個性『ロケットパンチ』 作:その股ぐらにロケットパンチ!
想像力が足りないよとか突っ込まれそうな私と私の作品ですが、もし肌に合いましたらこれからも読んでいただけると幸いです。
快人は新たなガントレットを手に入れ、次にコスチュームをつける機会はまだかまだかと待ち望んでいた。
そしてやってくる午後のヒーロー基礎学の授業、相澤から授業の内容について言及される。
「今日のヒーロー基礎学は、俺とオールマイト、それともうひとりの三人体制で見る事になった……内容は、災害水難なんでもござれ、レスキュー訓練だ。」
そう言って相澤はRESCUEと書かれたカードを皆へ示す。レスキュー、それはヒーローの本分。様々な状況把握と管理能力が求められる役目だ。
快人が目指すのも、かつて自分がしてもらったように泣いている子供の手を引いて歩けるようなヒーローだ。最も、快人がそうなる為には凝り固まった脳筋思想を何とかしなければならないのだが。
相澤曰く、コスチュームの使用は自由。
中には活動を制限するコスチュームを有るだろうと言う配慮だ……快人のコスチュームはかなりカジュアルなので、活動を制限することはないだろう。
快人は早速ガントレットをその手に装着した。
委員長となった飯田の指示の元、1-Aの面々は外に出てバスへ乗り込む……市バスにありがちなタイプだったので、列の意味は持たなかったが。
「くっ!こういうタイプだったか!」
「意味なかったな〜!」
飯田が項垂れる中、快人はガントレットの調子を確認する。すると、隣に座っていた切島から声をかけられる。
「陣馬、前の戦闘訓練でそんなの付けてたか?」
「ちょっと伝手があってな。作ってもらったガントレットだ……前のコスチュームだと腕の防護が甘くてな。」
そう言って快人は自身の腕を握ったり開いたりする。すると、不意に隣に座っていた蛙吹と緑谷の会話が耳に入ってくる。
「私、なんでも言っちゃうの。緑谷ちゃん。」
「は、はい!?蛙吹……さん!」
「梅雨ちゃんと呼んで。……貴方の個性、オールマイトと似てるわ。」
そう言われると、緑谷は少し焦った顔をする……しかそれに待ったを掛けるのが切島だ。
「梅雨ちゃん、でもオールマイトは怪我しねぇぞ?似て非なるアレだろ?」
「だな……だけど、増強型は良いな。派手だし出来ることが多い……俺ぁこの通り腕が飛び出すしか出来る事がなくてなぁ。」
快人がそう言って腕を伸ばして目を細めると、緑谷は快人の腕をみると目を輝かせながら声を上げる。
「僕は凄い個性だと思うよ!ロケットパンチ!応用力もあるし!」
「応用……かぁ。」
快人は何分威力と飛距離の増強しかやって来なかった。それで上手くいってしまった……故にいつの間にか快人には、自身の個性について腕を飛ばす事
その間違いに少しずつ気づき始めているのは僥倖と言えるのだろうが、やはり凝り固まった固定概念ほど自身で崩すのは難しい物は無い。
今だに快人は自身のロケットパンチについて、拳を飛ばしてぶん殴る以外の活用方法をなかなか見いだせずにいた。
すると切島は爆豪と推薦入試組の轟の方を見て声を上げる。
「でもまぁやっぱ、派手と行ったら轟に爆豪だよな!」
爆豪の個性は爆破。轟の個性は……Vを見た限りでは氷に思える。しかし、出した氷を溶かしたところを見ると熱を操ることも可能なようだ。
すると、蛙吹がぬるりと一言。
「爆豪ちゃんはキレてばっかだから人気手なさそう。」
「んだとコラァ!?出すわ!!!」
「この付き合いの浅さで、既にクソを下水に煮込んだような性格って思われてるのスゲェよ。」
「テメェのボキャブラリーはなんだコラ殺すぞォ!!」
爆豪が皆にいじられてる様に緑谷は驚きながら、バスは目的地へ進んで行く……すると、相澤は生徒達をみると一言声を上げる。
「おい、もう着くぞ……いい加減にしとけよ。」
「「「はい!!」」」
■■■
「「「すっげぇ!USJかよ!?」」」
「水難火災土砂ヴィランetc,ありとあらゆる災害を想定して僕が作った演習場です!その名も……『
(((ホントにUSJだった!?)))
災害救助で目覚ましい活躍を遂げているスペースヒーロー13号の案内のもとやってきたのは、様々な災害事故を想定して作られた演習場だ。
街をひっくり返したような場所だったり、山岳だったり火事続いているエリアだったり、様々なエリアがあるのがわかる。
皆がワクワクと胸躍らせていると、その前にと13号は言葉を続ける。
「えぇ、始める前にお小言を一つ二つ……三つ……四つ……」
(((増える)))
「……僕の個性ブラックホールは、あらゆる物を吸い込んで塵にしてしまいます。」
「その個性で、どんな災害からも人をすくい上げるんですよね!」
「えぇ……しかし、簡単に人を殺せる力です。」
13号は言葉を続ける。
今の超人社会、個性の使用を資格化にすることで規制を強め、それで成立しているように見える。
だがしかし、そうだとしても簡単に人を殺せる行き過ぎた個性を個々が持っていることを忘れないでいてほしいと。
この授業では心機一転、個性で人を救い上げるためにどう活用していくのかを学びましょう、との事。快人も思わず腕をぎゅっと握りしめる。
いつの日か見た名前も知らぬ、自分の手を引いてくれたあの人……あの人の様に、誰かに手を伸ばせるようなヒーローになりたい。幸いにも、快人は
それを活用する方法……それを改めて快人は知ろうと自身の個性に向き直る。
「以上!ご清聴ありがとうございました!」
「素敵〜!」
「ブラボー!ブラボー!」
「よし、そんじゃ先ずは――――」
13号先生の話も終わり、相澤が言葉を投げかける。
その時だ……途方も無い悪意が、その場に現れたのは。
現れるのは、真っ黒なモヤ……まるでカーテンの様に現れたモヤの中からは、数多くの個性を持った人間が現れる。そのどれもが確かなる悪意を持って現れる。
中心となるのは全身に手を付けた不気味な人物に、その後から獣のように現れる黒い巨体を持つ怪人。
相澤はとっさに叫ぶ。
「その塊になって動くな!!……あれは……
ヴィラン……その言葉に、生徒達に緊張が走る。思わず声を上げてしまう者もいる。
「ヴィラン!?馬鹿か!?ヒーローの学校に入り込んでくるなんてアホすぎるぞ!?」
「先生!侵入者用のセンサーは!?」
「勿論ありますが……」
この様子だと反応していない様だ。すると、轟が静かに語り始める。
「現れたのはここだけか、学校全体か……兎に角センサーが反応しねぇなら向こうにそう言う事ができる奴が居るって事だ。校舎と離れた隔離空間。そこにクラスが入る時間割。バカだがアホじゃねぇ……これは……用意周到に画策された奇襲だ。」
用意周到に画策された奇襲。それだけ向こうは本気かつ、何かしらの目的を持ってここまでやってきたということだ。
相澤は前に出ると、ゴーグルを掛けて首元の捕縛布を持ちながら13号へ指示を出す。
「避難だ!13号、学校に連絡試せ!センサー系統の対策が頭にあるヴィランだ。電気系の個性が妨害している可能性がある。上鳴、お前も個性で連絡試せ!」
「っす!」
やる気満々の先生に対して、先生の戦闘スタイルを知っている緑谷が思わず声を上げる
「待ってください!先生の戦闘スタイルは敵の個性を消してからの捕縛だ!正面戦闘は……」
「一芸だけじゃヒーローは務まらん。」
相澤の一言、その言葉がすべてだった。相澤は敵の大群へと飛び掛かると、遠距離型の個性が迎撃に出ようとするが、相澤はその個性を抹消し、捕縛布で縛り上げて叩きつける。
地面に降り立てば、続いてやってくるのは異形型の近接戦闘に自信があるであろう者達が相澤へ攻撃を仕掛ける……だが、それらを軽くいなして、相澤はヴィラン達を確実に叩きのめしていく。
「すごい……多対一こそ先生の得意分野だったんだ!!」
「分析している場合じゃないぞ緑谷くん!早く避難を!!」
飯田に急かされて、分析に勤しんでいた緑谷も走りだす……生徒達もまた同じ。しかし、敵はそれをよしとするほどの甘い連中ではなかった。
「させませんよ。」
その一声と共に、生徒達の前に現れるのは他のヴィラン達を連れてきた黒いモヤ……それは、黄色の不気味な目を光らせながら、紳士的に声を上げる。
「始めまして、我々は『
途方も無い悪意は、なんて事ないように、さらりと自身の目的を語るのだった。