正月カヨコと正月フウカも欲しいし……
おい、ちと待てよ。
『ハイランダー鉄道学園の運行日誌』?
お前これシュポガキ実装のフラグか?
と言うことで、良ければお気に入り登録、評価、感想お願いします!
現在状況。
回 1 2 3 4 5
『ベースシ』 3 0 0 /
『SUSHI-TEC』 0 1 2
4回の表『ベースシボール』の攻撃。
2番セカンドの風紀委員が打席につく。
チームは同点に追いついた事で活気が増している。
しかし、下江コハルだけは違った。
チーム内で未だ活躍できていないことに加え、皆が点数を返してくれたからいいものを初回で3点を取られる失態をしてしまったことから来るプレッシャーは並のものではなかった。
ボールを握る手に力がこもる。
2番3番4番、この3人、特に3番と4番を無事に抑えられる自信は……ない。
1人でも塁に出せばスポーツ先生に打順が回るだろう。
もしそうなったら私は……
……敬遠するしか、ない。
下手に投げて打たれれば点が入るような強打者であるスポーツ先生とまともに勝負すること自体が得策じゃない。ならばどうするか?
簡単な話、打たせなければいい。
例え塁にでたとしても、スポーツ先生よりも後ろは今までの打者よりかは打ち取る可能性が高い。
これは勝つためなの……あの人のことだから『正々堂々と勝負しようよ!』と言ってきそうだけど……私たちは勝ちに来てるの。勝てるなら、何だってする。
コハルは次にスポーツ先生の打席が回ってきた時に敬遠をする選択肢をとることにする。
だけど、一つだけ引っかかることがある。
理解先生は『自分で考えろ』って言ってたわよね……きっとあの人は最善が『敬遠』なことくらいわかってるはず……何で私に『敬遠すること』に賛同してくれなかったの?
私は本当はどうしたいの?
「どうしたの?あの子ボーっとしてるよ?」
打席に立つ風紀委員がコハルのことを気にかけアズサに対して言う。
「……考え事をしているのだと思うけど……すまない、タイムを貰う」
「わかりました。タイム!」
アズサはコハルの元へと向かう。
「どうした、コハル?」
「な、なんでもない……ちょっと疲れただけ……」
「……そうか。何かあったら皆に言うんだぞ?」
「……ありがとう」
アズサはマウンドから戻っていく。
アズサが戻った所で試合が再開する。
コハルは2番をショートゴロで抑えることができた。
「ふぅ……これからね」
ワンアウトにはできたもののここから強力打線に入る。
素振りを何回かしたあと、バッターボックスに入った3番の風紀委員はコハルをじっと見つめる。
……!!
コハルはやけに強く視線を感じ、少しあたふたしたあとこっちもじっと見返してしまう。
な、なに!?何で見てくるの!?わ、私に何か恨みでも……!?
……!!
一方、視線を送る風紀委員も何か感じ取っていた。
さて、何を投げてくるんでしょうか……これまでは緩急のあるピッチングとカーブ……スポーツ先生よりかは劣りますが、コースが絶妙にいい。……何かあたふたしてません?……こっち見てきた……え?なに?なにか私の顔についてる?今頃サイン出してるはずよね?明らかに私のほう向いてるんだけど、私なにかした!?
……コハル?首を縦にも横にも振らないけど、一応見てる……よね?
絶妙なすれ違い。サインを見忘れるコハル。独特な緊張感の後にコハルは投球モーションに入る。
え、絶好球!
カキン!
真ん中高めの速球。このコースは得意コースだった。
コハルは高く飛ぶボールを見る。
ああ、また、打たれちゃった……。
コハルは崩れ落ち、へなへなと座り込んでしまう。
「ツーベース!」
3番風紀委員は自チームのベンチに向かってピースをする。
「……これは……流石にまずいな」
アズサは2度目のタイムを取る。
今度は理解先生のいるベンチに集まる。
「……先生、コハルのこの様子だとこのまま投手をさせるのは……」
アズサは言う。
「……いや、このままでいい。例え点を取られようともこのチームなら挽回することが出来る」
この場の全員が「ここで変えないの?」と思ったことだろう。見るからに精神的にも肉体的にも疲弊しているコハル。何故ここで変える選択肢をしないのか?それが分からずにいた。
「……ここで一つ聞くが」
理解先生は生徒達の目を見てから言う。
「お前らはあの男と正面から戦おうと思うか?」
その言葉に生徒は沈黙する。
「ここで変えたとしても、あの男を討ち取ることはできない。このあとの2人は必ず打ってくる。ここでお前らが取る選択肢、俺が導き出した最善は『満塁策』だ。これならあの男に負けはせずとも試合には勝てる。だが、奴の心は燃えないだろうな。『結果だけの勝利』、俺はこの中でコハルだけが『あの男に勝てる』唯一の生徒だと思っている。これはお前らを弱い生徒だと言っているわけじゃない。ただ、コハルは『アイツを前に逃げようとしてなかった』から続けさせる」
「……先生、私」
コハルは自分が言った少し前の発言を思い出す。
『先生……この回、もしスポーツ先生に打席が回ることになったら……敬遠、してもいい?』
「私も、スポーツ先生に勝てるなんて思って、ない……」
コハルは自分自身が過大評価されていることに否定的になっていた。
「そうか?」
「だって先生、私、さっき」
「本当に逃げようとしていたのか?」
「え?」
「俺にはあの時お前の言ったことが『勝てないことは分かってますが、勝負していいですか?勝てないことは分かっているので先生ご指示してくれたら敬遠します』と言っているようにしか見えなかったぞ?」
「……」
「俺はあそこで『敬遠しろ』『それがいいと思う』というのは簡単だ。だが、あえてお前の意思を尊重した。これはお前の意思の問題だ。何がしたいかはお前が決めろ、コハル」
「………………」
しばらくの沈黙。
その沈黙を破り口を開いたのはコハルではなく、ヒフミだった。
「コハルちゃん。私は物語はハッピーエンドが好きなんです」
「でも、結果良ければ全て良しのハッピーエンドじゃなくて結果を含めてのハッピーエンドが私は好きなんです」
「打たれたのなら私が、私たちがその分点を取ってみせます!だから、そんなに重く捉えないで私たちを頼ってください」
「ヒフミ……」
「……コハル、もう一度聞く」
「お前はどうしたい?」
「私は……勝負したい。例え勝てなくても、私の奥底にある何かが言ってる気がするの『変わりたい』って」
「それがお前の意思なら俺もコイツらも全力で協力するだけだ。いいな?」
「……はい!」
「コハルちゃんの意思もカタくなった事ですし、私たちの団結をカタめるために円陣でも組むのはどうですかぁ?」
「ハナコ……そうだね、そうしよう」
ハナコが言ったことにより、アズサも賛同し、チームが円を作る。
「絶対に勝つぞ!!!」
「「「「「「「「「「オー!!」」」」」」」」」」
そうして、生徒たちは再びグラウンドへと向かっていく。
……あの小柄なトリニティの生徒……表情が先ほどとは打って変わってるな、なんというか『決心がついた』ような……
打席に立つイオリはコハルを見てそう思った。
コハルから投げられた一球目、ストライクゾーンに入ってくるボールにイオリはバットを振る……がボールはキャッチャーのミットの中に収まる。
「……速い!?」
なんだ!?さっきまで精々130あるかないかってところだっただろ!?一気に球速が上がった!これじゃ、これはまるで……
イオリは一人の男の影がコハルに重なる。うしろに控える
「気付いたようだね、寿司の秘密に。やっぱりあの子は有望株だ」
スポーツ先生はコハルの投球を見ながら言う。
「『意思の固さ』『想像力』このゲームでの投手における最大の武器に!」
もう拍手してしまいたいほどに先生は舞い上がっていた。
「ごめん先生、アイツ、さっきよりも速くて鋭い球を投げてくる」
「うん、あの子は『変わろうとしている』、僕という壁を前に!きっと今は蛹なんだ。僕が孵化させてみせる」
「何言ってんだ先生。いつから戦闘狂になった?いや、戦闘狂だったな、この変態勝負狂は」
「はは、じゃあ打ってくる」
サラリとイオリの発言を流し、スポーツ先生はバッターボックスの中に入る。さながら魔王のようなプレッシャーが『SUSHI−TEC』の中に流れるが、コハルの目には勝負の炎が燃えていた。
「さあ!二回戦目だ!」
今度もスポーツ先生はホームランの構えを見せる。
コハルは一度深呼吸をしてからボールを握る。
コハルの目の奥には『固い意志』が宿っていた。
「勝つ、この人を討ち取って初めて変われる気がするの」
コハルは胸の奥にある『なにか』を燃やす。
「やっぱり!
スポーツ先生もまた、この『なにか』を燃やしているのだった。
次回で決着させるつもり。
野球編終わったらどうしようか考え中……カオスはこの先に取っておくぜ!次回を含めると六話分のカオス……どうなるんだ……!?
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