転生したらミルキだったが、この世界は様々なことが違うらしい   作:色々残念

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なんとか思い付いたので更新します
前回と同じくらいの文量になりました


くじら島からヨークシンへ

必要になりそうなものを幾つか購入してから、ゴンの故郷へと船で移動すること数時間。

 

くじら島へ到着した俺達は、自宅まで先導してくれるというゴンの後ろをついていく。

 

会話しながら歩いていると、それほど時間もかかることなく辿り着いたゴンの家。

 

ゴンの家では、ちょうどゴンの保護者であるミトさんが洗濯した洗い物を干しているところだったようだ。

 

「ミトさーん」

 

保護者の名前を呼びながら手を大きく振って近付いていくゴンに気付いたミトさんが「ゴン!?」と驚いていたな。

 

先頭に居たゴンだけではなく、その背後に居るキルアに俺とカストロの姿も見て、更に驚いているようだったミトさん。

 

まずはご挨拶が必要かと考えて、前に出た俺は「どうも初めましてミルキと申しますが、ゴンくんには弟のキルアがお世話になっております」と頭を下げた。

 

「これは、つまらない物ですが」と言って俺は、お高い菓子の詰め合わせと高級なメロンをミトさんに渡しておく。

 

その後、俺達4人に風呂に入るように言ってきたミトさんの指示に従い、着替えを用意してから風呂に入った全員。

 

「凄い。服着てる時はよくわからなかったけど、ミルキさんの身体って物凄く引き締まってるんだねキルア」

 

驚きながら此方の身体を見ていたゴンが、キルアに話しかける。

 

「ミル兄は着痩せするからな。一枚脱ぐと全身が引き締まってて腹筋とか凄いバキバキなんだよミル兄は」

 

俺と何度か一緒に風呂に入ったことがあるキルアは、俺の身体が鍛えられていることにも動じていない。

 

「おお、鍛えられた身体をしている筈だとは思いましたが、ここまでとは。流石はミルキ師匠」

 

何故か感動した様子で此方の身体を見ていたカストロの身体も、それなりに鍛えられていたが、まだまだ鍛練が必要だ。

 

まずは頭から洗おうかと考えてシャンプーを手に取った俺の背後で、何故かキルアとカストロが言い争う声が聞こえる。

 

「ミル兄の身体を洗うのは俺だ!」

 

「ミルキ師匠の世話をするのは弟子である私の仕事!」

 

後ろを振り向いてみると、石鹸片手にそんなことを言っているキルアとカストロの2人。

 

「いや、俺は自分で洗えるんで2人は落ち着け。というか俺よりもまず自分達の身体を先に洗っておいてくれ、頼むから」

 

なんとかそう言い含めてキルアとカストロを落ち着かせることに成功した俺は、ようやく頭を洗うことができた。

 

「なんか大変そうだね。大丈夫?ミルキさん」

 

頭も身体も洗って、一足先に湯船に浸かっていたゴンが此方に話しかけてきたが、どうやら俺を心配してくれているらしい。

 

「いや、実家に居た時の方が大変だったぞ」と教えておくと「そうなの!?」と驚いていたゴン。

 

「俺がキルアと一緒に風呂入ってると「弟の身体を洗うのは姉の仕事」とか言いながら姉さんが風呂場に突入しようとしてくるのもしょっちゅうだったから、凄まじい攻防を繰り広げることになってな」

 

「うーん、それは大変かも」

 

「流石にここなら大丈夫だから安心して風呂に入れるよ」

 

風呂場でそんなやり取りがあったりもしたが、全員頭と身体をしっかりと洗ってから風呂を出た。

 

風呂を上がると食事を用意してくれていたミトさんに感謝した俺達は「いただきます」と忘れずに言ってから食事を食べ始めていく。

 

漁師の島でもあるくじら島の食事は、やはり魚が中心となるようだが、新鮮な魚介類が使われた料理は、どれも美味しい。

 

「ごちそうさまでした」

 

食事を終えて、近くの森に向かうことにしたゴンとキルアを見送り、ゴンの家に留まった俺とカストロ。

 

「しばらく滞在しますが、人数も多いので、食費だけでも受け取ってください」と言った俺はミトさんに滞在中の食費として100万ジェニーほど渡す。

 

「足りなければ、また言ってください」

 

「もう充分です。これ以上は、いただけません」

 

100万ジェニーで充分だと言ってきたミトさんは、大金を渡されてしまったという顔をしていた。

 

足りなければ1000万ジェニーまで渡すつもりだったと知ったら、どんな顔をしていたんだろうか、と気にならなくもない。

 

そんな疑問を抱きながらも、日課の鍛練を行う為にゴンの家を出た俺に、ついてきたカストロ。

 

俺はカストロの師匠になったつもりはないが、鍛え方がまだまだ足りないカストロの身体を見ていると、惜しい気持ちになるのは確かだ。

 

普段俺がやっている鍛練や、強化系の念の鍛え方を教えるくらいは問題ないだろう。

 

まず行うのは、ゾルディック家の執事が作成した重りを使用した肉体の鍛練。

 

重りには念を補助する神字が書き込まれており、念を込めた量によってしばらく重量が増加するようになっているので、俺が本気で念を込めると凄まじい重さとなる。

 

カストロには加減して俺が念を込めた重りを渡しておき、お互いに絶の状態で肉体の鍛練を開始。

 

重りを装着している為、自重だけとは比べ物にならない程の負荷がかかる筋力鍛練を続けていると、ちょっとバテてきていたカストロは、やはり鍛練が足りていない。

 

念は優れた力だが、そればかりに頼らずに自分の肉体も、ちゃんと鍛え上げる必要があると俺は思う。

 

肉体の鍛練を終えた後は、くじら島に向かう前に購入して、用意しておいたプロテインを水に溶かして飲み、タンパク質の補給も忘れずに行った。

 

それから強化系の念を伸ばす為の鍛練を始めていき、日が暮れるまでカストロと鍛練を続けていく。

 

肉体と念の鍛練で疲れはてたカストロを背負ってゴンの家に戻ると、キルアとゴンも森から戻ってきていたみたいだ。

 

全員で夕食を食べた後、寝具の用意をすることになった俺とカストロにキルア。

 

ゴンはミトさんとジンについて話しているようで、かなり話が盛り上がっており、まだ眠りそうにはない。

 

眠そうなキルアと、鍛練で疲れはてていたカストロはベッドに横になると僅か数秒で眠りに落ちる。

 

俺も夜ふかししないで寝ておこうと考えて、来客用の部屋にあるベッドに横になると、目蓋を閉じた。

 

翌朝、ジンから預かったという鉄箱を、昨日ミトさんから渡されていたゴンは、どうやったら鉄箱を開けることができるか、と悩んでいるようだ。

 

「ゴンがハンターになったら渡してくれとジンが言っていたなら、ハンターになってから身に付けたものを使ってみたらどうだ」

 

鉄箱を開けるヒントをゴンに教えてみた俺は、ジンには特に興味がないので家を出て、カストロと一緒に朝から鍛練を開始。

 

鍛練が終わった頃に戻ってくると、鉄箱の中に入っていたテープの再生は既に終わり、テープに録音されていたジンの音声は消された後だった。

 

箱の中身で残っているのは指輪とROMカードであるが、どちらもグリードアイランドが関係するものだな。

 

通常規格より小さいROMカードが、ジョイステーションというゲーム機専用のROMカードであるとは知らないゴンは、やはりテレビゲームをやったことが無いのかもしれない。

 

そんなゴンに、ゲームにはちょっと詳しいキルアがジョイステについて説明していく最中、とりあえず俺がパソコンでジョイステを即日配達で頼んでおく。

 

かなり早目に届いたジョイステを使ってROMカードの中身を確認した結果、キルアとゴンの2人はグリードアイランドの名前を知ることになった。

 

「ミル兄、グリードアイランドって知ってる?」

 

「確かハンター専用のハンティングゲームだ。製作発売元は株式会社マリリンで、発売年度は1987年。販売個数は100しかなく、発売当時の値段は58億。まあ、今買うとするなら中古になるとしても、間違いなく58億よりも値上がりしている筈だな」

 

「詳しいねミルキさん」

 

「流石は、ミルキ師匠」

 

キルアから問われたグリードアイランドについて、知っている情報を語る俺に、驚きながらも目を輝かせていたゴンとカストロ。

 

「ちなみに今年のヨークシンのオークションに、グリードアイランドが数本流れるってウワサもある」

 

「ヨークシンのオークションか、教えてくれてありがとミル兄」

 

次の目的地が決まったキルアとゴンは、明日にはくじら島を出て、ヨークシンシティにまで向かうと決めたようである。

 

父親であるジンを探すことを目的としているゴンの手伝いをすると決めているキルアは、やりたいことが見つかるまで家出を継続するつもりらしい。

 

暗殺者の才能に溢れているキルアは、ゾルディック家の後継者として扱われているが、将来どんな道を選ぶかを決めるのはキルア本人だ。

 

弟には悔いのないように生きてほしいと、兄である俺は思っている。

 

翌日、ゴン以外の3人で「お世話になりました」とミトさんとそのお祖母さんに、しっかりと頭を下げて感謝をしてから、くじら島を船で出て移動したヨークシン。

 

なんとか8月の間に辿り着くことができたヨークシンシティでは、9月1日から世界最大のオークションが始まる。

 

公共のパソコンを使用して開いたハンター専用サイトで確認した情報によると、ヨークシンシティのオークションには7本のグリードアイランドが競売申請登録されており、最低落札価格は89億ジェニーとなっていた。

 

一応1004億ジェニーまでなら、俺の貯金でどうにかなるが、流石に大富豪バッテラの総資産には敵わないので、グリードアイランドを落札することは難しいかもしれない。

 

バッテラがグリードアイランドを落札した場合、グリードアイランドのプレイヤー選考会がある可能性をキルアとゴンに伝えておくと、無理に落札しなくてもいいと判断した2人。

 

それはそれとしてヨークシンは見て回りたいと考えていたキルアとゴンに付き合って、ヨークシンシティを歩いていると、ヨークシンにある劇場で劇団による劇が連日行われているみたいだった。

 

劇団幻影という劇団が行っている劇は評判が良いようで、劇団幻影の団長はカメレオン俳優とまで言われる程に様々な役を自在に演じているそうだ。

 

そんなに評判が良いなら試しに見てみようと思った俺は全員分の最前列の席を購入し、キルアとゴンにカストロを連れて劇場に入ってみる。

 

始まった劇は、怪盗が主人公の冒険活劇といったところで確かに面白い。

 

しかし、演じていた役者の殆どが、原作では幻影旅団の団員だった筈の面々であり、変装が得意な怪盗である主人公を演じていたのがクロロで、悪役を演じていたウボォーギン。

 

様々な役を演じていた幻影旅団の面々は、生き生きと役を演じており、適当な芝居はしていなかった。

 

幻影旅団の過去について俺は知らないが、何か理由があって幻影旅団という集団が生まれたのなら、その理由が無くなった場合、違う道を選ぶこともあるかもしれない。

 

この様々なことが違う世界では、クロロ達は盗賊ではなく劇団の道を選んだ、ということなのだろう。

 

今日の劇が終わったところで、拍手をしてから俺達も席を立ち、劇場を出ると、キルアとゴンが「携帯を買うついでにヨークシンを見て回りたいから別行動をしたい」と言い出す。

 

カストロも今は携帯を持っていないようで、そろそろ買った方がいいかと考えた結果、キルアとゴンについていくつもりのようだ。

 

「携帯を買うなら、オススメはビートル07型だ。少し重くて値も張るが全世界対応で屋外での圏外なし、200種類の民族言語通訳機能付きで、テレビも見れるし録画もできる優れものだぞ」

 

カブトムシに似た形をした携帯であるビートル07型を取り出して、キルア達に見せて「こんな形の奴な」と形状を覚えさせておく。

 

「ありがとミル兄、俺もそれにするよ」

 

「ミルキ師匠と同じ携帯、必ず手に入れてみせます」

 

「じゃあ、予約したホテルで、また会おうねミルキさん」

 

それから3人と別れて行動を始めた俺は、腹が減っていたので飯屋を探すことにして、ヨークシンを歩き回っていると発見したジャポン料理店。

 

店内に入ると、美味しそうな匂いがしたので、味にも期待できるんじゃないかと考えて幾つかジャポン料理を頼んでみる。

 

豆腐のミソスープとサバの竜田揚げにライスを大盛りで注文し、サバの竜田揚げを食べてみたが、丁寧に骨が抜き取られてサクサクとした衣に包まれたサバの竜田揚げは、かなり美味い。

 

豆腐のミソスープもダシがしっかりとしていて、ライスとの相性は抜群。

 

この店は当たりだな、と思っていると俺以外の客が店内に入ってきたが、どうやらそれは劇団幻影の役者達だったようだ。

 

そこまで広い店ではないので「相席させてもらってもいいですか」と劇団幻影の面々に聞かれることになったが「大丈夫ですよ」と答えておく。

 

ちょうど空いていた俺の真正面の席に座った劇団幻影の女性は、真ん中分けにした髪をしていて、他の面々には「サラサ」と呼ばれていた。

 

「あっ、貴方は最前列の席でアタシ達の劇を見てくれた人だよね。どうだったか感想が聞きたいな」

 

そう言って笑顔で話しかけてきたサラサは、劇場で劇を見ていた俺の顔を覚えていたらしい。

 

「面白かったですよ。主人公の怪盗と悪役の演技が特に良かったですね」

 

嘘は苦手なので、正直に思ったことを言葉にした俺に、嬉しそうな顔をしたサラサ。

 

「良かったね!クロロ!ウボォー!今日見てくれたお客さんが面白かったって!」

 

店内で別の席に座っているクロロとウボォーギンに向かって、元気な声で言ったサラサの声は、ちょっと大きかった。

 

「すいません、うちのサラサは元気なのが取り柄で」

 

「悪いな、嬉しいと声大きくなるんだよアイツ」

 

流石に此方に迷惑かと思ったのか、謝ってきたクロロとウボォーギン。

 

「これくらいなら大丈夫ですよ」

 

全く気にしていないので、にこやかに対応しておくと「いい人で良かった」と安心した様子のクロロ。

 

劇団幻影の面々と会話したりしながらも食事を終わらせて、会計を済ませて料理店を出ようとした時、サラサが「お客さんの名前教えてくれると、アタシは嬉しい」と俺の名前を聞いてきた。

 

偽名を答えるのは簡単だが、これも何かの縁だと思うので、本名を教えるとしよう。

 

「ミルキと申します」と言いながら、俺が軽く頭を下げると「アタシは、サラサと申します」と言ったサラサも頭を下げてくる。

 

俺とサラサは互いに下げた頭を上げて「頭を下げる必要は無かったかも」と一緒に笑ってから別れの挨拶をした。

 

その後、予約していたホテルに向かうとキルアとゴンにカストロはホテルには、まだ来ていないみたいだ。

 

3人が来るまで部屋で待っていることにして、ホテルのパソコンでネットサーフィンをしていると、過ぎ去っていく時間。

 

ちょうど3時間が経過したところでホテルの部屋に入ってきた3人が、購入したビートル07型を見せてきた。

 

一瞬だけ使った円で中身を確認してみたが、粗悪品の偽物ではなく本物のビートル07型なので、問題は無さそうだな。

 

キルアは俺の携帯電話の番号を知っている為、ゴンとカストロとだけ電話番号を交換しておき、連絡ができるようにしておく。

 

グリードアイランドを買うつもりが無くても、オークションには参加しておかないと、プレイヤー選考会に参加できない可能性がある為、何も買わなくてもオークションには参加した方がいいかもしれない。

 

今回グリードアイランドが競売品となるサザンピースのオークションに参加するには入場券を兼ねているカタログを購入しなくてはいけないが、カタログを買うには1200万ジェニーが必要だ。

 

サザンピースはヨークシンで最も権威があるオークションハウスで、9月の6日から10日までの5日間競売をやっているが、いつどの商品が競りに出されるかは、このカタログを見ないとわからないようになっている。

 

天空闘技場で稼いだ8億ジェニーを無駄遣いをしていなかったキルアとゴンは、ハンターライセンスを質に入れることなく、自前の金だけでサザンピースのカタログを購入することができた。

 

カタログに付いているカードが入場券の代わりとなり、1枚のカードで5名までなら6日から10日までの開催中、何度でも会場に入場できるようになっているサザンピースオークション。

 

カタログで確認したグリードアイランドの競売予定日は6日から8日までがそれぞれ1本、9日と10日が2本であり、いずれも競売時間は午後。

 

明日から9月が始まるがサザンピースのオークションが始まるまでは、数日間の日数があるな。

 

それまではヨークシンシティで過ごしておくとするが、何か掘り出し物がないか探してみるのも悪くはない。




ミルキの貯金が原作よりも多い理由は、誕生日に家族からプレゼントとしてお金を振り込まれることが多かったからになります
ちなみにこのミルキの原作知識はキメラアント編までなので、サラサについては知りません
サラサが生存していたことで、クモとなることなく劇団幻影が生まれたようです

番外編としてトリコの世界に単独転移したこのミルキの話を読みたいと思いますか?

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