進也side
俺は森から少し離れた場所を散歩していた。アリスは連れてきてないし、ミハエルもトライドロンも置いてきた。
たまには一人で散歩を楽しみたいからな。
「一人で散歩するのは久しぶりだな……普段はトライドロンでドライブしてるけどな。」
俺はしばらく歩いて日の当たる広場まで行くと、その場で寝転んでたちまち昼寝をする。
パシャリパシャリ!
「…ん?」
シャッター音…?文が俺の昼寝姿を撮影してるのか?昼寝姿を新聞載せても何もおもしろくないと思うけどな…。
俺は起き上がって後ろを振り向いた。
「Hello.(こんにちは。)」
「……え?…あ、どうも。」
そこには見慣れない青年がいた。しかも何故か英語で挨拶してきた。青年の格好は白をベースに赤と青のラインがかかったデザインのパーカー、青いジーパンと何処かアメリカンな容姿だ。青年の手にはデジカメがあった。結構最新型のものだ。
「俺は炎斗群進也だ。お前は?」
「俺は鳴神寺走佑だ。よろしくな、進也。」
日本語も喋った…ってことは走佑は、アメリカから幻想入りしたってことになるのか…?
「いやー、アメリカと違ってここは自然豊かだから空気がうまいな。」
「そりゃ幻想郷だからな。外の世界と違って目立った工業とかはないから環境が良いんだよ。」
「ふーん、幻想郷ねぇ……具体的にどんな世界なんだ?」
「単純に言うと、人間の他に妖怪や妖精、幽霊に神様などが住んでる世界と言っておこうかな。」
俺は走佑に幻想郷についての詳細を簡単に解説する。走佑はふむふむと呟きながら頷いていた。
「ちなみに進也は幻想郷の人間なのか?」
「いや、走佑と同じ外の世界の人間だよ。前に幻想入りしてきたんだ。」
「幻想入り?」
「【スキマ】に吸い込まれることによって幻想郷に入ってしまう現象のことだよ。」
「ふーん……。」
何かあんまり分かってなさそうだ……俺も幻想入りについての知識は皆無だしな。
「そうだ進也、今から俺と勝負しないか?」
「え?」
突然、走佑が俺に勝負を申し込んできた。何をするんだ?
「どちらが一番早く綺麗な写真を取れるか勝負しようぜ。このカメラを貸すよ。」
どうやら撮影勝負らしい。走佑は勝負のためにカメラをレンタルしてくれた。
「制限時間は20分、じゃあスタート!」
「おい待て、幻想郷は結構危険な場所が多いからそこには近づくなよ!?」
「危険?……趣味なんでな。」
それどんな趣味だよ。そんなことより、走佑は勝負開始を宣言してそのまま何処かへ行ってしまった。
「うーん…とりあえず里に行くか。」
ハイリスクハイリターンよりもあえて安全に撮影した方が無難だよな。ここから近いし。
俺は里に着くと、俺は目に映る光景にひたすらカメラで撮影する。一生懸命働いている職人さん達、茶屋で賑わっているお客さん達、そして子供達の姿。まぁ、いいんじゃないかな?
ブゥゥゥゥゥン!
「あ、ミハエルだ。」
ちょうどその時、ミハエルがトライドロンで進也を迎えにやってきた。
『進也、帰りが遅かったから迎えに来た。』
「そうか、それはごめんな。」
俺はトライドロンに乗り込む。運転はミハエルがやってくれた。
「なぁミハエル。」
『どうした?』
「俺、写真勝負を挑まれて綺麗な写真を撮ってる途中だったんだ。」
『けど十分撮ってたじゃないか。それに里の賑やかな雰囲気を撮ったようだな。これらだけでもなかなか綺麗だぞ。』
「そうだけどな………あ、そうだ!」
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「写真を撮りたい…?どういうことなの?」
「ああ、実はさっき会った青年に写真勝負を挑まれてな、だからアリスの写真を撮りたいと思って。」
俺は走佑に申し込まれた写真勝負の事をアリスに話した。
「それで、どんな写真なの?」
「これらの写真のように、頑張ってる姿を撮ろうと思うんだ。」
「…分かったわ。」
アリスは了承すると、人形や裁縫道具などを机に置いて撮影の準備して人形を縫い始めた。俺はカメラで撮影する。
「ど、どうかな…?」
「ああ、すごく良い写真が撮れたよ。」
アリスが人形を縫う姿を撮影できた俺は喜びに満ち溢れている。アリスも力になれたと微笑みを見せている。
「よし、これであいつの写真に勝てr「お前は何を言ってるんだ?」………エ?」
俺が喜んでいると、俺の背後に何故か走佑が座っていた。
「アイエエエエエエ!!?走佑!?走佑ナンデ!?」
『(ん?あの青年は確か…。)』
「貴方、いつの間に私の家に!?」
「何でって、魔理沙ってやつに案内してもらったんだよ。」
「(魔理沙ーー!?)」
魔理沙が教えたんかよ…ってかよく魔法の森まで来たな。
「そういえば、お前の写真は?」
「そうだったな、これを見ろ。」
走佑は自分のカメラの写真を俺たちに見せた。
「…………嘘だろ?」
「綺麗……。」
俺のとは比べ物にならないくらいの綺麗な写真だった。なんてこった。
俺はショックのあまり顔を天井に向けて放心状態になってしまった。要はエンストだ。
「し、進也!?」
アリスは放心状態の俺に気がつき、呼び戻そうとするもなかなか治らない。
「じゃあ、お邪魔しました。」
その間に走佑はカメラを回収して出ていってしまった。
その後、俺が放心状態から戻ったのはそれから約3時間後のことだった。
走佑side
「さーて、帰るとするかな。」
俺は家から出ると、進也の車の隣に停めてあった俺のバイク・ライドマッハーに乗り、エンジンをかける。そしてスロットルを捻ってライドマッハーを発進させた。
次回 東方加速戦士
進也は紫から渡されたスペカをひたすら特訓するが、なかなか成功しない。そんな中、ロイミュードの幹部・ブレンが迫る。
次回[日蝕のスペカは完成するのか?]
スタート・ユア・エンジン!