転生したらミルキだったが、この世界は様々なことが違うらしい   作:色々残念

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好評だったようなので続きをちょっと書いてみました
前回よりかは短いです


鍛練と天空闘技場

ゴン達を連れて飛行船で3日ほど移動し、到着したパドキア共和国。

 

このパドキア共和国のデントラ地区にあるククルーマウンテンは、標高3722メートルの山であり、そしてその頂上にゾルディック家の家がある。

 

ヒソカの顔面にパンチを叩き込んで、ナンバープレートを叩き返すまでハンターライセンスは使わないと決めている頑固なゴン。

 

その為、今回は観光ビザしか使っていないゴン達は、最大で1ヶ月までしかパドキア共和国に滞在できない。

 

ゾルディック家の執事に連絡して、用意してもらった大型の車に全員で乗り込み、執事のゴトーの運転する車で向かう場所は正門である試しの門。

 

「ゴトー、もらったコイン役立ったよ。ありがとな」

 

「私がお渡ししたコインが、ミルキ様のお役に立てたのなら何よりです」

 

運転中のゴトーに俺が感謝の言葉を伝えておくと、ゴトーは嬉しそうに笑っていたな。

 

「イルミ様からご連絡を受けた奥様は、ミルキ様とキルア様の帰りを本邸でお待ちしておりますよ。イルミ様も仕事を終わらせたら直ぐに向かうとおっしゃっておりました」

 

続けてそう言ってきたゴトーは、俺とキルアが本邸に戻ると思っていたみたいだ。

 

「母さんと姉さんには悪いが、まだ家出してる俺とキルアは本邸には行かないぞ。今回戻ってきたのは使用人達の家でキルアの友人達を鍛える為だ」

 

「そうだぜ、ゴトー。俺とミル兄は家出を終わらせるつもりないから、おふくろが家で待ってても別に帰らねーよ。イル姉恐いから会いたくないし、ゴン達の観光ビザが切れる前に、俺とミル兄は早めにゴン達鍛えないといけないからさ」

 

「承知いたしました。奥様とイルミ様には、そのように伝えておきます」

 

俺とキルアの言葉を聞いて、表情は変えていなくても若干落ち込んでいるような感じがしたゴトーは、俺とキルアに帰ってきてほしかったのかもしれない。

 

そんなことがありながらもゴトーの運転する車で辿り着いたゾルディック家の正門。

 

正門に居る使用人のゼブロに話を通しておき、俺が開けた試しの門からゾルディック家の敷地内に入った全員は、使用人達の家に向かう。

 

それからしばらくゴン達は、ゼブロの住む使用人達の家で鍛練することになった。

 

全ての物が重い使用人達の家は、スリッパや湯呑みですら20キロもある為、まずは重さに慣れることから始めるゴン達。

 

初日は普通に生活しているだけで疲れている様子だったゴン達も、僅か3日で身体が完全に重量に慣れてきたようだ。

 

1週間が経過した今では200キロある扉を軽々と開けて、150キロの重りを身体に装着して普通に生活することが可能になっていたゴン達は、見違えるように強靭な身体となっている。

 

それでも試しの門を開けるには、まだ鍛え方が足らないので、ゴン達には更に激しい鍛練を積んでもらうことにした。

 

ハードな鍛練で疲労困憊となったゴン達が、自分達で食事の用意もできなくなりそうだと予想していた俺は、事前に準備しておいたバーベキューセットで今日の食事の用意をしていく。

 

網を使って炭火で串に刺した肉と野菜を焼いていき、数種類の塩を組み合わせて作った特製の塩だれをつけて更に焼くと、良い匂いがしてきたようで近寄ってきたゴン達。

 

焼き上がったものからどんどん渡していくと、食べ始めたキルアやゴン達は「美味い美味い」と言って何本も食べていくが、余程腹が減っていたみたいだな。

 

かなりの速さで消えていく食材達を、このペースで消費していくと、全員が満腹になる前に焼くものが無くなる可能性がありそうだ。

 

「キルア、冷蔵庫に追加の食材が入ってるから取ってきてくれないか。ついでにチョコロボくんも買ってあるから、それはキルアが食べていいぞ」

 

「ありがとミル兄、食材もちゃんと取ってくるよ」

 

キルアに頼んで追加の食材を取ってきてもらう間もゴン達が食事を続けていると、近寄ってくるキルア以外の家族の気配を感じたが、此方に対する悪意や敵意に殺意などは全く感じない。

 

無害であると判断して気配の主を放置し、ひたすら鉄網で食材を焼いていると「弟の手料理が食べられると聞いて!」と言いながらイルミが現れる。

 

聞く必要はないかもしれないが「手料理って程のもんじゃないけど、それでも良けりゃ、食べてくかい姉さん」と一応聞いてみた。

 

「うん、勿論食べるよ」

 

そう答えたイルミの分を焼き始めたところで「冷蔵庫から追加の食材持ってきたよミル兄」と言いながらクーラーボックスを抱えて戻って来たキルア。

 

そんなキルアがイルミを視界に入れた瞬間の動きは、とても素早かった。

 

クーラーボックスをその場に置いてから、全速力で俺の背中に隠れたキルアの動きには迷いがない。

 

まるで貼り付いているかのように、俺の背中からは絶対に離れないキルアは、やっぱりイルミを恐がっているみたいだ。

 

弟のキルアが背中にくっついた状態になってはいたが、とりあえずイルミにも焼き上がった1本を渡しておくと、かぶりついて「あっ、美味しい」と無表情ながら嬉しそうにしていた姉。

 

焼き上がった2本目をイルミに渡すと「キルアも食べなよ、はい、あーん」と手に持った串をキルアに食べさせようとするイルミから、俺を盾にしたキルアは全力で逃げ惑っていた。

 

弟と仲良くしたい姉と、そんな姉が恐くて仕方がない弟の間に挟まれることになったが、とりあえず兄として弟の味方をしておく。

 

なんてことがあったりもしたが日々続いていた鍛練により、試しの門を2まで開けることができるようになったゴン達全員。

 

なんとか観光ビザが切れる前に、ゾルディック家の使用人達の家で、ある程度身体を鍛えることができたゴン達。

 

故郷に戻って医大に通うつもりのレオリオと、同じく故郷に戻ってハンター試験に合格したことを家族に伝えにいくクラピカとパイロとは、パドキア共和国で別れることになった。

 

裏ハンター試験に合格する為にキルアやゴンも念を覚える必要があるが、俺が教えるよりもキルアとゴンはウイングさんに教わった方が良さそうな気がするな。

 

天空闘技場に向かわないとズシに出会えず、その師匠であるウイングさんとも出会えない。

 

さて、どうするかな、と俺が考えていると「ヒソカは、何処に居るんだろう。早めに借りを返したいな」と言い出したゴン。

 

「肉体的には鍛えられたとしても、今のゴンの実力じゃ、ヒソカの顔面にパンチを叩き込むのは無理だぞ」

 

嘘を吐くことなく自然に天空闘技場に向かう流れを作れないか試す為、ヒソカの顔面にパンチを叩き込むのは、今のゴンでは実力的に難しいという点を俺は指摘。

 

俺の言葉に納得して頷いていたキルアは「確かに今のゴンじゃ無理だな、特訓しないと駄目だ」と言っていた。

 

「それにヒソカを探すにしても、移動するにはジェニーが必要になると思うが、今の所持金は大丈夫なのか」

 

「所持金は、ちょっと厳しいかも」

 

「俺もヤバイかもミル兄」

 

ついでにキルアとゴンの所持金が、どれだけあるかも聞いてみたが、やはり飛行船に1回乗れる程度しか残っていないようだ。

 

「弟とその友人になら俺がジェニーを出してもいいが、自由に自分達で使える金は、幾らかあった方がいいと思うぞ」

 

「それはそうかも」

 

「やっぱり何でもミル兄に頼りっぱなしは良くないよな」

 

自分達で稼がないと、という気持ちになってくれたキルアとゴンは、間違いなくいい子である。

 

ゴンには特訓が必要で、金銭的な面も厳しいとなると、その2つを両方なんとかしないといけない。

 

「戦うだけで稼げる天空闘技場って打ってつけな場所があるが、行ってみないか」

 

この流れならいけるか、と考えた俺は、戦って勝てばファイトマネーも手に入れることが可能な天空闘技場に向かうことを提案してみた。

 

「確かに天空闘技場なら、ゴンの特訓にもなって金も稼げるから、一石二鳥の場所だねミル兄」

 

「じゃあ、次の目的地は、そこにするねミルキさん」

 

この場に居る全員が次に向かう目的地が決まり、飛行船で移動して到着した天空闘技場。

 

地上251階、高さ991メートルで、世界第4位の高さを誇る建物でもある天空闘技場は、野蛮人の聖地と言われることもある場所だ。

 

闘技場の参加者達が、ずらりと並ぶ行列は長く、俺達が受付に辿り着くまでは、しばらく時間がかかった。

 

必要事項を書き込む用紙を受付の人に渡された際、とりあえず全員が格闘技経験10年と書いて、早く上の階層に上がれるような小細工をしてから、始まる闘技場での戦い。

 

相手を押し出して勝ったゴンと、手刀で相手を倒したキルア、そして絶をして念を全く使っていない状態でも素の身体能力が高過ぎる俺は、凄まじく手加減したデコピンで相手を吹き飛ばして倒す。

 

勝った全員が50階に進むことになり、キルアやゴンと同年代のズシも勝利し、50階に移動してきた。

 

同年代に興味を持ったのか、近付いてきたズシがキルアやゴンと会話していると現れたのは、眼鏡をかけた優しそうな女性。

 

「はじめまして、ウイングです」

 

ズシを褒め、オーラを垂れ流しにしている俺を見て一瞬驚いた顔をしてから、にこやかに此方に挨拶してきた眼鏡の女性がウイングさんであるようだ。

 

いや、何でウイングさんも女性なんですか、とは思ったが、それは言葉にすることなく「ミルキと申します。よろしくお願いしますウイングさん」とだけ言っておいた。

 

弟がお世話になるかもしれない相手には、失礼なことはできないな。

 

その後、特に怪我をしていない俺達は本日2回目の試合が組まれることになったが、ズシとキルアが戦うことになるのは変わらなかったらしい。

 

キルアとゴンが念を知るきっかけとなるズシとの試合。

 

練を使おうとしたズシの名前を呼んで止めたウイングさんのバカでかい声で、試合が一時中断となるのも変わらず、ちょっと本気を出してしまったキルアのパンチが直撃してもズシが死ななかったことも変わらなかったな。

 

念の使い手と、それ以外では耐久力に凄まじい差がある。

 

とりあえず200階までは、あっという間に上がってしまうであろうキルアとゴンに念を教えてもらえないか、ウイングさんに頼んでみることにした。

 

「ゴンとキルアへの念の指導を頼めませんか、ウイングさん」

 

「オーラを垂れ流しにしているミルキさんも念の使い手のようですが、貴方からは教えないのですか?」

 

不思議そうに聞いてきたウイングさんには「ちょっと家庭の事情がありまして、俺からキルアに念を教えるのは許可を出されていないんですよ」と答えておく。

 

「それに、どうせなら優れた指導者に任せた方がいいでしょう。貴女なら弟子にした相手を大切に育ててくれる筈ですからね」

 

「ゴンくんとキルアくんに念を教えることは構いませんが、1つ条件があります」

 

「何でしょうか」

 

「貴方の纏を見せてくれませんかミルキさん」

 

キルアとゴンに念を教える条件として、俺に纏を見せるようにウイングさんは言ってきたが、その程度なら何の問題もない。

 

垂れ流しにしていたオーラをとどめた俺が纏を行うと「なんと巨大で力強く、研磨された纏」と凄まじく驚いていたウイングさん。

 

「貴方は、私の遥か先の高みに居るんですねミルキさん」

 

そう言ったウイングさんは武者震いで身体を震わせていて、1人の武術家の顔をしていた。

 

そんなこともあったがキルアとゴンが200階に到達する前に、念の指導を行ってくれたウイングさんにより、ゆっくりと念の力を起こすことになったキルアとゴンの2人。

 

ゆっくり起こしても、僅か5日間で念に目覚めたキルアとゴンの才能は凄まじく高いようだ。

 

キルアとゴンが念に目覚めてから、200階クラスの登録をすることになった2人に、既に200階で登録を終わらせていた俺がついていくと、ヒソカと遭遇。

 

「うん、安心したよ。その2人は念を覚えたようだね。これなら洗礼をされることはないかな」

 

念を覚えた2人を見て、頷いて喜んでいたヒソカは、キルアとゴンの様子を確認しにきたみたいだった。

 

「どうだい今夜、この後、食事でも」

 

目的はキルアとゴンだけかと思っていたら、何故かヒソカから食事に誘われてしまった俺は「お断りしとくよ」と断っておく。

 

「それは、とても残念だね」

 

物凄く悲しそうな顔をして去っていったヒソカは、俺に食事の誘いを断られたことが悲しかったのかもしれない。

 

そんなヒソカ相手に凄まじく殺気立っていたキルアが、何処からか取り出した塩を、ヒソカが居た場所にまいていたりもしたな。

 

「いや、うん、それは天空闘技場の人も困るから片付けような」

 

俺がそう言っておくと「はーいミル兄」と言いながらキルアは素直に塩を片付けていった。

 

兄である俺に対しては素直なんだけど、俺に近付く女性に対して殺気立つことが多いキルア。

 

はたして俺は恋人を作ったり、結婚したりできるんだろうか、と思わなくもない。

 

200階でゴンが初めて戦うことになる相手が独楽使いのギドであることは変わらなかったが、この時点で、安定して纏が使えるようになっていて練までも覚えているゴン。

 

明らかに強くなっているゴンの拳の一撃で、敗北したギド。

 

申告戦闘制である200階クラスは、90日の戦闘準備期間が用意されている為、ギドと戦って勝ったゴンには、再び90日の準備期間が与えられる。

 

そんな最中、新人狙いのサダソに、キルアやゴンに対する人質として狙われたのがズシではなく、何故か俺だった。

 

どうやら俺がオーラを垂れ流しにしていた為、念使いではないと判断したようだが、未熟な念使いであるサダソに負けるほど俺は弱くはない。

 

念を使うまでもなくサダソを返り討ちにした結果、俺に怯えたサダソが天空闘技場から逃げ出してしまうという事態が発生したが、特に誰も困ることはなかったな。

 

俺がサダソを返り討ちにしている場面を目撃していたカストロは、俺と戦ってみたいと考えたようで「武術家として私と戦ってほしい」と挑まれることになった勝負。

 

天空闘技場のレベルを知るには、ちょうどいいかと考えてそれを受けた俺は試合の日時をカストロと合わせた。

 

試合当日、闘技場で対峙することになった俺とカストロは互いに武術の構えを取り、試合の開始を待つ。

 

審判から始めの合図が出た瞬間、虎咬拳の構えのまま「虎咬爪拳」と言いながら両手を強化して突っ込んできたカストロ。

 

ダブルという分身を使ってくることがなかったこのカストロは、もしかしたら強化系の能力だけを鍛えていたのかもしれないな。

 

全力で堅を使った鍛えられた強化系念能力者であるカストロの意識は、虎咬爪拳への迎撃として放った俺の中段正拳突きが直撃した瞬間に飛んだようで、一撃で決着となった試合。

 

オーラを垂れ流しにした状態で放った素の身体能力だけで、鍛えられた強化系の堅を貫く威力があった正拳突きの一撃。

 

カストロに勝利した日から1週間が経過した頃、用意された個室部屋の外にカストロの気配を感じたが、特に悪意と敵意や殺意は感じないので、扉を開けて用件を聞いてみる。

 

「何か用でもあるのか?」

 

「どうか貴方の弟子にしていただきたい!」

 

此方に深々と頭を下げて、そんなことを言い出したカストロは、冗談ではなく本気で言っているみたいだ。

 

弟子入りを志願してくるカストロは「貴方の見事な一撃で、私が武術家として未熟なことが、よく理解できました」と言うと「私は武術家として、一から貴方の下で鍛え直したいのです!」と力強く言い放つ。

 

「ヒソカへのリベンジは、しなくていいのか?」と気になったことを聞いてみると「そんなことに拘っている場合ではありませんので」と答えたカストロは、既にヒソカへの未練はないらしい。

 

この日から何処に行ってもカストロが俺についてくるようになってしまった。

 

なんてことがあったりもしたが、リールベルトとキルアの試合がキルアの勝利に終わり、翌日に行われたリールベルトとゴンの試合も、ゴンが勝利したようである。

 

試合を行いながらも裏ハンター試験に合格したキルアとゴンの2人。

 

カストロとヒソカの戦いが起こることがなくとも、ゴンとヒソカの試合は行われることになり、ヒソカの能力を何も知らないまま、戦いに行ったゴン。

 

苦戦したがなんとかヒソカの顔面にパンチを叩き込むことに成功したゴンが、44番のナンバープレートをヒソカに返したりする場面がありながらも続いていった試合。

 

最終的にはゴンの敗北で終わった試合は、闘技場の審判の判断により早めに終わることになった。

 

キルアとゴンが念を覚えて裏ハンター試験にも合格し、ゴンがヒソカにナンバープレートを返却したなら、天空闘技場でやるべきことは全て終わったと言っても間違いではないだろう。

 

次はゴンの家が目的地となるが、突然お邪魔するなら失礼のないように何か手土産を買っていった方が良さそうだ。

 

「さあ、行きましょうかミルキ師匠!どこまでもついていきますよ!」

 

ちゃっかり身仕度を整えて完全についてくる気満々のカストロは、ヒソカへのリベンジや、フロアマスターに挑戦する権利を得るよりも、俺についてくることを選んでいた。

 

まあ、荷物持ちが増えたと思えば、悪いことではないかもしれない。

 

とりあえず、くじら島に行く前に菓子と果物の詰め合わせぐらいは買っていくとしよう。




このカストロはダブルを習得しておらず、純粋に強化系を伸ばしていますので、ヒソカと戦っても原作より善戦できたのは間違いないですね

番外編としてトリコの世界に単独転移したこのミルキの話を読みたいと思いますか?

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