転生したらミルキだったが、この世界は様々なことが違うらしい   作:色々残念

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何か思い付いてしまったので勢いで書き上げてしまいました
評判が良ければ続くかもしれません
無駄に長くなりましたが、それでも良ければどうぞ


兄貴が姉貴でヒソカが

ハンター×ハンターという漫画がある。

 

休載も多いが、人気も高く、打ち切られることもなく連載している漫画だ。

 

そんな漫画に登場する人物達の中には、とんでもない登場人物も存在していた。

 

その中でもゾルディック家は、伝説の暗殺一家とも言われ、その顔写真にすら億の値段がつくという、明らかに普通とはかけ離れた家である。

 

まあ、何が言いたいのかと言うと、俺はそんな家の家長の息子に転生して生まれ変わった訳だ。

 

名付けられた名前はミルキだったが、ハンター×ハンターでミルキという存在は、弟にブタくんと言われる程の肥満体型をしていた人物だったな。

 

流石にあそこまで太るのは嫌だな、と思いながら身体に電流を流されて「あばばばばばば」と声を出す赤ん坊の俺。

 

痛いっちゃ痛いが泣くこともなく声を出す程度で耐えられる俺は赤ん坊にしては、かなり頑丈な方だろう。

 

暗殺一家という家庭の事情で、様々な拷問だとか毒物への耐性をつける為に、日々痛め付けられる日々を過ごす赤ん坊の俺は、痛いなあと思いながら「あばばばばばば」と声を出す程度で耐えた。

 

そんな日常の最中、俺と同じく黒髪黒目の兄であるイルミが、たまに俺の顔を見に来て、ほっぺたをつんつんと指でつついてくるようになる。

 

弟に興味津々って感じなイルミは、俺のほっぺたに夢中だ。

 

ぷにっとしている俺のほっぺたの触り心地が気に入ったのかもしれない。

 

それから時は過ぎて、俺が2歳になった頃、イルミが兄ではなく姉であると知ることになる。

 

原作だと兄だったイルミが、この世界では姉になっていたことを知った俺は、キルアがヤバイことになりそうだな、とは思った。

 

しかし今はまだ、キルアが生まれていないので、俺に出来ることは何もない。

 

既にブラコンみたいになってるイルミにメチャクチャ執着されそうだけど強く生きろキルア、と生まれてもいない弟に祈りを捧げておくことしかできないな。

 

そんなことをしたり、拷問されたりしながら暗殺者として教育されていくと月日が経過していく。

 

数年後、俺が7歳になった頃に弟のキルアが生まれたようだ。

 

父親のシルバと同じく銀髪のキルアが、ゾルディックを受け継ぐ者と判断され、行われるのは暗殺者としての英才教育だった。

 

俺みたいに「あばばばばばば」とか言わないで普通に電流に耐えていた赤ん坊のキルアは、ゾルディックとしての才能に溢れているんだろうな、と思わなくもない。

 

なんてことを考えながら特注の合金を使った鍛練を続けていると、近付いてきた姉のイルミ。

 

「ミルキ、母さんがご飯の時間だって呼んでたよ」

 

「ああ、もうそんな時間か。ありがとう姉さん」

 

「母さん、ミルキの為に張り切って沢山ご飯作ってたよ」

 

「またか、母さん俺を太らせようとしてない?」

 

「沢山食べないとミルキが大きくなれないからだって、言ってたけど」

 

「限度ってもんがあんでしょうが。俺だけ明らかに盛られてる量が半端じゃないよ。大盛りなんてもんじゃないからね。メガ通り越してギガ盛りだよギガ盛り、縦じゃなくて横に大きくなるってあれは」

 

「でもそんな文句言いながら、ミルキは残さず全部食べるよね」

 

「俺に作ってくれた母さんのご飯を残すのは悪いだろ」

 

「そういうところがあるから母さんは、ミルキに沢山ご飯作るんじゃないかな」

 

姉であるイルミとそんな会話をしながら手を洗い、食卓に移動すると、既に待っていた家族達。

 

「揃ったな、ではいただこう」

 

現在の家長な父シルバの言葉に従い食事を始める全員。

 

俺の前に鎮座する山のような料理の数々を、教わったマナー通りに綺麗に食べていると、此方を見て満足気に頷いている母キキョウの姿があった。

 

何か母さんのあの様子だと、明日もまた沢山ご飯を用意されそうだな。

 

食べ終わって消化したら、ハードな運動をしてカロリーを消費しておかないと駄目だ。

 

予想が的中して盛り沢山な食事が毎日続いた俺は、太るのは嫌なんで、カロリーを消費する為に運動して鍛えまくる日々を過ごす。

 

俺が12歳になるまでの5年間、カロリー消費の為に凄まじく鍛えまくった結果、素の身体能力だけで試しの門が7まで全部開けることが出来るようになったりもした。

 

7まで行くと片方だけで128トンもあるそうだが、両方開けたんで256トンまでなら動かせるようになったということだろう。

 

身体はそんなにムキムキって感じでもないのに、念も使わずこれだけのパワーを発揮できるのは不思議な感じだ。

 

素の身体能力だけで7まで開けるなら念を教えてもいいかと父シルバと祖父ゼノは考えたらしく、祖父から念を教わることになった俺。

 

まだキルアには念を教えないようにと釘を刺されたりしながらも、念を目覚めさせる為に日夜瞑想を行っていく。

 

その甲斐あって、1週間程度で念に目覚めた俺は、念について更に詳しく祖父に教わった。

 

練が出来るようになってから、水見式で自身の念の系統を把握することになったが、水の量が増えたので、どうやら俺は強化系であるらしい。

 

「ゾルディック家で、強化系か。まあ、たまにおるのう」

 

そう言って祖父は頷いていたが、暗殺一家なのに強化系がたまにいることに俺は驚く。

 

祖父に教わりながら念を鍛えて、素の身体能力も鍛える日常の最中、キルアとじゃれあって遊んだりしていると何故か俺とキルアの間に挟まってきた姉。

 

「弟の間に挟まるのは姉の特権」

 

なんてことを言い出したイルミは無表情でも、どことなく満足気な顔をしていたのは間違いない。

 

そんなことがあったり、他にも様々な出来事があったりもしたが、キルアが12歳になった頃、一緒に家出してハンター試験を受けに行こうとキルアに誘われることになった。

 

どうやら原作のブタくんと呼ばれるようなミルキとは違って、普通に兄弟としてキルアと仲良くしていた結果、家出に誘われるくらいには好感度を稼いでいたみたいだ。

 

ハンター試験が実際どんな感じなのかが気になった俺はキルアと一緒に家出してみることにする。

 

という訳で家出しようとした俺とキルアを追いかけてきた母を縄で縛り上げていると「だ、駄目よミルキ。わたしは母親なのよ!日々もて余していた劣情をわたしにぶつけようとするなんて!」と何か盛大に勘違いしていた母。

 

えぇ、とドン引きしながらもしっかりと縄で縛り上げておいた母を放置して、キルアと一緒に家から逃走。

 

ハンター試験を受ける為に情報を集めながら移動を続け、最後に到着した定食屋で「ステーキ定食」を「弱火でじっくり」で頼んでみると奥の部屋に通された。

 

実際に部屋にはステーキ定食が用意されていたので、

キルアと一緒に食べ始めていると部屋が下降を開始。

 

エレベーターとしての機能がある部屋で、ステーキ定食を食べ終わる頃には、最下部に到着。

 

辿り着いたハンター試験の試験会場となる場所で、ナンバープレートを配布されることになり、キルアが99番で、俺が100番のナンバープレートを受け取った。

 

確か主人公のゴンは405番くらいだったような、と思いながら44番だった筈のヒソカを探してみると、44番のナンバープレートを付けている人物を発見。

 

しかしその人物は男性ではなく女性であり、外見がポケモンのネモにそっくりだったが、ヒソカと呼ばれているようだ。

 

外見がネモのヒソカとかどういうことなの、と困惑していると「あの女ヤバそうだから近付かない方がいいぜ、ミル兄」と警戒心が高いキルアに服の袖を引っ張られて、ヒソカを避けて行動するようにと促された。

 

まあ、外見がネモだろうとヒソカであることに変わりがないなら、確かにあんまり関わらない方がいい相手ではあるな。

 

そう考えてキルアと一緒に壁の端まで移動した俺は、ハンター試験の参加者達を観察してみたが、ヒソカ(ネモの姿)以外に警戒するべき相手は、今のところは居ない。

 

「やあ、君達新人だろ?」とか言いながら近付いてきたトンパが下剤入りのジュースを差し出してきたりもしたが、キルアが飲みたがっていたので何本か受け取って全部キルアに渡しておく。

 

俺にも下剤は効かないが、自前の水があるので、それだけを飲んでおいた。

 

その後、針を使わずに顔を変え、変装してやってきた姉(無表情美人)に片手を上げて挨拶しておくと、無表情のままピースサインを返される。

 

表情が変わらなくても姉は感情表現が豊かになったな、と俺は思ったが、キルアは変装した姉に気付いていない。

 

「ミル兄の知り合い?」

 

此方に向かってピースしている変装中の姉を、キルアは俺の知り合いかと考えたようだ。

 

「まあ、よく知ってる相手ではあるよ」

 

そう答えておくと「恋人って訳じゃないよねミル兄」と聞いてきたキルアは凄まじく殺気立っていた。

 

「とりあえず違うな」

 

何で殺気立ってんだ弟よ、と思いながらも恋人ではないと否定しておくと殺気を納めたキルアは「ならいいや」と嬉しそうに笑う。

 

キルアと俺がそんなやり取りをしていると、先程の殺気に反応していたヒソカ(ネモの姿)が此方を見ながらニコニコしている姿が見えたが、どう考えてもヤバイのにロックオンされてしまったのは確実だ。

 

早くゴン来ないかな、と考えていると、ようやく現れた主人公一行は、原作よりも1名多い。

 

クラピカらしき相手にパイロと呼ばれている彼が、クルタ族なのは間違いなさそうだ。

 

そういえばクルタ族が滅びたってニュースは聞いたことがなかったな。

 

1名増えたことでゴンが406番になったりもしたが、ゴン達が最後の参加者だったらしく、ついに始まったハンター試験。

 

サトツさんに走ってついていくという単純な試験ではあるが、体力に問題がある相手は、この試験で、ある程度ふるい落とされてしまうだろう。

 

スケボーを持ってきていたキルアは、最初はスケボーを使っていたが、同年代らしきゴンを発見して普通に走ることに決めたらしい。

 

キルアにゴンという友達が出来る場面を目撃することになり、兄として嬉しい気持ちになっていると「オレはキルア、んでこの人がオレの家族で、兄貴のミルキ兄ちゃん」とキルアによってゴンに紹介されることになった俺。

 

「オレ、ゴン。よろしく」

 

「ミルキだ。まあ、よろしくな」

 

軽く挨拶をして話しながら走り続けていると、道が途中から階段となり、今度は階段を上がることになる。

 

体力的には楽勝過ぎて、あと丸3日ぐらい走って移動を続けても俺は余裕だが、そこまで階段を上がる必要はなかったようで、終わりが見える階段。

 

今度は湿原を移動することになるが、移動が始まる前にサトツさんを偽者の試験官だと言い放つ猿が現れた。

 

人間に化けてそんなことを言う猿の言葉にハンター試験の参加者達数名が騙されかけていると、ヒソカから放たれたトランプの数々。

 

しっかりと周まで行われて念が込められた切れ味鋭いトランプ数枚が、猿とサトツさんと、何故か俺にまで飛んでくる。

 

俺に飛んできたトランプ数枚には触れたくはないし、手の内を明かす必要もない。

 

とりあえず今回は念を使うことなく、指で弾いて飛ばしたコインで残らずトランプを撃ち落としておいた。

 

執事のゴトーからもらった特注コインが、さっそく役に立ったので、もらっておいて良かったのかもしれないな。

 

サトツさんも問題なくトランプをキャッチしていて、ヒソカのトランプがまともに直撃したのは猿だけだ。

 

顔から突き刺さったトランプは猿の脳にまで到達しており、完全に絶命した猿は倒れる。

 

人間に化けていた猿が死ぬと、サトツさんに若干似ていなくもない猿も、死んだフリを止めて逃げ出したが、ヒソカのトランプの餌食となった。

 

やっぱり外見がネモでもヒソカのやることは変わらないか、と思っていると此方に笑顔を向けてきたヒソカ。

 

そしてそんなヒソカを迷わずぶん殴りにいった変装中のイルミは、俺にトランプを投げたヒソカに普通に怒っているみたいだ。

 

顎にイルミのガゼルパンチが直撃したヒソカが宙に浮いたりもしたが、再開したハンター試験。

 

湿原を移動している最中、霧に紛れて暴れ始めたヒソカは、イルミにぶん殴られてもまだまだ元気だったのかもしれない。

 

ヒソカと遭遇してしまっても生き残ったゴン達は、試験官ごっこをしていたヒソカに認められたようだ。

 

サトツさんを追いかけて到着した場所で行われる二次試験は料理で、最初の課題は豚の丸焼きであった為、頭部が弱点のグレイトスタンプという豚を倒して捕獲。

 

丁寧に内臓を抜いてからしっかりと岩塩とコショウで味付けをして丸焼きにしたグレイトスタンプを持っていくと、試験官のブハラさんは「あっ、これ良い岩塩とコショウ使ってるね。今日食べた中で1番美味いよ」と喜んでくれた。

 

焦げてたやつも普通に美味いと食べていたわりには、ちゃんと味の区別も出来るらしい。

 

100人前以上の豚の丸焼きを完食したブハラさんは食欲が旺盛過ぎるような気がする。

 

二次試験は試験官が2人居て、もう1人の試験官であるメンチさんが出す課題となる料理は、スシだ。

 

とりあえずスシネタになりそうなものを探すことから始めようと考えていると「ミル兄はスシって何か分かる?」と聞いてきたキルア。

 

「ジャポンの郷土料理で、生で食べれる魚を使ったものになるな。簡単に作り方を言えば、指2本に収まる程度の楕円形に握った酢飯、シャリとも言われるものに、覆い被さる程度の大きさに切った魚の切り身を乗せれば完成だ」

 

他の人にバレないように耳元でこっそりと伝えると「やっぱミル兄は頼りになるね」とキルアは喜んでいた。

 

キルアはゴンにもこっそりと作り方を教えたようで、俺とキルアとゴンの3人で川に魚取りに向かうと、シャケのような魚を3匹ほど発見。

 

一応全て捕獲して捌いてみたが、俺が捕まえた1匹は産卵前のメスであったようで、腹にイクラのような卵が沢山入っていた。

 

試しにイクラのような魚卵を味見してみると普通のイクラとは違って、噛むとプチプチと2回弾ける感じがしたが、味は美味しく毒もないので、生で食べても問題はない。

 

とりあえず産卵前のメスは身の栄養が卵に取られているので、身の味は落ちているだろうな。

 

今のこの魚の最も美味な部位は、この魚卵だ。

 

イクラのような魚卵があるなら軍艦は作れるが、スシはニギリズシだけしか駄目だと試験官のメンチさんは言っていた。

 

軍艦はセーフなのかアウトなのかどっちなんだろうな、とは思ったが、とりあえず魚卵を使ったニギリと言えるスシを作ってみることにしよう。

 

楕円形に握る酢飯の中に、イクラのような魚卵を仕込んで潰れないようにふんわりと握り、味のアクセントとなるように刻んだ青じそと岩塩を握った酢飯に少し乗せた。

 

それを試しにメンチさんに出して食べてもらうと、目を見開いて驚きを露にしたメンチさん。

 

「お、美味しい!シャリにネタが乗ってないから何だと思ったら、ふんわりと握られたシャリの中にうま味溢れるレインボーサーモンの魚卵が仕込まれていて、シャリに乗った少量の青じそと岩塩がベストマッチして、魚卵の味を更に引き立てているわ!」

 

まるでグルメ漫画の登場人物のように、食べたものの解説まで始めたメンチさんの顔は、美味なものを食べた喜びで輝いていた。

 

「100番の貴方、スシを握った経験は?」

 

「今回が始めてだが」

 

「天性の才能というやつね。スシ職人になるつもりはあるかしら」

 

「いや、ハンターになりに来たんでスシ職人は、ちょっと」

 

「それなら美食ハンターになればいいじゃない!」

 

試験官のメンチさんとそんなやり取りをしていると、ハンター試験の参加者達が魚とシャリを使って作った様々なものを持って押し寄せてくる。

 

その中には食えるか、とメンチさんに皿ごとひっくり返されるものも多数存在していたようだ。

 

美味しいとは言ってもらえたが合格とはまだ言われていない俺は、どうすればいいんだろうな、と考えていると、ハンター試験参加者のハンゾーというジャポン出身者によってバラされたスシの作り方。

 

参加者全員がスシの形状を知ることになり、味で審査するしかないと判断したメンチさんは、ブハラさんほど大量には食べることができないようで、直ぐにお腹一杯になってしまう。

 

合格者ゼロで終わるかと思った二次試験は、現れたハンター協会会長に諭されたメンチさんによってやり直しとなり、谷からクモワシの卵を取ってくるという試験となった。

 

とりあえず俺もクモワシの卵を取ってきて、二次試験は合格となったが「100番の貴方、名前は?」とメンチさんに名前を聞かれることになる。

 

「ミルキだ」

 

「ミルキね、これあたしのホームコード。ブハラに渡してた豚の丸焼きも美味しそうだったから、貴方は美食ハンターが向いてるわよ。ハンター試験に受かっても、受からなくても連絡してくれると嬉しいわ」

 

そう言って俺に連絡先を渡すメンチさんに殺気を飛ばすキルアと変装中のイルミに何故かヒソカ。

 

殺気を飛ばしている3人を逆に睨み返すメンチさんは肝がかなり据わっているみたいだ。

 

そんなことがありながらも今度は飛行船で移動する第三試験の場所。

 

トリックタワーとも言われる塔の頂上にある床には隠し扉があり、その扉から下に降りるとトリックタワーの内部に入ることが出来る。

 

隠し扉を降りた先は、俺1人だけで進める道であるようで、手早く障害を越えて先に進むと、どうやら俺が1番最初の第三試験合格者だったらしい。

 

特にやることないから暇だなと思いながら、他の合格者達を待っていると、2番目の合格者はヒソカであり、ヒソカは肩に浅い傷を負っていた。

 

「斬られて怪我してんのか。暇だから応急処置くらいはしてやるよ」

 

「ありがとう。きみは親切だね」

 

感謝してきたヒソカの肩の切傷をまずは消毒し、止血をしてから傷口に良く効く薬を塗って包帯を巻いておく。

 

「これで良し、無理しなきゃ直ぐに傷も塞がんだろ」

 

「うん、ちょっと楽になったよ。助けられちゃったね。何かお礼をした方がいいかな?」

 

「じゃあ、暇だから話し相手になってくれ」

 

そんな感じでヒソカと会話しながら時間を潰していると、途中でトリックタワーの最下部に到着した変装中なイルミが凄い目で此方を見てきたりもしたが、それは見なかったことにしておく。

 

なんてことがあったりもしたが、主人公一行は時間に余裕を持ってトリックタワーを攻略したようで、終了となる時間になる前に大幅に時間を残して姿を現したキルアとゴン達。

 

どうやらトンパではなくパイロが一緒だったことで、キルアとゴン達は大幅に時間短縮ができたようだ。

 

トンパはトンパで別ルートでトリックタワーを攻略してきたようで、ちゃっかり第三試験にも合格している。

 

トリックタワーの合格者は原作よりも多いかもしれないが、次の試験で人数はそれなりに削られそうな気がした。

 

次の試験は無人島で行われる試験となり、ハンター試験参加者のナンバープレートの奪い合いとなるが、3点という高い点数になるのは自分のプレートと、ターゲットとなる相手のプレートだけで、それ以外は1点にしかならない。

 

最終日までに集めたナンバープレートの合計で、6点を持っていたものが合格となる四次試験。

 

俺のターゲットは、どうやら405番のパイロであるようだが、1点である他の相手も沢山居るので、適当にナンバープレートを集めて6点を揃えるのも悪くはなさそうだ。

 

島を覆う大きさで円を使えば、この無人島の全てを感じ取ることは容易いが、まだキルアに念を知られる訳にはいかないので、俺が念を使うのは避けた方がいいだろう。

 

という訳で地道に他の参加者達を探して、ナンバープレートを奪っていると早めに6点が集まってしまった。

 

更に襲いかかってくる参加者達を殺さずに返り討ちにして、一応プレートも奪っていると18点になるまで集まってしまっていたナンバープレート。

 

残りの12点は、どうしようかな、と考えながら歩いているとターゲットのパイロを発見。

 

パイロと一緒に行動しているクラピカとレオリオの姿もあったが、ちょっと話しかけてみることにした。

 

「キルアの友達の3人だな。プレートは集まったか?」

 

「うおっ、キルアの兄貴か、びっくりした」

 

かなり驚いていたレオリオは、近付いていた俺に気付いていなかったみたいだ。

 

「用件は何だ」

 

此方に気付いた瞬間から武器を構えて警戒しているクラピカは、冷静さを失ってはいない。

 

「クラピカ、多分大丈夫だよ。この人に敵意はない」

 

クラピカ以上に落ち着いているパイロは、俺に敵意がないことに気付いているようであるが、無意識の念というよりかは勘に近いものだろう。

 

「いやナンバープレートが18点も集まってしまったが、こんなにプレートは必要ないんで、キルアの友達が欲しいなら幾つか渡そうかと思ってな」

 

俺が手に入れた余分なナンバープレートを見せてみると「いや、何でそんな持ってんだよ」と呆れながらも驚くという器用なまねをするレオリオ。

 

「プレートをもらえるなら此方は確かにありがたいが」

 

自分達の力だけで集めなくてもいいのか、とでも考えているようで葛藤しているクラピカ。

 

「ありがとうございます。じゃあもらっておきますね」

 

特に葛藤も抵抗もなく、ちゃっかり俺からナンバープレートを受け取ったパイロは、長生きしそうな性格をしていた。

 

「パイロ!」と友人の行動に驚きを隠せていないクラピカに「ハンターになるには運が必要ってクラピカも言ってたよね。ミルキさんに会えたのも幸運だったってことじゃないかな」と言ったパイロ。

 

「まあ、俺は嵩張っているナンバープレートを減らしたいだけだから気にすんな」

 

俺にとっては12点分の12枚のナンバープレートをパイロに全て渡したことで、嵩張っていたプレートが減ったのは確かだ。

 

「んじゃ、最終日にまた会えるといいな」

 

それだけ言って軽く手を振って立ち去る俺に、手を振り返してくれたのはパイロだけだったな。

 

それからしばらくは無人島でサバイバル生活をしてみたりしたが、途中でキルアも合流して、最終日まで一緒に居た。

 

最終日に集まった合格者の中にはキルアやゴン達の姿もあり、合計で6点を集めることが出来ていたみたいだが、当然のようにヒソカや変装しているイルミも合格していた四次試験。

 

それ以外では狩人のポックルとボドロという武闘家の人だけが合格していたようである。

 

ハンター協会会長のネテロさんの面接があってから決まった最終試験は、トーナメント戦だったが1回勝てば、それでハンター試験合格というものであった。

 

相手を死に至らしめたら失格となるというルールはあるが、それ以外は何でもありという戦いが行われるトーナメント。

 

相手の降参だけが決着となるトーナメントでは、どんな方法を使ってでも相手に参ったと言わせなければいけないみたいだな。

 

初戦が俺とゴンということになり、単なる殴り合いなら俺が勝つ勝負だが、このトーナメントの戦いでは、暴力でゴンに参ったと言わせるのは難しそうではあるし、俺も弟の友人にそんなことはやりたくない。

 

「弟の友人を殴る兄とか、普通に兄貴として駄目な奴過ぎるから、暴力以外の手段で戦わないか?」

 

「うん、俺はそれでもいいよ!」

 

元気一杯に、そう答えてくれたゴンが応じてくれたので、勝負方法をゴンと一緒に考えることにした。

 

小一時間くらい話し合った結果、ジャンケンで勝負するということになった俺とゴン。

 

グーを出したゴンにパーで勝利した俺が、今期のハンター試験の最初の合格者となる。

 

それからトーナメントは続いていき、変装していたイルミがキルアの前で正体を明かすと、凄い勢いで飛び退いてイルミから距離を取ったキルアが叫んだ。

 

「降参!イル姉が相手とか何されるかわからねぇよ!」

 

判断が早いキルアは全力疾走してイルミから離れると、俺の背後に隠れてプルプルと震えていた。

 

よほど正体を明かしたイルミの存在が恐かったらしく、俺の背中から離れないキルア。

 

そんなキルアが好きなお菓子であるチョコロボくんを取り出して「恐くなーい、恐くなーい」と言いながらお菓子でキルアを呼び寄せようとしているイルミは無表情。

 

「いや恐いわ!」

 

思わずといった様子で普通にツッコミを入れたレオリオ。

 

それがツボに入ったのか大笑いするヒソカ。

 

なんてことがありながらも不合格者はポックルだけとなった今回のハンター試験。

 

合格者達にはハンターライセンスについて詳しく説明されることになったが、それも終わり、合格してハンターとなった者達は、それぞれの道に進んでいくのだろう。

 

そんなことを考えていると「ゴン達が俺んち来たいって言ってるけど、それならゴン達の身体は、もっと鍛えた方がいいだろうし、家で鍛えるのはどうかなミル兄」と聞いてきたキルア。

 

まあ、ハンターになるなら試しの門を開けられる程度の力は、あった方がいい筈だ。

 

「本邸の方は無理だと思うから、ゼブロ達のところで試しの門を開けられるようになるまで身体を鍛えてもらうのがいいんじゃないか」

 

「うん、そうしよっか」

 

今後の予定も決まり、楽しそうに笑っていたキルアの頭を撫でておく。

 

「家出は、どうするんだ?」

 

「ゴン達が身体鍛え終わったら、一緒に出てくから家出は後で再開かな」

 

「仕方ねぇな、弟を1人にする訳にはいかないんで、俺もついてくよ」

 

「やったぜ、流石はミル兄!話が分かる!」

 

ハイテンションになったキルアが、今にも小躍りしそうになったところで、俺とキルアを呼びに来たゴン達の声が聞こえた。

 

「行こうぜミル兄」

 

「ああ、行くか、キルア」

 

手を繋いだ俺とキルアは、此方を待つゴン達が居る場所にまで走り出す。

 

まあ、ゾルディック家に生まれたが、それなりに楽しく生きていけるこの世界は悪くはない。




ちなみにこのミルキは家族にメチャクチャ好かれてます
あとアルカの能力が万能でハイリスクではなく治療特化になって変わっている為、閉じ込められていたりはしません

番外編としてトリコの世界に単独転移したこのミルキの話を読みたいと思いますか?

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