個性『ロケットパンチ』   作:その股ぐらにロケットパンチ!

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四発目 戦闘訓練

 

 怒涛の入学式からしばらくして……雄英高校ヒーロー科といえども、学生の本分である勉強にも手は抜かない。授業は全てプロヒーローの指導の元行われる。

 

 そして、お昼には一流のシェフの料理を安価で味わえるのだ。

 

 そしてやってくる午後の時間、ヒーロー基礎学、ヒーローの素地を学ぶための時間、ヒーロー科の人間が一番に待ち望む授業だ。

 

 皆が授業の始まりを待ち望む中、その時はやってくる。

 

 

 

私が普通にドアから来たァァ!

 

 扉を勢いよく開いてやってくるのは、銀時代のコスチュームを身に着けた、我らがヒーロー、オールマイトだ。

 

 その瞬間に、静寂に包まれていたクラス一同はざわざわと声を上げる。

 

「すげぇオールマイトだ!……本当に教師やってんだ!」

「銀時代のコスチュームか!」

「画風違いすぎて鳥肌が……!」

 

 すると、オールマイトは笑顔を崩さずにヒーロー基礎学についての説明を始める。

 

「私が受け持つのはヒーロー基礎学、ヒーローの素地を磨くための授業だ!単位数も最も多いぞ!」

 

 そして、オールマイトは懐からBATTLEと書かれたカードを勢いよく突き出して、声を上げる。

 

「早速だが今日はコレ!戦闘訓練!」

「戦闘訓練……!」

 

 その言葉に、クラス一同はさらにヒートアップする。騒がしくなるというわけではなく、空気感が変わるのだ。その様子を見てオールマイトもうんうんと頷くと、声を張り上げる。

 

「それに伴ってこちら!」

 

 オールマイトの言葉とともに壁がせりでてくると、中にはアタッシュケースのはいったケージが現れる。これは一体何なのか?その答えはすぐさまオールマイトが明らかにする。

 

「入学前に送って貰った個性届と、要望に沿ってあつられたコスチューム!」

 

「「「おぉ!」」」

 

 コスチューム。その服に袖を通すのを夢に見る者は多い。ヒーロー志望なら尚更だ、流石に生徒達も思わず声を上げずにはいられない。

 

「着換えたら各自、グラウンドβに集まるんだ!」

「「「はい!!」」」

 

 生徒達はその様に声を上げて、各々が更衣室へ急ぐのだった。

 

 

■■■

 

 快人はコスチュームに身を包んで、グラウンドβへと道を進みながら改めてコスチュームの確認を行う。

 

 耐火防弾軽量のジーンズに、少しゆとりのある半袖のジャケットに黒いグローブだ。

 

 正直、このコスチュームを着て街を歩いても、普通の一般人にしか見えないだろう。その位カジュアルな服装だ。

 

 しかし、快人としてはこれで十分……快人的には下手に装飾が多くなって動きにくくなるよりも、ある程度軽装で動きやすい方が良い。それに、他のサポートアイテムは発目が作って貰いたい……というのが快人の本音だ。

 

 幼い頃から発目の発明を見てきた快人は、コスチュームやサポートアイテムは発明に作ってもらいたいという気持ちが強くなっていた。

 

 故に、発明が改造しやすいようにシンプルに仕上げた側面もある。発目に二重の意味で惚れ込みすぎ?快人自身もそれは自覚済みだ。

 

(だけど、拳の防護がグローブだけってのはシンプルにしすぎたか?)

 

 だが、今更後悔しても遅い。幸い快人の腕は普通の人よりも頑丈だ……グラウンドβへ集まると、早速オールマイトが皆のコスチュームを褒め称える。

 

「形から入るってのも大事な事だぜ…………いやぁ!格好いいじゃないか、有精卵達!!」

 

 早速始めようとするオールマイト、すると飯田が手をビシッと上げて動き出す。

 

「先生!ここは入試の試験会場ですが、また屋外戦闘ですか!?」

「いや!もう2歩先へ踏み込む……屋内での対人戦闘さ!」

 

 そう言って、オールマイトは(カンペを読みながら)授業内容の説明を始める。

 

 チームはヒーローとヴィラン、二対二で別れる。

 想定状況は、ヴィランが核を建物内に隠し持ち、ヒーローはそれを処理しようとしている。

 

 制限時間内に、ヒーローはヴィランか核を確保できれば勝利、ヴィランは核を守り切るかヒーローを確保すれば勝利だ。

 

 チーム分けはくじ引き。あえてランダム性を高くしたのは、ヒーローとして即席チームを組むこともあると言うのを想定したのと、単純にクラスメイトとのコミュニケーションをさせるためだろう。

 

 そして、厳正なるくじの結果快人の相方は……

 

「爆豪よろし――」

「話しかけんじゃねぇパンチ野郎ォ!!」

(クッソよりによってコイツかよ!?個性把握の時に出しゃばっちゃったから多分だいぶ敵視されてんぞ俺!?)

 

 自業自得…と言われればそれまでだし、快人もそれはわかっているから下手に爆豪に踏み込もうとはしない。しかし、かといって無視もできない。

 

 チームとして活動するからには、せめて作戦会議来派したいものだが。

 

 すると、オールマイトもくじを引いて先頭の組み合わせを発表する。

 

「チームAがヒーロー!チームDがヴィランだ!」

 

 チームAは緑谷と麗日のペア。チームDは快人と爆豪のペアだ……戦闘訓練の幕は今、切って落とされた。

 

■■■■

 

爆豪と快人がやってきたのは、ビル五階の真ん中フロア。そこはいくつかのガラクタが置かれております、真ん中には巨大なミサイル状のハリボテがおいてあった……守るべき対象はこれだろう。

 

「これを守りゃいいんだな……爆豪、作戦あるか?」

「全部俺がぶっ倒す……!!あのクソナードを!!」

(クソナード……緑谷の事か。)

 

 快人が見ていても、爆豪と緑谷の間に何か因縁があることは見てわかる。だが、これは授業……できれば公私は分けてほしいのだが……まぁ土台無理な話だろう。

 

「……おいパンチ野郎ォ……デクは個性が()()()()()()

(デク……出久の別読みか。あだ名か?)

「少なくとも、俺はあんな超パワーだせる無個性は知らねぇな。」

「……だよッッッなァッ!!」

 

 快人から見ても、爆豪のイライラゲージが上がってきているのはわかる……しかし、なんで無個性の確認なんか、まるで緑谷が今まで無個性だったみたいな言い方だ。

 

 ……兎も角作戦を立てるためにお互いの個性を知らなくては、自己紹介は自分ら、と言ことで、快人は自身の個性について話す。

 

「俺の個性は『ロケットパンチ』腕を飛ばせる……勢いはある程度調整可能、物を掴んだりも出来る。一度打ち出した腕は戻すまで決して止まらな――」

うるせぇッ!!テメェの雑魚個性なんか知るか!!

 

 イラついた爆豪の声の後に、静寂がその部屋を包む……快人は、軽く溜息をつくと、頭を掻き毟りながら言葉を紡ぐ。

 

 「ったく……わぁったよ、好きにしろ。」

 

 これは許可というよりも、諦めに近い。コイツもう何言っても無駄だから好きにしてもらおう。その結果何があっても知ったこっちゃない。

 

 もはやこの時点でヴィランのチームとしては瓦解寸前、もうこのまま待ってたらそのうち同士討ちでも始めるんじゃないかってくらい険悪な雰囲気だ。

 

 その間に、快人は相手の個性について考える……個性把握テストをみる限り、緑谷の個性は超パワー、麗日の個性は……分からない。触れたものがふわふわと浮いていたから、そのまま触れたものを浮かす個性だろうか?

 

 快人の思考がまとまらぬうちに、やがて戦闘訓練開始の合図がする……すると、爆豪は我先にと飛び出していった。快人はひとり取り残されると、頭を掻き毟りながらぼやく。

 

「そんなに雑魚かねぇ、俺の個性。まぁ……いいや。」

 

 そんな風にぼやきながら、快人は麗日の浮かす個性を警戒して片付けをしながら相手が来るのをただ只管に待つのだった……最高に汚い時の発目の部屋を思い出して、片付けに少しだけ精がでてしまったのは秘密だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 麗日お茶子は、無事に核兵器のある部屋へと侵入果たす。音も立てずに静かにだ。

 

(よし……デクくんの為にも頑張らなくちゃ!)

 

 案の定、爆豪は緑谷に襲いかかってしまった。

 

 緑谷に先を急ぐように言われた麗日は、今も頑張っているであろう緑谷の為に、なんとか核兵器へと近づこうとする。

 

 麗日はそぉっと柱から顔を出すと、そこには核兵器のある部屋で、核兵器のど真ん中で快人が――

 

「〜〜♪♪」

 

 見事な鼻歌を歌いながら、片付けに勤しんでた。

 

 快人はかなり手際よくテキパキと動き、まるで主婦のように手慣れている。綺麗になっていくほど快人はルンルン気分となり……

 

「ふふふんふ〜ん♪」

 

 鼻歌にさらなる拍車をかけてしまった!爆豪と肩を並べるほどに目付きの悪い人相で、明らかにルンルン気分で掃除を続ける快人をみた麗日は……

 

「ぶふっー!!」

 

 思わず吹き出してしまった。

 

「あっ。居た。」

 

 そして、快人に見つかってしまった!

 

 すると、快人は咄嗟に拳を構える。麗日は観念したようにゆっくりと柱の陰から顔を出す……

 

「来やがったな……麗日、だっけか。容赦はしねぇぞ……!!」

 

 そう言って爆豪顔負けに目を鋭く尖らせる快人、その表情はまるで獣のよう、見れば見るほど恐ろしい……しかし、麗日は先程のルンルン気分で掃除する快人が目に浮かんでしまい、また吹き出しそうになる。

 

(快人くん……!掃除楽しんでた!…………いや、それよりも!デク君に連絡しなきゃ!)

 

「ごめん、見つかっちゃった!」

 

 緑谷へ連絡する麗日。反対に、快人は爆豪へ連絡する素振りは見せない……向こうが勝手にやるなら、こちらも勝手にやるだけだ。

 

 しばらくして、麗日は、快人の後ろにある核兵器へと狙いを定めると……麗日は走り出して、自分の手に触れる。

 

「それっ!」

「……やっぱり物や人を浮かせる個性か。」

 

 快人は自身の予測があっていたことに内心少し喜ぶと、次の瞬間アッパーカットを放つ……もちろん目の前には誰もいない何をする気なのかと思えば、次の瞬間快人の腕がロケットパンチの如く吹っ飛んでくる。

 

「わわっ!?解除!」

 

 麗日はこのままでは飛ばされた拳と激突すると考え、個性を解除する。すると、その場で落下して尻餅をつくが、なんとかロケットパンチの直撃は避けられた。

 

 快人の拳は旋回して戻ってくると、快人は腕を装着する。

 

「さぁ……来れるなら来い、悪いが……時間一杯粘らせてもらうぜッ!」

 

 そう言って快人は、拳を突き出してロケットパンチをもう一度放つ。

 

「くっ!」

 

 麗日は地面を転がりながら避けると、ロケットパンチは地面へと激突して、コンクリートを少しヒビを入れる。拳はそのまま快人へと戻ってくる。

 

 その間に麗日は動こうとするが……動いた矢先に快人はもう片方の腕で麗日へロケットパンチを放った。、

 

「わっわっ!」

 

 麗日は咄嗟に急ブレーキを掛けて、もう一度ロケットパンチを避けるのだった。

 

「避けたか……まぁいい、このまま守りを固めさせてもらう!」

「このままじゃ………!」

 

 拳を撃ち出す個性……だが、その威力は決して馬鹿にできたものではない。一点集中された長いリーチと破壊力、一発当たればアウトなのは見ればわかる。

 

 そして、そのままお互いにジリジリと距離を取り合い、時間だけが過ぎていくのだった。

 

 

 

 

 

 

 戦闘訓練の終了時刻も迫る頃、爆豪が派手な爆破を引き起こしてオールマイトからイエローカードを出されたが、もはや快人の知ったことではない。こちらもこちらで一大事なのだ。

 

 すると、先程まで動きを見せなかった麗日が、近くの柱へと駆け出す……快人は咄嗟にロケットパンチを放とうと腕を構える……が、そこで妙な点に気づく。

 

「準備オッケイだよ!」

 

 この状況で、麗日は緑谷の連絡を取り始めていたのだ。一体何故?……緑谷の個性は超パワー、今は爆豪とやり合っているはず。今何ができる?……まさか……

 

「そう言う事かよ!」

 

 快人は真意に気づき身構えた瞬間、激しい爆音が渦巻き、ビルを衝撃波が貫いた……地面が盛り上がり、吹き抜けになるように破壊された。

 

 天井から真っ青な空が浮かび上がる……すると、多くの瓦礫が浮かび上がり、麗日は、破壊の余波で崩された柱を軽くして持ち上げる。

 

「いい人そうだけど、ごめんね!

即興必殺!彗星ホームラン!

 

 すると、麗日は柱を振りかぶって瓦礫を一斉に打ち出す!この目眩ましに怯まない人間はいない!麗日は咄嗟に飛びかかる……!

 

「取った――――」

 

 麗日は思わず声に出した。後は自分を浮かせて、核兵器を確保すれば勝利だと!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 しかし、それに待ったをかける者が居た。その男は喉が枯れるように声を荒げる。

 

「取ってぇぇ!ねぇぇぇぇぇぇ!!!!!」

 

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「これが俺の自慢の個性だァァァァァァァ!!!!!

 

 麗日はロケットパンチに咄嗟に体をかばったが、直撃は避けられない。麗日は大きく吹っ飛ばれ、壁に叩きつけられる。

 

 快人は咄嗟に麗日へ飛びかかり、確保用のテープを巻きつけた。

 

「確保ォッ!!!」

 

 それと同時に、困惑気味のオールマイトの宣言がなされる。

 

『双方そこまで!……ヒーローチーム両者戦闘不能により、ヴィランチームのWINとする!』

 

 無情な宣言が、その場に降ろされた。




Q:快人の目つきってどのくらい悪いの?
A:真ゲッターロボの竜馬くらい。
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