ぼくとバカと迷い猫N 作:友狩
そしてとても短いです。
では、本編へ
何とかギリギリで間に合い一番後ろで空いている席に座る。少し周りを見るがさっきの2人の姿がなかった。
ぼくより先に行ったのに何かあったのかな?
ちなみにその前に見た中の良さそうな2人は見つけ出した。ただ、何故か隣り合って座っていなかったけど。
《それでは、最初に学園長による新入生の皆さんへの祝辞です。学園長先生、よろしくお願いします》
演台に1人の妖怪、じゃなかった、女性が立った。あれが学園長の――
《あいよ。コホン。えー、新入生の皆さん。入学おめでとう。アタシは、この学園の学園長を務める―――》
『変態だ―――!!』
『僕の話を聞けぇええーっ!』
えっ、変態? というかこの声ってさっきの……。
『へ、変態だと!?』
『ここの学園長は変態なのか!?』
『だから学費が免除されているのか……!』
《ちょ……っ!? どうしてアタシが変態扱いされているんだい!?》
後ろを振り向くと思った通りさっきの2人がいた。ということは変態というのは後ろの寝癖君の事なのだろう。
確かに紛うことなき変態なのだろうけど、どうしてかな。言われてもいないのに自分まで変態だと言われているようなこの感覚は……。
そうか……お嬢様がことあるごとにぼくを女装させるからそんな風に感じるんだ……。
今回だって『行かないのならわたしと一緒に女子校に通う? もちろんあれを使ってね』ってぼくにとっては脅迫にしかならないようなこと言っていたし。実際脅迫だったのかもしれない。
過ぎたことは仕方ない。そんなことよりこの状況はどうするんだろう。
2人の乱入者と先ほどの発言で体育館内が入学式なんてやっていられるような状態じゃないほどに混乱してしまっている。そんなぼくもずっと彼らのことを見続けているのだけど。
「聞けお前ら! とにかく腕に自信がある奴は出てこい! そうでない奴は邪魔だから下がってろ!」
突然赤髪君が大声でそんなことを叫んだ。
「え!? なに!? 今度は喧嘩!? 今日は一体どうなってるの!?」
彼の言葉を聞いて寝癖君が慌てふためいている。
はっきり言おう。全く状況がつかめない。
見たところ赤髪君がここにいる全員に喧嘩をふっかけている感じではない。それならさっきの会話を思い出せば何か分かるかも。
…………………。
もしかして後ろの彼を撃退するための戦力がほしい、とか?
でも、なんか考えている間に取り残されちゃっているんだよね。
いつのまにか周りにいた生徒たちはぼくから彼らとは逆方向に4mほど離れていた。今更どくのも変だし、彼も、よっしゃ1人残ってた、みたいな顔しているし。
『あいつってもしかして悪鬼羅刹じゃないか?』
『悪鬼羅刹って神無月の……』
『もしかしてあの子知らないんじゃない?』
『助けるか?』
『いや、無理だろ……』
どうしよう、さっきから後ろで話している内容が相当気になる。悪鬼羅刹って何? 凄く悪そうな名前だけど。この辺じゃ有名な不良なの?
あ、目があった。
さて、どうしようか。ここで加勢したりすると相当目立つだろうし、すでに十分目立っている気がするけど。
「…………………」
「…………………」
……開き直って加勢しちゃおうか、面白そうだし。