そろそろ寿司を食べないと◯ぬ先生   作:カンキツ蜜柑

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 セイア!セイア!
 リオ!リオ!

 今回文字量、寿司要素少なめにござる。申し訳ない。


アリウス、人間の欲という欲を満たす。

 欲とは動物に備わったものである。

 

 代表的なのが『食欲』『睡眠欲』『性欲』。

 

 アリウス自治区と言う過酷な場所にいたアリウス生徒たちには欲を欲する気力もなかった。

 

 

 だが!!!

 

 

 先生たちに救われ、衣食住すべてが人並みにそろったアビドスに来たことにより、彼女たちの価値観は一変する。

 

 睡眠欲は勿論、性欲は……人によるけど、彼女たちの最も大きかった欲は『食欲』だった。

 

「お腹が空いた」

 

 腹が減るなら、欲しいものがあるなら──

 

 ──稼いで買えばいい。

 

 今まで悪い大人に搾取されるだけだった子供は稼ぐ力と稼いだお金を使う、『使い道を模索する自由』を手に入れたのだ。

 

「また、あのラーメンが食べたい………!」

 

 子どもたちが初めての欲に戸惑いつつも今まで蓋をされていた欲は決壊したダムのようにあふれ出てくる。

 

 その欲は働く原動力となり、彼女たちを今まで以上のパフォーマンスに繋がったのだ。

 

 その結果……。

 

 

「わ、わずか1週間でアビドスがきれいに整備されるようになってしまいましたね……!」

 

 なんということでしょう!

 

 あんなに砂に汚れ、歩く度にジャリジャリ音を鳴らしていた廊下が床に砂の一粒もないほどに綺麗に整備されているじゃないですか!

 

「アリウスの皆さんのおかげ、ですね☆」

 

「ん、それもあるけど一番は彼女たちをここに呼んでくれた先生のおかげ……ありがとう、先生」

 

 シロコは寿司を愛する先生に感謝を述べる。

 

 それに続くように他の対策委員会の面々も感謝を述べていく。

 

「俺は!寿司が愛されるのならそれに越したことはないぜ!愛してるぜ!寿司ぃぃぃ!!!」

 

 素直な感謝の気持ちに斜め上の回答をする寿司を愛する先生。

 

「うへ、先生はいつも通りだねぇ」

 

 いつの間にか5人だけのアビドス高校が3桁を超えるようになってしまった。以前と比べたら当に快進撃といったところだろうか。

 

 だが、まだここで終わりじゃない。

 

「戻ってきた。今日は25人……そろそろ人数も増えてきたことだし、次に行こう。先生、小鳥遊ホシノさん」

 

 第二フェーズ『侵食』

 

 これまでアリウスから半ば誘拐してアビドスに連れてきた彼女らを一部だけ戻していく。

 

 勿論、ただ自治区に戻すわけではない。

 

「いいか、お前たち!今日からA班とB班はアリウス自治区に戻ってもらう!自治区ではできる限り以前と分からないように過ごすこと!くれぐれもベアトリーチェに勘付かれることのないように!」

 

「「「了解!」」」……「また戻るのかぁ……」

 

 アリウス生徒たちはやる気十分といった感じだが、中にはあの環境に戻りたくないと思っている生徒もいる。

 

「何か問題があった?」

 

「いや……今の生活を知ってあそこに戻れる気がしなくて……私、もうあの顔を思い出したくない……」

 

 普通を知らなかった子供は普通の少女の価値観に触れてしまった。ツバサと同じ年齢の少女がもう一度あの価格で残酷な場所に戻りたくないと思うのも無理はないだろう。戻りたくないとつぶやいた彼女の頭の中にはあの赤い顔と無数の目がちらつく。

 

「怯えているのね」

 

「……当たり前よ」

 

「……でも、やるべきなの。私やリーシャ達は顔が知られているけどあなた達は違う、だからお願い」

 

 ツバサは優しく諭す。

 

「……そう、だよね。ありがとう、踏ん切りがついたよ」

 

「ありがとう」

 

 アリウスの一生徒はその後アリウス自治区に戻る隊の下へと戻っていった。

 

「……」

 

「どうしたの、隊長ちゃん?」

 

「小鳥遊ホシノさん……」

 

「そんな堅苦しい言い方じゃなくていいよ、ご飯の時もそう言ってたけど言いづらくない?君ももう時期私の後輩になるんだからさ、『ホシノ先輩』でいいよ」

 

「……ホシノ先輩」

 

「うんうん!それで、隊長ちゃん……ツバサちゃんは何か悩み事かな?おじさんが聞いてあげるよぉ〜?」

 

「……できるなら、私があの子たちの代わりにアリウスに潜れるなら……」

 

「あ〜、顔が割れちゃってるからねぇ」

 

「ここに来て、私なんかの力でどうにかしようとしてもどうにもならないことが多すぎることに気付いたの……それがなんだかもどかしくて」

 

「……」

 

「ホシノ先輩や先生ほどの力があればまた話も変わってくるのかもしれないけれど……」

 

「え?おじさんも?」

 

 ツバサはホシノが戦闘をするところを見たことがないはず……なのにどうして?とホシノは内心思う。

 

「見たときから思ってたんだけどかなり動けるわよね?」

 

「……よく見てるね」

 

「戦闘の基本です」

 

 ホシノは一度上を見上げる。

 

「?」

 

 ツバサも見上げるがここは学校内。あるのは天井だけだった。

 

「私にもできなかったことはたくさんあるよ。この世にはどんだけ力を持っていても、どうあがいても自分にはできないことがある……」

 

 ホシノはかつての青春の記憶を思い出す。ケンカ別れの最期、間違った選択、二度と帰ってこない青春……

 

 ホシノは顔に出すことはなかった。少なくともホシノはそう思っていた。ホシノは数秒の沈黙の後、またにへらへらとした態度でこう言った。

 

「まぁ、できないことがない人がいるとすればそれは先生だけだろうね」

 

「……そうかもですね」

 

「う〜ん、この話はここで終わり!そろそろアリウス潜入組が出る頃合いだから、見送りに行こう!」

 

 

 ホシノとツバサは夜のアビドスの校門へと向かった。

 

 そこにはアリウスに戻る生徒たちとそれを見送る対策委員会と残ったアリウス生徒たち。

 

「みんな、中継地点にいる神父先生とアクアスクワッドから情報を仰いだ後に自治区に侵入するように。健闘を祈る!」

 

 ツバサが激励を送る。一瞬、アビドスに騒がしさがやってきて、少しして静まる。

 

「……行ってしまいましたね」

 

 アヤネがツバサに声を掛ける。

 

「……そうだね。で、一つ気になるんだけど先生は?」

 

 先ほどから先生の姿が見当たらない。

 

「あれ?ご飯時までは居たんですけど……どこへ行ってしまったのでしょうか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 とある地下。

 

「……なにやら外が騒がしい気が……いや、あり得ない、気の所為気の所為……」

 

 ドカーン!(扉の壊れる音)

 

「は!?」

 

「誰だお前ぇ!?」

「誰だお前はッ!」

 

 何故か今、先生はゲマトリアの問題児、地下生活者と対峙していた。




 アビドス3章が消えていく音が……

ユメ「出番が消えました」

ハイランダー「同じく」

地下「ゑ!?」

 本来であればまだ先生を知らない地下生活者さん、未来は如何に……




 作者都合で次回も少し時間が空きそうです……申し訳ないですー。

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