お気に入り登録、感想、評価してくれると嬉しくて死ぬぜ!
現在状況。
回 1 2 3 4 5
『ベースシ』 3
『SUSHI-TEC』/
『SUSHI-TEC』
一番 ピッチャー 下江コハル
二番 セカンド 獅子堂イズミ
三番 キャッチャー 白州アズサ
四番 ファースト 阿慈谷ヒフミ
五番 センター 鰐渕アカリ
六番 ライト 浦和ハナコ
七番 ショート 赤司ジュンコ
八番 レフト 愛清フウカ
九番 サード 黒舘ハルナ
『ベースシボール』
一番 ファースト モブちゃんA
二番 セカンド モブちゃんB
三番 サード モブちゃんC
四番 キャッチャー 銀鏡イオリ
五番 ピッチャー 寿司を楽しむ男
六番 ショート モブちゃんD
七番 レフト モブちゃんE
八番 センター モブちゃんF
九番 ライト モブちゃんG
──────────────────────
1回裏。『SUSHI-TEC』の攻撃。
打席に立つのは一番、コハル。
「私が生まれたんだもの、取り返さなきゃ!」
ぎゅっと両手に力を込め、バットを握る。打席に入り金属製のバットを構える。
「気合のこもったいい瞳をしているね!それじゃあ、いくよ!」
スポーツ先生が振りかぶって、投げる。
「ストライク!」
「は、早い」
時速140キロ、いや、下手したら150程の速度の豪速球を軽く投げるスポーツ先生。しかも、内角ギリギリを攻めている。
甘い球を打つのが一番いいのだけれど……
初回も初回、一番最初でそんなミスをする相手とは思えない。
速度は出てる、けど当てれないわけじゃないわ。
スポーツ先生が2球目を投げる。
「ふんっ!」
スカッ。
「ストライクツー」
「え?」
1球目とは違った変化球。ゆるく落ちる球、カーブによってコハルのバットは空を切る。
「変化球……」
寿司で変化球を投げる事をもうコハルは突っ込まない。大事なのはスポーツ先生の武器が速球だけではないと言うことだ。
「ハハッ、凄いだろう?緩急を使った投球!」
スポーツ先生は楽しんでいる。けれど、コハルは逆、緊張感でいっぱいだ。
2球でツーストライクまで追い込まれた。
どこで勝負に来る?
ここは様子見?
それともこのまま勝負してくる?
わかんない!
コハルはバットをまた強く握り、スポーツ先生を見る。
「よく観て学ぶんだよ!」
先生は速球を投げる。
パァン!
コハルは速球に絞りバットを振るが、寿司はキャッチャーミットに収まっていた。
「スリーストライク、バッターアウト!」
「ッ!」
「振らないと!見てるだけじゃ何もできないよ!」
コハルは見逃し三振によりベンチへと戻る。
「ごめん……皆……」
「謝ることはない、奴が変化球を投げる事がわかった。それだけで大金星だ。これから徐々に勝ち筋をつかんでいこう」
「……うん。わかったわ」
コハルはベンチの端の方に静かに座るばかりだった。
2番目のイズミはボールを食べるという事態になったりもしたが、結果は三振。
コハルのためにもここは私が流れを作る……!
3番のアズサが打席につく。
1球目、速球のボール球。
速いが打てないわけじゃない。
2球目、真ん中の速球。
これを打つ……!
打つ直前に球は右下へと落ちる。
「……スライダーか」
「正解っ!さぁ!これで僕の使う球種が全部だけど、これをどう攻略するのか、待ち遠しいねぇ!」
スポーツ先生は相変わらず楽しそうに言う。
「ヤツの球種はストレート、カーブ、スライダー……それを緩急をつけて使い分ける、と……なるほど」
「理解先生、あの人からヒットを打つためにはどうしたら……」
「ヒフミ……そうだな……」
理解先生は考える……だが、実際何か思いついているわけでもない。寿司《テクノロジー》一筋だった彼に寿司《スポーツ》についての知識はあまり無いのだ。
…………。
現状できること……出来る事は……
球種は分かった……理解した所で何だ?理解しただけで解決できるほど甘いものじゃないだろう寿司は……!
寿司を理解し尽くした彼ほど寿司のそこ知れなさを知るものはいない。一人の寿司を食らう狂った男を除けば……
「俺から言えることは、よく『観て』知る事。正直、野球についてはルール程度しか分からん……何か掴めればいいのだが……」
「……」
理解先生の行き詰まった表情、スポーツ先生の投球を見ることしかできない彼は悔しそうに観ていた。
打席に立つアズサは既に追い込まれていた。カウントはツーボールツーストライク。スポーツ先生には1球ボールにすることが出来るが、次ストライクの球を見逃す、空振るなんてことがあればこの回の攻撃が終わってしまう。
「良く見とくといいよ!僕の全力!」
スポーツ先生はおおきく振りかぶる。
……来る、全力が!
アズサはそう直感し、バットを短く持つ。
スポーツ先生の全力の打球をアズサはバットに当てることに成功する。
が。
「オーライ、オーラーイっと」
結果は前にも飛ばせずキャッチャーフライとなった。
当たった箇所はバットの根元。痺れる手首をアズサは握りしめてベンチに戻る。
「……」
ベンチに戻ったアズサをグローブを持ったヒフミが近づく。
「アズサちゃん凄いですよ!あの人の全力のボールを打てるなんて!」
「……だけど、結果は駄目だった」
「それでも!バットに当てることができたのは凄いですよ!」
「……ありがとう。じゃあ、私はグローブ取りに行くから」
アズサはベンチ内へと入る。
「どうだった、アイツのボールは」
「先生……最後のボール、160はでてると思う……正直、あの球を何度も投げられたら勝つのは……」
「難しいか?」
「……」
「何も、できないことじゃないと思うぞ?お前があの球を観て、どうやって攻略するか、それを怠るな。苦難を乗り越える事に意味がある。きっと、アイツもそう思っているはず……」
「わかった。守備についてくる」
「おう」
アズサは守備へと向かう。
2回表、七番セカンドフライ
八番ショートゴロ
九番三振……
「す、スリーアウト!チェンジ!」
2回の裏、この回の打席順は四番ヒフミから。
「目指せノーヒットノーラン!2回も頑張っていこー!」
マウンドからの先生の掛け声とともに風紀委員達は活気良く返す。
「あうう、試合の流れが既に向こうに……」
掛け声、点差、何より異次元の投球を見せるスポーツ先生。
「でも、勝たなくちゃいけないんです。私が、ここから何とかしなくちゃ……!」
バットを構える。
「闘志がまだ足りないんじゃない?食らいついてきなよッ!」
スポーツ先生はまたもや160kmはあるであろう全力ストレートを投げてくる。
スパンッ!
「ストラーイク!」
「は、速い……」
ヒフミはキャッチャーミットに収まったボールの方を向く。
「ッ……容赦ない……イテテ」
キャッチャーのイオリがボールを投げ返す。
「……」
2球目。
……うっ、遅い!
スポーツ先生の振り頭から投げられるスライダー。
テンポを外されたヒフミは芯を外し、ボールはセカンドとライト、そしてセンターのちょうど間へと向かう。
「そこは……センター!」
スポーツ先生は指示を出す……が。
ここは私……!
私が捕れる……!
わたしが……!
「「「あっ」」」
ぽてん。
ボールが地面に落ちる。
「マズイ!」
跳ねたボールをセンターの風紀委員が取り、ファーストへ投げるが既にヒフミはファーストベースを駆け抜けていた。
「良くやった、ヒフミ!」
「ヒフミちゃ〜ん、ナイスです〜♡」
「ナイバッチ〜」
先生と補習授業部以外のチームメイトからも声援をもらう。
このチームでの初のヒットとなったのだ。
ヒフミはこのヒットであることに気がつく。
それは先生も同じで……
「皆、今のヒフミのヒットを見たか?」
「?ええ、相手のミスもありましたが良く打ち返すことができましたよね」
ハルナが言う。
「注目すべきはヒフミの打球じゃあない、守備の方だ」
「守備……あ」
コハルが言葉を漏らす。
「コハル、気が付いたか?」
「えっと……守備の風紀委員達がなんというか……試合慣れしていないんじゃないかと思って……」
「そうだ。正解だコハル良く気がついた。恐らくはサード、キャッチャーにはアイツとのスポーツ経験がある。それ以外は急遽集まったメンバーだからか素人……そうなれば俺等が点を稼ぐには」
「弱いところを突く♡ですよね、先生?」
何か別の意味合いにも聞こえる言い方をするハナコ。
コハルが顔を赤くしながら「エ駄死」する。
「……まぁ、そういう事だ……早くセカンドボックスに行ってこい、ハナコ」
「は〜い♡」
ハナコがバットを持ってセカンドボックスへと向かう。
カキン!
「おっ!」
ハナコがセカンドボックスについた頃、打球音が聞こえる。
ボールはレフト方向へ飛ぶ。
「おっとっと、危ない危ない」
レフトが飛んだ球をグラブに収める。
「危ない危ない、ナイスレフトー!」
速球からの変化球を再び投げたスポーツ先生は変化球を打たれるが、何とかレフトフライに抑える。
ワンアウト、一塁。バッターハナコ。
「……バント!」
ハナコはバントの構えをする。
まずはこの子《ヒフミ》を二塁に進めようってことかな?
スポーツ先生はそれでも全力でボールを投げる。
「ッ!」
バットにボールは当たるが前には飛ばせず、バックネットに飛ぶ。
速いですね、ボールを目で追うので精一杯……でも。
ハナコはキャッチャー、イオリを見る。
それはあなたも同じじゃないですか……?
ボールはイオリのグローブから逸れてバックネットまで飛ぶ。それをイオリが追いかける。
ボールが逸れたうちにヒフミは二塁へと進む。
「や、やってくれたね……!」
スポーツ先生はここで気が付く。
全力投球をするリスクを、160kmの速球を封じるハナコの策に。
殆どキヴォトス人VS手加減してる大谷翔平みたいなもん。
実際、大谷翔平ってキヴォトス人と野球したらどうなるんだろ……?
って事で、次回はハナコの打席から〜
寿司を楽しむ男先生の名前アンケート
-
スポーツ先生
-
運動先生
-
楽しむ(楽)先生
-
体育会系先生
-
ヘアバンド先生