジで腹立つな…この“巻き巻きJJI(ジジイ)”!!!」
俺はまだ何か隠しているミハエルを叩くと、苛立ったまま別室に移動して扉を固く閉める。
「ちょ、ちょっと!?進也!?」
『JJIって……言い過ぎだろ……。』
アリスは固く閉じられた別室にいる俺を呼びかけ、ミハエルはショックを受け、藍は開いた口が塞がらずにいた。
そして俺は、扉で背もたれして拗れていた。
「ああー!!もう、やる気になれるか!!」
次回 東方加速戦士!
進也たちは第二回の宴会に出席した。そこには何故か鬼の少女がいて…?
次回[何故宴会に鬼の少女がいるのか?]
スタート・ユア・エンジン!